モーニングクエスト�U

「いっくよぉ！！爆発の呪文・・・・・・・・・・・・・イオラァ！！」

ナツミの放った爆発の呪文『イオラ』は、十字に切り裂かれたゴーレムを粉々に破壊した。

「す・・・・・・凄い・・・・・・・・・」
ヤグチは目を丸くする。

「おお！！成功だよナッチ！！」
「よぁったべさ。」
見事ゴーレムを倒し喜ぶ二人、だが、その喜びもつかの間だった・・・・・・・・・・・

「―――――――――！！――――――――――」
急に空気が冷たくなるのを二人は感じた。
何か、とてつもなく恐ろしい何かが迫ってるような感じ・・・・・・・

「ナ、ナッチ・・・・・・・か、感じる？」
「ええ、とてつもなく大きい負の力だべ・・・・・・」
二人の顔に緊張の色が現れる。
そして、どこからともなく声が聞こえてくる・・・・・・・
それも耳にではない、直接頭の中に聞こえてきたような感じがした・・・・・・

《だらしないですねぇ、ゴーレムを使ったのに、こんな小さな町一つ落とせないなんて・・・・・》

「！？い。いったいどこから・・・・・・・？」
「あ、頭の中に直接聞こえる！？」
「え！？な、何これ・・・・・？」

イイダ、ナツミ、ヤグチは辺りを見回す、だが、誰もいない。
するとゴーレムがやられてからずっとうつむいていた鬼面道師が急に声を上げる。

「テ、テレパシー！？こ、これは・・・・・・・まさか・・・・・・・」

辺りが暗くなっていく・・・・・・
木はざわめき、風も出てきた。まるで、嵐でも来るかのようである。

「へ〜、やっとボスのおでましってわけね・・・・なんかワクワクしてきちゃったよ、
ねぇ、ナツミ？」
「あんたねぇ、そんなこと言ってる場合じゃないでしょ、
でてきたのがもんの凄く強かったらどうすんのよ。」

ナツミは呆れ顔だ。

「だぁ〜いじょぶだって、私とナツミの連携プレーがあれば、たとえ魔王でも敵じゃないって！」
相変わらず余裕のイイダだった。すると、

「フフフ・・・・・ヒャハハハハハハハハ！！」
突然鬼面導師が笑いだす。
「今度こそお前達は終わりじゃあ！！あの方みずからおいでになられようとしているのじゃからなぁ！！」

「あのお方・・・・・・・・？」

一瞬イイダの表情が曇る。
「そうじゃあ！！まさかあの方が来てくださるとはなぁ！！これで・・・・・・・・・・・・！！
あ・・・・ギャッ・・・・・・・・・ウギャァァァァァァァァァァァァ！！」
鬼面導師がいきなり苦しみだすと、「ボンッ！」と鬼面導師の体はあとかたもなく吹き飛んだ。

「なっ！？」
イイダ、ナツミ、そしてヤグチは突然の出来事に驚きの表情を浮かべる、
するとまた頭の中に、「あの声」が聞こえてきた・・・・・・

《フフフ・・・・おしゃべりな者は嫌いですから死んでもらいましたよ・・・・・・・・・
さて、次はあなた達も番ですかねぇ・・・・フフフ、アハハハハハハハハ！！》
すると辺りは一層暗くなっていく・・・・・そして、黒い光が突然現れ、大きく広がっていった・・・・・・・