「加護ちゃん!もっと急いで!!」「よっすい〜速すぎるよ・・・!!」
2人は悲鳴が聞こえた方向へ全力でダッシュしていた。加護は寝起きだったらしくその動きは遅い。
緩い丘を下って平地を一気に駆け抜ける。遠くの方に診療所のシルエットが浮かんだ。
「多分あそこだ!」そう加護に言った瞬間、パララララッ。と銃声が聞こえた。
2人の表情が凍りつき、思わずその足を止めた。「ま・・まさか・・・」「今ので・・・」
その数秒後にまたパララララ・・・と聞こえた。「・・・!!加護ちゃん!やっぱり行こう!!」
「ののは・・・」「大丈夫!まだ生きてるよ!行こう!!」2人は再び走った。
その辻も走っていた。イングラムの銃弾は幸い辻の肩をかすっただけだった。
「ヒイッ・・・」走りながら振り返ると里田が追ってきていた。その顔に表情は無く、人形のようだった。
辻は顔を前に戻すと必死に逃げ場所を探していた。 急がないと・・・・殺される!!!
いつの間にか入り込んでいた一本道。両サイドには木が立ち並んでいる。
辻の後ろの方で コトンッ。と小さな音がした。里田がイングラムのマガジンを換えた音だった。
ああっ・・・もうダメかも・・・辻は自分では気付かなかったがもの凄い量の汗をかいており
黒い髪が頭に貼り付いていた。吐き出す息も荒く、普通なら倒れているのだが、その限界の体を
恐怖が突き動かしていた。
>>158 ごめんなさい。本当に切れかけていました。
加護・吉澤も2人を追いかけて走っていた。加護はもうスタミナが切れたらしく吉澤に
手を引かれていた。「なんとか・・・今辻ちゃんを追ってる奴に追いつければ・・・・」
2人も一本道に入っていたがまだ里田の背中は見えていなかった。
しかしこんなに走るなんて久しぶりだな・・・そんな場違いな思いを瞬時に振り払うと
さらにペースをあげた。
ハッ・・・ハッ・・・ハッ・・・辻の体に限界がきた。とっくに無くなった足の感覚が
突然戻ってきた。激痛とともに。「ううっ・・・」軽くうめくとその場に倒れた。
太ももがピクピク痙攣を起こしていた。もう走るのは無理だった。
倒れこんだ辻に里田が近付いてきた。横倒しになり、ぼやける視界で辻は里田がイングラムの
銃口をセットするのが見えた。里田の額にも汗が浮かんでいた。
ああ・・・もう死ぬんだ・・・お母さん・・・お父さん・・・お姉ちゃん・・・マロン・・・ごめんね。
ののはもうダメみたいです・・・・
そして辻は最後を悟って瞳を閉じた。頭に浮かぶ家族の顔。それが聞きなれたある1つの声で
かき消された。「へぇ〜。楽しそうじゃん。」これは・・・よっすい〜じゃない!あいぼんでも無い!
辻は目を開いた。そして見た。笑いながら自分を見下ろす後藤真希の姿を。
後藤真希・・・・辻が最も恐れていた人間だった。その目を見るだけで身震いする。
かなうなら今すぐ逃げたい。だがそれは出来なかった。なぜなら自分は今倒れているから。
それに・・・どうせ里田舞に殺されるんだし。もういいかな・・・
後藤は相変らず辻を見下ろしていた。パララララッ。イングラムの独特の銃声が聞こえ、
初めて後藤が動いた。後藤の胸部から硝煙があがっていた。里田にとっても後藤の存在は厄介だった
らしく、いつでも殺せる辻は放置して先に後藤を倒そうとしたのだ。
後藤は顔を上げると里田を軽く睨んだ。里田がビクッと震えた。
そして日本刀を抜き出し、構えると少し静止した。
「な・・・何故死なない・・・?」里田がもう一度イングラムを撃とうとした時、後藤は
既に眼前3メートルまで間合いを詰めていた。「うっ。」後藤の日本刀が里田を切り裂く前に里田
の視界から光が消えた。その直後に日本刀が胴体を切ったがもう何も感じていなかった。
里田は死んでいたのだ。後藤の斬るほんの数秒前に。額には赤い穴があった。
地面に崩れる里田の数メートル後ろにデリンジャーを構えた加護と吉澤がいた。
グリップを握る加護の手を吉澤の手が包み込んでいた。反動に備えたのだろうか?
とにかくこの2人が里田を後藤が斬る直前に射殺したのだと分かった。
「あいぼん・・・よっすい〜!!!」辻はよろめきながら立ち上がると2人に歩み寄った。
「のの・・・」加護はデリンジャーをしまうとギュウッと辻のからだを抱きしめた。
いつもより軽く感じた。人数が3人を超えたので警報が響いたがもはやどうでも良かった。
あったかい加護の腕の中で辻はひたすら泣いていた。加護の頬にも一筋の伝うものがあった。
「あいぼん・・・・ごめんね・・・あの時・・・」「ううん。いいんだよ。私の方こそごめん。
ひどいこと言っちゃった・・・。」この殺伐とした島の中で、ここだけは
何か暖かく幸せな空気に包まれていた。 里田 舞 死亡 残り11人
163 :
:02/06/28 16:53 ID:OstIiCJe
辻はしばらく加護と抱擁をかわすと里田の死体の側に立ち尽くす後藤にペコリと頭をさげた。
「後藤さんも・・・助けようとしてくれてありがとうです。」その発言に吉澤は少し驚いたが、
自分も後藤の方を向いて「ごっちん。辻ちゃんを助けてくれてあるがとうね。」と言った。
今までの後藤の殺人鬼というイメージが少し崩れた。
「のの。よっすい〜。そろそろいかないと地雷が・・・。」「あっ。そうだった。じゃあ行こうか。
ごっちん。本当に・・・」後藤は吉澤を無視してそこらに放ってあった里田のディパックを
拾い上げ、中から少し黒ずんだナタを取り出した。そして2・3回振った。
「よっすい〜・・・・早く行こうよ・・・・。」吉澤の手を握る加護は震えていた。
「ああ・・・うん。それじゃあね。ごっちん。」別れを告げ、歩き出そうとしたその時、
辻の体がドカッと縦にゆれた。そして口から血の固まりを吐き出した。
「のの!!!」「辻ちゃん!」辻は数歩前に歩くとそのままバランスを失ってうつぶせに倒れた。
辻の背中にはナタの刃が半分以上食い込んでいた。 まさか・・・!!!
2人はほぼ同じタイミングに振り返る。そこには笑みを浮かべながら後藤が立っていた。
当然その手にナタは無かった。「いっ・・・いやああああっ!!」
とうとう加護の精神に限界がきた。ただでさえ親しい人間が死んでいってるというのに
親友の辻まで・・・・・・!!
「ふふっ。ごめんね。当たるかな〜と思って投げてみたんだけどまさか即死とはね〜。」
後藤は笑いを崩さずに言った。その顔はいつもの後藤となんら変わらないが言ってることが異常だ。
「・・・それだけ?」吉澤が拳を握り締めて言った。小さく今にも消えそうな声だった。
「はっ?何が?」「こんなことしといて言うセリフはそれだけ?」
「こんなことって殺し?いいじゃん。人なんていつか死ぬんだし。それがちょっと早まっただけだよ。」
馬鹿にしたような口調だった。なんてことを言うんだ。しかも当然のように。
それだけ言うと日本刀を構えた。「さて次は2人の番だよ。仲良く死にな。」
「ふさげないで・・・・これ以上あんたに人は殺させない!!」吉澤はそう吠えるとサバイバルナイフを抜き出した。
辻希美 死亡 残り10人
そのナイフは加護からもらったものだった。聞いた所石川の物だったらしい。銀の表面には赤黒い血のあとがあった。
・・・梨華ちゃん・・・私を守ってね。そう念じると振り返らずに加護に言った。「亜依ちゃん。先に行ってて。私もすぐに行くからさ。」
「えっ?」「いいから行って!!」少し声を荒げると加護の体が少し震えた。「大丈夫。私を信じて。すぐにこいつを倒すからさ。」
「それなら私も戦うよ!!」加護はデリンジャーを抜き出した。「ダメ!行って!!」
後藤は退屈そうに2人の会話を聞いていた。「どうでもいいけどさ〜戦うなら早くしようよ。それともこっちから仕掛けようか?」
そういい終わったとき、後藤は既に吉澤の眼前にいた。なんてスピード・・・!!
吉澤は瞬時に膝をたたみ、刀の一振りをかわした。後、数秒でも遅れていたら首が飛んでいた。だが、チャンスだ。
後藤は今、自分の間合いにいる。「はあっ!」吉澤はかかんだ体勢から後藤の腹に突きを繰り出した。
「くっ。」後藤が苦しそうに漏らし、その動きを一瞬止めた。チャンス!!吉澤は日本刀を握る右手に掴みかかった。
そしてそのまま内側にひねった。相手の右手にこっちは両手を使ってる。負ける分けがない。
ついに後藤の手から日本刀がこぼれた。「このっ!」吉澤の腹にも後藤の膝が入ったが構わず日本刀を拾い上げた。
よし!これさえあれば!!吉澤は柄を両手で握ると後藤に切りかかった。「!!」後藤はなんとかそれをかわすと
吉澤から見て右に飛んだ。ちょうど辻の死体の近くに。そしてニヤッと笑った。
何?その笑いは?見逃してもらえるとでも思ってるの?吉澤は日本刀を持ち直すと気合を入れて横に振った。「ヤアッ!!」
手ごたえがあった。確かに斬った。そこには斬られた後藤の体があるはずだった。
しかし、目の前に転がっているのは脇を赤く染めている辻の死体。首の部分を掴まれ中腰の姿勢になっていた。
辻ちゃんの体を盾に・・・!!「バーカ。」そういうと辻のからだを捨て、その背中のナタを抜き出した。
今まで背中に埋まっていた部分からは赤い鮮血が滴りおちている。そしてそのナタを高速でふるった。
キィィィィン・・・・日本刀が半分くらいの所で折れた。折れた部分はクルクルまわりながら地面におちた。
まずい!!吉澤はポケットに左手を突っ込み手榴弾を取り出した。これさえあれば・・・!!安全ピンを抜こうとした瞬間、
左手にナタが振り落された。その物凄い圧力に耐え切れず吉澤の左手は地面に転がった。
「うああああああっ!!!」あまりの激痛に吉澤は我を忘れて後藤に突っ込んでいった。
ガンッ!!という音が頭の中に響き吉澤の意識はそこで消えた。自分じゃあ当然分からないがこめかみ部分に深くナタが入っていた。
吉澤の体はナタをうちこまれた衝撃で数メートル吹っ飛び、地面を滑った。
「最後は突進してくるなんて・・・愚かね・・・。」後藤はわき腹に刺さったサバイバルナイフを
抜き、捨てた。「でも・・・この傷は少し厄介ね。」吉澤の最後の捨て身の攻撃は確実に後藤の体にダメージを与えていた。
吉澤ひとみ 死亡 残り9人
167 :
レクイエム:02/06/29 00:09 ID:gtLExiiN
さて・・・どうするかな・・・
168 :
読者:02/06/29 02:14 ID:l2iPJsck
よ、よっすぃ〜〜ToT
これから期末の期間になるので更新が遅れると思います。
すみません。
170 :
:02/07/01 07:06 ID:9UVc/eAM
171 :
:02/07/01 23:51 ID:B3msCr21
HOZEN!
172 :
:02/07/03 05:55 ID:tTJW3GTB
ほぜぬ
173 :
:02/07/03 17:54 ID:x57mIf00
174 :
:02/07/05 10:49 ID:jZxF1Buj
age
175 :
:02/07/05 12:24 ID:tUxc9zUk
保全 HOZEN ホゼン
>>1 テストがんがれ
176 :
:02/07/05 18:40 ID:0A+OyCeR
hozen
なるほど・・・保全・・・ね・・・
178 :
:02/07/06 12:05 ID:bBTCMH+Q
スンスンスーン(・∀・)♪
179 :
名無し:02/07/07 04:32 ID:mwmrKWop
スンスンスーン(・∀・)♪(・∀・)♪
テストはまだ終わらんのか?
181 :
レクイエム:02/07/07 14:36 ID:CwIk04p4
まだなんです・・・
「さて・・・のんびりはしてられないな。」後藤はナタをディパックに入れると(ついでにナイフも)次に辻のディパックを
漁った。役立つものは入ってなかったが辻のポケットにあった探知機。これは使える。後は・・・吉澤の死体から手榴弾を取り、
転がっている左手からも回収した。最後にイングラムを取って完璧だ。そして後藤は走った。まだ加護が生きている。
探知機によると100メートル先に加護が逃げている。こいつもしとめよう。いつの間にか自分の顔が笑みの形をつくっているのが
分かった。何か獲物を追い詰める豹になった感じがした。なんとなく。
☆と逃げて行く〇の間隔がどんどん縮まっていく。「近いな・・・。」後藤は探知機をしまうとイングラムを抜き出した。
やがてちっちゃな背中が見えた。この一本道を必死で逃げている。スタミナが無いせいかとても遅く見えた。
その背中がだんだん大きくなってくる距離でいえばもう20メートルくらいだろうな。そろそろか・・・
イングラムのトリガーを引こうとしたその時、加護がいきなり立ち止まり、回れ右のように体をこっちに回転させた。
その手にはデリンジャーがしっかりホールドされている。
後藤は今ノーガードの状態だ。そして加護が撃った。続けて2発。一発は腕をかすり、もう一発は脇に当たった。
このチョッキには本当に世話になってるな・・・今回も命を守ってくれた。後藤はそう思いながらイングラムを持ち上げた。
加護の狼狽した顔が見えた。パラララララ・・・・・・弾丸は正確に加護の体に縦5つの穴をあけた。
「あっ・・・」最後に何か言いたげに加護は倒れた。その体を中心に血の池ができた。
書きこめてんじゃん!!!!!
184 :
:02/07/07 20:39 ID:frbacngq
加護ちゃん死んじゃったの?
そろそろ荒らそうかな
スンスンスーン(・∀・)♪(・∀・)♪
187 :
:02/07/07 20:54 ID:JWe72HiT
188 :
清原:02/07/08 02:00 ID:JMyPwpqD
>>1 テスト期間中は保全しとくから無理にかかんでもええねんで・・・
2chで点数下げたらあかん。
190 :
:02/07/08 14:53 ID:fojorxwW
この手のやつって死ぬ時と殺す時って誰でも感動的に書けるんだよね
で、残り5人ぐらいまではそれなりに面白く続きを気にさせる事もできる
本当に面白いかどうかはオチと、残り人数が少なくなって「死」が使えなくなって
から判断しないと。
終わりに近づくに連れショボくなったり更新が止まったバトロワもんいっぱいあるから。
191 :
:02/07/08 21:29 ID:Pxwnkt9w
期待age
192 :
:02/07/10 04:17 ID:d7G2g7lx
193 :
:02/07/12 06:09 ID:FVwQ7G15
194 :
:02/07/12 16:56 ID:TxTqJq/U
期末期間ってこんなに長いもんだっけ
逃げたか?
しまった、こっちか。
作者、書き込めなくなったらしいよ。
197 :
THE・地蔵:02/07/12 23:57 ID:Oy70o57c
作者のtomoですが、実は作者、いま、プロキシ規制なるものに引っ掛かって、書き込め無くなってるらしいんです。その辺に詳しいかたは、作者のために書き込んでください。お願いします。
>>197 プロキシ規制中か。プロバイダーは?CATV?
かちゅ−しゃやギコナビのツール使うと書き込めるようになるかも
自分の場合はそうだった
199 :
:02/07/15 08:37 ID:VDqQEz4i
あげ
ここから人生の大逆転が始まる
201 :
:02/07/15 22:03 ID:/+QTuA+L
まだ直らんのか?
203 :
:02/07/18 17:46 ID:EQ+LxASx
作者のプロパイダはキンデンらしいのですが
そこが、狂ってて、書き込めないらしいのです、
ただいま問い合わせなどして、検証中なので、
今しばらくお待ちください。
決して作者は怠けてたりしている訳ではないので、
ご理解とご協力をお願いします。
205 :
名無し募集中。。。:02/07/19 10:36 ID:LE5Pn6Md
age
206 :
名無し募集中。。。:02/07/19 10:57 ID:LE5Pn6Md
つまらなすぎて、ウンコが引っ込んだ
207 :
名無し募集中。。。 :02/07/19 10:58 ID:LE5Pn6Md
1の母「この度は息子がクソスレを立ててをしてしまいまことに申し訳ありません」
1の妹「あんなにやさしかったお兄ちゃんが突然おかしくなっちゃったの」
1の精神科医「1は重度の精神障害を引き起こしている」
1のエクソシスト「1には悪霊が数体とり憑いており大変危険な状態だ」
1の主治医「お気の毒ですがもって3ヶ月。回復の見込みはないでしょう」
1の同級生「いつかはやるだろうとみんなから言われていました」
1を介護するロボット「介護モ困難ナ状態ニアリマシタガココマデハ予測デキマセンデシタ」
1の体内に金属片を埋めた宇宙人「1ヲ実験体二スルニハ無理ガアッタヨウダ」
1の初体験の相手のソープ嬢「オドオドしていて雰囲気が怖かったです」
1の家臣「このような時にご乱心あそばされるとは無念の至りでござる」
1の精子「オナーニをやめたかと思えばこんなことをしているとは!」
1の召喚獣「史上最悪の生物を召還する前触れです。それだけは阻止してください!」
1のシーモンキー「こんなやつに飼育されるのは奴隷以下の存在。悲しいです」
1の暗殺を狙う工作員「このような暴挙に出るとは。1に接近するのはまだ危険だ」
1の中学生時代の担任「1の将来は心配していましたが・・・私の力不足でした」
1の幕僚「今宵我ら幕僚一同はクーデターを起こし1を暗殺する!」
1を尾行していた公安当局「まだ危険が終わったとはいえない。引き続き監視を続ける」
1と同期の幕内力士「ごっつぁんです、1が帰ってきたら存分にシゴいてやるっす!」
1を蘇らせたネクロマンサー「魔族をもはるかに超えた凶悪な力を感じる。暗黒時代の到来だ」
1へ。(ビートたけし)「カローラがこんなに変われる時代だ。1はどうだい?」
1の事件を知ったブッシュ大統領「1への報復のためならばいかなる行動も辞さない!」
1の事件を知った小泉首相「Show the Flag! 全力で後方支援をする」
1の事件を知った金大中氏「今回の1の行動に対して謝罪と賠償を要求する」
1の事件を知ったビンラディン氏「これはジハードだ!若者よ立ち上がれ!」