紺野のエロ小説書いて〜 第2章

このエントリーをはてなブックマークに追加
760733からの続きです。
あさ美ちゃんがうちに泊まった日から、苛立ちはだんだん少なくなった。
理由は、わからない。
ただ、あの日から私は気が向けばあさ美ちゃんを抱いた。
あさ美ちゃんも特に嫌がることもなく、抱かれる時はなんとなく
うれしそうな感じさえした。
私は相変わらず、あさ美ちゃんの気持ちには答えずにいたけど…。
そして、いつも通りに仕事が終わると、麻琴に呼びとめられた。
「愛ー。これから帰るなら、一緒に帰らない?」
麻琴とは同期で仲も良かったから、たまに一緒に帰ることもあった。
「ええよー。」
そう言って荷物をまとめると、並んで歩き出す。
761高×紺:02/12/18 01:00 ID:hcMtybzA
ビルから出ると、麻琴が急に立ち止まった。
夜の風が冷たい。
「何、麻琴?」
麻琴の方を見ると、麻琴も私を見つめる。
「あさ美ちゃんから、色々話聞いた…。」
麻琴は視線を逸らさずに、話し出す。
「そう。」
私は、できるだけ平静を装おうとしたけど、視線を逸らせてしまう。
「愛ー。あさ美ちゃんは優しいし、すごく強い子だよ。」
あさ美ちゃんがそういう子だって、そんなことくらい、わかってる。
私が黙っていると、麻琴は言葉を続けた。
762高×紺:02/12/18 01:01 ID:hcMtybzA
「あさ美ちゃんね、自分がきちんと愛ちゃんに告白してないから…、
だから、愛ちゃんは答えてくれないんだって言ってたよ。
なんでちゃんと答えてあげないの?愛は、あさ美ちゃんの気持ち知ってるじゃん。」
そう、私はあさ美ちゃんの気持ちを知ってる。
でも、答えなかった。
答えたら、今の関係が終わっちゃうから。
答えなかったのは自分勝手な理由でしかない。
「麻琴、あさ美ちゃんのことが好きなんでしょ?だったら、麻琴に、あげる。」
痛いところを突かれて、つい憎まれ口を叩いてしまう。
763高×紺:02/12/18 01:02 ID:hcMtybzA
「愛ー。もっと素直になったら?」
ため息をつきながら、呆れたように言われる。
「麻琴、うるさい!」
腹が立って、麻琴に背を向けてタクシーを拾う。
そのまま麻琴の方も見ずに車に乗り込むと、スタジオを後にした。
本当のことを言われただけに、腹が立ってしょうがなかった。
「愛ー。もっと素直になったら?」
頭の中で麻琴に言われた言葉を反芻する。
764高×紺:02/12/18 01:04 ID:hcMtybzA
素直になる…。
それは、できない…。
あさ美ちゃんには負けたくないから。
仕事も、恋愛も…。
そんなの勝ち負けの問題じゃないことくらい、わかってる。
あんな関係が長くは続かないことも、わかってる…。
もう、イライラする…。
その日は、あまり寝られなかった。
765高×紺:02/12/18 01:05 ID:hcMtybzA
それから数日が経ったある日、開き時間にあさ美ちゃんから話がある、
と言って呼び出された。
胸が、苦しい。
あさ美ちゃんの話の内容を考えると、緊張で逃げてしまいたくなった。
私は、あさ美ちゃんの後について歩く。
「ここでいい、かな…。」
使われていない楽屋の前で立ち止ると、あさ美ちゃんは私を見てこう尋ねた。
「別に、いいんじゃない。」
私は不機嫌そうに答える。
あさ美ちゃんは少し俯いたけど、すぐにドアを開けて中に入る。
私もそれに続く。
766高×紺:02/12/18 01:07 ID:hcMtybzA
部屋の中は静まり返っていた。
空気が、重い。
沈黙が続く中、あさ美ちゃんが顔を上げた。
「時間取らせちゃってごめんね…。あ…のね、愛ちゃ――!!」
愛ちゃん、もうこんなのやめにしよう、そう言われると思った。
だから、話なんか聞きたくなくって、耳を塞ぐ代わりにあさ美ちゃんの
唇を、塞いだ。
「んー!んんっんっ…。」
いつもより深く、優しく口づける。
そして、あさ美ちゃんの腰を抱き寄せ、空いた手をスカートの中に忍び込ませる。
何度か内腿を撫で上げた後、下着の上からあの部分をなぞる。
「あっ…!愛ちゃん、やめて!わたし…、わたし…!」
そう言って、あさ美ちゃんは私を押し返す。
767高×紺:02/12/18 01:08 ID:hcMtybzA
初めてはっきりと抵抗された。
「わたし、愛ちゃんに、話があるの…。」
少し頬を赤くしたあさ美ちゃんは、真剣な目で私を見つめる。
聞きたくない…。
「いいから、話、しなくても…。」
私がそう言うと、あさ美ちゃんは泣きそうな目でこっちを見る。
「なんで…!?」
唇を固く結んで、今にも泣き出しそう。
「とにかく、いいから。聞かなくても大体わかるから。」
これ以上この場にいたくなくて、あさ美ちゃんに背を向け部屋から出ようとした。
「やだっっ!」
次の瞬間、いつにない大きな声でそう言うと、あさ美ちゃんは私の腕を掴んだ。
「聞くだけ、聞いて…。お願いだから…。」
あさ美ちゃんは涙まじりの声でそう言った。
768高×紺:02/12/18 01:09 ID:hcMtybzA
私は、動けなかった。
「わたし…、娘。に入ったときからずっと、愛ちゃんのことが、好きなの…。
愛ちゃん、私と違って歌も踊りも上手いし、スタイルもいいし…。
だから、一番初めにした時、うれしかった…。
愛ちゃんにそんな気全然ないってわかってるけど、でも、付き合って…ほしいの…。」
それだけ言うと、私の腕を掴んだ手を離した。
予想外の言葉に驚き、固まってしまう。
しばらく、沈黙が続く。
「迷惑、だった…?ごめんなさ…い。」
あさ美ちゃんは私が何も反応しないことに不安を感じたのか、
私の顔を覗き込んでくる。
769高×紺:02/12/18 01:10 ID:hcMtybzA
「愛…ちゃん?」
私の顔のすぐ近くで、大きな目が、さらに大きくなる。
「…どうしたの!?愛ちゃん?」
一瞬悲しそうな顔をしたあさ美ちゃんは、すぐにポケットに手を突っ込んで
何かを探し出す。
そして、ハンカチを取り出すと、私の頬を拭った。
「そんなに、いや、だった…?」
あさ美ちゃんはハンカチを握り締めて、俯いてしまう。
私は泣いていた。
あさ美ちゃんの告白を聞いて、張り詰めていた緊張の糸が緩んだ。
770高×紺:02/12/18 01:11 ID:hcMtybzA
なんだ、すごく簡単なことだったんだ…。
イライラしてたのは、あさ美ちゃんだから。
いつもまっすぐで、私にはないものを持ってるあさ美ちゃんだから、
気がつかないうちに目で追って、意識してた。
本とはあの日から、嫌われるのが恐かった…。
もう、いいや。
あさ美ちゃんに、負けた。
一回くらい素直になってもいいよね…?
「いいよ…。」
固まったまま呟く。
「え…?」
あさ美ちゃんは泣きそうな顔をして聞き返す。
「付き合っても、いいって言った…。」
771高×紺:02/12/18 01:12 ID:hcMtybzA
照れ隠しに手の甲で涙を拭う。
「うれしい…。」
あさ美ちゃんは、泣きそうな顔のまま笑った。
そのままにしとくと本当に泣きそうだったから、あさ美ちゃんに
顔を寄せて口づける。
軽く、唇を合わせるだけのキス。
顔を離すと、それだけでうっとりしてる、あさ美ちゃん。
「今日、うち来る?」
そう尋ねるともちろんあさ美ちゃんはうれしそうに、うんって答える。
楽屋まで、手を繋いで帰った。