モーニングクエスト�U

その人物の『目』は、全ての者を魅了する何か特殊な力が込められている
イシイはそんな感じを肌で感じていた
囚われそうになるのをサイキックの力で防ぐことが出来るが、このままでは
他の力が使えないのである
肉弾戦にも自信はあるが、その人物になにか凄みを感じたイシイは、
「おまえは何者だ」と再び言い放った
「せやからゴラァ！おまえってだれに口聞いとんのじゃ！・・・まあええわ
うちはナカザワユウコや」
そう言うその顔は自信にあふれていた

「ナカザワユウコ聞かない名前ですね」
余裕の表情でそう答えたイシイだったが、その自信に満ちた姿に
イシイは背筋が凍るそんな感じがした

そんなやりとりを、岩陰からヤグチ・ナツミ・イイダの３人は見守っていた
「ユウちゃん・・・・」そうつぶやいて両手を胸の前に合わせ、祈るような仕草をとるヤグチに
「お嬢ちゃんあの人と知り合いかい？かっこいいね！なんて名前の人！？」
きらきらした目でナツミがヤグチにたずねた
「お嬢ちゃんじゃないよ・・・おいらヤグチマリ、たすけてくれてありがとうございます」
そういってふかぶかと頭を下げた
「いやーお礼なんて言われたらナッチてれちゃうべさ〜」
そういって頬を赤らめ、はずかしそうに頭をポリポリかくナツミの表情は
さきほど感じた『死』への恐怖は、微塵にも感じさせない、とても暖かい笑顔があった
「もーナッチ照れてる場合じゃないでしょ」
心配そうに戦局を見守りながら、自分の自惚れ不甲斐なさに、とても暗い表情のイイダがつぶやいた

そんな対照的な二人に少し戸惑ったヤグチだが
「ユウちゃんは、おいらの親代わりなんだ・・・１０年前、両親がモンスターに殺されちゃって
それからユウちゃんが面倒みてくれてたんだ
でも２週間前から行方不明になってて・・・・てっきりユウちゃんまでモンスターに
殺されたのかと思ってた」