モーニングクエスト�U

「な、何？この黒い光・・・・・・・・・・・？」
大気が震え、地面が揺れだす。そしてさらに風は強くなっていった。

「・・・おいおい、ちょっとこれはマズイんじゃないのかい？」
「・・・・・だから言ったべさ。」

さすがにイイダ、ナツミの表情もひきつりはじめる・・・・・・・・
二人はそれほどまでに強大な「負の力」を感じているのだ。

黒い光は２０メートルくらいの範囲まで広がると、どんどん今度は小さくなっていった。
そして、その光の中心から、人の姿が見えた。

「フフフ・・・・初めまして、愚かな人間達・・・・・・・・・・・・・・」

黒い光の中心から現れたのは、見るからに普通の人間の女性、
だがその声は、さっき頭の中に響いた声そのままだった。

「だ、誰・・・・？あなたは・・・・・人・・・・・間・・・・・な・・・・の？」
質問をするナツミの声は震えている、その女性が放つ凄まじいプレッシャーがナツミを襲っているのだ、
いや、ナツミでけではない、イイダもヤグチもその圧力に動くことは愚か、
しゃべることもできない状態であった・・・・・・・・・・

「フフフ・・・私ですか？私は超魔将軍イシイと申します、イシイリカです。
それと私は人間ではありません、魔界の人間・・・魔俗です、と言ってもにんげんのようなものですけどね、
フフフフ・・・・・・・・・」

ニッコリと微笑みながら話す超魔将軍イシイ、だがその笑顔は恐ろしく冷たい。
気を抜くと、気がまいってしまいそうだ。
「超魔・・・・・将軍・・・・・・・・・・・まさか！！」
「ど、どうしたの？ナッチ・・・・・・・・」
突然声を上げるナツミにイイダは少し驚く。
「・・・・・・・・・・・・・か、勝てない・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「え？」
「超魔・・・・将軍・・・・・・・恐らくあの人は・・・・・魔王と同じ、いや、それ以上の
力を持っています・・・・・・・・・・・・・」
「！？な、なんだって！？」

「魔王と・・・・同じくらいの・・・・・・力・・・・・？」
イイダは愕然とした。
さっきまでは魔王なんて楽勝だと言った、だが現実は違っていたのだ。
超魔将軍の放つ異様なまでの殺気に、言葉さえも出ない状況だった・・・・・

「さて、お話はこれくらいにしましょうか、さあ、どこからでも来ていいんですよ？」
イシイは手を広げる、だが武器らしいものは何一つ持っていなかった。

「！？、丸腰・・・・・・・？」
心の中でイイダは思う、いくら奴の殺気が凄いと言っても、
イシイは武器どころか防具すらない、普通の服を着ているだけだ、
剣で立ち向かえばなんとかなる、イイダはそう踏んだ。

「じゃ、じゃあ、お言葉に甘えて行かせてもらおうかね。」

言ってることは余裕を持っている風に聞こえるが、声は震えている、
まさに一か八か、決死のもくろみだった。

「フフフ・・・・最初はあなたですか、まあ、頑張って私を倒してくださいね、
出来たらの話ですけど・・・・・・・・アハハハハハハハッ！！」
「ちっ！な、なめるなぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！！」

イイダはイシイに向かって一直線に走り出す。