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229第二章
「始めるわよ。用意なさい、美貴」
「はい…」
首と足手首に拘束具を装飾した全裸の藤本は、
禍禍しく黒光りした張形のような物を傍らのデスクの上に置き、
命令者のブラックスーツのジャケットをそっと脱がして、
ボタンを外してインナーのシルクシャツも剥ぎ取った。
そしてズボンのファスナーにも手をかけてすっと下ろしていく。
自然な所作で、アンダーウェアのラインが見えないような
サイドが紐のパンツも解いた。
藤本にかしづかれているオフィスレディは、
華麗なレースの黒ブラジャーだけを身に付けた姿になっていた。
230第二章:02/08/24 21:07 ID:cVigEpiY
すると美貴はデスクの物を取り、半裸の女性に穿かせていく。
レザーの質感が卑猥なヒップを締め上げ、
局部には不恰好に突出したペニスの形態の物体が突起し、
虚ろなテレビの中の美貴の眼前で小さく弾んだ。
その光景を催眠のような術によって
見させらていた美貴の悪い予感は、当たっていた。
美貴は体を起こして冷蔵庫のある方向へ、
そして透明なビンを取り出して、
臣下が女王に献上品をそうするように、女性に渡した。
231第二章:02/08/24 21:08 ID:cVigEpiY
「美貴のアナル調教をよろしくお願いいたします…」
そう呟くとビデオの美貴は、
その女性とビデオカメラにヒップを突き出す格好で
猫のように蹲ると、両手で臀部を左右に拡げ、
カメラに藤本の桃尻の奥陰の秘部が露出された。
マジぃぃぃ!!!やめてぇぇぇ!!! おねがいぃぃぃ!!!
立ち上がろうとしても、
きょとんとした猫のような眼でソファに座ったまま動けない。
「ほら見て。貴女のお尻、可愛く震えてるわよ」
232第二章:02/08/24 21:09 ID:cVigEpiY
美貴は羞恥で死ぬ思いなのに、目をつぶることができない。
遂にビデオの少女の肛門に目の焦点が合った。
微かに蠕動しているのが分かった。
恥ずかしさと恐怖と嫌悪感と口惜しさ悔しさと怒りが
美貴の中で爆発した。
藤本の目が充血し、顔が紅潮していくのを見たテレビの前の女性は、
美貴の横に寄り添って、美貴のこめかみに手を添えて、優しく囁く。
「美貴ちゃんはラブドールだから、
お人形なんだから、感情がないの。わかる?
喜ぶとか、怒るとか、哀しいとか、楽しいとか、全部、ないの。
これからなくなっちゃうの。
目に映った出来事を、ただ見るだけ。
なにも感じない。
いい? 感情のスィッチを切るわよ。ワン、トゥー、スリー…」
233第二章:02/08/24 21:10 ID:cVigEpiY
(やめてええええええええええええ!!!!!!!!!)
「パチン」

ビデオの中のその女性は透明な容器の蓋を開けて、
ローションのようなゲル状の液体を美貴の局部に垂らして、
藤本自らの十本の指により晒された陰部を滑らせていく。
ビデオのあまりに淫猥な自分の姿を見ても、
美貴は何も感じなくなっていた。
(裸の私のアソコにヌメヌメした液が垂らされてる…)
それだけが美貴に許可されている思考だった。
234第二章:02/08/24 21:16 ID:cVigEpiY
女性スタッフは液体を上方の美貴のアナルにも垂らし始める。
藤本の肉体を潤滑液で濡らすペニパンを穿いた自分の映像と、
隣りでそれを見ている無表情と化した美貴の素顔を、
その女性は愉快そうに見比べて鑑賞する。
正座のように脚を折って尻を突き上げている美貴は、
ワセリンを塗り込むように小指をアナルに挿れて、
少しでも液体を肉の穴の中に注ぎ込み、
筋肉と緊張を揉み解しているように見える。
(私は指でお尻の穴を揉んでる…)
藤本美貴は異常な行いをする藤本美貴を見ても、
ただ受け入れることしかできない存在に墜ちていった。