くノ一娘。物語

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570たぢから
コークトパルドの呪縛から解かれたナツミの体は朱色だった。
そして何か薄いエネルギー幕のようなものが球となってナツミを覆っている。
意識が消え去る寸前、ナツミは渾身の力を振り絞り、武器チェンジ。
アルマークから奪った“ローリングシールド”のバリアを内から放ち、脱出したのだった。
「バリアか…小癪なぁ!!」
コークトパルドは三対の触手から先程同様ミサイルの雨を放った。
だが、ローリングシールドは見た目以上に強固で、一切通じない。
「そんなバカなぁっ!!」
なおもミサイルを打ち続けるコークトパルド。だが結果は変わらない。
571たぢから:02/07/05 23:04 ID:xKlvNZRr
「こ、こうなったら!!」
このままでは埒が明かないと、コークトパルドはナツミに体当たりを仕掛けた。

バチバチッ!!

「ぐおおおおおお!!」
ローリングシールドに触れた途端、電流のような衝撃がコークトパルドの体を駆け巡った。
だが、ナツミから奪ったエネルギーがあるので、ダメージは大して受けていない。
そのままバリアを突き破ろうとする。
572たぢから:02/07/05 23:05 ID:xKlvNZRr
だが次の瞬間、バリアのエネルギーが増加した。
「…負けない…よ…」
ナツミが残り僅かなエネルギーをバリアに注いでいるのだ。
「おのれ小娘!まだそんな力が…うおおおおっ!!」
コークトパルドも負けじとバリアにプレッシャーを与える。
「おおおおおおおお!!」
「くうううう…!」
お互いの意地と意地がぶつかり合う。
573たぢから:02/07/05 23:06 ID:xKlvNZRr
「このおおおおおおおおおおおおおおおおっっ!!」
この状況を解決する為に、コークトパルドは力強く叫びながらミサイルを放った。
至近距離で放ったミサイルは見事バリアに小さな穴を開けた。…が、

ジュウッ…

何とエネルギーのぶつかり合いに耐え切れず、コークトパルドの三対の触手が溶けてしまったのだ。
「…なっ…!?」
突然のことに、コークトパルドは理解が追いつかなかった。
だが、しばらくするとそれは恐怖に変わった。
574たぢから:02/07/05 23:07 ID:xKlvNZRr
触手を失った今、足と胴と頭だけという不格好なコークトパルドには攻撃手段が無いのだ。
ミサイルを放つこと自体は可能である。だが、雨のような攻撃には程遠い。
また、ナツミのエネルギーを吸収することも出来ない。
さらに言えば、ナツミの強靭さに圧倒されてしまったのだ。
「…私は…勝つよ!!」
形勢逆転して、何故か力が戻ってきたナツミは、コークトパルドを睨みつけた。
コークトパルドは、余りもの恐怖に狂ったのか、それとも誇りがそうさせたのか、
一念発起してナツミに襲い掛かってきた。
「うわああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
「…ローリングシールド…」
ナツミはエネルギーを球状に集束させて、コークトパルドにぶつけた。
「ぐおおおおおおおおおおお!!!」
ローリングシールドの球に為す術なく、コークトパルドは海の藻屑と化した。
575たぢから:02/07/05 23:08 ID:xKlvNZRr
-CHARACTER FILE-

13.“深海の武装将軍”ランチャー・コークトパルド
蛸型のレプリロイド。
“深海の武装将軍”の名のごとく、体中に武器を装備しているがが、
蛸足である触手を使って、相手のエネルギーを吸い取ることも出来る。
しかし、ローリングシールドの前には、その武装も触手も無力だった。

(キャラ元)T○FのDJ.○ooこと高○浩一