くノ一娘。物語

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523たぢから
ACT4.SPARK AND DARK
「…危なかった…」
ナツミは炎上しているコムログマーの残骸を見ながら呟いた。
ナツミは地上まで100mというところで、イチかバチか空中へ脱出、
慣れないストームトルネードを使って気流をコントロール、無事着陸したのだった。
(武器も使い方次第ね…運もあるようだし。)
そんなことを思いつつも、現在位置の把握が重要である。
本部のユウコに連絡をとる。
『ナツミか!マリから話は聞いてるで。で、どうしたん?』
「エアポート・ミサワのストーム・キネ・キーネリードを戦艦ごと撃破したんだけど、
今どこだか分からなくて。私の位置調べてくれる?」
『分かった。ちょっと待ってな…おっ!アンタついてるで!!』
「ついてる…って?」
『そこは、超大型発電所−パワープラント・オナハマや!』
「えっ!?」
524たぢから:02/06/24 23:02 ID:nm5fvr2I
よく見ると、残骸コムログマーの向こうには、半壊した巨大建造物が…
「あ、あれ…か…」
『そのまま任務続行やな。あとで誰かに迎えに行かせるから、それまでにカタつけといてや。』
「チョット待って。発電所に戦艦が突っ込んだ状態なんだけど…いいのかな?」
『…ええやろ。パワープラント・オナハマは全部機械制御やから人間はおらんて。
 人的被害がなければ何でも破壊して構わんて。ハンターの特権や!』
「…わかったわ。ナツミ、任務を続行します。」
何か後ろ髪引かれる(一応ナツミに髪の毛はある。戦闘時はメットに隠れるが。)思いがしたが、
任務優先なので、そのままパワープラント・オナハマへ潜入した。
525たぢから:02/06/24 23:03 ID:nm5fvr2I
パワープラント・オナハマの中は暗かった。
コムログマー墜落のお陰で内部の回線という回線が破壊され、発電所なのに停電しているのだ。
レプリロイドであるナツミの視力は人間の数十倍はあるのだが、それでも暗い場所は苦手である。
(セキュリティーシステムが作動しなくなったのはありがたいけど…見えないのは困るわ…)
仕方なく、手探りで進む。壁伝いに行けば、そのうち奥へ辿り着けるはずだ。
やがて目も慣れてきたのか、うっすらと見えるようになってきた。
ナツミの目の前には、何やらシャッターのものがある。
(防災シャッターかな?)
と思いつつも、ここまで一本道であったので、そのまま進むことにした。
ナツミが触れるとシャッターは上下に開いた。
扉の向こうも、暗かった。
(何も…なにのかな…?)
すると、後方でガッシャーンという金属音が響いた
526たぢから:02/06/24 23:04 ID:nm5fvr2I
「えっ!?」
シャッターが閉じたことにナツミは驚いた。
だがよく考えてみれば、電力供給のストップした所でシャッターが動くはずはない。
ということは、逆にこの辺りは電力供給されているということだ。
次の瞬間、ナツミの周りが明るくなった。
「こ…これは…!!」
ナツミがいるのは両側を例のシャッターで遮られた小部屋だった。
そしてその天井に浮かぶ球体のようなもの…
ナツミは事態が飲み込めず、ただ呆然と立ち尽くすのみだった。