里田はあさみのスイカのように割れた頭からナタを抜き取るとドアに叩きつけた。
血に染まったドアは壊れ里田は外へ歩いていった。「・・・・私は正しい・・・私は正しい・・・。」
呪文のように唱えながらやがて暗闇に溶け込んでいった。
一方、しばらくして後藤真希は目を覚ましていた。立ち上がろうとすると胸の辺りに鈍痛がする。
骨でも折れてるんだろうか。血を吐いたって事はその折れた骨が肺に突き刺さって・・・・
まぁいい。仕事に差し支えは無いだろう。柴田にもかなりの傷を負わしたから邪魔者はいない。
・・・あえて一人言えば・・・市井紗耶香か。後藤はあのボウガンの矢を素手で止めた事を
思い出した。その時、そんな思いも吹っ飛ぶような事が起きた。「無い・・・。」
後藤のディパックから水2本(これはまだいい。飯田から奪った2本が残ってるから)と
ボウガンが無くなっていた。「・・・・まっ、いいか。殺してもっといい武器奪えばいいんだし。」
わずかに残っていた矢をその場に放り出すと地面に残った血の跡を見つけた。
それは延々と続いている。柴田が移動する際に残してしまったものだ。それを辿っていけば
柴田に会えるのだが後藤は無視して違う方向へ・・・軍事工場跡のある辺りへ向かった。
市井紗耶香は自分に寄りかかって眠る紺野を起こさないようにそっ、と立ち上がった。
「いつまでここにいる分にもいかないな・・・。」ポケットからマップを取り出すとここから
先は海しかないので北へ向かう事にした。・・・待てよ。前に見かけた石井リカ。
あの女は海の方へ歩いていった。って事は近くに潜んでいるのか?
しかも武器はスナイパーライフルだったな。市井は周囲に何も無い場所を選んだはずだが
もしもの事もある。今は・・・時計の針が2時をまわった所だった。(2日目突入)
5時・・・。5時になったら起きてもらおう。市井はスパスを肩から下げると周囲の
見回りに向かった。
市井が海まで歩いていくと砂浜があった。この砂浜は島中と繋がってるからここを歩いていけば
島一周だってできる。最も最初いたビーチは禁止エリアになっているが。
しかし楽になったもんだ。2000年のゲームでは最初に首輪を付けられたからな。
会場が広かった分(電流の流れてるフェンスに囲まれた山の中だった。)禁止エリアが多くて
入ったら首輪が爆発、または首の骨が折れるまで締め付けられる・・・だったかな?
歩いていくうちに遠方の海から何か突き出しているのを発見した。人の足にも見えなくは無い。
60メートルほど歩いてそこへ辿りつくとそれを確認した。血まみれのワンピース。
奇妙な事に血まみれのそれには中身があった。こんな事があるのだろうか?
ボロボロで破けているのに中身がある。しかも胴の右半分だけ。
それは鮫に喰われた新餓鬼の残骸だった。が市井はそれを知る由も無かった。
捨てる分けにもいかずそれをビーチまであげると軽く手を合わせた。その後、しばらく見回った
が、石井の姿も無く安全のようだった。「もう・・・戻るかな。」
その時、銃声が聞こえた。近くは無いがそう遠くも無い!しかもこの音は・・・
パンッ!パンッ!パンッ!・・・・紺野のベレッタ!!市井は全力で走った。
紺野が危ない!目を離すんじゃなかった!!そして紺野の元へ着いた。
そこで市井が見た者は・・・・!!!