337 :
ぺったんこ:
「あれ…?」
暗くなったバス停のベンチ。赤いマフラーで隠れた顔半分。
「あぁ…」
でも声でそれが誰だか解る。
「帰り、遅いんだな」
「そっちこそ…」
少しだけ隙間を空けて、横に座る。
「寒いな…」
「そうだね…」
同じクラスなのに。
もう2学期の終わりなのに。
こんなに近くで話したのは初めてだ。
338 :
ぺったんこ:02/12/06 00:03 ID:dG15Oqbr
「あたしね…」
「うん…」
「今日ね…」
「うん…」
「誕生日…だったの」
「…そっか…」
風が吹き抜ける。
髪のいい香りを運んでくる。
「おめでとー! …って言った方がいい?」
「…いいわよ、別に…」
少し笑い声でそう言って、
保田は赤いマフラーを首まで下げた。
本当はもっと大きな声で言いたかった。
おめでとう!って。
そう言える日が来ればいいなんて考えながら
道路の遠くの方を見つめる。
バスはまだ来ない。
339 :
ぺったんこ:02/12/06 00:04 ID:dG15Oqbr
それが保田。
おめでとう。