>>143の続き
「…あさ美…あさ美!起きてってば!」
誰かに肩を揺り動かされ、私は重い瞼をあげた。
焦点が定まらない目を向けると、
「もう起きないと間に合わないよ!」愛ちゃんだ。
私は枕元の携帯電話を手探りで探し当て、ディスプレイを見た。
写メールで撮ったみんなの写真の待ち受けに重なって『3:14』という表示が見えた。
「なんでこんな早くに起こすのぉ〜」
2度寝しようとした私の顔を、愛ちゃんは今度はペチペチとたたき始めた。
「何言ってんの?今日だよ!富士山!」
あ…思い出した。
この間の24時間テレビ。
「最後の1合だけ登れなかったんですけどみんなといっしょに頑張ってこれたんでとって
もうれしかったです」
「麻琴ちゃんも、普段と違う経験したかもしれないね」
「そうですね。みんなで協力して登れてうれしかったです」
「小川さんも、途中で体調を悪くなりかけたりしましたからね」
「ご心配おかけしました」
「よっかたなぁー」
「心配だったんで、すごいうれしいです」
その夜。私たち4人は里沙の家にみんなで泊まった。
北海道、新潟、福井と、みんな家が遠いので、彼女の家でお泊まり会をすることがあるのだ。
言い出したのは、やっぱり愛ちゃんだった。
「ねえ!今度の休みに、みんなで富士山登らない?」
8月末の2日間のお休みの事だ。その2日目を使って、みんなで再挑戦しようという提案に、
今回涙を呑んだ2人は直ぐに賛成した。もちろん私も。
今日はその当日だ。
「早く!2人とももう準備してるよ!」
「うん。わかった」
「着替えたら朝ご飯食べてね。用意しておいたから」
「は〜い」
ちなみにここは富士山の麓の貸バンガロー。
昨日の夜、みんなでここに来た。
今回は、完全にプライベートなので、大変だった。
従兄弟の山岳部に入ってるお兄ちゃんにいろいろ聞いたり、富士山の情報を電話で調べたり。
そんな経過や、24時間の時の里沙や麻琴の涙を、私は思いだしていた。
たった今、愛ちゃんに急かされたのに、私は何となくここまでやってきたことを振り返っていた。
209 :
中学生日記:02/08/19 20:14 ID:27TnvlSF
放課後になると、すぐに部活に教室を出ていってしまうタケちゃんが、
私は好きだった。
いつからなのか思い出そうとしてもはっきりとはわからない。
思い出すのは入学式の次の日、げた箱で目が合ったこと。
みんな中学の制服がまだ馴染んでなくて、着られてる感じだったのに、
上ばきをはいているタケちゃんは、どこかしっくり似合ってた。
靴をしまいながらなんとなく横目でタケちゃんの背中を見ていたら、
はき終わったタケちゃんが振り返った。
目が合って、タケちゃんは少し私をにらんだ気がした。
私はドキドキしながら、でも「嫌われた」と思った。
目が合わなければ良かったかな、と思った。
教室ではタケちゃんの斜め後ろで、
気が付いたら毎日タケちゃんの背中を見てた。
タケちゃんは名字が鈴木で、クラスに3人鈴木がいるので、
下の名前から取ってみんなにタケちゃんて呼ばれるようになった。
先生にも「タケ!」と呼ばれていた。
私は男子には「紺野」女の子には「あさちゃん」「あさ」と呼ばれてる。
>>177の続き
控え室に来たスタッフの方が
「じゃぁみんな、ステージに出てる準備して」
と指示を出す。
ドクンッ、と心臓が波打つ。緊張のし過ぎで頭が軽く痛い…
『帰りたい…』
率直な気持ちだった。
それでも帰るわけにはいかない。
効かないと分かってても、手のひらに人と書いて飲み込む。
ステージが近づくに連れて、私の顔は前より暗くなっていく…
「じゃあここで待機してて下さい」
そう言われて袖まで案内された。出番が来るまでの時間がやけに長く感じる。
収録本番が始まった。
大音量の伴奏の中、モーニング娘。さん達が歌を歌う…
上手だ。歌もダンスもここにいる誰もが敵わないと思った。
みの「それでは第五期追加メンバー最終候補生の皆さんに出てきてもらいましょう」
−−ついに来た。
これから奇跡が起こるとも知らず、ステージに上がった。
ステージに上がると、そこには沢山の人が居た。
観客の人、司会のみのもんたさん、そしてモーニング娘。…
みの「この中から…」
みのもんたさんが番組を進行させる。
これから起こることは私とは何の関係もないこと…
番組の進行そっちのけで、これからは二度と直に見られないであろう、
モーニング娘。のメンバーをじっと見ていた。
211 :
中学生日記2:02/08/19 20:15 ID:27TnvlSF
入学して半年のある日、男子が私を「コンちゃん」と呼んでからかった。
私はなんのことだか分からずに、きょとんとしていたけど、
男子の雰囲気から、いやらしいことなんだろうと思った。
「コン」てなんだろう?と一日悩んだ。
放課後廊下で、からかった中にいた上田が
「コンちゃん、忘れるなよ!出来ねーぞ!」と私に叫んだ。
昼は友達が言い返してくれたけど、今は一人。
いやだなあと思った。
「おい、コンちゃん、一番いいのってなんていうコンちゃんなの?」
上田はなんだかしつこくて、きらい。
「知らない」
怒った顔で言い返しながら、少し涙が出てきた。
廊下の先をタケちゃんが歩いてるのが見えた。
聞こえてないといいなあ。
こういうとこ、見られたくない。
そう思うともっと泣きそうになって、下を向いて歩いた。
上田はまだなんか言ってる。
前がふっと暗くなった。
「お前、紺野じゃなくてB組の近藤、からかえば?」
顔を上げるとタケちゃんが立ってた。
「あいつはつえーぞ」
タケちゃんは、怒ったような顔をしてた。
「何おまえ、紺野好きなの?ばかじゃねーの」
そう言うと、上田は教室に戻っていった。
タケちゃんは上田が居なくなると、
「んじゃね」と言って走って部活に行ってしまった。
212 :
中学生日記3:02/08/19 20:16 ID:27TnvlSF
お礼、ありがとうって言えなかった!
と、一瞬置いて気が付いたけど、もうタケちゃんは見えなくなっちゃってた。
家までの帰り道、見上げたタケちゃんの顔をひとつずつ思い出しては、
恥ずかしかった。
口元にニキビがあった。
うぶげみたいなヒゲが生えてた。
お風呂に入っているとき、急に
「おまえ、紺野好きなの?」と上田が言った事を思い出して、
またドキドキした。
上田の言うようなことに動揺するなんて、バカだ。
でも。
タケちゃんは助けてくれた。
それだけかも知れないけど、でも。
教室でタケちゃんと目が合うと、私はその日一日しあわせでいられる。
そのことにやっと気が付いた。
私はタケちゃんが好きなんだ。
上田、それは違うよ。紺野がタケちゃんを好きなんだよう。
急になんだか切なくなって、
お風呂に顔をつけて、ぶくぶくいつまでもやっていた。
うp終わったんかな?割り込んでスマソ・・・
214 :
212:02/08/19 20:25 ID:27TnvlSF
こちらこそごめんなさい!
終わりました。
>>214 書くときは一応sageとこ
小説スレだし
216 :
214:02/08/19 20:33 ID:27TnvlSF
があ、重ね重ね失礼を致しました。
初かきこみなもので。
オーディション編イイ!
キターーーーーーーーーー!(^o^)/
219 :
名無し募集中。。。:02/08/19 23:47 ID:vZSdevDZ
>>202 24TV見て感動したので
この小説は凄くいいです!
ぜひこのまま続けてください。
頼みます!m(_ _)m
220 :
219:02/08/19 23:49 ID:vZSdevDZ
間違ってageてしまいました。
すいません!m(_ _)mm(_ _)m
>>216 いいですねぇ・・・「中学生日記」
これからもよろしくお願いします
222 :
名無しの:02/08/20 06:56 ID:opN2ehmN
このスレいい!
223 :
うん:02/08/20 07:31 ID:2R0NKnUh
あさみちゃんに顔面シャワーして〜。
昔話編の続き、誰か書いてくれないのかなあ・・・
225 :
名無し募集中。。。:02/08/20 18:50 ID:AycI53uC
紺野たん最高ー!
226 :
名無し募集中。。。:02/08/20 23:16 ID:tgurECLg
保全age
更新期待!
『むかしむかし あるところに おじいさんと こんこんが いました。
こんこんは こんこんアタックという パソコンをいじめる・・・・・』
・・・違う!
『むかしむかし あるところに おじいさんと こんこんが いました。
本当は おばあさんが いるはずなのですが こんこんが 食べちゃったので
いないのです・・・・・』
・・・違うと思うのれす。
『むかしむかし あるところに こんこんという娘っ子が おったそうな。』
・・・お、ちょっといいかもしれない!
『娘っ子は モー娘。っちゅう娘っ子たちの仲間になりたくて おでんを食べ
・・・いや、おでしょんを受けたそうな。』
・・・わ、わるくないかも。
『おでしょんでは おねしょを しちゃ いけねっしょと おねーしゃんが
おっしゃるので・・・・・』
・・・違うべさ!
『むかしむかし あるところに 智弁和歌山という娘っ子が おったとさ・・・・・』
・・・違うに違いない!
『昔々 某所に 祖父と コングコングが 居た。コングコングは キングコングの
娘だったため・・・・・』
・・・違うことを希望します。
231 :
名無し募集中。。。:02/08/21 18:54 ID:Tgoc347d
このスレの小説は
いろんなパターンがあるな。
232 :
名無し募集中。。。:02/08/21 23:48 ID:dRafvN9b
神希望!
そんな中、私は川へ向かいました。毎年お盆に来た時に泳いでいた場所です。
別に泳ごうと思ったわけではなく、なんとなくそこに足が向いたんです。
川では、地元の子らしき子供達が何人か泳いでいました。
私はそこから少し離れた川原に座って、それをぼんやりと眺めながらボーっとしていました。
それは、私がなんとなく川を流れていく木の葉に自分を重ねてみていた時の事でした。
「ねえ。」
後ろから女の子の声が聞こえました。
「ねえ。」
二回目で、自分が呼ばれていることはわかったのですが、
びっくりしたのと緊張で振り向けずにいました。
「ねーえ。」
三回目でようやく振り向いた私の目に映ったのは、同い年くらいのかわいらしい女の子でした。
「ねえ、どこから来たの?何年生?」
「あ……、北海道から。四年生……。」
答えながら私は、この近くの小学校は、
生徒が全学年で二十人くらいしかいなかった事を思いだしました。
つまり彼女達にとって見たことない子はどこかから来た子なんです。
「じゃあ私の一つ下だね。それより、一緒に遊ばない?」
「え?」
みると、女の子の向こうで、五人くらいの子供達が川から上がって着替えていました。
「うん……。」
返事をしたとたん、彼女はぱあっと顔を明るくし、
私の手を思いっきり引いて仲間が待つ所まで駆け出しました。
私は、苛められるようになってから、人に話し掛けることがなかなか出来なくなっていました。
話し掛けられても、最低限の言葉しか返しませんでした。
嫌われるのが怖かったからです。
でも彼女は私のそんな思いをするっと通り抜けてしまったように思いました。
「ねえ、一緒に遊ぶってさ!」
「ほんと!? よし、じゃ空き地行こう!」
「じゃ僕ボール持ってくる。」
それはもう、北海道にいた時とは世界が違うようにすら感じました。
初対面の子に、『一緒に遊ぼう』なんて言う事は絶対に札幌ではしなかったし、
団結力みたいなものがあるように感じました。
それと同時に、苛められていることがバカらしくも思えました。
237 :
236:02/08/22 03:13 ID:NPbgRZaX
238 :
235:02/08/22 03:17 ID:W7yMVWnA
>>237 あーすいません。こんな夜中にすぐ来てくれるとは思わなかったんで。
239 :
236:02/08/22 03:24 ID:NPbgRZaX
>>238 これからは直前チェックを行なって慎重に行ないますので。
自分でされても勿論OKですよ。
240 :
名無しの:02/08/22 06:57 ID:JKWlM2pu
保全sage
241 :
名無し募集中。。。:02/08/22 18:42 ID:1EGn01JI
ここは最高ー!
242 :
235:02/08/22 21:12 ID:Iq9Ri6aP
243 :
名無し:02/08/22 23:09 ID:OSetZIb7
保全age
244 :
名無し募集中。。。:02/08/23 00:45 ID:jlb64/9R
245 :
毒:02/08/23 00:46 ID:lfnxkTzo
ガラスの靴もはいんねえくせによ
sageでも保全されるので保全の際もsageましょう。
あと保全しすぎじゃ・・・(w
247 :
名無しの:02/08/23 06:57 ID:evoheyuB
保全sage
248 :
:02/08/23 10:12 ID:jlb64/9R
新たな物語始めたら怒られますかね?
同時進行で書かせてください。
最初は、あの人との接点なんて、何もないと思っていました。
金髪の中学生、デビュー。
……知っています。
女の子3人組、日本一の記録樹立。
……知っています。
教育係のその人の卒業時に、大泣きしたしたこと。
……知っています。
ソロデビュー曲が、オリコン1位を飾ったこと。
……知っています。
そして、あの人が。
わたしなんて足元にも及ばないような可愛らしい彼女のことを好きでいることも。
………知って、しまいました。
ねえ、後藤さん。
わたしはずっと、あなたに憧れていました。好きだとか嫌いだとか、そんなんじゃ
なくって。本当に、とても純粋な気持ちで憧れていました。
あんな風に笑えたら。
あんな風に踊れたら。
あんな風に歌えたら。
あんな風に、周りの人達に認められることが出来たなら。
いつからだろう、この気持ちが憧れなんてものじゃなく、
「好き」って気持ちに変わっていたのは。
いくら勉強しても、その感情を上手く説明することは出来ません。
後藤さん。わたしは、あなたのことはきっと、あなたが覚えていないようなことでも
知っています。幾らでも、話すことができます。
だけど、あなたは。
そんなわたしの気持ちも知らないでしょう。
そんなわたしに対する興味なんて、彼女に向ける気持ちの欠片もないでしょう。
それでも、夢見がちなわたしは。
小さな頃からまるで成長していないわたしは。
こんなわたしでも、側にいればいつか。
いつか。
――― わたしにも、目を向けてくれるんじゃないかって。
淡い期待を抱いていたりもするんです ―――
不器用な恋心は凄くイイ!
256 :
名無し募集中。。。:02/08/24 00:30 ID:qC12Z+N3
オーディション編の続き希望!
夏の終わり。
一夏の恋をした人もいるだろう。
外国でのんびり過ごした人もいるだろう。
ずっと家にひきこもった人とかもいるだろうな。
気がつけばいつのまにかセミの鳴き声も消えて、涼しい風が吹き始めていた。
そのおかげですごしやすくなり、扇風機だけで机にむかっている。
毎年のように机の上につまれる宿題の山。
来年こそは…と思っていたのだが、やはり無理だった。
とはいっても、まだ今から普通に頑張れば終わる日付。
忘れかけた数学の解き方を思い出そうとしていた時、
ふと俺は今年の夏休み、いったい何をしてすごしたのかと考えてしまった。
「なんか…もっと目標とかたててなんかすれば良かったなぁ。」
歴史は繰り返すってこーいう事なのか?
そんなくだらない事を考えていると、ラジオから歌がながれてきた。
駄目な自分を愛せはしない
強く生まれ変われ
やると決めたら背伸びはしない
体一つでぶち当たれ
なんだか凄く心に響いた。
すっかり数学の宿題の事なんて忘れて、
中学入ってからの事、夏休みにあった事、そしてこれからの事を
無意識に考えこんでいた。
「喉かわいたな…」
喉の渇きと、少し鬱な気分を変えるために、台所へむかった。
家族はすでに寝ており、電気は自分の部屋以外消えていた。
なんだかんだいって受験生なので、最近は寝る時間も遅くなるくらい勉強している。
ということにしているのだが、実は勉強をしている事は少なく、
ネットをしていたり、ラジオを聞いたり、深夜番組を見たりしていた。
冷蔵庫を開けると、残っていたはずのジュースはなくなっていた。
「ふぅ。」
夜風に当たるのも良いかなと、近くコンビニにでかける事にした。
やっぱ主人公がこんこんじゃないと駄目ですよね?
シンデレラになってゆくこんこんを見て…
という感じにするつもりなのですが…
続けてと言ってくれる人がいるなら、
続きを書いてくつもりです。
続けるな
>>259、
>>260 私はそういう視点からの作品があっても良いと思います。
多様な小説が並ぶこのスレに相応しいと思います。
何の問題もないと思います。
コンビニに入ると、いつものように今流行の歌が流れていた。
Do it! Now あなたが持ってる未来行きの切符
夢は叶うよ絶対叶うから
行こう
なんだか…、日付の変わった今日という日は、俺に何が言いたいんだ?
と内心腹をたてていた。モーニング娘。ねぇ…
ぶっちゃけちょっと顔が良いだけじゃん。
最近話題になる事も少ないし。
世の中不公平だよなぁ。
生まれた時から人間は平等じゃない。
顔が良いだけで生きてけるやつは生きてけるもんなぁ。
‘ああ一生忘れない’
とか思っていたのに、頭の片隅で、紺野は可愛いくなったなーとか思っていた。
最近歌番組を見た時、こんな可愛い子いたっけとよく見て確認した覚えがある。
やっぱり人間こんなもんかなと心の中で微笑していた。
コーラとスナック菓子を買い、コンビニからゆっくりと家にむかって歩く。
夜風にあたりながら、数学の公式を思い出していた。
ええ?タイトル?
シンデレラに憧れて(現在)
で良いですか?
265 :
名無し募集中。。。:02/08/24 11:02 ID:V+wIP79a
267 :
名無し募集中。。。:02/08/24 14:11 ID:L2rGXCKp
268 :
名無し募集中。。。:02/08/24 18:26 ID:dpIu6t6L
シンデレラに憧れてキターーーーーーー!
269 :
名無し募集中。。。:02/08/24 21:01 ID:4su+AVmB
現在編の更新期待。
>>266 それで良いです。
良ければみなさん、下手文章に指摘をください。
あと、主人公の男が嫌いな人、感情移入できない人は、
その理由も教えて下さるとありがたいです。
>>263 夢を見た。広い広い草原に、一本道がずーっと続いている。
凄いと思った。大陸なみの広さだ。
後ろを見ると今度もまた見事な海だった。
自分の2、3歩後ろは1メートルくらいの砂浜が広がっていた。
明るくて、凄く良い景色なんだけど、なんだろう…寒かった。
風がひんやりと冷たくて、半袖のTシャツの俺は鳥肌が立った。
突然声が聞こえてきた。低くて、威圧感のある声。
「気をつけな。災難ってのは、突然ふりかかってくる。」
意味がわかんなかった。
「はあ?」
俺が言った直後だった。いっせいに、これでもかという音量で、
凄く高いトーンの叫び声が聞こえてきた。
異常なまでの不快感が一気にこみあげてきた。
そこで目が覚めた。ただ、おきた瞬間に今見たばかりの夢を忘れてしまった。
「ねえねえ、まこっちゃん聞いて。私今日変な夢見たの!なんか恐いおじいさんに、
急に人生観について話されて、
あんまり恨まれる事はするなよ。まきこまれるぞ。気をつけな。(声真似)
とかなんとか言われて、むかついて大きなお世話って叫んでやった…」
「え〜!?私もその夢みたよ!なんか広いトコにいて、急に声が聞こえてきて!
私も叫んでやったよ。そんな事してない!って。」
「えー!?こんな事ってあるもんなの?恐っ…。
もしかして正夢かなんだったりして?」
「変なおじさんにコンサートで説教くらうとか?(笑)」
「あはは(笑)でも正夢ならきっとそんな感じになるんだろうねー。」
高橋は移動のバスの中、大声で笑った。加護と辻は前で別の話をして、
大声で笑っていた。話そう話そうと思っていた紺野は、
二人の会話が一段落終えたところで高橋と小川に話しかけた。
「あ…私もそんな夢見たよ。」
「ええ!?あさみちゃんも見たの?わたしだけ見てない…なんかヤダなぁ。」
四人の中で唯一、新垣はその夢を見ておらず、へこんでいた。
そんな新垣をみて小川は話しかけた。
「あはは(笑)別に良いじゃん。きっと何かの偶然だしさ」
「そうそう。メンバー全員が見てたりしたら気持ち悪いもん。」
高橋が続けて慰めた。
>>206-207の続き
「わあ綺麗!」
小屋から一歩出た私は思わず声をあげた。
まだ暗い空一面に星が散りばめられていた。
都会ではまず見られないその景色に、うっとりと見とれた。
つい北海道が懐かしくなる。
――いつだったろうか。友達とキャンプに行ったときの星空に似ていた。
山の頂上で見るともっと綺麗なんだろうか…。
「あさ美?起きたの?」
早々に荷物をまとめ始めている麻琴が言った。
「うん。きょう頑張ろうね!」
「今度こそ頂上行ってみたいんだ。あさ美もしっかりね」
山での食事は高カロリーの物が意識されているので、今朝は煮込みうどん。
従兄弟に聞いたところ、朝からラーメンなんかを食べることもあるらしいが、
さすがに…ということで、愛ちゃんが提案したものだ。
今回食事は愛ちゃんの担当で、昨夜も手作りのカツ丼(もちろんソース)が
とても美味しかった。今朝のうどんも格別で、料理下手な私は、なんとなく羨ましかった。
「遅くとも4時半には出たいから。それまでに荷物まとめてね」
「うん。愛ちゃん。これすごく美味しいよ」
これを食べて、片づけて、荷物をまとめて、1時間で終わらせないと。
さんざん小屋を散らかしてしまっているので急がないと。
ふと見ると、麻琴と里沙が「頑張ろうね」と、やっているのが目に入った。
――大丈夫。運動には自信あるし、絶対頂上まで行ける。
私は自分に言い聞かせると、残ったうどんの汁を口の中に流し込んだ。
勝手に
川*’ー’川…料理人
川o・-・)…料理下手
って設定にしちったけど、本当のところはどうなんだろう…
夜間〜深夜にかけて新しいほうから、かなりのレスへの
リンクが出来なくなるようです。その場合は、アドレス欄の
一番右の数字のみを変更してやってください。今現在ですと
276にします。そうしますと、レス番号276だけが表示されて
全てにリンクされています。
278 :
名無し募集中。。。:02/08/25 10:57 ID:NWGa5WrK
現在編キターーーーーーー!(^o^)/
オーディション編の更新期待。
>>271-272の続き
「そうだけど…加護さ〜ん」
新垣の呼ぶ声に、辻と話していた加護は顔だけふりむいた。
「なーにー?」
「今日夢って何みましたー?」
「えー?夢?…うーん、うちは覚えてないなー。ののはなんか見た?」
加護はきょとんとした表情で、辻に話しをふった。
「んー、ののはね、今度のハロモニでゲームに勝って、いっぱい食べ物を…」
「なんや、また食べ物の夢かいなー(笑)」
加護がにこっと笑うと同時に、車内が明るい笑い声につつまれた。
「そんなんやから太るんやで〜(笑)」
「良いじゃん!夢じゃ太らないんだし!あいぼんの馬鹿〜!!(怒)」
「そうだよねー。私たちもそういう夢見る事あるし。ねーまこっちゃん♪」
高橋は自然に、なおかつ抜群のタイミングでフォローをいれた。
紺野と新垣は、やっぱ愛ちゃんは凄いなと、心の中で見直していた。
「結構あるんだよねー。
で、起きてから夢で食べてたもの食べちゃう!(笑)」
小川も高橋のフォローにのって、笑顔で答えた。
実は、ちょっと気になる事を言ってしまったのだが、
別に嫌な気分にはならない。高橋は、自分をけなすために
言った訳では無いと、わかっているからだ。
「でも、三人が同じ夢をみるのって十分気持ち悪いと思う…。」
一番後ろで、新垣と座っている紺野が会話をもとに戻した。
「だよねぇ。何かあったらどうしよう。」
少し弱気な小川に、高橋は笑顔で答える。
「大丈夫、全然幽霊とか関係なさそうだったもん。」
「あれやないの?まこっちゃんと愛ちゃん、同じベッドで寝て、
あーしたりこーしたりとかしてるから同じ夢を…(笑)」
笑いながら茶化してくる加護に、小川は顔を真っ赤にして否定した。
「そんな事ないもん!」
「私たちの愛は永遠だもんねー(はーと)」
高橋はまるで気にしちゃいなかった。
それどころかほっぺたにキスをしようとしてくる。
「もうっ!やめてよ愛ちゃん!!(笑)」
小川は高橋のほっぺたをぐいとおしのけた。
車内はまた明るい笑い声につつまれた。
皆がそんなやりとりをしている間、紺野は不安な気持ちでいっぱいだった。
感じたのは自分だけなんだろうかと。あの妬みの視線のようなものを。
訂正:最後の一文。
夢の中での、あの妬みの視線のようなものを。
283 :
名無し募集中。。。:02/08/25 19:06 ID:UBOgN2Fl
シンデレラに憧れては結構イイ!(^-^)
285 :
名無し募集中。。。:02/08/25 21:48 ID:yeYZqidv
このスレの小説の種類は
始めのころにくらべでかなり増えたな。
後藤さんの視線に気付いたのは、些細なことがきっかけでした。
―――
昨年も行われた「モーニング娘。のミュージカル」。
それは今年もまるで当然の流れのように開催されることになり、もちろんわたしを
含め昨年の8月に加入した第5期メンバーにとっては、初めての経験でした。
「すごいねー、アタシ達もやるんだ、ミュージカル!」
麻琴ちゃんは、いつものように明るい口調で言いました。底知れないほどエネル
ギッシュな彼女は、わたし達4人のムードメーカーです。ダンスが得意な麻琴ちゃ
んは、舞台やコンサートが人一倍好きだと公言してるのです。
「あたし何の役かなぁ」
早口でぼそりと呟いたのは、年長の愛ちゃんです。彼女の独特な言葉の訛りは、
どことなく雰囲気を和ませる力を持っているように思います。何でも器用にこなす
愛ちゃんなら、どんな役でもものにしてみせるのでしょう。
「安倍さんと一緒にできるんだぁ、楽しそうだなぁ。嬉しいな」
目をきらきら輝かせながらそう口にしたのは、最年少の里沙ちゃんです。彼女は
全面的に安倍さんの崇拝者でした。純粋に、誰に憧れていると口に出せるのは、
彼女が幼く、素直であるが故でしょう。少し、うらやましくも思えます。
「ねえっ、あさ美。ホント、どんどんあたし達も活動の枠が広がってくね」
「…そうだね……」
麻琴ちゃんが嬉々として話し掛けて来てくれるのには気付いていましたが、わたし
の意識は残念ながら彼女には向けられていませんでした。
生返事を返しながら、わたしは後藤さんをただ見ていました。
( 後藤さん、何だか眠そうだなー )
( 鼻高いなぁ、うらやましいなぁ。カッコいいなぁ… )
この時まだ、わたしは自分の気持ちに気付いてなんていなかったんです。後藤さん
を見ていたのは、正直その端正な横顔に見惚れていただけであって。
そう、例えるならば、手の届かない憧れの先輩をこっそり盗み見ているような、そん
な感覚と思ってもらえれば間違いないでしょう。
そこに複雑な感情などは生まれていませんでした。
少なくとも、そのときはまだ。
だから、そのとき。
後藤さんを見ていなければよかったんです。
そうしたら、何も気付かなかったのに。何も気付かず、ただ平穏に時は流れていっ
たはずなのに。
……ううん、きっと違う。
遅かれ早かれ、わたしはきっと自分の気持ちに気付いていたでしょう。そして、その
瞬間こそが、この時この場所から始まったのであって………。
ともかく、わたしが後藤さんを見続けていたその視線の先に、全ての始まりが存在
していたんです。