格闘小説〜餓娘伝

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1格闘娘。
格闘小説書きます。元ねたは色々あります。
2 :02/05/03 17:33 ID:6xt5yEOv










昨日まで普通の中学生だった女の子が ある日突然モーニング娘。になる

そして芸能界の欲望にこねくり回され SEXマシーンになってしまう

今日も性の道具としていじくられまくる娘。たち

芸能人の性欲から 娘。を守ることは出来ない

汚い大人たちにハメられほうだいの娘を

指をくわえて見てるだけだ



















  


3名無し娘。:02/05/03 17:33 ID:bGw6M5XN
完結おつかれ!
4格闘娘。:02/05/03 17:41 ID:0YjnS78W
1

室蘭市の南にある岬の近くにに阿井佐賀女子高校という高校が
ある。スポーツの活動が盛んで何人もの選手を全国区の大会に送り出している。
中でも活発なのが柔道部である。主将を務める安倍 なつみは、選手権で
11連覇を成し遂げたオリンピック金メダリストを鮮やかな一本勝ちで破り
優勝して一躍時の人となった。TVや新聞の取材が舞い込み、さらに
練習と忙しい日を過ごしていたが、進学先も決まり、取材も一段落つき
残り少ない学生生活を味わおうとしていた。そんな学生生活も残り少なくなった
2学期に同じクラスに転入生が入ってきた。
黒く長い髪が美しく身長が高い、まるでモデルのような容姿の女性だった。
「飯田 圭織です。よろしく。」
飯田が少しぶっきらぼうにそういうと担任の先生が言った。
「じゃあ、席は安倍さんの隣で、彼女のこと知ってるでしょ?」
「いえ。」
飯田がまたぶっきらぼうに答えた。
5格闘娘。 :02/05/03 17:42 ID:0YjnS78W
クラスは一瞬凍りついたかのようであったが、当の本人の安倍は意に介さず
と言った感じであった。
安倍は正直言って、学校の中での自分の立場が嫌であった。
先生もクラスメートもどこか自分に遠慮している。自分が柔道で活躍すれば
するほどその溝が深まるかのようであった。そんな時、初めて自分を
クラスメートとしてみてくれる人間が現れた。安倍は純粋に嬉しかった。
二人が仲良くなるのにさほど時間は要らなかった。
きっかけは、簡単なことだった。出身地の話題と言うありふれたことであった。
しかし、話を進めていくうちにどうやら二人は、同じ病院でわずか3日違いで
生まれたことが解った。この話題で盛り上がり一気に仲良くなった。
6格闘娘。 :02/05/03 17:43 ID:0YjnS78W
2

飯田が転入してきて、はや一月がたった。大分、学校にもなれた。
しかし、友と呼べるのは安倍 なつみしかいなかった。

飯田は、学校が終わるとすぐにアルバイトに出かける。
本来ならアルバイトは禁止であるが、学校側も事情が事情である為に
許可をしている。まだ中学生の妹の生活費と学費を稼ぐ為である。
そんな多忙な飯田になかなか遊んでいる時間はない。
また安倍も練習が忙しく遊んでる時間がなかった。
しかし、ある日安倍が飯田に言った。

「圭織〜〜」
「なあに?」
「今度なっち、圭織の家に遊びにいっていい?」
「えっ・・・いいけど練習あるんじゃないの?」
「へへっ実は、オフで4日間の完全休養なの、休みも練習のうちだって。」
「へー良かったじゃん!うん、来なよ!うるさい妹もいるけどね。」
「あっ、でも圭織バイトじゃ・・・」
「休むよ。」
「うん、ありがとう。じゃ今度の土曜でいい?」
「解った、土曜ね、あっ・・・でも家汚いよ・・・」
その言葉を言い終えるとほぼ同時に休みの終わりを告げるチャイムがなり
教室に先生が入って来た。退屈な時間の始まりであった。
7名無し募集中。。。:02/05/03 17:43 ID:zTtkjxbw
おめでとうございます。
小説読むのダイスキなので応援しています。
8格闘娘。 :02/05/03 17:44 ID:0YjnS78W
3.

室蘭本線沿いにある木造アパート。そこが飯田の家である。
4畳半の部屋でかろうじてバス・トイレ付きである。
家賃は破格に安かった。もっともそうでなければ、飯田もここを
住まいとして選ばなかっただろう。しかしこの家に人を
呼んでいいのだろうか?圭織は呼んだあとで後悔した。

約束していた日が来た。時計は、午前11時を指している。
もうすぐ安倍がくる時刻である。

「今日、お姉ちゃんの友達がくるのですか・・・・珍しいこともあるもんれすね。」
飯田の妹が言った。
「のの!つまんないこと言うとぶつよ!」
飯田がいう。
「ひーっ!それは、かんべんしてほしいのれす。」
 希美が言った。

その瞬間チャイムが鳴り、なつみが現れた。
「安倍と申しますが・・・・」
圭織はドアの方に歩いてゆき、ドアを開け満面の笑みで「いらっしゃい」と言った。

希美も「いらっしゃい」と言った。
安倍も希美に「はじめまして」と満面の笑みで言った。
9格闘娘。 :02/05/03 17:49 ID:0YjnS78W
「さあ、入って。」
圭織が言った。圭織は安倍を中まで案内して言った。
「まあ座ってよ!」
三人は、畳の上に座った。
「あれっ?」
希美が言った。
「この人どこかでみたことあるのれす。」

「有名人だからね。なっちは。」
圭織が言う。
「アイドルなのですか?」
希美が言った。
「アイドル???」
圭織と安倍は、顔を見合わせ笑い出した。
笑いも収まったころ、安倍は希美に言った。
「なっちはね、柔道の選手なんだよ。」
「へ〜強いのれすか?」
希美は、きいた。
「うん強いよ!日本で一番強いんだよ。」
圭織は、そう言った。
「う〜〜ん、じゃあ、お姉ちゃんとどっちが強いのですか?」
「えっ?」安倍は一瞬、希美が何を言っているのか理解できなかった。
10格闘娘。 :02/05/03 17:53 ID:0YjnS78W

4.

「ははっ、ののはね、いつもあたしに苛められてるからあたしが一番強いと
 思ってるんだよ。」
 圭織がいった。
「そうなんだー」
 安倍はくすくすと笑いながら言った。
それから三人は、しゃべり続けた、たわいもない会話であったが、普段から
練習漬けの安倍やバイトで忙しい圭織にとって貴重な時間であった。
気がつくと時計は4時をまわっていた。昼食も取らず5時間以上しゃべっていたことになる。
「あーおなか減ったのれす。」
 希美が言った。
「じゃ、ご飯でも作ろうか?なっちも食べていきなよ。」
圭織が言った。
「うん。」
安倍が答える。
「じゃ、ののは買い物行ってきて!」
圭織が言った。
「ええ〜〜」
希美が露骨に嫌そうなこえをあげる。
「ののちゃん!なっちといくっしょ。」
「うん。」
希美が嬉しそうな声をあげる。どうやら安倍と完全に打ち解けたらしい。
11格闘娘。 :02/05/03 17:54 ID:0YjnS78W
「じゃ、いってくるね」

安倍と希美は、そういうとドアを開け買い物に出かけていった。

(さてと、準備でもするか。)
圭織はそう思い、部屋をかだづけ始めた。

二人が買い物に出て一時間位の後、希美が息を切らしてドアを開けた。

「た・・・・大変なのです。な・・・なっちが・・・・」
希美は、震えながら言った。
「なっちがどうしたの?」
圭織が問う。
「さらわれたのれす・・・・・・・・・」
12格闘娘。:02/05/03 23:19 ID:UgS/5Vwt
5.

「ののっ、あんたがついていながら・・・・・」
圭織は希美を責めた。
「もうしわけないれす・・・・・」
希美は今にも泣き出しそうである。
「でも、あいつ、とんでもなく強かったのれす・・・」
今にも消え入りそうな声で言う。

圭織には、心当たりがあった。
「あいつか・・・・・・」
その時、圭織の携帯が鳴った。ディスプレイには安倍 なつみと書いてある。
「なっち?」
圭織は聞いた。
しかしその声の主は安倍では、なかった。
「久しぶりだね。飯田。」
その声の主は、低く迫力のある声で言った。
「・・・・・お前か」
圭織は怒りで声が震える。
13格闘娘。:02/05/03 23:20 ID:UgS/5Vwt
「この娘は、預かっとくよ、返してほしいかい?」
「どこにいけばいい?」
圭織が怒気を含んだ声で言う。
「ははははは、察しがいいね、埠頭の4番倉庫に9時に来な!」
そういうと、一方的に電話を切った。
(なっち・・・・・ごめん・・・)
圭織は、そうつぶやいた。
14格闘娘。:02/05/03 23:23 ID:UgS/5Vwt

6.

時刻は8時50分をまわっていた。安倍は目を覚ました・・・・
(ここは、どこだろう?)
そう思う。
そして、自分の体を不自由にしてるものに気づいた。ロープで縛られている。
さらに口もテープをはられている。視線の先に
中国拳法の包を着た女がいた。
安倍は思い出した。買い物の途中で、この女に襲われたこと、そしてなすすべもなく
叩きのめされたことを・・・・
安倍は思う。(こういう時に身を守ってくれるのが柔道ではなかったか・・・)
女は安倍が目を覚ましたのに気づき言った。
「心配しなくても、もうすぐ奴はやってくるよ・・・殺されにね。」
(奴???)安倍は思う。
「あさみ!こいつを見張ってなっ!」
女はそういうと自分の舎弟に安倍を見張らせ,倉庫の中央に移動していった。
15 :02/05/04 00:21 ID:OJJLQi+a
        γ⌒ヽ       γ⌒ヽ
        ゝ __ノ         ゝ __ノ
         |  ヽ   __  /  |
         , | __ノ ̄    ̄ゝ__,!丶、
         /                    \
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    |      | /二二●二.\ |       |  < このスレは乗っ取ったぞきさまら
    |      |´/.|  |  |  | \.|       |   .\_______
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       |\__________ ノ|         /  ―= ̄ `ヽ,  _
      \__________ヽノ      ∵. ・( )●( 〈__ >  ゛ 、_ ←>>B'zヲタ
                       \          /   (/ , ´ノ \
                         \        /   / / /
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16格闘娘。:02/05/04 23:50 ID:qn+LxChJ
その時ガタッという音が聞こえた。
「どうやら来たみたいだね。」
女が言った。
安倍は、その入ってきた人をみて驚いた。
(圭織?????)
圭織は、中国拳法の包に身を包み、髪は後ろに束ねていた。
圭織は、女と安倍を確認した。
そして女を鋭い目で凝視し言った。

「石黒っ〜〜〜!!!、てめえの血は何色だぁっ???」

その女の名は石黒 彩と言った。
17格闘娘。:02/05/04 23:52 ID:qn+LxChJ
「フッ・・・お前につけられた顔の傷が疼くんだよ・・・・お前を殺したいってな!」
石黒が言った。
「言いたいことは、それだけか?てめえ許せねえ!」

二人はかつて同門であった。中国拳法の道場でともに技を磨いていた。
一子相伝で伝えられるその拳法の伝承者は一人であり,数名の中から飯田が伝承者に選ばれた。
しかし、それで収まりがつかなかったのが石黒である。自分より年少そしてなにより
正反対のファイトスタイルの飯田を嫌悪していた。
飯田に対し私闘を申し出た。だが、石黒は、返り討ちにあい顔に大きな傷を負わされた。
「前は、その程度の怪我で済ませてやったが、今度はその程度じゃすまさねえっ」
圭織がいった。
「馬鹿めっ、あの時は、あたしは、不覚にも足を滑らせたが、今度はそうはいかない!
 お前えを血の海に沈めてやるよ。」
「まだ解らないのかい?あれは、あたしが、てめえの足の自由を奪っていたんだ!」
「ほざけっ」
「今のうちに念仏でも唱えとけっ!」
18格闘娘。:02/05/04 23:53 ID:qn+LxChJ
圭織はそういうと石黒に向かい間を詰めていった・・・石黒も同様に
圭織に向かい間を詰めた。

拳・・・疾風のような拳が圭織を襲った。圭織は体をそらし避ける。
(速い・・・以前より・・・)圭織は、思う。
さらに石黒は、拳と肘のコンビネーションで圭織を責める。
圭織は、それを腕あるいは、掌底で防ぐ。
さらに圭織は石黒の正拳に対し、カウンターを放っていった。
石黒はそれを腰をおとし、かわすと圭織の腹部に掌底突きを放った。
「ぐはっ」掌底がクリーンヒットし圭織が前のめりになる。
石黒は、その機を逃さず、飯田に踵落しを仕掛ける。
飯田は、すばやくそれを回避すると即座に体制を立て直し石黒の胸部
に拳を見舞う、正拳の威力が充分発揮される距離ではないかに見えた・・・
「げっ!」という言葉が漏れる。石黒の体は、宙を舞いあとずさった。
「寸剄・・・・・」
石黒はそうつぶやいた。
「くっくっくっ、楽しいな、おい」
「ほんの挨拶だ。」
19格闘娘。 :02/05/04 23:54 ID:qn+LxChJ
石黒が攻撃を仕掛ける。シュッという音がし石黒の蹴りが圭織の
顔の付近を掠める。石黒の蹴りは、まさに高速の”円”であった。
触れれば切れる巨大な刃物であった。石黒はさらに拳と肘で圭織を
責める。飯田のガードが上に集中した間隙を縫って石黒の下段蹴り
が圭織を襲った。
「つっ」
圭織が声を漏らす。
さらに石黒は膝で圭織の脇を狙ってきた。
しかし、圭織はこれを紙一重で見切り、下段蹴りを石黒の脚に見舞わせた。
圭織の蹴りは、鉈のような蹴りだった。特に蹴りの速度が速いというわけでは
ない。しかし標的に向かい最短距離を疾る鉈の動きの蹴りをかわすのは、
容易ではない。なによりも破壊力が尋常ではなかった。堅いハンマーで
殴られた感触であった。
「ぐっ」
石黒が痛みをこらえる。
「まだ始まったばかりだよ!」
圭織が言った。
「そのとおりだな。」
20格闘娘。:02/05/04 23:55 ID:qn+LxChJ
その後は、拳の応酬であった。脚が拳が肘が、膝が、頭が、つま先が、肘が
乱れ飛ぶ。がッがッ、という音が聞こえてきそうだった。
不意に石黒が3本の指を滑らし圭織の目を狙っていった。
圭織はそれを読んだいた。手刀でその指を叩き切った。
苦悶の表情をうかべ石黒は、圭織に背中を向けた。
(好機!)圭織はそう決め石黒に向かった。

だが、それは、巧妙に仕組まれた罠であった。
石黒は身をかがめると、後ろ足で跳ね上げるように蹴りを放った。
飯田は、後ろに体をそらしたが踵を肩に食らってしまった。
激痛でもう肩は使い物にならない。
飯田は、大きく後ろにのけぞり肩を抑えてた。
「ふふっ、これでようやくこの疼きを止めることができるよ。」
石黒は勝利を確信した物言いであった。
21格闘娘。 :02/05/04 23:56 ID:qn+LxChJ
石黒はとどめを刺そうとし、圭織の方に向かう。
圭織は、最後の力を振り絞り左下段回し蹴りを石黒に放った。
(最後のあがきか・・・石黒はそう思った。)
石黒はこれを右脚を軽く上げ防いだ。・・・いや防いだつもりであった。
だが蹴りは、石黒の脚に当たらなかった。圭織の蹴りは急激にその起動を変化させ
圭織の足の裏は石黒の膝の上にあった。圭織はこの膝を踏み台にしさらに跳躍し
右膝で石黒のこめかみを狙いに行った。ここまで一呼吸、人間技ではなかった。
”飛龍”・・・圭織はこの技をそう呼ぶ。プロレスではシャイニング・ウィザードという。それが石黒のこめかみ
を捕らえた。ゴッという音とともに石黒はその場に倒れた。
石黒はもう起き上がってくることは出来なかった。
22格闘娘。 :02/05/04 23:57 ID:qn+LxChJ
7.
圭織は、あさみの方を向き言った。
「おいっ!連れてってやんな、頭は動かすんじゃないよ!」
「・・・・・は・・・はいっ!」
あさみは、目の前にいる圭織に怯え震えながらも何とか石黒の下に行き
石黒を連れ出した。それを見届け、圭織は、安倍のもとに歩いていった。

「あ・・・あの・・・圭織・・・・あの・・・・あの・・・」
安倍は、石黒と圭織の死闘をみて錯乱している。今までの自分の
知っている強さとは別次元の強さ・・・戦いを見て、そして何より
自分の知らなかった、飯田 圭織をみて。
圭織はロープを解き、テープを外し安倍の頬に自分の頬を寄せた。
圭織は泣いていた。
そして、そっと安倍に言った。
「なっち・・・・さよなら・・・」
23名無し募集中。。。 :02/05/06 22:23 ID:HPUvUHEL
保全
24名無し募集中。。。:02/05/10 21:57 ID:6Edq4ieK
保全
25名無&rlo;( `▽´)&rlo;:02/05/10 23:29 ID:r7pr5JRw
dfgshg
26名無し募集中。。。:02/05/13 00:04 ID:nlsD5Hxb
27格闘娘。:02/05/13 01:01 ID:uNWTfrUT
第二章〜再開

1.

福島県のとある山間部にある村に時代を感じさせる日本家屋がある。
その家は、道場を併設しており大きな屋敷をより一層立派なものに見せていた。
その道場の中に現在二人の武人が相対している。
その武人の名は、石川 梨華、そして高橋 愛という名である。
互いに相手を睨み静かに構えた。
やがて、高橋の方から動いた。その動きはさながら獣のごとき速さであり、高橋の
放った拳が、梨華を襲った。
だがその拳が梨華に触れることは、無かった。高橋の放った拳は梨華の体をすり抜けた。
さらに高橋は、拳を打つ、打つ、打つ。しかし、それらの拳は、全て、梨華の体をすり抜ける。
そして次の瞬間に梨華の拳が光った。否、光った気がした。それと同時に高橋の前には
五発の拳が突きつけられ、その拳は全て当たる直前に止められていた。
「ま・・・参りました。」
高橋がそういった。
高橋、梨華がふうと息をついた瞬間に後ろから拍手が聞こえた。
梨華は、驚き後ろを振り返った。
そこには人が二人いた。飯田 圭織と希美であった。
28格闘娘。 :02/05/13 01:02 ID:uNWTfrUT
「梨華っ!腕をあげたね!」
圭織が満面の笑みでいった。
「飯田さんっ!」
「久しぶりっ」
「今までどうしてたんですか?心配しましたよ。何年も行方をくらませて。」
「ちょっと面倒なことに巻き込まれてね。」
「石黒のことですか?」
「ああ、何だ知ってたんだ?」
「ええ、これでも私あなたと同じ流派で修行積みましたから。その筋から聞きました。」
「石黒の一派をまくのに手間取ってね。でも大体の連中は倒してきた。」
「でも気をつけてください。石黒が倒れても、まだ、矢口、加護が残っています。」
「心配するな。ところで先生は?」
「先生は、亡くなられました。
29    :02/05/13 01:39 ID:/eKAQnEW

おおっ、よかった。
なかなか更新されないからどうしたのかと思ってました。
まあ作者さんのご都合もあるでしょうから…。
応援しております。
30名無し募集中。。。:02/05/13 16:49 ID:tOjAzs5H
「保全しよう。」
名無し募集中が、半笑いで言った。
31名無し娘。:02/05/14 22:41 ID:bBhv3lKw
どっかで見たような気がする
32名無し募集中。。。:02/05/14 22:46 ID:UisYibtl
age
33名無し募集チュウ。。。:02/05/15 11:40 ID:9rpQ4m8Z
いぶし銀の梨華ちゃん。
34格闘娘。:02/05/16 00:59 ID:J3QlrFS1

2.

「小湊先生が亡くなった?どうして?」
「先生は、重い病が元で・・・」
「そう・・・」
「飯田さん」
「ん?」
「感謝しています。拳法の修行に挫折した私に小湊先生を紹介してくれて、
 おかげで私は、道を踏み外さずにすみました。」
「いいって、お前にはこっちの方があっていたんだよ。」
「はい、私も32代当主として恥ずかしくないように精進します。」

小湊流・・・・福島を発祥の地として、長い年月を
かけ受け継がれてきた武術である。それを31代当主、小湊 美和が
改良を加え剣道の見切りからヒントを得た”神技的ディフェンス”そして稲妻のような”3
連突き”を完成させた。そして梨華はさらに改良を加え5連突きを完成させていた。

小湊流・・・最強の矛と盾を兼ね備えていた。
35格闘娘。:02/05/16 01:00 ID:J3QlrFS1
3.

「ところでさ」
「はい?」
「今、あんたの所って弟子は何人いるんだ?」
「今は、高橋一人だけになってしまいました。」
「はぁ・・・」
「大丈夫です。量より質ですから。」
「梨華っ!」
「えっ?」
「東京へ行きなよ、東京は強い奴が多い、そこで自分がどのくらい強いか確かめてきな!」
「えっ・・・でも」
「大丈夫だよ、小湊先生も怒りはしないさ。」
「・・・・」
梨華には、葛藤があった。小湊流を守っていかねばならない事、そして自分がどのくらい
強いのかと言うのを確かめたい衝動があるということで、しかし圭織の言葉を聞いた
今,もはや自分の中の衝動を抑えることが出来なくなってきてるのに気づいた
36格闘娘。:02/05/16 01:01 ID:J3QlrFS1
第三章〜決闘


埼玉県鶴ヶ島市、埼玉県北部のこの市は東京のベッドタウンである。
しかし西に秩父の山々を擁いており、また入間川が市を横切る
様に流れており自然は、大分残されてる。周りにいくつか大学があるが、若者
が、集まるような場所はなく、閑静な・・・悪く言えば寂れた所である。


闇夜に入間川の水の流れる音が溶け込む。カサカサと草がゆれている。
人通りはない。薄暗い外灯がわずかに照らしてる川の辺に三人が人立っていた。
そのうちの二人は、ある程度の距離を保ち先ほどからにらみ合いを続けている。
その二人の磁場で空気が歪んでいるかのようであった。
一人は、話す言葉からして関西の出身、もう一人は、関東の人間であった。

「ルールは、何でもあり。それで、ええな?」

関西出身の側の立会人がそういった。

「ええよ。」

関西の出身の決闘者がそういった。

「それでいい。」

もう一人もそれに同意した。
37格闘娘。:02/05/16 01:03 ID:J3QlrFS1

関西の出身の決闘者の名は、平家みちよ、という。平家流という武術を
使う。平家流は、かつて平氏の間で考案創始された武術である。
元々は戦場の武術であったが、江戸時代中期,に徒手空拳の部分をクローズアップし体系づけられた。
素手でいかに相手を倒すかと言うテーマで一子相伝で伝えられてきた
必殺の武術である。
「実践派空手、心水館の中澤 裕子さんだ。」
平家はそう立会人を紹介した。
もう一人の決闘者は、吉澤ひとみと言った。吉澤には決まった流派はない。
空手を学んでたこともあるらしいが、それにこだわった戦いはしない。
いかに相手を破壊するか?それが、吉澤の戦い方であった。


立会人が退き二人は、構え始めた。
達人同士の戦いは、わずかな息の乱れすら勝敗を分けることがある。
しかし、ひとみは、息を乱していた。恐怖の為ではない。平家を“喰らう”
ことができる喜びの為である。

「受けてもらえたこと感謝してるよ」
平家が言う。
「挑発されて断るようでは、もはや武道家ではない。いつ始めますか?」
ひとみが言った。
「もう始まってる。」
38 ◆KOSINeo. :02/05/21 00:41 ID:t0y73Yyh
>格闘娘。さん
小説総合スレッドで紹介&更新情報掲載しても良いですか?
http://cocoa.2ch.net/test/read.cgi/ainotane/1013040825/
39格闘娘。 :02/05/21 01:05 ID:Sz/TLP79
>>38

どうぞよろしくお願いします。
40格闘娘。 :02/05/21 22:59 ID:Sz/TLP79
その刹那、平家は間を一気に詰めひとみの顔面に正拳を放ってきた。
ひとみは腕で防御する。”ガシッ”という音が聞こえるかのような
突きであった。さらに平家は膝でわき腹を狙うが、ひとみもそれを見切り、
避けさらにローキックを加えていった。平家もそれをブロックしたが
なにしろ威力がけた違いであった。防御しているのに痺れがとまらない。
痺れをこらえて平家がさらに攻撃する。
拳、拳、肘、肘、膝、指。
ひとみは、そのいずれも腕あるいは脚で防いだ。
今度はひとみが、仕掛ける。
拳、拳、肘、脚、膝、
そのうちの何発かは、クリーンヒットした。
41格闘娘。 :02/05/21 22:59 ID:Sz/TLP79
激痛が平家の顔をゆがませる。
(葛・・・・)平家はひとみを倒すには、葛技を使うしかないと悟った。
葛技・・・平家流では関節技を葛技と呼ぶ。しかし葛技を使うことは
相手に密着しなければならない。ひとみのすざまじい打撃をかいくぐり
技を仕掛けるのは容易ではない。だがやらねばならない。
意を決し、平家は仕掛けた。拳、拳、拳・・・・いったい拳を
何発放ったのか解らない、だが、ひとみは、クリーンヒットを許さない。
逆にカウンターで平家のあばらに正拳を入れた。
「ぐはっ」
平家が声を上げたと同時に前に倒れた。
が、その瞬間、平家は、ひとみの左脚をとり軸足を刈った。
そのままヒールホールドに持ち込む。技が決まりそうになりかけたが
ひとみは、踵で平家の顔を狙いにいった。これが功を奏し、ヒールホールド
から抜け出した。しかし、靭帯が伸びていないとはいえ相当なダメージを
負った。ひとみは瞬時に立ち上がった。が、上手く立てない
42格闘娘。 :02/05/21 23:00 ID:Sz/TLP79

「これで、五分だね。」
平家が言う。そして痛めている左を中心に容赦なく蹴りを加えていった。
「ぐうっ」
ひとみが苦悶の表情をつくる。形成は完全に逆転していた。
しかし平家も相当ダメージを受けている。勝負を長引かせるわけにはいかない。
一気に勝負を決めにいこうとしていた。渾身の右ロー、これが決まれば
ひとみは、もはや立てないであろう。しかし、ひとみはこれを読んでいた。
右足を踏み込み一気に平家の間合いに入ると膝を平家の腹に入れた。
「げっ」
ひとみの膝が入ると平家の体がくの字に折れ曲がった。
その瞬間をひとみは、見逃さなかった。左腕を平家の首に
巻きつけ右の手でクラッチし、がっちりと腰を落とす。フロント・ネックロックと言う技である。
ひとみが渾身の力をこめると数瞬ののち平家の体から力が消えた。
43格闘娘。 :02/05/21 23:01 ID:Sz/TLP79
「そこまでや。」

平家側の立会人が言った。そして平家と吉澤の所まで歩いていき
二人を引き離し、肉塊と化した平家に活を入れた。
「うっ・・・うーん」と言う声がした。平家は何とか意識を取り戻したがまだ
朦朧としている。中澤は平家をそっと横にし、ひとみの方を向き
立ち上がり言った。

「素晴らしい勝負やったで、久しぶりに血が滾ったわ」

「次は、あんたか?」
ひとみが言う。
「うちか?うちはやらんで、それにあんたも怪我しとるしな」
「逃げるのか?」
「そうやなー、見逃してほしいな、こいつを病院に連れてかんと」
「まあいいさ、あんたとなら楽しめそうだよ。美味い食い物は後に取っておくもんだからね。」
「心配せんでもええ、食中毒おこすくらい味あわせたる。」

中澤がそう言うとひとみは静かに歩き出していた。
やがて完全に中澤の視界からひとみが闇夜に消えた。
あたりには、静寂が戻ったが、まだ獣臭が立ち込めている気がした。
44名無し募集中。。。:02/05/22 03:39 ID:fv5XLhU4
緑のやつ?
45名無し娘。:02/05/22 12:11 ID:49bfT8kM
お気に入りっと。
46名無し募集中。。。:02/05/22 12:30 ID:LTWkOTdg
あれ?
47格闘娘。 :02/05/22 21:21 ID:mYazU/xb
この話ですが、どこかで見たことあるとか言う声を
聞きますが、この話は、かつて自分が書いたものに加筆、訂正、変更を
加えたものでが、まずいでしょうか?なにかまずいことが、あったら
話はここでおわらせますので。
48名無し募集中。。。:02/05/22 21:35 ID:LTWkOTdg
つづけるべし
49名無し募集中。。。:02/05/22 21:46 ID:i4mkVMEz
やっちゃえ、まずやっちゃえ。
50名無し募集中。。。:02/05/22 22:34 ID:Ilqn/+BF
やっちゃえ、取り敢えずやっちゃえ。
51名無し募集中。。。:02/05/22 23:05 ID:LETwAT7e
アッチは放棄するの?
52名無し募集中。。。:02/05/22 23:31 ID:i4mkVMEz
パクりで無いのなら問題無いでしょ、つづけちゃえ。
53格闘娘。 :02/05/23 23:11 ID:KsZSLoI0
第3章〜継承

1.

平家との死闘から二ヶ月が過ぎていた。
吉澤 ひとみは、三重にいた。
中澤を介し、平家が自分に合いたがっていることを知った。
(なぜ?)という気持ちがないわけではなかった。
しかし、あれほどの人物ともう一度会えるということだけでも
行く価値はあると思った。気がつくとひとみは三重にいた。
ひとみは駅を出ると荷物を置くためにまずは、ホテルを探した。
駅から一番近いビジネスホテルを選びすぐにチェックインを済ますと、手ぶらのまま
中澤に教えられた住所に向かい歩き出していた。
気がつくと町から大分遠ざかっていた。あたりは田んぼと山という
日本的な景観が広がっていた。
そんな中に平家の屋敷があり広大な敷地の中に純和風の建物、それ以外にも武道場まであり
庭はちょっとした日本庭園を思わせるつくりであった。
ひとみはその屋敷の門の前に立った。門は開けっ放しであった。
ひとみは躊躇なく敷地内に入っていった
54格闘娘。 :02/05/23 23:11 ID:KsZSLoI0

2.

ひとみが敷地内に入ると奥の方から人影が動いた。平家みちよであった。
「もうそろそろくるころだと思っていたよ。」
平家が言った。
「お久しぶりです。でもなんですか?あたしに会いたいって?」
「まあ立ち話もなんや、中へ入ろうや。」
平家は、そういうとくるりと振り返り道場の方へ向かっていった。
ひとみは、その背中を見て違和感を感じた。たかが二ヶ月前の平家とは明らかに違う。
前にみた平家は、もっと大きく見えた。ひとみがそんなことを考えてるうちに二人は
道場の中に入っていった。
武道場は板張りであった。平家流は、組み技、関節技が中心の武術であるが
何故か道場は畳でなく板張りである。
広さは、3〜40人くらいが同時に稽古できそうな感じの広さであった。
その板の上に二人は、相対して座った。
55格闘娘。 :02/05/23 23:14 ID:KsZSLoI0

3.

平家は、じっとひとみの方を見て言った。
「君と立ち合った時・・・・勝てないと思ったよ。」
意外な言葉であった。
「しかし・・・負けても悔しさはないよ・・・・君が全力で私を仕留めに
きてくれたからね。」
 続けて平家が言った。
「そして、私も全力で戦った・・・・それこそ全力でね・・・
 敗れたとはいえ、この技術が錆びる前に使うことができたんだよ。
 君に・・・・・・・感謝したい。」
束の間の静寂が訪れたがその静寂を破り平家が言葉を発した。 
「そして・・・・君に平家流の技を受け継いで欲しい・・・」
 「私がですか?しかし、平家流は、一子相伝では・・・」
「私には、娘もいなければ、内弟子もいない。今は、近所の子供に教えているだけさ、
 それも護身術のレベルでね。真の平家流は殺人術!その技を受け継げるものはそうはいない、
 心水館の連中も何人か私の元で学んだが、奥義を伝えられるほどではない。
 だからこそ君に頼みたい。私の代でこの技術を絶やすのは無念だ・・・」
 永年受け継がれてきた技術が自分の代で途絶えると言う無念は察して余りあるものだとひとみは解っている。
しかしそんな難しい理屈より平家流を学べるとい言うことに興味があった。
「解りました。学ばせていただきます。」
「ありがとう・・・・・。」
平家は、涙を浮かべていた。
56格闘娘。 :02/05/23 23:14 ID:KsZSLoI0
4.

夕闇があたりを包んでいた・・・
平家は、ひとみに自分の所に泊ってゆけと言ったが、生憎と
荷物をホテルに置いてきてしまっていた。
その為、明日また伺うということにして平家の屋敷を後にした。
ひとみは、それからしばらく歩いていた。気がつくと街についていた。
「ん?」
ひとみは、通りに人だかりが出来てるのを確認した。
(喧嘩か!)長年の経験でこういう事は、良く解る。
人が遠巻きにしている中心に二人、人がいた。
一人は、小柄でどこか無愛想な感じであった。
もう一人は、前歯がねずみのようにでている。格好からして堅気の人間では、ないようだ。

「なあ、姉ちゃん?どうするんやこれ?おろしたてが台無しやわ。」
ねずみの様な歯の人間が言った。名は、稲葉 貴子という。
やくざ者であり、この辺りでは、少しは、名が知れているらしい。
見るとスーツの裾に泥がはねた後があったようであった。
「あたしがやったっ
57格闘娘。 :02/05/23 23:15 ID:KsZSLoI0
て言うなら謝るけど・・・」
娘はそう言った。
「そやない・・・そう言うことやないんや姉ちゃん!」。
「5万置いて帰ェんな」
(フッ)
「おかしいか?姉ちゃん?」
そう言うやいなや稲葉は殴りかかった。
拳は、顔面を捉えた・・・が殴った稲葉の方がダメージがある。
「話はついたな・・・帰らしてもらうよ」
「まてえや!!」
稲葉はそう言った。右手にはナイフが握られていた。
「せっかくこの稲葉さんともめてるんや、もうちょい遊んでいったら
どうや?」
「つまんないよ・・・泥はねたくらいで怪我するのは・・・」
娘はそう言った。
あたりに緊張が漂う。
ひとみは、先ほどから目でその娘の姿を追っていた。娘からただならぬ雰囲気を感じ、それを見てみたい衝動に
かられていた。
「手加減できないよ」
58格闘娘。 :02/05/24 01:32 ID:qRd0RnfI
続けても良いとのことですので、続けさせていただきます。
設定は、結構変える予定でいます。
またもう一方のほうもぼちぼちと続けてみたいと思いますで
気が向いたら読んでみてください。

59名無し募集中。。。:02/05/24 02:21 ID:96cTm/77
待ってましたよ。
もう一方って何処ですか?
60名無し募集中。。。:02/05/24 03:09 ID:RrKTlfs5
>>58
更新おつかれさまです。
どちらも楽しみにしています。
61名無し募集中。。。:02/05/25 03:27 ID:Y/AlS1VZ
保全
62格闘娘。 :02/05/25 19:00 ID:XO63y9PK
その言葉が言い終わるかどうかの時、稲葉は刺しに言った。
娘は、半身でナイフを交すと裏拳で稲葉の手首を打った。
ナイフが宙に舞う。
さらに首を捕らえ顔面に一発、前のめりになった所に背中に肘で一発。
それで終わった。
カッーンと宙にまったナイフが落ちる音がした。
娘はゆっくりとその場から立ち去っていた。
辺りには再び元の街に戻っていた。
63格闘娘。 :02/05/25 19:01 ID:XO63y9PK
13.

翌日の早朝、ひとみは昨日の約束通りに平家の屋敷に来ていた。
ゆっくりするまもなく道場に移り早速、平家との稽古を開始した。
葛技の型、そして葛技に入るためのいくつもの
バリエーションを繰り返しみっちりと叩き込まれた。
その技の名は、片羽締め、蜘蛛絡みといった、独特の技名で呼ばれていた。
このようなことが数回繰り返された。やがて平家が動けなくなっ
たところで稽古が終了した。
「さすがにのみこみが早いな」
平家が言う。
「とんでもないっス」
ひとみが答える。
「しかし・・・」
「なんや?」
「あの足のさばき方には驚きました。まさに死角、死角に入ってきます。何故
 これをあたしとの闘いで使わなかったのですか?」
「ああ、これか・・・今ウチ等はどこで闘っとる?」
「道場ですが?」
「この前あんたと闘った時は河原だった。足場に大小の石があり滑らかでは
 ない、さっきウチがやった動きは、安定した足場があってできるもんや。」
なるほどとひとみは、思った。そして、よくこんな娘に勝てたものだと
思った。
64格闘娘。 :02/05/25 19:01 ID:XO63y9PK
「ところで吉澤、明日、あんたに紹介したい
 人がおるんやけどええか?」
「誰ですか?」
「会ってからのお楽しみや」

14.

翌日ひとみは昨日の疲れを残しながらもまた朝から平家とともに
稽古を行っていた。平家はさすがに昨日の疲れを残しているのか
動きが鈍い気がした。いやそれはひとみとの動きが
昨日と比べ物にならないくらいキレを増しているためにそう見えたのかもしれない。
「休憩や」
ひとみがしばし息を整えてストレッチを行いだした。
その行為を行っている最中に以前感じたことのある闘気を感じた。
そして、その闘気が近づいてきた。
「先生。」
客が平家に言った。
「おう!来たか!」
平家が答える。
(こいつは・・・・・)ひとみは、思った。
数日前に稲葉を叩きのめした娘がたっていた。
「紹介しよう、福田 明日香や」
65格闘娘。 :02/05/25 19:02 ID:XO63y9PK
15.
「この福田は、あんたと同じで決まった流派はあらへんが、たまにここに来て稽古つんどる。」
「福田です。」
明日香は、軽く頭を下げそう言った。
「福田、紹介するで・・・」
平家が言葉を発してる最中、福田は言った。
「吉澤 ひとみですね。」
「初対面やないんか」
「二度目です。」
「ヘェ・・・あの時みてたの知ってたのか。」
「平家先生から聞いていた。吉澤 ひとみの顔つき、体つき、空気・・・」
ほぉ〜〜」
ひとみは、不機嫌そうな顔でそう答えた。
66格闘娘。 :02/05/25 19:03 ID:XO63y9PK
16.
それから少しの間、静寂が場を支配した。5分か・・・あるいはもっと
短かったかも知れない。その静寂を切り裂くかのようにひとみは、言った。
「あたしと闘らないか・・・」
「な・・・なに言っとるんや」
平家が言う。
「たいしたことじゃないですよ、手合わせしてみたいだけです。」
ひとみは内に秘めた野獣の叫びを声にした。
「あたしに・・・・・闘う・・・理由がない・・・」
明日香がぼつりと呟くように言った。
「理由・・・?」
「理由のない戦いはリアルではない・・・・」
「へっ・・・じゃあ、あたしが理由を作ってやろうか?どんな理由ならいい?
 どんな理由ならいいのさ?」
 (まるで、野良犬だ・・・・)ひとみは、そう思う。
平家があきれ返った表情を見せた。
「明日香・・・ひとみは本気みたいやで・・・」
平家は低い声でそう言った。
「好きにしたらいい・・・・」
明日香は言った。
「じゃっ」
67格闘娘。 :02/05/25 19:05 ID:XO63y9PK
その刹那ひとみの上段回し蹴りが明日香の側頭部を襲った。
蹴りは、明日香の頭部の数ミリ手前で止まった。
「よかったよ・・・・止めてくれて・・・吉澤 ひとみに少なからず
 興味があった・・・これで失望しないですんだよ・・・」
明日香が淡々と言った。
「あたしも安心したよ、この程度でビビるような奴じゃなくってさ」
「仕掛ける間合い、タイミング、闘気・・・・その全てが偽り・・・避ける必要
 などあろうはずもない!」
「ほう・・・・」
ひとみの声には怒気が含まれていた。
その二人の緊張した空気を壊す声がした。
「よお小難しい話は、そのぐらいにしといてくれんかの・・・」

道場の入り口に二人の人物がたっていた。くわえ煙草をした娘が
土足のまま道場に入り、言った。
「福田っつうのは・・・・・」
くわえ煙草の娘がそう問う。
「あたしだけど・・・」
明日香が答える。
68格闘娘。 :02/05/25 19:05 ID:XO63y9PK
「あたしゃあ戸田 鈴音っちゅうてな、数日前あんたに叩きのめされた稲葉の関係のモンや」
戸田が低く凄みのある声で言った。
「姉貴分が、不始末をつけにきたか・・・・」
ぼそりと明日香が言う。
しばしの沈黙が戸田と明日香の間に流れた。
その間を破るように戸田が言う。
「福田 明日香・・・・銭で解決しようとしても持ってる面やないな。」
「・・・・」
「おい、信田・・・遊んでいただきな・・・」
 戸田が自分のとなりにいた人物にそう言った。
「うす。」
 信田が言った。
「勝っても負けても恨みっこなし・・・・稲葉ぶっ叩いた分は、ちゃらや。」    
 戸田がそう言った。
「そうしてもらえるとありがたい・・・・」
明日香が言った。
「たいそうな自信やな・・・この信田はな・・・もと五輪代表になったほどや・・・・そっちの方はもう退いてるが
 喧嘩の方は、まだバリバリや・・・・」
 戸田が脅すような声でそう言った。
「ルールは・・・?」
 明日香が問う。信田の経歴など意に介してないといった感じである。
「ん〜目ん玉は、なしや!後は、どっちかが、立てなくなるまでや。」
 戸田が答える。
69格闘娘。 :02/05/25 19:07 ID:XO63y9PK
それだけ確認すると明日香は、信田と向きあった。
二人が向き合い死合が始まった・・・・
信田は様子見の意味もこめて左で明日香をつかみにいった
「しっ」
明日香はこれをかわすと前蹴りを信田の膝に放った・・・信田の膝が破壊され体が
前のめりになった。明日香はその期をのがさず右の拳を間髪いれずに信田のこめかみに放った。
ゴツという音とともに信田は崩れおち。さらに明日香は追撃のため踵で首を狙いにいった。
「や・・・・・やめっ」
戸田がそう言った。
明日香の踵は道場の床を叩いた・・・・。
床には悶絶し耳から血を流した信田が横たわっていた・・・・
(こ・・・・これが・・・・これが・・・福田 明日香・・・)
ひとみは、戦慄を覚えた。動けない。しかし、目は明日香を睨んでいる、明日香もまた、ひとみを睨んでいた。
「生きてる・・・」
じゃがんで信田の様子をみた戸田はそう言った。
やがて、戸田は立ち上がり、明日香の肩をポンと叩いていった。
「これで、あんたが稲葉をぶっ叩いた分はちゃらや」
「助かる」
明日香は短く言った。
「それにしても気持ちのいい喧嘩をしよる・・・・・」
70格闘娘。 :02/05/25 20:18 ID:XO63y9PK
とりあえずここまで更新しました。
かければ夜もう一回更新したいと思います。
またもう一つですが緑板にあります。タイトルは「蒼天」でかいてます。
71格闘娘。 :02/05/26 00:51 ID:TcipISHx
第5章〜紅鶴

1.
神奈川県横浜市にある東京湾に面した工場地帯は昼の喧騒とは
裏腹に夜は静まりかえっている。その工場地帯の中に、野球場やテニスコート
を備えた公園があった。昼には人で賑わうその公園も夜には静寂が支配している。
その公園に人の走る音がした。ザザッという足音を立て必死の形相で誰かから
逃げているようだ。その娘は時折後ろを振り返りつつ必死で走る。
やがてその娘は追っ手をまいたとの確信を得て、ふうと一息ついた。
(はあ・・・)
「久しぶりだね。藤本!」
藤本 美貴は反射的に後ろを振り返りその声の主を確認した。その姿を確認した瞬間の藤本は全身
が凍るかのような恐怖に襲われた。
「矢口・・・」
藤本が名を言った娘の名前は、矢口 真里といった。かつて、飯田、石黒、と共に同じ流派の
拳法を学んでいた。
72格闘娘。 :02/05/26 00:52 ID:TcipISHx
「もう追いかけっこは、終わりだよ。あんたに聞きたいことがある。」
「あんたなんかに話すことなどない!」
「そうは、いかないね。飯田の腰巾着だったあんたなら、あいつが今どこにいるか知っているだろ?」
「なぜ飯田さんを?もう伝承者は飯田さんに決まっている。それは、いまさら覆らないよ。」
「そんなこと、どうでもいいことさ!あんたは、あいつの居場所をあたしに教えればいい!」
「なら、実力で聞き出してみな!」
藤本は、そういうとスッと構えに入った。藤本も伝承者になれなかったとはいえ、かつて
圭織や石黒と同じ流派で修行を積んだ。その技の切れは、五本の指に入るとまでいわれていた。
「あんた正気かい?本気であたしとやると言うのか?くくっ、久々に血を見たくなってきたよ。」
頭上の雲の流れが心なしか速く動いている気がした。そして雲は月を完全に隠してしまい
二人の間にある光は、街灯の弱い光だけであった。その光が死地を照らしていた。
73格闘娘。 :02/05/26 00:53 ID:TcipISHx

2.

「はっ」
気合と共に藤本の拳が放たれた。シュッと言う風を切る音が聞こえるかの様な
切れの拳であった。
(なに?)
一体いつ動いたのであろうか、矢口の人差し指が、藤本の
額にある。その動きを藤本は捉えられなかった。
そして次の瞬間に矢口はその指をすっと、下に移動させた。
「一体なんのおまじな・・・・ガハッ」
矢口が下ろした指の軌道に合わせるかのように藤本の額から目じりにかけて
大きな傷が現れた。おびただしい血が、藤本の顔を染める。それにより
藤本は、矢口を見失った。
(何処だ?)
そう思った次の瞬間に喉に熱い痛みを感じる。矢口の指が藤本の喉をえぐっていた。
その攻撃は、藤本を思考停止寸前においやる。
さらに矢口は、藤本の顔に流れる血を残るほうの手で拭うとそれを己の唇に塗った。
74格闘娘。 :02/05/26 00:54 ID:TcipISHx
「どうだ藤本?あたしは美しいだろ?」
「うっ・・・・くっ・・・」
「言え!飯田は何処だ?」
「し・・・知りません・・・」
「知らないのか?まあ、いいさ、だがお前にはメッセンジャーになってもらう。」

グキッ

首の骨が折れた音であった。矢口は指を突き刺したまま、残る指で藤本の
首をつかむと一気にへし折った。乾いた音が夜空に響き渡ったがそれは
一瞬だけで、また元の静寂が戻っていた。

「飯田・・・あたしは、あんたの血で化粧がしたいよ。」
7559:02/05/26 03:58 ID:E8PPt/IM
更新乙です。
「蒼天」、読ませてもらいました。
こちらと併せて期待しております。
76名無し募集中。。。:02/05/27 03:28 ID:Q8zR6COg
保全。
77名無し募集中。。。:02/05/29 04:29 ID:XRBDsaJY
保全
78名無し募集中。。。:02/05/30 00:38 ID:oK2BQBnW
保全。
79格闘娘。 :02/05/30 00:56 ID:FYpqo31p

3.

「相変わらず凄まじい技の切れやな。」
矢口の後ろから声がする。即座に矢口は振り返った。
「加護か。」
「こいつで、飯田に縁のあった奴は、あらかたつぶしたはずや、
 誰も奴の居所を知らんちゅうのはどういうことや?」
「あいつを最後に確認できたのは石黒を倒したとこまでだよ、それから先は行方知らずだ。」
「もう、こっちから追っかけるのは疲れたで。」
「あたしもだよ、だからこそこいつには、メッセンジャーになってもらう。」
「上手くいくんか?」
「奴のことだ、きっと来る。」
「・・・なあ。」
「なに?」
80格闘娘。 :02/05/30 01:02 ID:FYpqo31p
「なに?」
「ウチはもう一人でやらしてもらうで、ウチはウチのやり方で飯田を殺る。」
矢口は、暫くだまったっまま何か、考え事をしていた。
そして、ゆっくりと口を開いた。
「ああ・・・好きにしな。」
「そうさして、貰うわ。ウチとあんたどっちが先に飯田を見つけても恨みっこなしやで。」
「解ったよ。」
それだけ言うと加護は、すぐその場を去った。
「加護・・・」
矢口は、その立ち去る姿をぎゅっと拳を握り歯を軋ませながら睨んでいた。
81格闘娘。 :02/05/30 01:02 ID:FYpqo31p
1.

池袋にある巨大なビル郡その中に心水館の本部道場がある。
日本はもとより海外からも強くなりたいと思うものが集まる。
6階建てのその最上階に館長室・・・最も現在館長は、不在であり。
館長代理室となっている。その館長代理は中澤 裕子が勤めていた。
2.
心水館の二階には、事務室がある。そこには金銭面を管理している
事務員が働いているが、夜6時を回ると通常もう人は、いなくなっているが
7時を過ぎた今でもまだ働いてるものがいた。
飯田 圭織であった。上京し、知り合いである中澤に相談したところ
この職を紹介してくれた。
(これをすれば、終わりか・・・)
そう思っていたときにガチャリというドアの開く音がし、中に人が
入ってきた。館長代理 中澤 裕子であった。
82格闘娘。 :02/05/30 01:04 ID:FYpqo31p
「よっ!おつかれさん。」
「裕ちゃん。」
「圭織、ええんか?こんな遅くまで働いてて、希美が腹すかせてまっとるで。」
「いいんだよ、あいつ最近食いすぎだから、この位でちょうどいいよ。」
「まあ、格闘家は体が、資本やからな。おおめにみたれ。」
「うん。」
「そんなことは、おいといてや、お前ホンマにここで、働き続けるんか?」
「えっ!なんで?あたし役に立っていないかな?」
「そうやない、お前が狙われとるのは、知っとる。こんなに目立つとこに居てええんか?」
「大丈夫、大陰は朝廷に隠れ、中陰は街に隠れる・・・人ごみの中の方が反って目立たないよ。」
「そうか、ならええ。」
「それにもし裕ちゃんに迷惑がかかるようだったらすぐに去るよ。」
「心配するな大丈夫や。」
83格闘娘。 :02/05/30 01:04 ID:FYpqo31p

3.

「さてと・・・」
「どっかいくの?」
「ウチの道場の後援会の人と飲むんや。こうみえて空手の道場を経営してくっちゅうのは
 なかなか大変なんや」
「そう・・・頑張って!」
「ああ、お前もはよ帰れ。」
中澤はそういい残し出かけていった。
(やるか・・・)
圭織は、中澤を見送った後、再び仕事に取り掛かった。
それから暫くして、圭織は、つけていたテレビから聞き覚えのある名前を耳にした。
「昨夜未明、横浜市鶴見区の公園で裸の女性の死体が見つかりました。
 女性は無職、藤本 美貴さんで首の骨を折られており、背中には”Y.M”という
 文字が血で書かれて・・・・・・」

ガタッ

その瞬間圭織は立ち上がり体を小刻みに震わせながら、テレビのモニターをじっと
見ていた。

「矢口・・・・」
84格闘娘。 :02/05/30 01:06 ID:FYpqo31p
4.

飯田 圭織は仕事の休日に希美と梨華と共に中華街に来ていた。
その中に紅鶴楼という高級中華料理店がありその中に三人はいた。
しかし何故か他の客はおらず圭織達三人だけであった。
「飯田さんいいんですか?こんな高そうなお店で。」
梨華が不安そうな顔で圭織の顔を見る。
まだ三人とも上京してきたばかりで、生活が安定しておらず金銭に余裕などない。
「大丈夫、心配ないよ。」
「お姉ちゃんが、こんなに気前いいなんて、絶対なんかあるのれす・・・」
「のの!あんた、つまんないこと気にしてんじゃないよ。」
くすくすと梨華の笑いが漏れる。
「それにしても何でお客さんが居ないんでしょうね?」
梨華が言った。広い店に自分たち三人しか居ないということに
不安を感じている。
「さあね。」
コッコッと人の歩く音がした
85格闘娘。 :02/05/30 01:07 ID:FYpqo31p

ウエイトレスが紹興酒を持ってきており、テーブルに置かれたグラスにそれを注いだ。
希美と梨華は、それを飲もうとグラスに手を伸ばし口に近づけた。
その刹那圭織は、二人に対し手で制した。
そして圭織はグラスを手に取りそれを鼻に近づけた。
「臭ぇな!この酒、お前飲んでみろ!」
圭織がウエイトレスにグラスを差し出した。
「そ・・その紹興酒は多少独特のにおいがしますが、風味もよく・・・」
「ありがたいな・・・だがいいから飲め!」
「うっ・・・」
「どうした?まさか毒でも入っているのか?」
「ひっ・・・ひいい」
そう悲鳴をあげウエイトレスは、一目散に逃げ出していった。
希美と梨華は、その様子を理解しきれていない。ただ圭織の
方を見ることしか出来なかった。
それからすぐに圭織達のほうにこの店を任されてるであろう責任者らしき
人物が来た。
「大変失礼いたしました。オーナーが謝罪したいとのことです。申し訳ございませんが
 ご同行願えませんでしょうか?」
「ああ、行こうか」
86名無し募集中。。。:02/06/01 03:36 ID:v3QM9HaH
保全
87名無し募集中。。。 :02/06/04 01:26 ID:SPk4GwlN
保全
88nanasi:02/06/10 20:59 ID:pctwwCz8
保全
89名無し募集中。。。 :02/06/13 05:06 ID:uLs4LlSf
hozen
90 ◆HOzENDAE :02/06/15 18:09 ID:GWD+hEwG
 
91格闘娘。 :02/06/16 01:46 ID:DkSY+Ead

5.

それから三人は、店の奥にあるエレベーターに乗せられ地下に下がっていった。
一体どのくらい深いのかは、解らないが、かなり深いところにあるのだろう。
降りた瞬間少し、ひんやりとしていた。
「さあ、この奥にオーナーがおります。どうぞ。」
その責任者はそういうと、またエレベーターに乗り引き換えしていった。
圭織達の目の前には、巨大な鋼鉄製の扉があった。
圭織は、躊躇なくそれをあける。
ギイィ
扉が開く音がした。明かりがないため良くわからないが、かなり広い
ホールであった。
その時突然ピアノの音がそのホールに響き渡った。
まるで地獄のそこから響いてくるかのようなような旋律がホールに響き渡る。
そして、突然そのホールにまぶしい光がともされ、ピアノの奏者の姿が見えた。
その奏者は矢口 真里であった。その知力、武力を背景に紅鶴楼のオーナーに
収まり表では、店で儲けまた裏では、麻薬などの売買で莫大な富を得ていた。
しかも自分の名前は絶対に出さないという念の入れ様であった。
92格闘娘。 :02/06/16 01:47 ID:DkSY+Ead
「矢口!てめえは許せねぇ」
圭織が言った。
「はは、久しぶりの再開だってのに随分な挨拶だね。」
「酒に毒を入れるとは、随分せこい真似するじゃねぇか。」
「はは、なにも飲むとは、思ってないさ。」
「だろうな、あたしの鼻は犬並の嗅覚だからな。」
圭織はそこまで言うと一歩退き半身に構えをとりだした。
6.

「あたしのメッセージを受け取ってくれて感謝してるよ。」
「無関係の者まで巻き込みやがって・・・」
「あんたが、逃げまくってるの悪いのさ、情けない伝承者だね。」
「ああ、あたしの甘さがこの悲劇を引き起こした、だからこそ、その悔いを断ちに来た。」
「けど、あんたあたしと闘う資格は、あるのか?」
「なに?」
「逃げている間にあんたの拳が錆付いていないかということさ!それを確かめてやるよ」
矢口はそういうとパチッと指を鳴らした。
すると奥から大きな娘が現れた。身長は圭織よりも15センチは高く体型は1.5倍くらいは
あり両の拳にボクシングのグローブをつけていた。
「そいつは、ダニエルって言ってね。今はあたしの店で用心棒してもらってるけど
 元は、ハワイのボクシングのチャンピオンだよ怪我がなければ全米チャンピオン
 になってたはずさ、どうだ?そいつとやるか?」
「二人とも下がってろ。」
圭織は、希美、梨華にそういうと、すっと構えを取った。
93格闘娘。 :02/06/16 01:48 ID:DkSY+Ead
7.

「最初に言っておいてやる。あたしに触れると死ぬぞ!矢口に組するものはあたしが直接葬ってやる。」
圭織が言った。
ブーンッ
その警告を無視するかのようにダニエルの左ジャブが圭織を襲った。
圭織は、それを後ろに引いて逸らす。
しかし、なおもダニエルは、打つ、打つ、打つ。
気がつくと圭織は、後ろの壁まであと数センチというところまで追い詰められていた。

「飯田さん!」
梨華がたまらず声を挙げた。

「どうした?もう逃げるところはないよ。」
ダニエルは、そういうと渾身の右ストレートを圭織に放った。
だがその拳は、圭織の左手に手首の辺りをキャッチされた。
ギュッ
圭織は左手に軽く力を込めた。
「ギャッ」
ダニエルはそのつかまれた右手に稲妻のような激痛を感じた。
(う・・・)
そして次の瞬間に圭織の左右の指がダニエルの胸部のやや下の辺りを突いた。
94格闘娘。 :02/06/16 01:49 ID:DkSY+Ead
「ゲイッ!!」
そしてそれを始めとし、圭織は、目で追えないほどの速さでダニエルの
体のいたるところを突いた。
「ほあたたたたたたたた。」
圭織の声がホールに響き渡った。
「うっくっ・・・」
ダニエルは、その瞬間己の体の全てから力が抜けていくのがわかった。
「当門・・破・・挿」
ダニエルは死の間際にその圭織の言葉を聞いたが全て聞き取れはしなかった。
「お前の体の骨を全て砕いた。あの世で藤本が待っている!」
その言葉はダニエルの耳にはもう届いていなかった。

「きゃははは、良かったよ飯田!あんたの拳が錆付いていなくてさ!」
矢口は、そう言うと圭織のほうに向かってきた。
95名無し:02/06/17 23:56 ID:htPVm1sW
保全
96名無し募集中。。。 :02/06/19 23:06 ID:BZ6WoBPg
矢口の頭上に死兆星が!
97名無し:02/06/21 23:34 ID:7EdxL1H0
保全
98名無し:02/06/25 18:30 ID:ynjFahUO
保全
99名無し:02/06/28 21:42 ID:LORbgW7f
age
100 The Happiest Man:02/06/29 12:27 ID:K67n/V4L


最大幸福は続く

 
101格闘娘。 :02/07/03 00:28 ID:tFBmVl2S
8.

「矢口!てめえを殺る前に一つ聞いておきたいことがある・・何故狂気に走った?」
「実力で言わせてみな!あんたなら出来るだろ?」
「・・・いいさ、来なっ!」
地下室の冷たい空気が、二人の闘気により熱くなっているかのようであった。
の空気は、矢口の鉈のような指の動きによって切り裂かれていった。
シュッ
その拳が圭織の腕の皮を薄く切った。
矢口のその指はもはや刃物であり鍛えたその指先が爪以上に硬質化していた。

「お前、暫く会わないうちにこんな拳を身につけていたのか・・・」
「あんたと同じ流派で修行積んでた時のあたしじゃないよ!あんたのその顔を切り刻んでやるよ。」
さらに矢口は、己の右指で圭織を攻める。その速度は、次第に上がってきており
時間が経つにつれ圭織の腕の傷が深くなってきた。
「きゃははは、どうした?あんた伝承者だろ?」
102格闘娘。 :02/07/03 00:29 ID:tFBmVl2S

9.

圭織は、矢口の鉈のような動きに翻弄されていた。ただでさえ指一本の動きでは
見切るのは、困難でありさらに矢口レベルともなれば、毎回違う軌道で攻撃を
繰り出してくる。
ざくり
その矢口の指が圭織の額を切り裂いた。
その血が床に一滴二滴と滴る。矢口は即座に追撃を仕掛けてきたが
圭織は矢口の攻撃から逃れるためにその制空圏から逃れていた。
「矢口!お前のあたしに対する執念は、解った!けど、やっぱりあんたじゃあたしに勝てない!」
「きゃはは、あんた何を言っ・・・」
そこまで言うと矢口は己の頬に滴るものを感じていた。その液体は赤く生暖かい物であった。
「矢口!本当にごくろうさん!」
103 ◆HOzENDAE :02/07/06 01:17 ID:ECyn9sFJ
 
104 ◆HOzENDAE :02/07/10 11:05 ID:rZk+IWUG
 
105半自動保全エージェント ◆HOzENDAE :02/07/15 11:49 ID:fQIPLOT7
テスト運用中 1026701269
106半自動保全エージェント ◆HOzENDAE :02/07/18 09:36 ID:ML42x3qh
保全書き込みを行います. 1026952545
107半自動保全エージェント ◆HOzENDAE :02/07/22 00:06 ID:6fucDKyj
保全書き込みを行います. 1027264000
108半自動保全エージェント ◆HOzENDAE :02/07/26 00:09 ID:nMA9yuLy
保全書き込みを行います. 1027609787
109ねぇ、名乗って:02/07/31 01:28 ID:tIqGmPm3
1028046513
110 :02/08/02 12:31 ID:4asBZhWy
 
111名無し募集中。。。:02/08/03 00:32 ID:3LOVEuBb
LOVE保全
112格闘娘。 :02/08/04 02:52 ID:6ANqtTQZ
10.

「くっ・・・」
「解るか矢口?お前の拳はもう見切った!もうお前に勝ち目はない!」
「あたしを見下したようなセリフは許せねえ」
シュ
矢口は、さらに己の指を振り回す。しかしその攻撃はもはや圭織の薄皮一枚切るのが精々であった。
「きゃはは、切れろ、切れろ。」
「・・・・」
「と・・・留め!」
矢口がそう叫び己の指を一直線に真上から振り下ろした。
しかし圭織は矢口の指の軌道が直線になるのを狙っていた。
113格闘娘。 :02/08/04 02:53 ID:6ANqtTQZ
すっ
圭織はそれを最小限の動きでかわした。そして一気に矢口との間を詰める。
(ああ・・美し・・・)
ガシッ
矢口はそう思った瞬間に顎に電流に似た衝撃を感じた。
圭織の足が顎にヒットしていた。自分の体を回転させ相手に蹴りを加える大技
、いわゆるサマーソルトキックが矢口の顎を砕いた。
「うぐっ・・・」
矢口は、それでも倒れない。朦朧となりながらも本能だけで立っていた。
「矢口 真里・・・イ爾已經死了!」
ズッ
圭織の放った手刀は深々と矢口の胸に突き刺さっていた。
114格闘娘。 :02/08/04 02:54 ID:6ANqtTQZ

11.

「く・・・不覚・・また、あんたの動きに心を奪われて・・・けどねあたしは
 こんな死に方はしないよ・・・」
矢口は、そう言うと突き刺さってる圭織の手を引き抜くと圭織の胸にもたれるかのように
倒れていった。
「あたしは、いつもあんたの影を追っていた・・・そしてあんたの拳をね。
 でも・・・駄目だったね、所詮あたしは伝承者の候補にもなれない屑星・・・
 飯田 圭織・・・あたしが知る最も美しく、もっとも強い娘・・・せめて最期は
 その腕の中で・・・・」
圭織は腕の中の矢口から力が抜けていくのがわかった。そして圭織は矢口をずっと
抱きしめていた。
115格闘娘。 :02/08/04 02:55 ID:6ANqtTQZ

12.

「お姉ちゃん!」
「飯田さん!」
希美と梨華が圭織の元に近寄ってきた。
圭織は矢口をそっと床に置き二人から間を取った。
そして手で二人を制した。
「待て動くな!」
圭織が言った。
「お姉ちゃん?」
「のの!下がってろ!」
すっ
圭織は再び戦闘態勢に入った。
「てめえは誰だ?」
「はっ?何を言ってるんですか?飯田さ・・」
「とぼけるのか?それじゃあ聞くが何故さっきの酒はお前のグラスには毒が入ってなかった?」
「うっ・・・」
「そしてもう一つ!何故お前の体からは、石川梨華の匂いがしない・・・姿形はそっくりだが
 匂いまでは、無理だったな。」
「くっ・・・いつから解っていた・・」
梨華が・・・否梨華の影武者が言った。
116格闘娘。 :02/08/04 02:56 ID:6ANqtTQZ
「道場でお前とあった時からさ!」
「それでは、あたしは泳がされてたのか?」
「ああ!そのうちお前が尻尾を出すんじゃないかと思ってね気付かないふりしてやってたんだよ。」
「ちぃー」
「言え!お前の後ろに居るのは誰だ?そして梨華はどこにいる?」
「はっ!」
梨華の影武者がスッと右腕を動かしたと同時に服の袖に仕込んでいた巨大なナイフで切りかかった。
ドン
圭織は、それを苦もなく交わすと喉を突いた。
「うぐぐ・・」
「言え!矢口をそしてお前を操っていたのは誰だ?」
「くっ・・・」
梨華の影武者の口から赤い血が流れてきた。舌を噛み切っておりすでに事切れていた。
圭織は、無念の表情でその娘。を睨みつけるしか出来なかった。
117 :02/08/08 20:36 ID:wWskFcr2
118名無し募集中。。。:02/08/14 22:22 ID:Wsl8h9Qp
更新待ってました。
119 :02/08/17 11:59 ID:vv/aFhZQ
120格闘娘。 :02/08/18 21:25 ID:9ztisy+E
第6章

1.

中澤裕子は、三重の平家の屋敷にいた。警察により平家の死を告げられていたためである。
警察の話によれば、平家は頚椎をひねられておりそれが死因であるとのことであった。
死体は、死後一週間以上たってから発見された。しかし金品が獲られた形跡が無いこと
や怨恨の関係などが浮かばないことにより事件の解決を難しいものとした。
(一体誰が?)
中澤は親友の死を目の当たりにしても何も出来ない己の無力さを呪った。
そして警察のほうから死体が、本人であるか確認して欲しいといわれた。その死体は、確かに平家であった。
その死体を見たとき中澤は首筋にある特徴的な痣に気付いた。それは三日月のような痣であった。
その傷を見たとき中澤の表情が僅かだが曇った。
それから中澤は暫く警察の質疑に答えていた。それも終わり宿に引き返そうとしていた。
121格闘娘。 :02/08/18 21:26 ID:9ztisy+E
その時後ろからハァハァと息を切らす音が近づいてきた。
その声の主は吉澤ひとみであった。
「吉澤・・・・」
「ああ・・・あんたか平家先生が・・・」
「わかっとる・・・まあここで話すのもなんや・・・場所変えようや。」
中澤はそういうと自分の泊まっているホテルに吉澤を招いた。
122格闘娘。 :02/08/18 21:27 ID:9ztisy+E

2.

吉澤が通された部屋は豪華と形容するに相応しい部屋であった。
アンティークなベッドやソファなどが広い部屋にゆったりと置かれており
それがこのホテルの格調の高さを物語っていた。
二人は、ソファに腰掛けるとゆっくりと話し始めた。
「・・・がウチが警察から聞いた全部や」
「一体何故?何故平家先生が?」
「それは、解らん・・・警察も恨みや金では無いだろうという話や・・・」
「それじゃなんなんだよ?わかんないよ?」
吉澤の言葉からは、激しい憤りが感じられる。自分を見込んで鍛えてくれた平家の死に動揺していた。
「ああ・・・ただ一つきになることがある。」
「なに?」
「平家の死体についてた特長的な痣や・・・ウチの知ってる限りあの痣を平家につけれるような奴は
 一人しかおらん。」
「誰なんだ?そいつは?」
「吉澤!それ以上聞くとお前も修羅の道をいくことになるがええんか?」
「どういうことだ?」
「こっからさきは、お前が今までやってきたような甘い闘いやないんや、死ぬか生きるかの戦いやで・・・」
「あたしは、今までもそういう・・・」
吉澤がそこまで言いかけた時、中澤が言葉をさえぎった。
「お前が、みちよと闘ったように手加減はしてくれへんで」
「はっ?」
123格闘娘。 :02/08/18 21:28 ID:9ztisy+E
「みちよはなあの時お前に花をもたせてやったんや。」
「なぜ?」
「お前の素質を見極めるためにな!平家流の技を教えるに足るかどうか試したんや・・・」
「・・・」
「まあ、お前はその資格はあったみたいやな!みちよはお前に平家流を教えてくれたみたいやしな。」
「で・・・誰なんだよ平家先生をやったのは?」
「かつて、平家流最強の娘といわれた奴がおった。しかし、そのあまりの非道さ残虐さにより
 破門になった。そしてその後は、噂によると拳法をしているっちゅう話や」
「誰だ?そいつは?」
「保田 圭!」
124名無し募集中。。。:02/08/21 13:37 ID:G9w2YS0V
保田かよ(w
125名無し募集中。。。:02/08/24 22:48 ID:lekuCHlg
保全age
126格闘娘。 :02/08/25 12:49 ID:XUHJ4d7W
3.

その日は、朝から大雨であった。それは、夜になってもやむことはなく
雨脚はさらに強さを増していっていた。雨は時に雷も交え、その音があたりに
鳴り響いていた。平家みちよはそんな中道場で座禅を組んでいた。
もう格闘家としては、退いたつもりであったが、毎日の鍛錬だけは、欠かしたことは
なかった。その平家のいる道場は雨音の激しい音で支配されていたが、平家は集中を
切らさなかった。しかし平家は、この雨のため石段を上がってくる音には気付かなかった。
ゴロロッ遠くで稲妻が落ちた音と、道場の扉が引かれたのは、まったくの同時刻
であった。稲妻の光によりその娘のシルエットがくっきりと浮かび上がった。
平家はまったく動じることなくその方向に視線をやった。
娘は平家の方を見ている。
その娘と平家は、その場でにらみ合っていた。
127格闘娘。 :02/08/25 12:50 ID:XUHJ4d7W
「師よ!久しぶりだが、挨拶はなしだ!」
「圭かもうくるころかとおもっとったで。」
「死合でまけたそうだな・・・何故だ?平家流の奥義をもってしても勝てなかったというのか?」
「圭!ウチは、この技術をお前に授けたことを後悔しとる。お前を破門にしてしばらくたつが
 その後、お前は、拳法をやってたらしいな・・・」
「あたしの事覚えててくれて感謝してるよ。その後のことも気にしててくれたとはね。」
「そして伝承者に選ばれなかったこともな。」
「伝承者などあたしにとって問題ではない。」
「ならば、何を目指す?」
「あたしが、目指すのは、この世で最強であること。それだけだ!」
「なるほど、平家流の巻物が欲しくなったか・・・」
「そうだ、平家流の殺人術の奥義秘書を貰いに来た。」
「恐ろしい娘や・・ウチは恐ろしい娘を作り上げてしまった。お前はまた、無意味な破壊を繰り返すのか?やはりウチがお前を止めんと・・・」
平家はそういうと、すっと立ち上がり保田圭と相対した。
ドーンッ!
遠くで雷鳴が鳴る音が聞こえていた。
128格闘娘。 :02/08/25 12:51 ID:XUHJ4d7W
4.

「師よ手加減は、無しだ!」
そう言うと保田は己のこめかみの辺りを左の親指と人差し指ので突いた。
すると保田の表情が狂気を帯びたものに変貌していった。
「これは?」
「狂神魂!わが流派では、狂気を最高までに高め闘争力を最大までに高めることをことを
 奥義とする。」
「是非もなしか・・・」
ブーン
保田の拳が放たれた。
平家は、その拳をかわすと保田の死角に回り込みながら己の気を込めた掌をうつ。
「グハッ!」
その掌は保田の顔面にヒットした。
しかし、保田はひるむことなく、さらに平家に打撃を見舞う。
だがそれも、平家に軽くかわされただけであった。そしてさらに今度は胃に掌を貰った。
今度は、平家から仕掛けた、平家は常に保田の死角から、死角に移動しながら
保田を攻め立てた。
129格闘娘。 :02/08/25 12:52 ID:XUHJ4d7W
保田の全身は、すでにいたるところ平家の打撃により腫れ上がり、顔はおびただしい
血が流れていた。また平家のほうも息切れを見せていた。
否、その激しい動悸は、攻め続けた疲れからくるものでは、なかった。
「圭・・・心配するな何もお前を殺そうとは思わん、ただお前の拳を封じるだけや。」
「くっ」
保田は、そういわれてもなすすべなく膝を突いているだけであった。
「いくで!」
ズン
その音は平家の膝が床についた音であった。
「く・・・こんな時に・・・」
咳をしながら口を手で押さえる。しかしその手の隙間をぬって血が溢れる。
「そうか・・・師よ・・・病か!ふっ・・・天はやはりこの保田圭を選んだっ!」
「・・・圭よ魔道に堕ちたか・・・」
これが平家のこの世での最期の言葉となった。
保田は立ち上がり平家に対し己の最大の力を込めた拳を打った。

「ぬーーん!」
130格闘娘。 :02/08/25 12:57 ID:XUHJ4d7W
更新しました。
段々と話のつじつまが合わないと感じてますが、ほとんどノリで書いてるので
ご容赦ください。
131名無し募集中。。。:02/08/25 19:56 ID:zctB60ln
北斗孫家拳?
132格闘娘。 :02/08/25 23:03 ID:XUHJ4d7W
>>131

その通りです。一応躁気術も登場させたいと思います。
ちなみに矢口の使ったのは、南斗紅鶴拳です。
133七紙:02/09/03 06:00 ID:9womNToC
加護ちゃんがナコルルのコスプレしてる画像どっかにあったっけ。
ちなみに本人談によると「戦い系」ゲームは嫌いだそうです
134名無し募集中。。。:02/09/16 03:16 ID:AbUk2Nl+
丹波
文七
135格闘娘。 :02/09/16 14:44 ID:F2jyl4XU

5.

「ええか!吉澤気ぃつけえや!圭はお前もねらっとるかもしれんで!」
「あたしが?最後の弟子だから?」
「そうや、奴が今頃姿をみせたいうんは、平家流の奥義を狙ってのこと」
「なんだよそれ?」
「平家流の古くから伝わる殺人術をまとめたもんや!けどみちよは、そのあまりの危険さに
 それを後世に伝えるのをやめた・・・」
中澤はそこまで言うと煙草に火をつけ再び話し始めた。
「ええか!圭はみちよがお前に平家流を伝えたのを良く思ってはおらん!
 奥義を知るものは一人でいいと思っとるはずや・・・」
「つまりあたしの存在が邪魔だってことだろ?」
「まあ、そうや」
「心配ないよ!返り討ちにしてやるよ!」
「無理やな・・・」
「無理?あたしが勝てないってこと?」
「ああ・・・100・・・いや200%勝ち目は無い!奴が身につけとる拳法は死神の拳と恐れられた
 最強の暗殺拳やお前死ぬで・・・」
136格闘娘。 :02/09/16 14:45 ID:F2jyl4XU
「じゃああたしは、どうすればいい・・・」
「逃げるしかないな・・・」
「逃げる?あたしは武道家だ!そんなことは、できっこない!」
「まあ、そう言うとおもっとった。なあ?吉澤、ある人物の稽古を受けてみんか?上手くいけば
 身を守れるくらいにはなれるかも知れん・・・」
「上手くいって身を守れる程度か・・・まあやんないよりマシってとこだね・・・で誰なの?
 その人物ってのは?」
「後藤真希!」 
 
137格闘娘。 :02/09/16 14:46 ID:F2jyl4XU
第8章

1.

吉澤は中澤に教えられた住所に来ていた。
多くの雄大な自然が残された大地にその場所はあった。
北海道富良野市の中にある森林の中を抜けるとそこに広大な屋敷があった。
中に入るとそこには、大きな庭がありそこには、巨大なドラム缶や木に吊るされた
ロープが目に付いた。
(一体どんな奴が・・・)
吉澤は、これから自分にどんな試練が起こるのかを思い身震いしていた。
暫くは扉の前に立ちすくんでいた。やがて意を決して扉を開けた。
「すいませ・・・」
吉澤がそう言い扉を開けると長い廊下が目に入った。
そしてその廊下の奥からドドッという走る音が聞こえた。
一人の娘が必死な顔で吉澤の方へ走ってきてた。
「紺野〜〜〜〜っ!待て〜〜〜」
その紺野と呼ばれた少女の後ろからもう一人の娘が走ってきていた。
「待てません。」
「いいじゃん!乳揉ませろよ〜〜〜っ」
「いやです。」
138格闘娘。 :02/09/16 14:47 ID:F2jyl4XU
吉澤はその光景をただあっけにとられて見ているしかなかった。
紺野と呼ばれた娘はその後いたるところを逃げ回った後、再び玄関の前に
戻ってきたところを後ろからタックルをくらい倒されてしまった。
紺野を追いかけていた娘は後ろから紺野を抱きしめると紺野の豊かな胸を
揉み解し出した。
「いいねぇ!今日の乳も最高だね!」
「ちょっと・・・お客さんが来てますよ。止めて下さい。」
紺野にそういわれると娘は玄関に目をやった。
吉澤と目が合うとその娘は紺野の胸を揉みながら言った。
「あんた誰?」
「吉澤ひとみ、後藤真希に会いに来た。」
「ああ!あんたか裕ちゃんから話は聞いてるよ,今あたしは、紺野と楽しんでるんだ、ちょっと待ってな。」
(こいつが後藤真希?)
吉澤は呆れて物も言えなかった。自分の命の鍵を握っているのがこんなにもふざけた
人物であったのかと思い憤りを感じる。そしてそれは、怒りへと変わっていった。
「あんたちょっとそんな事してる場合なのか?真面目にやってくれよ」
吉澤はそう言うと後藤につかみかかった。
「無粋っ!あまりにも無粋っ!」
後藤の目がそれまでの目から変わった。
それは、格闘者としての目であった。
139格闘娘。 :02/09/16 14:48 ID:F2jyl4XU
後藤のその迫力に吉澤は気圧され後退した。気がつくと後ろには扉があった。
後藤は己の人差し指をすっと扉に対し突いていった。
吉澤はその瞬間信じられないものを目の当たりにした。10センチ以上はあるかと言う
鋼鉄製の扉が後藤の指により穴が開いた。
吉澤はその凄まじさに身震いしていた。
(殺される・・・)
後藤の指が次に吉澤の額に向けられてることに気付いた。しかし吉澤は、そのあまりの恐怖に
動くことが出来なかった。
死が吉澤の目の前に迫った。
「ごっちん!やめて!」
後ろから紺野が叫んだ。
「大体ごっちんが悪いんだよ。その人遠くから来てくれたんでしょ?それなのに
 そんな態度とったら誰だって怒るよ!」
「ああ・・・ごめん」
「失礼しました。私は紺野あさ美、こちらが後藤真希でございます。遠いところからよくおいでくださいました。」
紺野の丁寧な挨拶も吉澤はあまりに信じられないことがおこりすぎて耳には入っていなかった。
140格闘娘。 :02/09/16 14:49 ID:F2jyl4XU

2.

気がつくと吉澤は、ソファに座っていた。目の前には後藤がゆったりと腰をかけている。
そして、ただこちらを見ていた。吉澤は後藤と目を合わせられず、部屋をぐるりと見回した。
広い部屋にただソファとテーブルがあるだけであった。
吉澤は、紺野がお茶を持ってきてくれているのに気付いた。
「どうぞ」
「ありがとうございます。」
「遠いところからよくお越しくださいました。」
「いえ・・・」
それから暫く三人は無言のままであった。
その空間を切り裂いたのは、後藤であった。
「あんた狙われてるんだって?」
「ああ・・・」
「あたしに守ってもらいたいのかい?ならだめだね、あたしは紺野以外の人間は、助けてやんない。」
「ごっちん!」
紺野がじろりと後藤をみる。
「誰も守ってくれとは言ってない。ただあんたに身を守るすべを教えてもらいたい。」
「んあ〜めんどくさい・・・」
141格闘娘。 :02/09/16 14:53 ID:F2jyl4XU
「ごっちん!そんなこと言わないで。」
「いやだね。」
「・・・すまなかった。藁にもすがる思いで来たがどうも招かざる客みたいだったみたいだね。」
吉澤はそう言うとくるりと背を向け立ち去ろうとした。
ドアのノブに手をかけた瞬間に後ろから紺野がつかんだ。
「すいません・・・後藤の非礼は私がお詫びいたします。ですが後藤の腕は確かで
 ございます。どうかあなたもここで、身を守るすべを学んでいって下さい。」
吉澤は、くるりと振り返り紺野を見た。その目に涙が流れていたが吉澤には
その涙の意味がわからなかった。
142格闘娘。 :02/09/16 14:54 ID:F2jyl4XU
3.

「紺野さん・・・?」
吉澤は、思いがけない紺野の涙により吉澤は立ちすくすしかできなかった。
ドンッ
吉澤は思いがけない強い衝撃を体に感じ紺野と共に床に倒れてしまった。
それは、急にドアが力強く開けられた衝撃だった。
あけられたドアの向こうには銃を持った娘がいた。娘は部屋にはいると
銃を後藤に向け構えた。
「後藤死ねっ!」
しかし後藤は、身動き一つせずソファに腰掛けたままであった。
パンッ
乾いた銃声が部屋中に響きわたった。
そしてその軌道は後藤の額を目指していた。
「奥義、二指真空把!」
後藤の声がした。
吉澤はその時信じられないものを見た。暗殺者の放った銃弾が後藤の二本の指にキャッチ
された。さらに銃弾はそのまま暗殺者の方にむけ放たれていた。
143格闘娘。 :02/09/16 14:55 ID:F2jyl4XU
ざくりという鈍い痛みをともない頬に大きな傷が出来た。
さらに倒れていた紺野がすばやく起き上がると暗殺者の首の後ろを突いた。
「経絡秘孔、解唖門天聴を突きました。もうあなたの意思と関係なく話します!
 誰の命令でごっちんを狙いに来たのですか?」
「うっ・・・・・くっ・・・ぐはっ」
「言わないとあなたの毛細血管から血が噴出しますよ!」
「い・・・・石川・・・梨華・・・です・・・」
「そうです・・・それでいいのです。」
紺野はそう言うと先ほどと同じ箇所を突いた。
「ごっちん!今までに聞いたことの無い人だけどどうするの?」
「なあにどうせそいつも誰かの下っ端さ!ただこいつにはメッセンジャーになってもらう。」
「ごっちん・・・」
「紺野・・・いけないか?」
「いえ・・・やむを得ません・・・」
ズドッ
紺野のその声と同時に後藤の指が頭蓋骨を捉えた。
そしてその指は頭蓋骨を陥没させていた
144名無し娘。:02/09/17 11:09 ID:T9+H6R14
更新キター!!
145名無し娘:02/09/25 01:55 ID:Z77OVNkh
ほぜんあげ
146自動保全エージェント:02/10/06 15:18 ID:cS3cDEvU
( ^▽^)ホゼ美 1033885085
147名無し募集中。。。:02/10/07 18:47 ID:7tSm4/0h
保全
148名無し募集中。。。:02/10/13 01:11 ID:IropFeew
保全
タイトル見て飢えた娘=( ´D`)かとオモタ。
149格闘娘。 :02/10/13 04:22 ID:bLBDTq5n
紺野のその声と同時に後藤の指が頭蓋骨を捉えた。
そしてその指は頭蓋骨を陥没させていた。
後藤はすばやくその指を抜くと胸倉を掴み言った。
「この場では、命は助けてやる。帰ってそいつに伝えな!これ以上あたしにかかわるとただじゃすまないってね。」
後藤は掴んでいた手を放した。
暗殺者はすばやくその場を離れると脱兎のごとく逃げ出した。
「いいのか?あいつを逃がして・・・またあんたを狙ってくるんじゃないのか?」
吉澤が言った。
「心配するな、あいつはすでに死んでいる。」
「はっ?」
「気にしなくていいよ、世の中信じられない事のほうが多い・・・」
150格闘娘。 :02/10/13 04:22 ID:bLBDTq5n
4.

暗い部屋の中に蝋燭のあかりだけが揺れている。
その中にふたりの娘がおり先ほどから何度も裸で行為を行っていた。
「ああっ・・・・」
喘ぎ声が部屋の中に響いていた。気のせいであろうか蝋燭の火の揺らめきが大きくなった気がした。
ガタッ
遠くの方で音が響いた。
「どうやら帰ってきたみたいだね。高橋。」
その部屋にいた娘の一人がそういった。髪は長く茶色に染められており
肌はやや浅黒く細身の身体の娘であった。娘の名前は石川梨華といった。
「ええっ」
高橋と呼ばれた娘は、小湊流の道場で石川の影武者と一緒にいた娘であった。
ギィという音と共にドアが開かれた。
そこには先ほど後藤を襲った娘の姿があった。
「どうだった?」
高橋が娘の前に立ち言った。身体にはすでにローブが纏わられていた。
「す・・・すみません未遂に終わりました・・・」
151格闘娘。 :02/10/13 04:23 ID:bLBDTq5n
「す・・・すみません未遂に終わりました・・・」
「はっ!やれやれ・・・あたしの部下にはロクなのがいないね。飯田も失敗!後藤も失敗か・・・」
遠くから梨華が言った。
「申し訳ございません。」
「で、なにか変わったことは無かったか?」
「ええ・・・事前の情報によりますとあの館に居るのは後藤真希、紺野あさ美の二人だけという話
 でしたが、もう一人いました。確か吉澤ひとみと言う名だったと思います・・・」
「吉澤?・・・聞いたこと無いね。」
そう言った梨華の表情からは氷のような冷たい微笑が浮かんでいた。
(ん?・・・)
高橋は、その場におきている異変に気がついた。娘の頭が不自然なまでに膨らんでいるのである。
「お前・・・その頭はどうした?」
「えっ・・・頭がどうしたっ・・・・たわばっ!!」
ボンッという音と共にその娘の頭が破裂をし、あたりに脳髄や血飛沫が散乱した。
152格闘娘。
「こ・・・これはっ?」
高橋はその異常な死に方に頭が混乱した。だが人の死ぬ現場を見慣れてるのであろう。
数刻後には、平静さを取り戻していた。
「これは、後藤からあたし達に対するメッセージさ、これ以上かかわるとこうするってね!」
「もしやこれが・・・噂に聞く死神の拳と恐れられた拳では・・・」
「そう!でもちょっと違うんだ、この拳の宗家の拳の伝承者は、飯田圭織、そこからさらに三派に分かれて
 いてね、後藤はその中の一つを極めている。」
「では、あとの二人は?」
「それは、また今度話してやるよ、それにしても後藤の奴あたしを挑発してくるとはね・・・」