サウンドノベル5「赤と青」

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557辻っ子のお豆さん

〜第五話 赤の章 第二の殺人〜
558辻っ子のお豆さん:02/08/28 11:31 ID:bSdg8OuM

夢を見ている

またいつものあの夢だ

一人の娘の影が、じっとこちらを見詰めている

あなたは誰…?

私が問い掛けると、彼女は決まってこう答える

「…マキ」

マキって誰よ
559辻っ子のお豆さん:02/08/28 11:32 ID:bSdg8OuM
 いつもと変わらぬ朝が来る。真里に叩き起こされて、愛が作った朝食を食べ、家を出る。
私立夕凪女子校殺人事件から一週間が過ぎた。犯人も確定し捜査は一先ずの終了を向かえ
た。だが、犯人とされる石川梨華の行方は未だ掴めずにいた。

「あれえ、今日は亜弥ちゃん来ないの?」

 一緒に登校する為訪れる愛の親友の亜弥が、いつもならとっくに来ている時間だ。だが
今日は一向にその気配がないので、おかしいと思った真里が目玉焼きを咥えながら言った。
すると愛が嬉しそうに答えた。

「もーお姉ちゃんたら、うちら今日から夏休みだもん。」
560辻っ子のお豆さん:02/08/28 11:33 ID:bSdg8OuM
 大通り沿いに一際目立つ真っ白で大きな建物が立っている。この建物が夏休みを迎える
ことはない、常に誰かが動き回っている。門には朝日奈警察署の名。私と真里は、今朝も
この門を駆け足でくぐる。

「チーッス、お二人さん。」

 玄関を抜けたばかりの廊下にて、声を掛けてきたのは一つ年上の保田圭巡査、対等に話
せて相談にも乗ってくれる先輩だ。私と真里は敬愛を込めて圭ちゃんと呼んでいる。圭ち
ゃんは廊下に置かれたベンチに座りスポーツ新聞を広げていた。どうやらまたベッカムの
記事をチェックしている様だ。先月のW杯以来彼女はイングランド代表のベッカムにすっ
かりはまっている。意外とミーハーな性格の様だ。

「圭ちゃ〜ん、若い女が足組んでスポーツ新聞なんか広げてないでよ〜。」
「なによぉ矢口、私の勝手でしょ。」
「なんか不機嫌だね、やな事でもあった?」
「女子校が解決したから、また例の厄介なバラバラ事件担当に逆戻り。やんなっちゃう。」

なるほど、道理でやさぐれているはずだ。そっとしておいてあげよう。
561辻っ子のお豆さん:02/08/28 11:39 ID:bSdg8OuM
 捜査第一課室に入ると、小さな人だかりができていた。数人の刑事が輪を作っている。
その中には圭織の姿もあり、その手には一枚の封筒が握られていた。

「特に仕掛け等はなさそうですね。」

 圭織が茶色い封筒を軽く振りながら言った。私と真里は何があったのかと、近くにいた
中居巡査部長に尋ねた。中居巡査部長は茶髪で一見チャラチャラしてる様に見えるが、実
はなかなかの切れ者で、課長にも一目置かれている。頑固な人が多いこの課では、どちら
かというとまだ話し掛け易い方だ。

「なんかよー。届主も宛名もない封筒が届いたんだってよ。」

 吐く息で前髪をふわりと上げながら、中居さんはぶっきらぼうにそう言った。私はもう
一度圭織の方に向き直った。ちょうど圭織が封筒を破ろうとしている所だった。

1. じっと見守る
2. 嫌な予感がするので、圭織を止める
3. 「それ私宛です!」強引に封筒を奪い取る。