なちまり☆小説

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46LOVE
なち真里小説―Sweet Lover―


裕ちゃんの卒業式の朝――

目が覚めて布団から顔を出すと裕ちゃんはもう起きていた。裕ちゃんはベットの
上に座って‘恋の記憶’を鼻歌で歌っていた。
・・・裕ちゃん、なんか今日きれいだよ・・・
「あれっ?なっち、起きたん?おはようさん。」
しばらく裕ちゃんの横顔を見つめたままその鼻歌に聞き入ってたら、裕ちゃんは
視線に気づいたみたいでこっちを向いて話しかけてきた。
「…おはよ。」
「なんやねん、元気ないなぁ〜。」
「そんなことないって、なっち寝起き悪いだけだから。」
あくびをしながらベットの上に座る。
47LOVE:02/05/05 00:19 ID:dsV2T6Lj
なち真里小説―Sweet Lover―

「ならええけど。…もしかして、昨日は夜の仕事できんかったから不機嫌とか??
 そうやんな〜、ダブルベットでくっついてるのに出来へんなんて、蛇の生殺し
 やもんな〜」
裕ちゃんは腕を組んで一人で納得したように頷いてる。
「ちょっ、ちょっと待つべ。よっ、夜の仕事ってなんだベさ〜。」
「夜の仕事は夜の仕事。あんたら二人が毎晩すること。」
裕ちゃんはニヤニヤしてる。
「・・・毎晩するわけじゃないもん。」
「くくっ。なんの事かちゃんとわかっとるやんか。なっちもえっちぃなったな〜」
「ばかっ。エッチじゃないべさ〜」
「えっちぃなったってことは、成長したって証拠や。ラジオで普通に‘ペッティン
 グ’なんて言うてまう純粋な子やったのにな〜。」
「あっ、あれは…。もぉ〜、昔のことは忘れるベ。なっち恥ずかしいべ…」
48LOVE:02/05/05 00:20 ID:dsV2T6Lj
なち真里小説―Sweet Lover―

「ちょっとからかっただけやんか〜。そんなに赤面せんでもええやん。」
「裕ちゃんのせいっしょ!」
裕ちゃんに向かって枕を投げる。
「もぉ〜、ムキにならんかてええのに。」
裕ちゃんはなっちの投げた枕を上手くキャッチして飽きれたような声を漏らした。
「あんまりベットで暴れとったら矢口が起きてまうで。」
「暴れてなんかないっ!」
裕ちゃんにそう言ってから、隣りで寝てる真里に視線を落とした。真里はなっちの
左の小指をぎゅっと握って幸せそうな顔して眠ってる。
「大丈夫だよ。ちゃんと寝てる。」
「寝る子は育つって言うはずやのに…。」
裕ちゃんはちっちゃい声でつぶやいた。
49LOVE:02/05/05 00:22 ID:dsV2T6Lj
なち真里小説―Sweet Lover―

「育ってるじゃん、辻ちゃんと加護ちゃん。」
「そうか…矢口より寝るもんな」
「ほらね。」
「そやな。」
裕ちゃんと顔を見合わせて笑う。
「ふあ〜…。なっちぃ〜…」
裕ちゃんと笑い合ってたら、今さっきまで寝てた真里がベットの中で動き出した。
「まり。おはよ」
「なっちぃ…おはよごじゃいます。ねぇ…いつものは〜??」
目覚めるのと同時に、真里の中の甘えん坊にスイッチが入ったかのようにくっつ
いてくる。この子は隣りのベットで裕ちゃんが見てるのに気づいてないのかい??
「いつものってねぇ、横に裕ちゃんが・・・」
「いっしょに寝たらおはようのキスって約束ぅ〜」
真里はベットから素早く起きあがってなっちの腕にしがみついてる。
50LOVE:02/05/05 00:23 ID:dsV2T6Lj
なち真里小説―Sweet Lover―

「ええやん。チューくらいしたっても。
 チューくらいなら裕ちゃん気にせぇへんで。」
裕ちゃんはなんか小動物を見るような瞳でなっちたちを見てる。なんだよぉ。
真里は小動物でもなっちは違うもん・・・。
「なっち、裕ちゃんがイイってさ。チューしよ、チュー」
「もぉ〜、仕方ないな〜」
真里をそっと抱き寄せて唇を重ねた。
「んっ…んふ…」
重ねた唇からと息が漏れる。なんか…エッチな感じ…
51LOVE:02/05/05 00:24 ID:dsV2T6Lj
なち真里小説―Sweet Lover―

「んはぁ・・・なっち、今日はすぐ顔赤くなったね。」
唇を離すと真里がそう言ってホッペにそっと触れてきた。
「だってぇ…」
「・・・昨日エッチしてないから感じちゃった??」
「違うもん。裕ちゃんが見てたから…」
「ふふっ。人に見られると感じちゃうんだ。」
「そんなんじゃないべさ〜」
「はい×2、じゃれ合いはお終い。早よ用意して、10人最後のロケ行くでぇ」
「「は〜い」」
裕ちゃんの声で動き出す。
52LOVE:02/05/05 00:24 ID:dsV2T6Lj
なち真里小説―Sweet Lover―

着替えてメイクしてると、辻ちゃんと加護ちゃんが部屋に乱入してきた。
「「おはようございま〜す。」」
「なかざわさ〜ん。ののたち迎えに来ましたよぉ〜」
二人はバタバタと足音を立てながら、裕ちゃんのいるベットに走っていった。
「おぉ、おはようさん。今日も元気やな〜。」
「「おはようございま〜す。」」
「中澤さん、早く行きましょうよ。みんな待ってます。」
「もうちょっと待ってな〜。あの二人がまだやねん。あと、裕ちゃんコンタクト
入れなあかんから」
裕ちゃんは二人の頭を軽く撫でると、洗面所へと入っていった。

53LOVE:02/05/05 00:26 ID:dsV2T6Lj
なち真里小説―Sweet Lover―

「やぐちさ〜ん。」
「あべさ〜ん」
裕ちゃんが洗面所へ入ったのを見届けてから、今度はこっちに向かって忙しそう
に走ってくる。
「なんだべ?」
メイクを終えて走って来た辻ちゃんを膝の上に乗っける。
「ちょっとじっとしててくださいね。」
辻ちゃんはそう言うとなっちの首筋を中心にじーっと見つめ始めた。加護ちゃんも
辻ちゃんがしてるのと同じ事を真里にしてる。一体なんだベ?この2人・・・
「なに?なっち達になんか変?」
二人は顔を見合わせるとなっち達から離れた。
「???」
なっちも状況がいまいちつかめなくて真里と顔を見合わせる。
54LOVE:02/05/05 00:28 ID:dsV2T6Lj
なち真里小説―Sweet Lover―

「ふふっ。今日のおかしは梨華ちゃんとよっすぃ〜のおごりなのです!!」
「よっすぃ〜は最近連敗だね。」
二人はわけのわかんないことを言ってにこにこしてる。
「あんたら4人はまたおかし争奪戦やっとるんか…。ほら、用意できたやろ?
 行くでぇ。」
「「おかし争奪戦??」」
「あれっ?なっちも矢口も知らんのかいな。あんたらにキスマークがついてるか
 どうかこの子達お菓子賭けてんねんで。ちなみに加護は全勝やんな。」
裕ちゃんが辻ちゃんと加護ちゃんの間から得意そうに話す。
「ちょっと〜、おいら達で勝手に遊ぶなよぉ〜」
「大丈夫なのです。のの達迷惑かけませんから。ねっ、あいぼん。」
「そうそう。大丈夫ですよ。」
「お前らな〜。迷惑とかじゃなくて・・・」
「早よう行くで。裕ちゃん最後のロケやねんから。遅刻は出来へんねん。」
真里がちびっ子二人を叱り付けようとしたとき、裕ちゃんがそれを制するか
のように部屋のドアを開けた。
55LOVE:02/05/05 00:29 ID:dsV2T6Lj
なち真里小説―Sweet Lover―

真里はちびっこになんか言いたそうだったけど、やっぱり時間が迫ってるのには
かえられなくて仕方なく裕ちゃんに続いて部屋を出る。


「中澤さん。のの達頑張りますから、中澤さんも頑張ってくださいね。」
ちびっ子2人は最近優しい裕ちゃんにぴったりくっついて集合場所に向かう。
「なっちぃ、おいら達も頑張ろうね。」
「そうだね。今日はしっかりね」
真里としっかり手を握り合って裕ちゃんたちの後ろを歩いていった。


56LOVE:02/05/05 00:30 ID:dsV2T6Lj
なち真里小説―Sweet Lover―


――――――――
「それでは、本番スタート」
スタッフの掛け声で10人並んで雪のうえを雪だるまに向かって走り出す。10人並んだところで――
「せーのっ」

「「「「「北海道に来ました〜」」」」」

そしてついに、裕ちゃんのためのロケが始まった―――。