サウンドノベル5「赤と青」

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404辻っ子のお豆さん
私はその写真を胸のポケットに締まった。

(なにやってんだろ私、これじゃまるで泥棒だよ)

理性がそう囁きかけていたが、体がそれを聞こうともしなかった。

(刑事がこんな真似していいと思ってるの?)
(早く返しなさい。元の場所に。)

 足が走り出した。右手が扉を閉めた。左手はポケットの上に添えられたまま離れようと
しなかった。早くその場を離れようと、足がさらにその速度を増した。気が付くと一目散
に走り出していた。目から何かがこぼれた。涙だった。私は泣いていた。

「何、これ?」

涙が止まらなかった。あの写真を見た瞬間から、私の中のナニカが一気に弾け出した様に。

もう一度写真を見直した。少女二人が幸せそうに笑っていた。
405辻っ子のお豆さん:02/08/16 15:02 ID:0kZaYrBC

柱の影から誰かがその一部始終を覗き見ていた。
影は笑みを浮かべていた。
406辻っ子のお豆さん:02/08/16 15:03 ID:0kZaYrBC
 結局、石川梨華の行方は分からずじまいだった。翌日も、翌々日も、石川梨華は学校を
欠席した。家にも姿を現わさなかった。

「カオリンの出る幕はなかったみたいですね。」

朝日奈署会議室にてこの事件総指揮者、飯田圭織が決断の言葉を下した。

「私立夕凪女子校殺人事件の犯人は…」

事件後姿を暗ました、在学期間わずか10日の転校生。石川梨華に逮捕状が下された。
こうして私立夕凪女子校殺人事件は解決した。

…かの様にみえた。
407辻っ子のお豆さん:02/08/16 15:03 ID:0kZaYrBC

〜第三話 終〜