紺野のエロ小説書いて〜 第2章

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 ゴトウマキ。
 誰もが羨む憧れの存在。
 17歳とは思えないほど大人びた雰囲気と、独特の感性を持つ。 表情の変化があまりないと言われているが、時折、心臓をわし掴みにされてしまいそうな華やかな笑顔を見せる。
 キレイで、愛らしいくて……憎たらしい。 先輩としての厳しさ、さりげない優しさも同じ。
 ライバルだから。
 仕事より恋を選んでしまう私はまさに本末転倒。
 でも、私がどんなに頑張っても石川さんは決して振り返らない。 これは、私だけがもがいている、一人相撲な恋。
 そうやって自分の想いを茶化していると、少しだけ気分が和らいだ。
 たった一つ、確かなことは、ライバルがあの後藤さんだから石川さんが私を見てくれないわけじゃない……。 そこまで考えて私はいつも頭を振る。
 全てを受け入れられほど私は強くはない。