しかし幸いにして、廊下を通る人は1人もなく、
隣の石川もうつむいて座ったままだった。
「ねぇ、石川?」
「はい、なんですかぁ」
「実はワタシ、こないだ裕ちゃんから、自分がいないとき
石川の面倒をみてやってくれ、って頼まれたの」
「え〜っ!ホントですかぁ〜?」
保田のほうに向き直った石川の顔には、疑念の表情が浮かんでいた。
「ホントに、ホントよぉ〜っ! マジデジマよっ!」
「じゃあ、オプションのことも聞いたんですか?」
「オ、オプション?あ、あぁ、あれのことでしょ?
もちろん聞いたわよっ!」
「じゃあ、保田さんがメンテナンスしてくれるんですか?」
「メンテナンス? あ、メンテナンスなら得意中の得意よっ!」
「中澤さん、あんなに秘密だって念押したのにぃ・・・。
でも、よかったぁ〜っ!どーしよーかと思ってたんですよぉ〜」
オプション?メンテナンス?いったいどんな秘密なのっ?
裕ちゃんは、いつも石川とナニをやってるのっ!?
知りたいっ!聞きたいっ!
でも、ここは石川と話を合わせるのよっ!
卒業後のワタシの未来予想図が、かかってるのよっ!
女優を目指すなら、このくらいの芝居ができなくてどーするのっ!!
「保田さん、こっちですよぉ」
石川が保田を引き入れたのは、
ドアに『第6会議室』とある部屋だった。
テーブルの周りには何脚かのパイプ椅子が置かれていたが、
部屋の隅にはセットの一部や小道具などが乱雑に積まれていた。
こんな物置に連れ込んで、ナニをするつもりなのっ?
とまどう保田を近くにあるパイプ椅子に座らせた石川は、
保田の正面に立った。そして、何度か深呼吸をした。
石川ぁ、どーしたってのよっ?
「じゃ、オプションのメンテナンス、お願いしますっ!」
石川は、意を決したようにそう言ったかと思うと、
突然穿いていたショーツをひざまで下ろし、スカートを
両手で勢いよくまくりあげた。
「キャッ!」
保田は、思わず顔を手で覆った。
しかし、指の間から見える、石川の股間に屹立する
ピンク色のソレに、完全に視線を奪われていた。
石川の股間のソレは、2日前中澤に刺激されるだけ刺激され、
1度射精したものの、いっこうにおさまる気配を見せぬままに、
行為を中断されたことで、いまやはちきれんばかりに膨張していた。
今日の朝からソレは、まさに一触即発の状態だったので、
家を出てくるときから、できるだけ刺激を与えないよう、
そーっと気をつけながら歩くようにしてきた。
しかし、ちょっとした拍子でソレがショーツにこすれるたびに、
何度か射精しかけており、こんな状態では収録などできない・・・。
そんなことを石川は先程から悩んで、落ち込んでいたのだった。
「わざとらしいですよぉ、保田さんっ!
中澤さんから石川のオプションの話、聞いてたんでしょぉ。
ばーじんみたいに、驚かないでくださいよ〜っ!」
へ?これがオプション?おちんちんじゃないのっ!?
なんで石川に、おちんちんがついてるのよっ!?
それになんでこんなに大きくなって、上向いてるのっ!?
保田には、実にこの年になるまで、驚くべきことに、というか、
保田なら十分ありえることにというか、とにかく経験がなかった。
「わ、わざとらしかったかしら〜ホホホッ。女優、失格ねぇ〜」
「バレバレじゃないですかぁ〜。 さ、早くメンテナンスしてくださいっ」
今ごろになって両手で顔を覆っていたことに気づいた保田は、
あわてて右手であごを、左手で右の肘を支えるようにして、
何かを考えるポーズを装った。
「そ、それで、どーすればいいのかしら?」
「今さら何言ってるんですかぁ〜。
さっきは得意中の得意、って言ってたじゃないですかぁ!」
「このお仕事始めてから、しばらくメンテナンスする機会、
なかったから、やり方ド忘れしちゃったみたいなの・・・」
「確かに保田さんならそうそう機会はないでしょうからねぇ。
とりあえず、コレを手でこすってくれればいいんですよぉ」
いちいち気に障ること言うわねっ!
でも、怒っちゃダメ、ダメよ、ケメコ。
今、あなたの将来を左右する大事な分岐点に立っているのよっ!
とにかくコレをこするのよっ!
保田は、おそるおそるゆっくりと右手をソレに伸ばしていたが、
指先が触れそうになる位置まで近づくと、いきなり竿の部分を
思いきり力を込めて、むんずと鷲づかみにした。
「いっ、いたいっ!保田さん、もっとやさしくっ!」
「メンゴ、メンゴ・・・もっとやさしくね」
本来ならちょっと触れられただけで、この前の中澤とのときと
同じように射精してしまうほど、敏感になっていたソレだが、
今は猛烈な痛みで、射精感などふっとんでしまっていた。
飛び上がりそうになって痛がる石川に、保田は握る力を緩めた。
その指先からは、血管の脈動が感じられた。
ドクンドクンいってる。すごく熱い。
おちんちんて、こんなに固くなるものなの?
「ずっと握ってるだけじゃ困りますぅ!」
「ちょ、ちょっと大きさチェックしてただけよぉっ!
・・・まあ、『並』ってところねっ」
「そーなんですかぁ? あふっ!」