台風襲来◆矢口が心配なので明日は休む!

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587名無し募集中。。。
不定期ドラマ「タイフーン娘。」
●07話「わたし信じてるから!つむじ風新垣、疑惑の生徒会選挙」
マリ、後藤、よっすぃーの元に「つーく」と名乗る人物から届いた謎の手紙。
ただの悪戯か、それとも・・・?
マリたちが屋上で悩んでいると、ばごーんと出入口が開いた。
「あんたたち、屋上は立ち入り禁止だって言ってんでしょ!」
現生徒会長、鬼のダーヤスこと保田圭だった。
「そんなに怒らないでよ、保田さん。選挙近いんだから愛想振りまかないと」
「いいから早く出て行きなさいよ!行かないとキスするわよ!」
「オエー。出ていきます出ていきます」
睨み付ける保田を振り返りつつ、後藤が言う。
「あの人・・・」
「ウチの生徒会長だよ。ああ見えて、意外と人望あるんだ」
「次の選挙も、きっと信任投票だよね」
(・・・あの人、前にどこかで・・・)
後藤の胸に、かすかな記憶が甦る。だが、具体的にそれが何なのかは思い出せなかった。(伏線)

さて、マリとよっすぃーの会長選挙予報は見事に外れた。1年の新垣里沙が、いきなり生徒会長に立候補したのだ。
『学園につむじ風!アナタのニィニィにラブラブな一票を!』
そんなコピーの踊るポスターが、学園のあちこちに貼られる。
学校放送のCM買い取り、モデル顔の兄ちゃんを引き連れた演説会、プレゼント攻勢・・・。
新垣の選挙運動は、学園の女生徒たちを確実にトリコにしていった。
588名無し募集中。。。:02/08/06 13:01 ID:1MqOiS6w
「保田さん、このままでいいんですか!?」
新垣の活動を見ても行動を起こさない保田を見かねて、マリとよっすぃーは生徒会室を訪れる。
しかし、保田は取り合わず「選挙運動より会長としての職務が大事」と言いきった。
そこに現れる、おなじみチャーミー!
「しばらくね、保田さん。悪いけど、今度の生徒会長は里沙ちゃんに決まりよ」
なんと、新垣のバックにはチャーミーがついていたのだ。
「あんた、また何か企んでるわけ!?」
「さあ、なんのことかしら?別に私は、影で生徒会を仕切ろうなんて思ってないわよ!」
チャーミーへの対抗心もあって、マリとよっすぃーは全面的に保田のバックアップを決意する。

会長職に忙しい保田の代わりに、校内をくまなく選挙運動をして回るマリとよっすぃー。
よっすぃーの拳法の試技と、マリの台風芸で少しずつギャラリーも集まるようになってきた。
「会長にはダーヤス、保田圭をお願いいたします!」
「ラブラブニィニィ、あなたのラブラブニィニィをよろしくラブぅ〜!」
事前のアンケートでは、保田・新垣それぞれの支持は半々。
勝負は、明日行われる本番の投票へと持ち込まれた。

589名無し募集中。。。:02/08/06 13:01 ID:1MqOiS6w
選挙戦も最終日。いつものようにチャーミーに言われたとおりの演説を終えた新垣は、
ひと休みすべく校舎裏の花壇へと足を伸ばした。
(ここのお花、いつもきれいなんだよね・・・)
彼女の父親は、チャーミーの父の会社で総務課長をしている。いわゆる中間管理職だ。
『もし、私の言うとおりにして生徒会長になったら、お父さんのことパパに口をきいてあげてもいいわよ』
気苦労の絶えない父親の背中を見ていた新垣には、その誘いを断ることができなかった。
チャーミーの傀儡になることがわかっていても、会長になる必要があるのだ。
と、新垣は足を止めた。花壇の隅で、花に水をあげている人影が見えたのだ。
(あれは、保田さん・・・?)
見ると、保田が花に水をやっている。その横顔は、小さいものへの愛情に溢れていた。
「あれ、このタンポポ元気ないなぁ。せっかく、四本揃ってキレイに咲いてたのに・・・ン?」
新垣に気づく保田。
選挙は平等とは言え、3年の会長に喧嘩を売っている立場である。新垣は身を強張らせた。
「・・・あんた、新垣でしょ? あんたも花好きなの?」
意外な保田の言葉。そして、笑顔。
「はい・・・心が、休まる気がして・・・」
「そう。じゃあ、あたしと一緒だ」
「保田さん、タンポポ好きなんですか・・・?」
「うん。むかし、大事な友達がタンポポを一生懸命育ててたの。それで、あたしも気になって」
タンポポが、やわらかく風に揺れる。
「・・・ねえ新垣。あたしが卒業しちゃったら、このタンポポ、あんたが世話してくれないかな」
「私が・・・ですか!?」
「あたしは、所詮タンポポみたいに可憐には咲けないからね。
 あんたなら、きっとタンポポの気持ちがわかる――タンポポになれるんじゃないかと思って」
そう言って、保田は笑った。
新垣には、返事をすることができなかった。
590名無し募集中。。。:02/08/06 13:02 ID:1MqOiS6w
ついに生徒会選挙の投票が行われ、即日開票される。
結果は――新垣の圧勝だった。
チャーミーの裏工作は、選挙管理委員にも及んでいたのだ。
事前アンケートとは大幅に違う結果に、マリとよっすぃーは猛抗議する。
どこに証拠があるの、と反論するチャーミー一派との大口論。
しかし、それを止めたのは当の保田だった。
「もういいよ、マリもよっすぃーも。あたしは、あと半年もすれば卒業だもの。
1年生に任せた方が、新鮮でいいじゃん」
「保田さん・・・」
「ほら、ごらんなさい。保田さんも負けを認めたんだから、マリたちもとっとと帰んなさい、ぷーだ!」
勝ち誇るチャーミー。
しかし、その時ずっと黙っていた新垣が口を開いた。
「・・・ダメです・・・やっぱり、会長は保田さんじゃなきゃダメです!」
チャーミーの制止をふりきり、不正の証拠としてマリたちにゴミ箱を見せる新垣。
そこには、捨てられる直前の保田票が大量に捨てられていた。
「だ、だから早く焼いてしまえばよかったのに! 里沙ちゃん、覚悟はできてるわね!」
「・・・かまいません。この学園には、私たちにはまだ保田さんが必要なんです」
新垣の決意に溢れた目に圧倒され、チャーミーは開票場を後にする。
「キーッ、おぼえてらっしゃい、マリ!」
「なんでおいらなのさ!」

票の再集計が行われた結果、僅差ながら保田が会長に再選される。
「ま、別にいいんだけどさ・・・あたし、ホントにあと半年しかいられないんだよ?」
「それでもいいじゃん」
「そーそー。鬼のダーヤス、もうしばらく頑張ってもらわないと」
笑いあうマリとよっすぃー。
新垣の言っていたとおり、別れのその瞬間までモーニング学園には保田の力が必要なのだ。

その頃、花壇では。
笑顔でタンポポに水をやる新垣の姿があった。
(保田さんの大事な友達さんのためにも、私もタンポポを育てるお手伝いをします・・・)
それにしても、とジョウロを置く新垣。
「この手紙、いったいなんなんだろう・・・?」
それは、「つーく」よりマリたちにも送られたあの手紙だった。
「あまねく天下にタイフーン娘。を求む・・・」

――ここから現実に完全リンクは無理っぽいので、
 なんとなーくそれっぽくしてみようか、と提案する長文矢口