くノ一娘。物語

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496たぢから
「調子に乗んなや!この小娘がぁ!!」
今度こそ息の根を止めるとばかり、ペンギーゴは冷気を集中させた。
だが、思うようにエネルギーが出力されない。
「はっ!ま…まさか…」
何かに気づいたペンギーゴは、自分の背中をチェックした。
すると、彼の背中に装着された、赤いタンクの一部が破損していることが分かった。
恐らく先程の不意打ちでダメージを受けたのだろう。
「し、しもうた…!」
ペンギーゴは全身から血の気(血はなくてオイルなのだが)が引いてゆくのを感じた。
それもそのはずで、小柄なペンギーゴには多くのエネルギーを体内に保存することが出来ない為、
高圧縮タンクを背中に装備することで、多彩な氷の技を創り出していたのだから。
497たぢから:02/06/19 23:02 ID:/3MNNPkn
ペンギーゴの異変に、ナツミも町の人々も気づいた。
「ハンターさん!コイツを使って下さい!」
チャンスとみた町の人々は、今までの恨みを晴らすごとく、次々に燃料タンクをペンギーゴに投げつけた。
「や…やめろや…!!」
油まみれになりながら叫ぶペンギーゴ。だが、もう遅かった。
次の瞬間、ナツミのバスターがそれらのタンクを貫通、爆発…炎上した。
「ぐあああああああああああ!!」
498たぢから:02/06/19 23:05 ID:/3MNNPkn
数分後、火は消えた。残されたのは、黒コゲのペンギーゴの外骨格のみだった。
ナツミは駆け寄って、ペンギーゴの武器チップを回収した。
ナツミは汎用性の高いレプリロイドで、武器チップを装着することにより、
制限つきではあるが、他のレプリロイドの武器を使うことが出来るのだ。
なお、特殊武器は任務が終了するとハンター本部に返還することになっている。
武器チップの再利用の為だ。本来ハンターの武器は登録制で、他人の武器は使えない。
ナツミが無断で使えるのは、特例によるものなのだ。

やがて、極寒の地の冷気が壊れたペンギーゴを包み、一つの氷の塊に仕上げた。
それはまるで氷で出来た墓のようだった。
499たぢから:02/06/19 23:06 ID:/3MNNPkn
-CHARACTER FILE-

6.ハマダー・ペンギーゴ
“雪原の皇帝”の異名を持つ寒冷地用レプリロイド。
能力的に劣る人間の下で働くことに疑問を持ち続けていた。
氷や雪の技を多用する一方、熱に弱い。

(キャラ元)ダ○ンタ○ンの浜○雅功