吉澤消防

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84ブラドック
柊は中澤の極端な提案に狼狽した。
まさか、中澤の口から矢口をレイプしろと
いわれるとは思わなかったからだ。

「できるわけないだろ。向こうが望んでるなら話は別だが」
「だったら、全身全霊を懸けて説得するんや」

柊は考えていた。
期限は残すところ二日しかない。
それ以上五人を引っ張ると、
さすがのアップフロントも
黙ってはいないだろう。
警察か暴力団を動かすに決まっている。

「勝負は明日、いや、今日一日だけか」
「矢口を助けたって。この通りや」

柊は土下座する中澤を抱き起こした。
こうなったら、二人で説得するしかない。
何としてでも矢口を救う。
それが二人の目的になっていった。