【矢口】(〜^◇^)『BDOH』(´◇`〜)【チンポ】
番外編「Mind Your Step! 〜 前 編 〜」
かわもちが四年生になってから三ヶ月が経った。ここ最近のケメ子はますま
すウザくなるばかりで、かわもちにしてみてもいいかげんにしてほしいでちゅ
〜といったところであった。そもそも、かわもちにとってケメ子はそれほど大
切な友人ではなかったし、まして恋人だなんてとんでもなかった。三年生だっ
た頃のおバカなかわもちには、「めおとまんざい」の「めおと」の意味が夫婦
であるということがわかっていなかったのだ。きっと、爆笑問題やバカルディ
みたいな漫才コンビが「めおとまんざい」なのだと思っていたのだ。そのこと
を四年生になって同じクラスになった石川さんに話してから、はじめてかわも
ちは「めおと」という言葉の意味を知ったのだった。
「えー。ケメ子ちゃんとめおと〜。おえー!」
そう、石川さんは言った。ケメ子の地獄耳には聞こえていたらしく、電光石火
のスピードでケメ子は飛んできた。そして石川さんの頭を引っぱたいた。
「アタチのかわもちくんにヘンなこと吹きこまないでよー!この痴女が!売女
が!スベタが!エイズが!エイズにケツ掘られてエイズになって死んじまえ!」
こんな感じで、石川さんに対してカポジ肉腫の具体的な症状や苦しさと死に
至るまでの経緯の説明を交えつつ罵倒するケメ子の姿が、かわもちには誇張無
しにオニババアに見えた。でも、そんなの初めてのことでもなんでもなかった
ので別に大したショックは受けなかった。
その日の放課後も、
「練習するわよ!氷点下24度の冷凍室の中に入ってその中で寒いギャグの練
習をするの!ハロプロニュースのチャーミーとか言うキャスターになんて負け
てられないわ!」
というケメ子の追撃をなんとか振り切って、かわもちは自宅への帰路について
いた。途中で会った友人のあさ男くんと、やれケメ子ちゃんには困ったもので
ちゅねぇだとか、やれ今日も宿題が多くて大変でちゅねぇだとか、そういった
ことを話しながら、あさ男くんとの行路が分岐する辺りまで十分ほどは一緒に
歩いた。あさ男くんはなんだか、やれ種は糞だだとか、やれケンシロウが子安
ってどういうことだだとか、かわもちにはまったく理解できないような話題ば
かりを持ちかけてきた。かわもちはよくわからなかったので、姉譲りの適当な
笑顔でその場をやり過ごした。どんな大変なことも大人はなぜかこれだけでた
いてい許してくれるのだ(あさ男は子供だが)。
あさ男と別れて一人きりになったかわもち。胸の鼓動が高鳴ってくる。ここ
のところかわもちは毎日、家に帰る前にあるところへ寄り道をしていた。すぐ
に家に帰ればあと五分もかからないのだが、一時間ほどの予定だった。
家へと下る坂道の途中、脇道を右へ曲がる。脇道は丘を登る坂道になってい
て、丘の傾斜が激しくなってくると共に道は階段となった。かわもちはかいだ
んをトテトテと上っていった。この丘の頂上には、付近一帯の住宅地へと供給
される水が溜め込まれたタンクが置いてあるのだ。タンクの周りにはバリ線が
張られていて、侵入することはできなくなっている。
さてかわもちはその階段を上りきることも無く。大体七合目の辺りで立ち止
まる。ちょうどその辺りは踊り場のようになっていて、階段も周りも平坦にな
っていた。後ろを振り返って、他に誰もこの階段を上ってきている人間がいな
いことを確認する。そして少し息をついてから、かわもちは階段の脇にある茂
みへと入り込んでいった。
茂みはねこじゃらしやらよく知らない植物やらでいっぱいだった。しかしそ
れほどの高さや密度にまで成長しているわけではなかったので、茂みを突っ切
っていくのは小学生のかわもちにでも簡単なことだった。半ズボンの足に少し
チクチクと刺さるものがあったが、別に気に留めるかわもちではなかった。つ
うか、ああ!かわもちたんのキャワイイ生足(半ズボン)にそんなチクチクと
小汚ねぇ植物が!かわもちたん!かわもちたん!
……かわもちがしばらく進むと、若干、草が薄くなっている一帯があった。
かわもちの目的地はここだった。
ちょうど丘の淵の辺り。丘といってもここらの傾斜角はかなり急になってい
た。崖に近いかもしれない。ともかくとしてかわもちは丘の下を見下ろす。先
ほどまで自分が下っていた坂道が真下に見える。上手にある道のT字部はさき
ほどあさ男と別れた場所だ。この辺りの道すべてに、自分と同じ小学校の生徒
たち数名がまばらに歩いているのが見える。ちょうど上手い具合の角度が、上
から下を見ることはできるけど下から上を見ることはできない地理条件を作り
出していた。
また、ひとつ息をついたかわもちは、改めて丘の淵には背を向けた。そして、
三歩ほど茂みの奥のほうへと歩いた。ちょうどかわもちの足元に、一冊の冊子
が落ちている。……いわゆるエロ本である。タイトルには「阿吽」と書いてあ
ったが、小学生のかわもちには読めなかった。とにかく、そんなことかわもち
にとってはどうでも良かった。
かわもちは、靴を履いたまんまの足をエロ本の表紙にかざした。そして、上
手いこと二本の足で右ページと左ページを抑えたりしつつ、ページをめくった
りしてみた。手を使わずに足でしたのは、なんだかそのエロ本が汚いような気
がしたからだ。手で触りたくなかったのだ。エロ本は長い間そこに捨てられっ
ぱなしになっていたらしく、少し湿り気があるのが見てとられた。
まぁ。実際に汚いものではあった。一部のページ(まゆマテリアルのページ
辺り)がくっついて離れなくなっていたのだから。
エロ本の中には、裸の男女がヤリあっている光景が描写されている。
「……すごいでちゅ。」
思わず、声に出して言ってしまった。
かわもちがこの本を見つけたのは一週間ほど前のことだった。たまたまここ
へ景色を見にやってきたのだった。かわもちにはいわゆるエロの知識は無かっ
たが、この「阿吽」が噂に聞く「エロ本」というものだということは表紙の絵
からすぐに理解できた。
こんなものを見てはいけない。かわもちも始めはそう思った。しかし、小学
四年生の沸き立つ好奇心はやはりそう簡単に抑えられるものではなかった。結
局、かわもちは、今やっているのと同じように、足で「阿吽」のページをめく
ってみた。そこには、かわもちの見たことも無い世界が広がっていた。その日
から、かわもちが毎日行う「秘密の寄り道」は始まったのだった。
かわもちは、あるページで「阿吽」の左右ページの先を思いっきり踏みつけ
た。紙を固めて、自分の足を離してもそのページを見られるようにするためだ。
「Party time」という漫画のページだった。なにやら、金髪で背の
低い超絶美少女が処女を失ってセックスにのめりこんでいくといった内容の漫
画のようだった。膣出しされながらおしっこを漏らしているところをケメ子似
のブス(かわもちとしてはなんともこのキャラの顔を見ていると気分が悪くな
って嫌だった)にビデオで撮影されているシーンだった。ともかく、「阿吽」
はかわもちが足を離そうともそのページを開き続けていた。
かわもちは、ズボンに手をかけた。半ズボンを止めるベルトを外し、無造作
にその辺へ置く。続いてズボンを下ろす。中からは、白いブリーフが姿を現し
た。かわもちはズボンまたその辺へ無造作に置いた。
白いブリーフの中心部は、大きく膨らんでいた。内側から、かわもちの肉棒
がブリーフを追い返していたんだ。かわもちは、そのブリーフも脱ぎ捨てる。
抑圧から開放されたかわもちたんのおちんちんはギンギンに勃起していた。決
して大きなものではなかったが、激しく力強く上を向いていた。
かわもちはその両手を自分のおちんちんに添えた。
「ぁ……。」
かわもちの身体に電撃が走る。下半身がピクッと震える。風にさらされたか
わもちの白い尻を、太陽が強く照らしていた。なにも野外オナニーをするのに
ズボンやパンツを全部脱いでしまうことなんてないのに!誰かに見られたらど
うするの!ちょっと前の方だけ降ろせばいいじゃないの!でもそんなかわもち
たんに激しく萌え萌えそしてハァハァ。
……かわもちはおぼつかない手つきで両手を使って自身の性器を撫で回した。
感じとしてはこねくりまわしているといったところだろうか。一般的な中高生
とかがやるオナニーとは違っていて、「いかに気持ちよくなるか」といった計
算がそこには無かった。ただ、無造作にこねくりまわすだけだ。性的な知識の
無いかわもちにしてみれば無理もないことだった。そもそもかわもちはオナニ
ーという言葉さえ知らなかったし、自分が今している行為の意味もよくわかっ
ていなかった。ものすごくいやらしいことであるというのは直感でなんとなく
わかってはいたけれど、これが自分にどういった結果をもたらす行為なのかは
わかっていなかった。
そもそもかわもちはオナニーで射精をした経験も無かった。半年ほど前から、
だいたい二ヶ月に一度のペースで夢精をしてはいたのだが、その意味も自分で
はよくわかっていなかった。夢精にかなりの快感を覚えてはいたが、それより
もパンツが一枚ダメになってしまうのが嫌だという気持ちのほうが強かった。
精液でドロドロになってしまったパンツは、ベッドの下にすべて隠しておいた。
いつの間にか無くなっていたので、もしかしたら母か姉が見つけて持っていっ
てしまったのかもしれない。怒られるかもと少し心配したかわもちではあった
が、何も言われなかったので自身もそのことについて気にするのはやめた。
実は、かわもちのベッドの下から精液付きのパンツを見つけたのは姉のなつ
みだった。なつみは精液まみれのパンツを見てクスリと笑った。そして、何も
言わずにそのパンツを洗濯したのだった。かわもちに気を遣ったので、なつみ
がそのことについて口にしたことは一度もない。ただ、風呂上りに未だに平気
で裸で走り回るかわもちの、毛も生えていない股間と未熟な男性器が目に入る
度に、おもわずまたクスリと笑ってしまうのであった。
さて、かわもちがオナニーをしたことがあったかどうかといえば、たとえば
床になんとなく自分のちんちんを擦り付けてみて、その妙な気持ちよさに感じ
入っていたというようなことはあった。また、上り棒の一番上から下へ一気に
下るときに感じる快感も認知していた。それほど多くはないが、何回かはそれ
を意図的にやったこともあった。
それにしたって、やはり男のオナニーのメインは射精である。自分自身の性
的知識の未熟さや、射精できる能力が身に付いたのもやっとここ数ヶ月のこと
であったせいもあって、かわもちには「オナニー」→「射精」という経験が無
かった。今やっている「オナニー」も気持ちよかったし、かわもちはそれで十
分満足していた(あるいは満足していなかったからここ数日この場所へ通って
いたのかもしれないが)。
「ふぁ……ぁ……。」
かわもちの手つきは相変わらずぎこちない。それでもかわもちにはかなりの
刺激だった。
(気持ちいい……でちゅ〜。)
何故、女の人の裸を見るとおちんちんが硬くなるのか。何故、おちんちんを
擦るとこんなにも気持ちがいいのか。わからないけどとにかくやっていた。エ
ロ本にはセックスの描写はあったのだが、何故かエロ本の中に出てくるおちん
ちん自分のおちんちんを同じものと考えられなかった。
セックス。セックスなんてものは言葉しか知らなくて、具体的な行為はエロ
本を見て初めて気が付いたばかりだったのだ。ただ、セックスという行為が大
人のするものであるという認識はあった。
自分は子供だし、女の子も居ないからセックスなんてできない。それだけは
わかっていた。その代替行為としてのオナニーの存在はエロ本には書かれてい
なかった。ただ、かわもちはそれに自分で気が付き始めていた。裸でおしっこ
を漏らす金髪の少女にかわもちの視線は依然として釘付けになっていた。
「ぅぅ……ぁぁぁ……ぅぅ……。」
玉を揉み、竿をこする。ただ、オナニーの基本であるしごくという行為だけ
は知らなかった。それでも、快感のボーダーは一線を越えようとしていた。こ
こ数日で、どこをどうすれば気持ちいのかがかわもち自身にもわかってきてい
たのだった。初めてのオナニーでの射精が近づく。
「ふぁぁぁぁぁ!ぁぁぁぁぁ!すごい……!すごいのぉ……!」
かわもちの手の動きが速くなる。手が股間を揺さぶるのに呼応して、かわも
ちのやわらかい尻の肉がぷるん、ぷるんと揺れる(萌萌萌萌萌萌!)。
「ぅぁぁぁ……ぅぅ……(なんで……。なんで……。)」
手の動きは止められなかった。ここ数日もずっと、こうして一時間近く自分
の性器をいじり続けていたのだ。しかし、今日はいつもより速く終わりそうだ
った。
「ぇ……! ぁ……!」
精嚢から吐き出された精液が尿道を駆け上る。
「ふぁっ! ……なんか……出るっ!? ……あぁぁっ!」
鈴口から、白い精液が勢いよく飛び出した数十cm先の草むらまで、ものす
ごい量が飛んでゆく。かわもちの足元に置かれたエロ本にも精液はぶっかけら
れる。漫画の中の小さな金髪の少女の姿が完全に精液で覆い隠されてしまうほ
どだった。
「うぁっ!うぁぁっ!ああああぁっ!」
。第二波、第三波と、精液は小便のような量と勢いで飛び続ける。草むらを、
エロ本を、精液が汚し続ける。
「いやあぁぁぁぁんっ!」
まるで精液の噴射に押し倒されたかのように、かわもちはその場へ尻もちを
ついた。トン、という軽い音が立つ。かわもちの生尻に土が付く。射精はそれ
でも止まらない。未だ衰えない勢いで出続ける。かわもちが尻もちを付いたこ
とによって、ちょうどかわもちの肉棒は真上を向いた。ちょうどそれと同じく
して、射精の波の最後が肉棒のビクンという動きとともに飛び出した。精液は
かわもちの顔よりもずっと高くまで跳ね上がる。そして、空中で放物線を描い
てから落ちてくる。
「きゃぅっ!」
出したすべての精液の三分の一にも満たない量であるにも関わらず、十分に
大量の精液がかわもちの顔と着たままだった上の服にかかった。
「!!」
あっというまに、顔中がべとべとになる。
「ん……ん……。」
快楽の余韻が強すぎて、かわもちは言葉を発することもできなかった。顔に
付いた精液を気にすることもできなかった。
「ぁ……。」
かわもちは、しばらく放心した。
(な……に……これ?)
かわもちは、気持ちよすぎて死んでしまうのではないかと少し不安になった。
今出てきたこの液体が、エロ本の中で男たちの出している精液と同じものであ
るということにかわもちが気づくのには、少し時間がかかった。