くノ一娘。物語

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877たぢから
それから一週間が経った。
なつみとひとみも復帰まであと少しというところまで回復。
トレーニングルームでリハビリを兼ねた体力づくりに励んでいた。

そして真希の携帯には…

『真希、一対一で勝負だ。』

「一時間後、ピッコロタウンの廃工場で… だそうです。福田さん。」
「フッ。わざわざ場所を教えてくれなくても、とっくに紗耶香のアジトくらい突き止めてるさ。」
「ということは、作戦実行ですか?」
「そうよ。ただもう少し時間が要るから、それまでくれぐれも気をつけてね。」
878たぢから:02/09/03 23:02 ID:Q7/2PeVC
カツーン… カツーン…

「約束どおり、来たよ。市井ちゃん…」
「真希…」

廃工場で対峙する紗耶香と真希。

「この前はよくも邪魔してくれたね。妹分のお前でも、容赦しないよ。」
「それはこっちのセリフだよ。昔の仲間を傷つけて楽しいの?」
「昔に囚われる方が愚かなんだ。今私は私の正義を行う。お前達と相容れることは無い。」
879たぢから:02/09/03 23:03 ID:Q7/2PeVC
「やはり問答無用… か。仕方ないね。」
真希は半月型変身アイテム・ハーフムーンコンパクトを左手で取り出すと、
左手を右に突き出して、腕を伸ばしたまま半月の弧を描くように左方向に回し、そして正面に突き出した。
「変身! ハーフムーン!!」

同時に紗耶香もシャドウコンパクトを前に突き出す。
「変身! ムーンシャドウ!!」

「勇気の光! Mr.ハーフムーン参上!!」
「終末の闇… Mr.ムーンシャドウ見参!!」
880たぢから:02/09/03 23:04 ID:Q7/2PeVC
「チェンジ! サーベルモード!!」
「サーベルモード・アクティブ!!」

ロッドを同じレイピアに変形させる真希と紗耶香。

「やはりそう来たか。でも、お前に剣を教えたのは他でもない、この私だ。
お前の実力ではこのMr.ムーンシャドウを倒すことなど出来やしない。」
「それはどうかしら? 私も市井ちゃんの技や癖は全て知ってるわ。
市井ちゃんこそ、このMr.ハーフムーンを倒すことは出来ない!」

ブゥン!!

その次の瞬間、紗耶香はシャドウサーベルを真希の鼻先ギリギリに突きつけた。
真希は避けようともせず、じっと剣先を見つめる。
881たぢから:02/09/03 23:06 ID:Q7/2PeVC
「うぬぼれるな真希! …といいたかったが、今のが本気じゃないと見抜いていたとはね。
さっきの言葉も本気か… 迷いも何も無いようね。」
「私は私の役目を果たしたいだけだよ。これ以上、市井ちゃんに罪を重ねないようにね。
今は市井ちゃんを止めること… 只それだけが私の使命なんだよ!!」
鋭い視線が紗耶香を貫く。

「(その熱い視線が… 癪に障るんだよ!)勝負だ! 真希っ!!」
「望むところだ!!」
真希と紗耶香は同時にお互いに向かって飛びかかった。