くノ一娘。物語

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527たぢから
『ハハハ!ようこそパワープラント・オナハマへ!』
突如小部屋に響く野太い声。
「誰っ!?」
『オレはここの主、スパーク・ウツノミヤーだ!』
「私をどうする気?」
『フン!オレの城を無茶苦茶にした貴様には、ちょっとした罰ゲームを課してやるのさ。』
「罰ゲーム?」
『貴様の真上にいる球体は“サンダースライマー”といってな。ここの実験で生まれたものだ。
 そいつを倒せたら、その部屋から出ることが出来る。だが、そいつは強いぞ。』
そういうと、ウツノミヤーの声は聞こえなくなった。館内放送だったのだろう。
528たぢから:02/06/25 23:01 ID:jNjG2s7u
ウツノミヤーの放送が終わると同時に、バトルが始まった。
サンダースライマーは天井に静止したままだったが、本体メカを覆う液体のような物の一部が降ってきた。
「うっ!」
ナツミは反応が遅れ、そのうちの一つを浴びてしまった。だが、ダメージはない。
しかし、その液体は粘性が高く、ナツミの動きを封じてしまった。
するとサンダースライマーはナツミの真上に移動し、雷撃を放った。
「あああああっ!!」
粘液の電気伝導率が高いのか、ナツミの全身に強烈な電撃と苦痛が走った。
ただ、そのエネルギーで粘液は蒸発、ナツミは動けるようになった。
529たぢから:02/06/25 23:02 ID:jNjG2s7u
(あの粘液で私の動きを封じて、本体が電撃を放つ二段構えの攻撃か…なら勝機はある!)
ナツミはサンダースライマーから離れると、壁に向かってジャンプ、最高点で壁を蹴った。
そして振り向きざまにチャージバスターを放った。
だが、本体メカを覆う粘液によってバスターのエネルギーが減少し、大したダメージが与えられなかった。
(チャージバスターが通じない!?…それなら…)
数撃てば当たるというわけではないが、今度は一点集中連射でバスターを放った。
だが、結果は変わらなかった。
手をこまねいているうちに、ナツミはまた粘液に捕えられ、電撃を喰らった。
(何て怪物なの…あの粘液さえ無ければ…)
その時、ナツミはあることに気がついた。
粘液を吹き飛ばすくらい広範囲にダメージを与えられる武器を使えばいい
530たぢから:02/06/25 23:03 ID:jNjG2s7u
(武器チェンジ!!)
ナツミの体が紫色に変化した。
「くらえ!ストームトルネード!!」
横方向の竜巻は見事粘液を粉砕し、本体にダメージを与えた。
だが、本体に電撃が走ると、再び粘液が周りを覆った。
そして、殆ど動かなかったサンダースライマーは、今度はナツミめがけて突進してきた。
「今更動いても遅いよ!」
ナツミはダッシュで楽々かわすと、再びストームトルネードを放った。
さらに、粘液を復元する暇を与えることなく、竜巻を連射した。

ドガアアアアアアアアアアン!!

本体メカで大爆発が起こり、それと同時に周りの粘液が飛散、蒸発していった。
跡形も無く消え去ると、目の前のシャッターが開き、先に進めるようになった。
531たぢから:02/06/25 23:04 ID:jNjG2s7u
小部屋を出ると、多くのレプリロイドが待ち構えていた。
幸い電力供給されていて明るかったので、ナツミいつも通りに戦うことが出来た。
次々と現れるイレギュラー達を粉砕し、ウツノミヤーがいるであろう最奥の部屋へ向かう。
広い発電所内を突っ走ること約30分、ナツミは先程と似たシャッターを見つけた。
(ここにウツノミヤーが…?)
すると、ナツミが触れるまでも無く、シャッターが開いた。その先は暗い。
「イレギュラーハンター! オレはこの奥にいる。来るがいい。」
間違いなくウツノミヤーの声だ。しかも肉声である。奥にいるのは確実だろう。
ナツミは意を決して、闇に飛び込んだ。