なちまり☆小説

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386LOVE
なちまり小説―Sweet Lover―

ミュージカルの千秋楽が近づいてきた。
おいらたちは相変わらず忙しくて、おいらはこのまえなっちに話があるって
言ったまま何も話せないでいた。

387LOVE:02/10/27 15:36 ID:xZjTh6B3
なちまり小説―Sweet Lover―

「ねぇ、やぐちぃ」
みんながはしゃいでる楽屋から少し離れたとこにあるトイレでメイクを直してたら、いきなり後ろから甘えたような声でなっちに呼ばれた。
「ん〜??なぁにぃ〜??」
化粧道具をポーチにしまいながら振り返る。
「この前さ、なんか話しあるって言ってたっしょ?あれ、気になって・・・」
「あぁ、あれね。おいらもなかなか話すタイミングがなくてさ・・・」
「でさ、何の話なの?みんながいるとまずいならさ、ここで話してよ。」
なっちはおいらの瞳をまっすぐ見てる。
「・・・なっちさ、今年で20歳でしょ?誕生日何がほしい??」
「へっ????」
なっちはびっくりしような声とともに、困ったような顔になってしまった。
「へっ?じゃなくて、おいら、真剣に聞いてるんだよ。」
「だって、まだ5月だよ。なっちの誕生日はまだ先なのに・・・」
「今年は絶対なっちがほしいって思うものあげたいからさ、いろいろ準備が必要なの!!もし、世界一周したい!なんて言われたらお金ためなくちゃいけないしさ。」
388LOVE:02/10/27 15:37 ID:xZjTh6B3
なちまり小説―Sweet Lover―

なっちを見てにっこり笑う。
「・・・別にいいよ。なっち、真里からなんかもらおうとか思ってないもん。
 真里がいてくれるだけで充分。」
なっちはそう言うと、おいらをぎゅって抱きしめて頭を優しくなでてくれた。
「でも・・・だめだよ。おいら、なっちになんかしてあげたいもん。」
「いいの。なっちは8月10日に真里がそばにいてくれるだけでいい。」
「・・・じゃあさ、なっちの夢教えてよ。叶えてあげる・・・」
「ほんとに〜??んじゃ、言うよ?」
なっちの言葉にうなづく。
「もっといっぱい成長したいな。歌も、女優業もやりたい。今より強くなれたら
 いいなぁって・・・」
「うう〜ん。そういうんじゃなくてさぁ〜・・・他にない?もっと、なんか
 おいらが叶えられそうなやつ」
「真里が叶えられそうなやつぅ〜??ん〜・・・じゃあ、真里ともっと一緒に
 いたい・・・とかぁ、なっちがちゃんと真里のもので、真里がなっちのものだ
 ってしるしがほしい。なっち、こうしてても、たまに不安になるから・・・」
なっちの声がかすれて、おいらを抱く腕にも心なしか力が入ったようだった。
389LOVE:02/10/27 15:38 ID:xZjTh6B3
なちまり小説―Sweet Lover―

「なっち・・・?」
「へへっ・・・なっちまだだめだね。真里のことほんとに信じてたらこんな
 わがまま言わないはずなのにさ・・・」
なっちはうっすらと瞳に涙を浮かべてる。

・・・おいらがなっちを不安にさせてるってことだよね・・・

「ごめんね。おいらが不安にさせてるんだよね。」
「ちがうよ。そんなんじゃない・・・なっちが弱いから・・・」
そういったなっちの瞳からは一滴の涙がこぼれた。
「おいら、なっちが不安にならなくていい様にちゃんと守ってあげるからね。
 だから、泣かないでよ。」
なっちの涙をぬぐって、その頬にやさしくキスした。
390LOVE:02/10/27 15:40 ID:xZjTh6B3
なちまり小説―Sweet Lover―

「まりぃ・・・やっぱり、やさしいね。好き・・・」
なっちはそう言うと、いきなりおいらの唇をふさいだ。
「んっ・・・んんっ」
ふたりから吐息が漏れる。
「・・・いきなり、ずっこいよぉ」
「いつも不意打ちするくせに・・・」
「そんなこというんだ、なっちって。もぉ、お仕置きしてる!」
おいらは一番近くの個室になっちを連れ込んだ。
そして、そっと個室のカギをかけた―――。