「いいよ。――じゃ明日ね」
そう言うと、あさ美はまだ何か言いたそうに私の目を見る。――その目。やっぱりか。
「今日、あさ美の家泊まってもいい?」
うんと、頷いた彼女の顔は、紅く染まっていて、ぷにっとしたその頬は紅く染まってい
て。いたたまれなくなった私は、そのわずかに湿った唇に一瞬チュっとキスをした。
あさ美は、紅くなっていた顔をさらに紅くして、
「もう!誰かに見られたら――」
「だってあさ美が可愛い目して誘うから」
「そんなこと言って――」
「明日何処行く?」
「ちょっと愛ちゃん話すり替えないで」
「何処行きたい?」
「愛ちゃんってば」
ぷーと頬を膨らました顔がやっぱり可愛くて、私はもう一回唇を重ねた。
「もう…ちょっとは…」
私はクスっと笑うと、楽屋に小走りでかけていった。
「お邪魔しますっと」
私はあさ美の部屋に入ると、荷物を隅に置き、ベットにポンっと飛び乗った。
彼女の臭いがして、なんだかくすぐったくなる。
「あさ美?――何してるの?」
何時までも扉のところでもじもじ躊躇している。まだ恥ずかしがってるのか?あさ美とは、
もう何回も体を重ねているが、彼女はいつも恥ずかしがる。ある程度まで進むと、むしろ
積極的になるんだけど。
「ねぇ?明日何処に遊び行く?」
「うん。いいよ何処でも――そんなことより早くおいでよ」
「うん…」
おずおずと近づいてくるあさ美が、ベットの横に来たとき、私は彼女の腕をぐいと引っ張
った。「きゃ」っと可愛い声を上げて、スプリングで少し揺れる。
私は仰向けになったあさ美の上に、腕立て伏せのように被さると、腕を使って、ゆっく
りと顔を近づけた。