小説『ヤグデレラと黒雪姫』

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107黒雪姫4
「う〜ん♪おいしい♪さすが私っ♪最高っ!!文句の言いようがないわっ♪
小人さんたちも喜んでくれるはずよ♪」

ジカジサンカコワルイ

一先ず腹が一杯になった黒雪姫は、
急な睡魔に襲われた。
考えてみれば、今日散々に歩き、
あまり睡眠時間もなかったのだから眠くなるのは当然の事だった…。

(申し訳ないけど…眠い…。)

小人の家にある、小さなベットの一つで
倒れこむように彼女は眠りについた。

そして、仕事を終えた6人の小人たちが帰宅してきた。
小人たちは陽気に歌を歌っている。

「「「「「「努力 未来 A BEAUTIFUL STAR 努力 Ah Ha A BEAUTIFUL STAR 
努力 前進 A BEAUTIFUL STAR 努力 平和 A BEAUTIFUL STAR 」」」」」」

小人は全員女の子だった。
それぞれ背丈は一緒であるが、性格や顔が個性を現している。
108黒雪姫4 :02/05/09 00:04 ID:Oyq9eTuQ
コネ好きな小人、福井ナマリな小人、隙っ歯で関西弁の小人、八重歯で舌ったらずな小人、
おばちゃんっぽい短気そうな小人、イノキの様に顎の出た小人。

こんな特徴をもった小人たち。
非常ににぎやかである。

「あれれ?誰か寝てるれすよあいしゃん。」
「ホンマや、人やな。どないする?おばちゃん。」
「おばちゃんって呼ぶんじゃないわよっ!!これでも21よっ!!」

八重歯の小人と隙っ歯の小人、そしておばちゃんの小人は黒雪姫の周りにいて
そんなことを話している。
また、他の小人は、というと…

「何だコノヤロ!焼きソバあるぞこのヤロ!」
「ほんとだ、7人分だ。去年一人死んだのに。」
「うん、コネの匂いがしないよ、トイレの匂いがするよ。」

イノキの小人と福井ナマリの標準語を話す小人とコネが好きそうな小人は
作られていたヤキソバについてあーたーこーだー言っている。

そんな声に、黒雪姫は目覚めてしまった…。

「ん〜…。」

「あ、起きたでっ!!ののっ!!」
「みんな集まるれすよっ!!」

バタバタ小さな家に足音が響く…。
109黒雪姫4 :02/05/09 00:05 ID:Oyq9eTuQ
黒雪姫が目を開くとそこには6人の小人が集まっていた。

「キャッ…あ…おはようございます♪」

「「「「「「おはようございます」」」」」」

「あの…勝手に使わせていただきました。」

「「「「「「どうぞどうぞ。」」」」」」

「あの…焼きそば作ってみたんで良かったら食べてください♪」

「「「「「「はい。」」」」」」

「一人いらっしゃらないようですけど…。」

「「「「「「死にました。」」」」」」

「あ、ごめんなさい…知らなかったもので…。」

「「「「「「いえいえ。」」」」」」

何故か声が揃っている6人。
まったく顔が違うのだから他人だとは思うが…。

「あの…よろしかったら、なんでもしますから…私をここにおいてくれませんか?」
110黒雪姫4 :02/05/09 00:05 ID:Oyq9eTuQ
黒雪姫は思い切って頼んでみた。
行く場所がない黒雪姫の藁をもつかむようなその表情。
そんな表情をする黒雪姫の前に一人の小人が歩み出た。

「私、新垣理沙。コネだいすっき。お金かなんかちょうだい。」

コネ好きの小人の名前は新垣理沙。
置いてもらうんだから金よこせと言う事だろう。

「「「「「そんな酷い事いうなよー!!コネ餓鬼ぃ〜。」」」」」

ほか小人5人のブーイング。
金に意地汚いのは彼女だけのようだ。

「確かに…その通りですよね…置いてもらうんですもん…謝礼ぐらい当然ですよね…
でも私…お金なんて持って…あ…。」

その時、黒雪姫は3本の斧のことを思い出した。
ベット脇から3本の斧を取り出し、6人の前に見せる。
金色に輝く斧、銀色に輝く斧、普通の斧。

「これじゃダメですか…?」

「「「「「「(・∀・)イイ!!ヨロコンデ!!」」」」」」

こうして、6人の小人と黒雪姫の生活は始まった。