モーニングクエストⅡ
第2話
ここは「サマーナイト町」。校内でヒーローショーが催されるごく普通の町、
その町にあるのが「ムーンライト学園」。
職員・生徒数あわせて10万人、一般教養も含め科目は666科目、
クラブ同好会は1600部会というごく普通のマンモスハイスクールである。
渡り廊下で2人の男子生徒が話している。
「なあ聞いたか？今日この学校にエンジェルハートが来るらしいぜ！」
「マジかよ！すげー！！で、いつ来るんだ？」
「３時に校庭でショーやるってさ！！」
「っしゃ！ぜってー見に行く！」
ここは「サマーナイト町」。校内でヒーローショーが催されるごく普通の町、
その町にあるのが「ムーンライト学園」。
職員・生徒数あわせて10万人、一般教養も含め科目は666科目、
クラブ同好会は1600部会というごく普通のマンモスハイスクールである。
渡り廊下で2人の男子生徒が話している。
「なあ聞いたか？今日この学校にエンジェルハートが来るらしいぜ！」
「マジかよ！すげー！！で、いつ来るんだ？」
「３時に校庭でショーやるってさ！！」
「っしゃ！ぜってー見に行く！」
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――そう、この日はムーンライト学園で「仮面チアリーダー・エンジェルハートショー」が
催されることになっていた。
しかし、実行委員のヨシザワ先輩は困っていた。
「う～ん・・・どうしたものか・・・」
そこへアイがやってきた。
「ヨシザワせんぱい、何を困ってらっしゃるの？」
「むっ！アイくんじゃないか！」先輩は顔を上げる。
そしてアイの身体を舐め回すように見て「よし！いいぞ！！」と一人で叫んだ。
「な、なんですかぁせんぱぁい・・・」照れるアイの頬がほんのり赤くなる。
「実は、エンジェルハート役の役者が怪我で来れなくなってしまったのだ。そこで身体が柔らかく
スタイルもいい君に代役を頼めないだろうか？と、今思ったわけだ。」
ヨシザワ先輩はアイの目を見ながら言った。
「・・・スタイルいいだなんて・・・恥ずかしいわぁ。」
と言いつつも、アイの目は「っしゃぁ！！」と言っていた。
「私なんかでよければ・・・よろこんで・・・。」
「そうと決まれば早速着替えてきてくれ！」
そう言ってヨシザワ先輩はアイに衣装を渡す。アイは更衣室へ向かった。
「せっかくだけど・・・自分のがあるからそっちを着ようっと。」
アイは自分のバッグから本物のバレエスーツを出し、着替え始めた。
催されることになっていた。
しかし、実行委員のヨシザワ先輩は困っていた。
「う～ん・・・どうしたものか・・・」
そこへアイがやってきた。
「ヨシザワせんぱい、何を困ってらっしゃるの？」
「むっ！アイくんじゃないか！」先輩は顔を上げる。
そしてアイの身体を舐め回すように見て「よし！いいぞ！！」と一人で叫んだ。
「な、なんですかぁせんぱぁい・・・」照れるアイの頬がほんのり赤くなる。
「実は、エンジェルハート役の役者が怪我で来れなくなってしまったのだ。そこで身体が柔らかく
スタイルもいい君に代役を頼めないだろうか？と、今思ったわけだ。」
ヨシザワ先輩はアイの目を見ながら言った。
「・・・スタイルいいだなんて・・・恥ずかしいわぁ。」
と言いつつも、アイの目は「っしゃぁ！！」と言っていた。
「私なんかでよければ・・・よろこんで・・・。」
「そうと決まれば早速着替えてきてくれ！」
そう言ってヨシザワ先輩はアイに衣装を渡す。アイは更衣室へ向かった。
「せっかくだけど・・・自分のがあるからそっちを着ようっと。」
アイは自分のバッグから本物のバレエスーツを出し、着替え始めた。
――数分後。
「おぉおぉぉっ！！！さ、さすがアイくん！！まるで本物みたいだ！！」
着替えたアイを見て驚くヨシザワ先輩。
「(だって本物やし・・・)」と思いつつも、アイは「そんなことないですよぅ・・」
と笑顔で返す。
「じゃあさっそく打ち合わせをしようか。」
そう言うと２人は舞台裏へ消えていった。
まもなく３時――会場にはすでに大勢の生徒達が集まっている。
最前列にはマコトやアサミ、ノノの姿もあった。
「あ！ヤスダ先輩だ！！」誰かが叫んだ。
舞台上に一人の女子生徒が立っていた。
「アタシはここムーンライト学園のマドンナ・ヤスダ。さあ悪者、アタシを襲ってみなさい！」
彼女は”悪者にさらわれるヒロイン役”ということで自ら名乗り出たのだった。
ヤスダ先輩の登場によって会場が沈みかけた時、舞台下手から怪人が現れた。
（誰も気付いていないが、怪人は着ぐるみを着たヨシザワ先輩だ。）
「よっしゃ！早くさらっちまえ！！」
「っていうか○○してくれ！！」
まるで怪人がヒーローかのような盛り上がりをみせる場内。
「ぐへへへ！」怪人がヤスダに襲い掛かる！！
「みんな～！エンジェルハートを呼んで～！！！」
ヤスダが客席に呼びかける。
「せぇ～～のっ・・・
「おぉおぉぉっ！！！さ、さすがアイくん！！まるで本物みたいだ！！」
着替えたアイを見て驚くヨシザワ先輩。
「(だって本物やし・・・)」と思いつつも、アイは「そんなことないですよぅ・・」
と笑顔で返す。
「じゃあさっそく打ち合わせをしようか。」
そう言うと２人は舞台裏へ消えていった。
まもなく３時――会場にはすでに大勢の生徒達が集まっている。
最前列にはマコトやアサミ、ノノの姿もあった。
「あ！ヤスダ先輩だ！！」誰かが叫んだ。
舞台上に一人の女子生徒が立っていた。
「アタシはここムーンライト学園のマドンナ・ヤスダ。さあ悪者、アタシを襲ってみなさい！」
彼女は”悪者にさらわれるヒロイン役”ということで自ら名乗り出たのだった。
ヤスダ先輩の登場によって会場が沈みかけた時、舞台下手から怪人が現れた。
（誰も気付いていないが、怪人は着ぐるみを着たヨシザワ先輩だ。）
「よっしゃ！早くさらっちまえ！！」
「っていうか○○してくれ！！」
まるで怪人がヒーローかのような盛り上がりをみせる場内。
「ぐへへへ！」怪人がヤスダに襲い掛かる！！
「みんな～！エンジェルハートを呼んで～！！！」
ヤスダが客席に呼びかける。
「せぇ～～のっ・・・
エンジェルハ～～～～～ト！」
「・・・・・・・・」
呼んだのはヤスダだけだった。
「お、おい、誰か呼べよ・・・」「いや、だって怪人悪いことしてねぇし・・・」
ざわつく場内・・・しかしすぐに歓声が上がった。
「UFAの怪人め！覚悟しろ！！」
段取りが決まっていたので、アイは呼ばれなくても出てきたのだ。
「エンジェルハートだぁ！！」「かっけぇ～～！！」
マコトやノノも大ハシャギで見ている。
「現れたなエンジェルハート！」怪人はヤスダを放した。
対峙する怪人(ヨシザワ)とエンジェルハート(アイ)・・・しかしアイはものすごく緊張していた。
「（・・・えっと・・・次なんだっけ・・・？）」
＜解説しよう！アイは極度の緊張により、段取りを全て忘れてしまっていた！
様子を察知した怪人役のヨシザワ先輩は教えようとアイに近付く。
ところが「と、とにかく怪人を倒さなきゃ・・・！」
そう考えたアイは怪人に向け回し蹴りを放った。
「アイくん・・・ちょっと待・・・・・のわぁぁぁっ！！！！！」
真面目な性格で”手加減”というものを知らないアイの回し蹴りは、
怪人(ヨシザワ先輩)の腹を見事にとらえた。
「むぐっ・・・！！！」
怪人(ヨシザワ先輩)は舞台を支える柱をなぎ倒し、そのまま校舎の壁にめり込んだ。
「すっげぇ～～～～！！！」「つえぇぇ～～～！！」
元々本物だと思っているノノやマコトは普通に感激している。
・・・が、その歓声もやがて悲鳴に変わることになる。
柱を失った舞台は、上にいるアイたちを巻き込みながら客席に向かって崩れ始めた。
「っだぁぁぁぁぁっ！！」「つぶれる～～～！！」「逃げろぉぉ～～～！！！」
総重量1.5ｔの木材は雪崩のように、逃げ惑う観客を飲み込んだ。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・！！！！！！！！」
「・・・・・・・・」
呼んだのはヤスダだけだった。
「お、おい、誰か呼べよ・・・」「いや、だって怪人悪いことしてねぇし・・・」
ざわつく場内・・・しかしすぐに歓声が上がった。
「UFAの怪人め！覚悟しろ！！」
段取りが決まっていたので、アイは呼ばれなくても出てきたのだ。
「エンジェルハートだぁ！！」「かっけぇ～～！！」
マコトやノノも大ハシャギで見ている。
「現れたなエンジェルハート！」怪人はヤスダを放した。
対峙する怪人(ヨシザワ)とエンジェルハート(アイ)・・・しかしアイはものすごく緊張していた。
「（・・・えっと・・・次なんだっけ・・・？）」
＜解説しよう！アイは極度の緊張により、段取りを全て忘れてしまっていた！
様子を察知した怪人役のヨシザワ先輩は教えようとアイに近付く。
ところが「と、とにかく怪人を倒さなきゃ・・・！」
そう考えたアイは怪人に向け回し蹴りを放った。
「アイくん・・・ちょっと待・・・・・のわぁぁぁっ！！！！！」
真面目な性格で”手加減”というものを知らないアイの回し蹴りは、
怪人(ヨシザワ先輩)の腹を見事にとらえた。
「むぐっ・・・！！！」
怪人(ヨシザワ先輩)は舞台を支える柱をなぎ倒し、そのまま校舎の壁にめり込んだ。
「すっげぇ～～～～！！！」「つえぇぇ～～～！！」
元々本物だと思っているノノやマコトは普通に感激している。
・・・が、その歓声もやがて悲鳴に変わることになる。
柱を失った舞台は、上にいるアイたちを巻き込みながら客席に向かって崩れ始めた。
「っだぁぁぁぁぁっ！！」「つぶれる～～～！！」「逃げろぉぉ～～～！！！」
総重量1.5ｔの木材は雪崩のように、逃げ惑う観客を飲み込んだ。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・！！！！！！！！」
―――廃墟と化した校庭で、一人起き上がるヤスダ。
「なんなのよ！アタシの活躍が台無しじゃない！」
制服の埃をはらうと、ブツブツ文句を言いながら帰っていった。
＜死者48名、負傷者122名、行方不明者10名を出したこの大事故は翌日の朝刊の1面を飾る。
主要人物だったアイとヨシザワは、ただ一人無傷だったヤスダとともにムーンライト学園の歴史に
新たに名を刻んだのだった。
「なんなのよ！アタシの活躍が台無しじゃない！」
制服の埃をはらうと、ブツブツ文句を言いながら帰っていった。
＜死者48名、負傷者122名、行方不明者10名を出したこの大事故は翌日の朝刊の1面を飾る。
主要人物だったアイとヨシザワは、ただ一人無傷だったヤスダとともにムーンライト学園の歴史に
新たに名を刻んだのだった。