独りでいることが多かった私は、いじめられることに多少の免疫がついていたのかもしれません。
最初はどうって事ないような顔をしていました。
しかし、それがいけなかったのか、いじめはどんどんエスカレートして行き、
ついに私は不登校になってしまいました。
それほどまでにいじめは酷いものだったのです。
具体的にどんなことがあったかはここには書けませんが。
幸いにも、私が学校を休み出したのは七月初め、もう夏休みが目の前の時期でした。
結局私は通知表をもらいに行くこともなく、夏休みを迎えました
夏休みに入ってすぐ宿題を済ませた私は、
母親の提案で、一人福井にあるおばあちゃんの家に向かいました。
おそらくは自然に触れてのびのびした生活を送り、
また二学期から学校に行って欲しかったんだと思います。
と言うわけで、八月に入ると同時に私はおばあちゃんの家に向かいました。
おばあちゃんの家は、すごい田舎にあって、近くの川で泳いだり、
空き地でサッカーや鬼ごっこをしたり。とにかく遊ぶ場所には困らなかったんです。
ただ、私が一人じゃなければ。
八月初めではまだお盆に入っていないので、私と同世代のいとこ達もいなく、
私は毎日おばあちゃんと過ごさなければならなかったんです。
もちろん一人でできる遊びもたくさんありました。
セミを取りに行ったり、とりあえずあちこち歩いてまわってみたり……。
しかしそれもらしばらくやると、飽きてきます。
時間は嫌と言うほどたっぷりあるのになにもすることがない。そんな状況でした。
198 :
名無しの:02/08/19 06:55 ID:qBo0sdod
このスレイイ!
>>143の続き
「…あさ美…あさ美!起きてってば!」
誰かに方を揺り動かされ、私は思い瞼をあげた。
焦点が定まらない目を向けると、
「もう起きないと間に合わないよ!」愛ちゃんだ。
私は枕元の携帯電話を手探りで探し当て、ディスプレイを見た。
写メールで撮ったみんなの写真の待ち受けに重なって『3:14』という表示が見えた。
「なんでこんな早くに起こすのぉ〜」
2度寝しようとした私の顔を、愛ちゃんは今度はペチペチとたたき始めた。
「何言ってんの?今日だよ!富士山!」
あ…思い出した。
この間の24時間テレビ。
「最後の1合だけ登れなかったんですけどみんなといっしょに頑張ってこれたんでとって
もうれしかったです」
「真琴ちゃんも、普段と違う経験したかもしれないね」
「そうですね。みんなで協力して登れてうれしかったです」
「小川さんも、途中で体調を悪くなりかけたりしましたからね」
「ご心配おかけしました」
「よっかたなぁー」
「心配だったんで、すごいうれしいです」
その夜。私たち4人は里沙の家にみんなで泊まった。
北海道、新潟、福井と、みんな家が遠いので、彼女の家でお泊まり会をすることがあるのだ。
言い出したのは、やっぱり愛ちゃんだった。
「ねえ!今度の休みに、みんなで富士山登らない?」
8月末の2日間のお休みの事だ。その2日目を使って、みんなで再挑戦しようという提案に、
今回涙を呑んだ2人は直ぐに賛成した。もちろん私も。
今日はその当日だ。
「早く!2人とももう準備してるよ!」
「うん。わかった」
「着替えたら朝ご飯食べてね。用意しておいたから」
「は〜い」
ちなみにここは富士山の麓の貸バンガロー。
昨日の夜、みんなでここに来た。
今回は、完全にプライベートなので、大変だった。
従兄弟の山岳部に入ってるお兄ちゃんにいろいろ聞いたり、富士山の情報を電話で調べたり。
そんな経過や、24時間の時の里沙や真琴の涙を、私は思いだしていた。
たった今、愛ちゃんに急かされたのに、私は何となくここまでやってきたことを振り返っていた。
こんな形でいいかすら?
24時間内のことは回想シーンで描きます。
あとは、登山経験と妄想を交え、フィクション場面を進めます。
情報下さった皆さんありがとう。
こんなの嫌!でしたらおっしゃってくらはい。
203 :
名無し募集中。。。:02/08/19 18:53 ID:w42InmoX
>>202 おもしろいです。4人の富士登山、どうなるのか楽しみです。
>>117 の続きも期待してます。
>>202 早速24時間TVのことを書いて下さいまして有難うございます。
登山経験を生かされた展開に期待が高まります。
今後もよろしくお願い致します。
なお、リンク先では真琴となっているのですが、小川は麻琴が正解です。
また、
>>200では、方→肩、思い→重い、のことであると思われますので
訂正して下にコピペさせて頂きます。
>>143の続き
「…あさ美…あさ美!起きてってば!」
誰かに肩を揺り動かされ、私は重い瞼をあげた。
焦点が定まらない目を向けると、
「もう起きないと間に合わないよ!」愛ちゃんだ。
私は枕元の携帯電話を手探りで探し当て、ディスプレイを見た。
写メールで撮ったみんなの写真の待ち受けに重なって『3:14』という表示が見えた。
「なんでこんな早くに起こすのぉ〜」
2度寝しようとした私の顔を、愛ちゃんは今度はペチペチとたたき始めた。
「何言ってんの?今日だよ!富士山!」
あ…思い出した。
この間の24時間テレビ。
「最後の1合だけ登れなかったんですけどみんなといっしょに頑張ってこれたんでとって
もうれしかったです」
「麻琴ちゃんも、普段と違う経験したかもしれないね」
「そうですね。みんなで協力して登れてうれしかったです」
「小川さんも、途中で体調を悪くなりかけたりしましたからね」
「ご心配おかけしました」
「よっかたなぁー」
「心配だったんで、すごいうれしいです」
その夜。私たち4人は里沙の家にみんなで泊まった。
北海道、新潟、福井と、みんな家が遠いので、彼女の家でお泊まり会をすることがあるのだ。
言い出したのは、やっぱり愛ちゃんだった。
「ねえ!今度の休みに、みんなで富士山登らない?」
8月末の2日間のお休みの事だ。その2日目を使って、みんなで再挑戦しようという提案に、
今回涙を呑んだ2人は直ぐに賛成した。もちろん私も。
今日はその当日だ。
「早く!2人とももう準備してるよ!」
「うん。わかった」
「着替えたら朝ご飯食べてね。用意しておいたから」
「は〜い」
ちなみにここは富士山の麓の貸バンガロー。
昨日の夜、みんなでここに来た。
今回は、完全にプライベートなので、大変だった。
従兄弟の山岳部に入ってるお兄ちゃんにいろいろ聞いたり、富士山の情報を電話で調べたり。
そんな経過や、24時間の時の里沙や麻琴の涙を、私は思いだしていた。
たった今、愛ちゃんに急かされたのに、私は何となくここまでやってきたことを振り返っていた。
209 :
中学生日記:02/08/19 20:14 ID:27TnvlSF
放課後になると、すぐに部活に教室を出ていってしまうタケちゃんが、
私は好きだった。
いつからなのか思い出そうとしてもはっきりとはわからない。
思い出すのは入学式の次の日、げた箱で目が合ったこと。
みんな中学の制服がまだ馴染んでなくて、着られてる感じだったのに、
上ばきをはいているタケちゃんは、どこかしっくり似合ってた。
靴をしまいながらなんとなく横目でタケちゃんの背中を見ていたら、
はき終わったタケちゃんが振り返った。
目が合って、タケちゃんは少し私をにらんだ気がした。
私はドキドキしながら、でも「嫌われた」と思った。
目が合わなければ良かったかな、と思った。
教室ではタケちゃんの斜め後ろで、
気が付いたら毎日タケちゃんの背中を見てた。
タケちゃんは名字が鈴木で、クラスに3人鈴木がいるので、
下の名前から取ってみんなにタケちゃんて呼ばれるようになった。
先生にも「タケ!」と呼ばれていた。
私は男子には「紺野」女の子には「あさちゃん」「あさ」と呼ばれてる。
>>177の続き
控え室に来たスタッフの方が
「じゃぁみんな、ステージに出てる準備して」
と指示を出す。
ドクンッ、と心臓が波打つ。緊張のし過ぎで頭が軽く痛い…
『帰りたい…』
率直な気持ちだった。
それでも帰るわけにはいかない。
効かないと分かってても、手のひらに人と書いて飲み込む。
ステージが近づくに連れて、私の顔は前より暗くなっていく…
「じゃあここで待機してて下さい」
そう言われて袖まで案内された。出番が来るまでの時間がやけに長く感じる。
収録本番が始まった。
大音量の伴奏の中、モーニング娘。さん達が歌を歌う…
上手だ。歌もダンスもここにいる誰もが敵わないと思った。
みの「それでは第五期追加メンバー最終候補生の皆さんに出てきてもらいましょう」
−−ついに来た。
これから奇跡が起こるとも知らず、ステージに上がった。
ステージに上がると、そこには沢山の人が居た。
観客の人、司会のみのもんたさん、そしてモーニング娘。…
みの「この中から…」
みのもんたさんが番組を進行させる。
これから起こることは私とは何の関係もないこと…
番組の進行そっちのけで、これからは二度と直に見られないであろう、
モーニング娘。のメンバーをじっと見ていた。
211 :
中学生日記2:02/08/19 20:15 ID:27TnvlSF
入学して半年のある日、男子が私を「コンちゃん」と呼んでからかった。
私はなんのことだか分からずに、きょとんとしていたけど、
男子の雰囲気から、いやらしいことなんだろうと思った。
「コン」てなんだろう?と一日悩んだ。
放課後廊下で、からかった中にいた上田が
「コンちゃん、忘れるなよ!出来ねーぞ!」と私に叫んだ。
昼は友達が言い返してくれたけど、今は一人。
いやだなあと思った。
「おい、コンちゃん、一番いいのってなんていうコンちゃんなの?」
上田はなんだかしつこくて、きらい。
「知らない」
怒った顔で言い返しながら、少し涙が出てきた。
廊下の先をタケちゃんが歩いてるのが見えた。
聞こえてないといいなあ。
こういうとこ、見られたくない。
そう思うともっと泣きそうになって、下を向いて歩いた。
上田はまだなんか言ってる。
前がふっと暗くなった。
「お前、紺野じゃなくてB組の近藤、からかえば?」
顔を上げるとタケちゃんが立ってた。
「あいつはつえーぞ」
タケちゃんは、怒ったような顔をしてた。
「何おまえ、紺野好きなの?ばかじゃねーの」
そう言うと、上田は教室に戻っていった。
タケちゃんは上田が居なくなると、
「んじゃね」と言って走って部活に行ってしまった。
212 :
中学生日記3:02/08/19 20:16 ID:27TnvlSF
お礼、ありがとうって言えなかった!
と、一瞬置いて気が付いたけど、もうタケちゃんは見えなくなっちゃってた。
家までの帰り道、見上げたタケちゃんの顔をひとつずつ思い出しては、
恥ずかしかった。
口元にニキビがあった。
うぶげみたいなヒゲが生えてた。
お風呂に入っているとき、急に
「おまえ、紺野好きなの?」と上田が言った事を思い出して、
またドキドキした。
上田の言うようなことに動揺するなんて、バカだ。
でも。
タケちゃんは助けてくれた。
それだけかも知れないけど、でも。
教室でタケちゃんと目が合うと、私はその日一日しあわせでいられる。
そのことにやっと気が付いた。
私はタケちゃんが好きなんだ。
上田、それは違うよ。紺野がタケちゃんを好きなんだよう。
急になんだか切なくなって、
お風呂に顔をつけて、ぶくぶくいつまでもやっていた。