紺野のエロ小説書いて〜 第2章

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691やぐこん
別にあいつのこと嫌いじゃない。ただなんつーか……、ちょっと、いや、かなり苦手なだけ。
だってさー、なに考えてんだか全然っ分かんないし、あいつは絶対にオイラのこと…嫌いだろうし…。


12月某日。オイラたちモーニング娘。のちょい早めのクリスマスパーティー兼 忘年会が、リーダー・飯田圭織のマンションで開かれることになった。
ケーキは5ホール、ピザ8枚(もちろんLサイズ)にロースチキンが…、まっ、とにかくすげえ量の食べ物がテーブルに狭そうに並んでいる。
とーぜん全部 市販の物だ。オイラたちの中に、まともに料理が出来る奴なんていない。手間暇かける時間もない。
692やぐこん:02/12/13 15:16 ID:VRZlLWrT
オイラが来た時にはもう準備がほとんどされてた。ツリーの飾り付けの仕上をしている小川と高橋と新垣は、普段とは違う和んだ表情をしている。
変な言い方だけど、仕事中に見せる緊張した顔よりも、ちゃんと子供の顔してる今の方がずっと彼女たちに似合うと思う。
「けっこー買ってきたねー」
「矢口つまみ食いしちゃダメだよぉ」
「なっちひどくない?オイラがそんなことすわけないじゃん」
こうゆう時 一番に注意すべきなのは、辻・加護っしょ。
その証拠に、この2人、ケーキの苺をつまみ食いしようとして失敗し、さっき圭ちゃんにチョップされてた。
去年と同じ光景。
693やぐこん:02/12/13 15:18 ID:MLvtGk7b
「おまえら少しは学習しろよなー」
次々と運ばれる料理を目の前にしてボルテージが上がっている お子様2人の手が、今度はスナック菓子に伸びているのに気付いて咎めると…、あれ?手が1本多くないっすか?真っ直ぐ伸びた白い長い腕。視線をゆっくり上げてゆくと、そこには あいつがいた。
そう。新なる食いしん坊キャラ、紺野あさ美が。
オイラと目が合った紺野は、あの大きな瞳をオロオロさせ、慌てて手を引っ込める。
「あっ、あ、あの…すみません。つい、思わず、その…」
なんだよ。そんなに挙どるなよなー。オイラってそんなに恐いか?別にオイラは、紺野のこと嫌いじゃ…、
694やぐこん:02/12/13 15:26 ID:1l/QsWiH
「あ〜、矢口さんがあさ美ちゃんのこと泣かしたぁ」
「泣かしてないって!」
「いーけないんだ、いけないんだー。保田さんに言ってやろー」
「あっ、ちょ、ちょっとそれは勘弁してー」小悪魔と化したガキ2人は、オイラを散々からかってから、キッチンにいるカオリと石川のところに走っていった。
で、よっすぃ〜とプレステ中だった圭ちゃんに、
「うるさいっ!」
との有り難くないお小言を頂くはめになったのは、オイラと紺野。騒いでたのは辻・加護なのにー。
「罰として今からワイン買ってきて」
「カオリはビールね〜」
「はっ?何?買ってきてないの?」
てゆーか、オイラもしかしてパシられちゃうわけ?
てゆーか、テーブルの脇にワインとビールのケースあるじゃんか。「よろしくね♪」
有無を言わせない特上のケメ子スマイル。
イジメだ…。
695やぐこん:02/12/13 15:27 ID:1l/QsWiH
結局パシらされてるオイラ。
しかも、紺野とゆー非常に微妙なお供つき。コンビニにがチョー近くって良かった。会話もたないもん。
「寒いねー」
「そーですねえ…」
「うわっ!すげー、見て見て、息が白くなる」
「ほんとだぁ…」
3分間でたった2言。紺野はどんな気持ちでいるのかサッパリ分からん。陳列棚を見てさっきからそわそわと落ち着きがない。
何か食べたい物でも見つけたのか?
新製品のお菓子か?
訊こうかどうか迷いながら、カゴにビールを入れる。ついでに自分用のお酒も入れちゃったりする。
来年には20才になるんだからいいよね〜、と意味もなく弁解。
696やぐこん:02/12/13 15:29 ID:MLvtGk7b
「こんのー、お前もなんか買うか?圭ちゃんから多めにお金もらったし」
たっぷり5秒は間を置いてから、
「…いいです。だいじょぶです」

「遠慮すんなよー。なんか見つけたんだろ…、って何これ?」

「あ、いや、特別な意味はないんですけど」「ふーん、紺野もこうゆうの興味あんだぁ」紺野が目に止めていたのは、雑誌コーナーで一際目立つ、『カップルにお勧めのクリスマスの過ごし方』などと原色の濃い太文字で書かれたいかがわしい雑誌だった。
興味本位でぱらぱらとめくってみる。
紺野も オイラの隣に立って興味津々といった様子で覗き込む。
697やぐこん:02/12/13 15:30 ID:1l/QsWiH
へえ…、紺野って意外とフツーに恋愛に興味示すんだ…。
なんか新な一面を発見したって感じで嬉しいかも。
半面、どんな奴とクリスマスを過ごしたいんだろう?とか、やっぱ背が高くてカッコイイのがいいんだろーな、って想像しただけで胸が痛む。
???むー、なんなんだ、このモヤモヤ。
「今年のクリスマス、一番……Hの相性がいいカップルは、牡牛座と山羊座の2人だってさ」
ただの相性占いじゃないし。焦っちゃうじゃんか。紺野の固まってるよ。
「あー、そーいえばさぁ、紺野って牡牛座だよね?」
「はい。矢口さんは…」
「山羊座」
「…ですよねぇ」
「奇遇じゃーん。これを機会に付き合っちゃおっか?Hとかしちゃったりー。なんて、あはは…」

698やぐこん:02/12/13 15:31 ID:MLvtGk7b


……って、おいっ!?リアクションくれよ!

寒いじゃんかオイラ。冗談でもオイラと付き合うの嫌なのかな?
ちょっとショックをうけながらページを進めると、段々と何やら妖しげな記事が目に飛び込んできた。
『このホテルが…』『いつもと違う夜を…』これ以上は、とてもオイラの口からは言えない。
「……行こっか」
気まずーい雰囲気を纏ったまま会計を済ませ、アルコール詰めの鉛みたいに重いビニール袋を半分づつ持ってコンビニを足早に出た。
699やぐこん:02/12/13 15:32 ID:VRZlLWrT
自動ドアを潜り抜けたら、沈黙の3分間の始まり始まり〜、かと思いきや、紺野が突然 立ち止まった。
「矢口さん」
「な、なんだよ。急に止まんなよ、ワイン割れちゃうだろ」
「あっ…すみません…」
オイラって何でいっつもこんな言い方しかできないんだろう。
本当は、もっと紺野に優しくしたいのに。
何かっつーと、キツイ言葉で傷つけちゃってる。
別にオイラは紺野のことが…。
紺野のは俯き加減で歩き出した。寂しい冬の夜空に溶けちゃうんじゃないかって心配してしまうくらい暗いオーラ。
歩調が噛み合わない。オイラのせーだ。

「…すみません」

紺野は、また謝った。今度はオイラが立ち止まった。
700やぐこん:02/12/13 15:34 ID:khbH63Rq
「もう謝んなよ。オイラが悪かったから…」
「違うんです。あの…買い出しに あたしがついてきちゃってごめんなさいって意味です」
そう言った紺野の眼は凄く綺麗だった。
黒目が湖のように澄んでいて、静かに水面が揺れていた。水面とは、涙。
……そんなにオイラが恐い?嫌い?
「なんでだよ!?紺野がついてきて嫌だなんてオイラ全然思ってないよ。それどころか…嬉しい」
「えっ?」
「だーかーらー、嬉しいって言ってんだろ!紺野がいてくれて嬉しい。…2度と言わないからな」
ここまで言わないと分からないのかよ。
紺野も。そして、オイラ自身も。
701やぐこん:02/12/13 15:35 ID:VRZlLWrT
つまり、『好き』だから傍にいてくれて嬉しいの。
この気持ち、LIKEじゃなくてLOVE。自分の気持ちに今ごろ気付くとは、娘。で1・2を争う頭脳派なオイラでも恋愛には疎くなっちゃうんだな。
「あた、あた、あたしも矢口さんと一緒にいられて嬉しいですっ!」
「え!?あ、おい、やめろって。苦しいじゃんか」
ビールを道端に勢いよく落下させて凹ませたのも構わずに、紺野はオイラをギュウっと抱き締めた。
背の高さに差があり過ぎて、紺野の胸が顔の辺りにあたってくる。ひとしきり感触をさりげなく堪能してから身体を離し、オイラを見下ろす愛らしい瞳に、照れ臭いけど 覚悟を決めた。
702やぐこん:02/12/13 15:36 ID:khbH63Rq
「今まで紺野にキツイこと言ってきたけど、それってある意味 愛情の裏返しだから。ほら、よくあるだろ?好きな子には悪戯したくなるみたいな」
だから、別にオイラは紺野のことが嫌いじゃない。てゆーか、むしろ好きなんだ。
好きだから逆に冷たくしちゃう。
優しくしたい、でも、恥ずかしいじゃん?
「……はっきり言って下さい」
分かってるくせに紺野は意地悪する。
「あー、もー、分かりましたよ。矢口真里は、紺野あさ美のことが好きです!これでいいだろ」
「はいっ!完璧です」「それだけかよっ。紺野はオイラのこと どーなんだよー?」
「え〜、……好きですよぉ」
「聞こえねーよ。声ちっちゃいんだよ」
一足早いクリスマスプレゼント。最高のプレゼント。
703やぐこん:02/12/13 15:39 ID:MLvtGk7b
もう一度抱き合うと、ずっと閉じ込めておいた大好きを伝えるように、オイラはあいつに唇を重ねた。
……背伸びしてもきついなぁ。そーいえば、ワイン割れちゃってるんだろーな、とか余計なことが頭の上を飛び回る。
そんでもって、グウゥっと大きな声であいつの腹が鳴く。
「…ムードない奴」
お餅みたいに柔らかな頬がピンク色に染まっているのは、寒さのせい?それともキスのせい?
「すいません…、お腹空いちゃいました」
まさか、腹が鳴った恥ずかしさから?
まっ、そんなとこも大好きだよ、紺野。


 終わり


長々と駄文スマソ。しかもエロなし…