後藤真希

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1名無し
可愛いと思うか?
後ズニアの田口淳之介が後藤真希ファンというのは許せるか?
2ナナシ:02/03/24 20:02 ID:XK4jYaqV
あとずにあ?
3:02/03/24 20:04 ID:p3/1r5oz
4名無し募集中。。。:02/03/24 20:04 ID:Fi2wTpR0

2ちゃんねらーの力でスターを誕生させましょう!
“不正投票無し”の人海戦術で2ちゃんねるの底力を見せましょう!
地道に『1日3票、携帯も合わせて6票』で投票願います。

『クラリオン WEBアイドルコンテスト』
http://www.clarionsoft.com/
2ちゃんねる党推薦候補は、エントリーナンバー「1462」
ハンドル名/芸名 『佐野 衛』さんです。

上記WEBの下の方『投票結果一覧(今月)』のリンク
で現在なんとか1位ですが、クラリオン側の不正で、いつ下げられるかわかりません。
(不正投票分は、「無効票」として落されるので、正規投票の徹底よろしくお願い致します。
投票ページへの直リンクも禁止されております)

http://live.2ch.net/test/read.cgi/festival/1016866965/l50
5ななC:02/03/24 20:05 ID:qYvDNn+I
クラスのアイドルなんかよりはずっとレベルは上だと思う。
6おめこ投げまくり:02/03/24 20:05 ID:5NwRNWhj
( ´D`)ノ ≡≡≡ ((゚))
7 :02/03/24 20:06 ID:/fPCHTV4
ズニアって俗語があるんだ。はじめて知った。
8まる2:02/03/24 20:17 ID:IVgryfhS
偽りのカケラも無かったことを
http://sportsup.jp/~inasaku/
9b-cr:02/04/01 04:30 ID:eyzkyEVA
ここ もらっちゃいます。

まだまだリファイン不足ですけど
習作のつもりで書いてみました。

まぁたぶん気づかれないで終わるでしょう。
10b-cr:02/04/01 04:30 ID:eyzkyEVA



untitled



11untitled:02/04/01 04:32 ID:eyzkyEVA

introduction

どうして忘れていたんだろう?
大事なこと、これ以上ないくらいの大事な人だったのに…

私は涙を流した。
久しぶりに会えたという懐かしさよりも、
大事なことを忘れることで忌避していた自分自身への悔恨。
逃げることを貫き通してしまうともっと大切なものを失ってしまうこともあるんだって、
ようやくわかった。
そんなことを誰も教えてくれなかったよ。
大切なことが何なのか全然知らなかった。
教えてよ。私はまだ何もわかっちゃいない。
涙が止まらない。


12untitled:02/04/01 04:33 ID:eyzkyEVA
 この街はいつでもせせこましく動いている。
外資系有名カフェの店舗では世界一の売上だというこの店に
運良く入り込むことができた。まぁ1人と言うことや平日の昼間と言うことも
あるだろうが、それでも、こんな2階の特等席に座れるなんて珍しいことだ。
渋谷駅前のスクランブル交差点。これで平日だと言うことが
にわかに信じられないくらいの人出。ガラス1枚を隔てた世界は別世界。
濃密なエスプレッソの香りに包まれていると、喧噪が色のない
昔のトーキー映画のようだ。
弁舌師は私が口止めしているからサイレント・トーキーなのかな?
これで店内も静かなら完璧なのに…

バーテーブルに置いた腕の上に頭を置いてみる。
最近伸ばし始めた髪が顔を覆う。面倒なのでそのまま覆うに任せる。
我ながら普段でもぼーっとしている顔だと思う。
その顔が、この状態だともっと弛緩しているだろう。
あんまり見てくれはよくない。
起きるときにチェックしないといけないな。
そんなだから、隠れているのは逆に好都合かもしれない。
店内は空調が利いていて温度に不満はない。でも外は雨上がりの3月。
風も強く、ちょっと気張って薄着にしている先取り屋さんを悩ませていた。
そして、そっと目を閉じた。

13untitled:02/04/01 04:39 ID:eyzkyEVA
それにしてもヒマだ。約束の時間までにはまだまだ時間がある。
今日もその約束の時間までには、これといってすることがない。
だから、このスタバでゆっくり出来た事はとても幸運なのだ。
この繁盛した店内では背後から早く避けろ光線が飛び交っている。
目を閉じていても感じるくらい痛い視線だ。
だが、こっちも負けてはいられない。それくらいでめげてしまうほどの繊細さは、
この際忘れてしまおう。ヒマが羞恥を凌駕した。
策1。店内の現実を遮断するためにイヤーヘッドフォンをつけてみる。
このイヤーヘッドフォンの先端にはポータブルCDプレイヤー。
中に入っているCDはR焼き。友人のマリーにもらったものだ。
いまはもうない幻になってしまったバンド・初恋の嵐の「untitled」。
この1曲がさっきからエンドレス・リピートになっている。
きょうはそのバンドの追悼ライヴが行われるのだ。
会場時間が近くなったら屋根裏の前には顔見知りが集まっているだろう。
そうしたら、このヒマな状態もチョットはましになる。
と言っても、私は友人が少ない。16年生きてきた中で片手に余るくらいしか
友人と呼べる人はいない気がする。
私は友人が多いことに憧れはない。逆にうざいと思ってしまうくらいだ。
たぶん相手もそう思っているだろう。そんな雰囲気は伝わってしまうものだ。
だから、ヒマつぶしなのだ。お互いにもっと気の置けない相手が現れたら、
三々五々拡散していく。そんな間柄だ。

14untitled:02/04/01 04:41 ID:eyzkyEVA
1ヶ月ほど前に学校を辞めた。
この時期には満開の桜が見られる、某名門女子高校だ。
高校1年の2月。辞める時期としてはかなり中途半端。
でも、これ以上あの世界に身を浸し続ける気にはなれなかった。
やる気のない私にしては珍しいくらいの意思表示。
だからだろうか、先生はおろか両親でさえも反対はしなかった。
それはそれでさみしい気もするが、止めてくれたところで満足するのは、
私のちっぽけな自尊心くらい。大勢に影響はないことだ。
親の前ではイエスマンで通してきた私に対して、
驚きはあったかもしれないが、はじめての意思表示を多少歓迎してくれた節がある。
でも、理解を示してくれたと言うよりも、
期待されていないと言うほうが正しいかもしれない。
とにかく、あの中には、判を押したような同じような人格だけしかなかった。
いや、人格と表現していいのかも疑問に思う。
伝統、慣習、貞節。それらが持つ外見の良さだけを伝承したような、
そんな張り子のような世界に耐えられなくなった。
生活観のまるでない世界。実世界とは隔絶された異世界が、そこにはあった。
個性と言う単語は辞書から抹消されていたかのよう。
どちらを見ても同じ顔の連続。それは自分自身も同じこと。
見回せば自分自身の万華鏡。
私は自分の顔の造作に嫌悪感はないが、型にはめ込められた自分を見るのは嫌だ。
そのコピーが幾つも幾つもあるなんて考えたくもない。
ただ、ここの制服はかわいいと評判が高い。客観的に見たら清楚にまとまっていて、
確かにかわいいとは思う。しかし、私にはそれさえも没個性の旗頭にしか見えない。
なにもかもが耐えられなくなった。それが先月。
この学校に通いはじめて3年10ヶ月になろうかという時だった。

15untitled:02/04/01 04:43 ID:eyzkyEVA
「いいんじゃない。ごっちんらしいと思うよ」
数少ない友人の一人・よっすぃーはそう言った。
彼女との付き合いはそう長くない。去年のゴールデンウィークからだから
まだ1年たっていないんだ。知り合った場所はエッグサイト。
確か京都のバンド・サンプリングサンを目当てに行った時。
そのときには少ししゃべった程度、でも翌日に偶然学校内で会ってから
意気投合するようになった。
この学校の中にも、下界との繋がりを持っている人がいるんだ。
それが妙にうれしかった。学校内ではそんな素振りは一切見せないが、
よく下校途中に落ち合って語り合った。
あの学校内のことを割り切って考えることのできるよっすぃーが、
正直うらやましかった。
よっすぃーと同じように考えている人間もあの学校内にはいるのだろうが、
それを積極的に調べたいとは思わなかった。
話してみると、あの学校内の無個性が一層浮き彫りになってきた。
1学年それぞれ3クラスしかないなかの同学年。
なのにお互いまったく知らない存在だった。
中高一貫教育のあの学校としては異例の高校入学。
つまり1ヶ月しか対象期間がないわけだから、気づかなくても
しょうがないのかもしれないが、中学から一緒のはずの他の子は、
顔と名前が一致していないのもまた事実。
「うちは、ごっちんのとことみたいに裕福じゃないから。
しかもこんな学費の高いところに無理して入れてくれるから
無体なことは言えないし、それに少ない小遣いでさえ止められちゃうよ」
16untitled:02/04/01 04:47 ID:eyzkyEVA
よっすぃーこと吉澤ひとみは背の高い、こざっぱりとした美形。
大きくつぶらで透明なブラウンの瞳。整った鼻りょう。
パーツの一つ一つを検証すると、はっきりくっきりしているのに、
それらが集まってもくどさを感じない。
それは彼女の人柄に因るところが大きいのかもしれない。
例えるなら宝塚の男トップ。下手な男よりもカッコイイと思う。
だが、どんなにもとの造作が整っていても、
好まれるかどうかとは別問題の様だ。じっさい女子校内の人気は置いて置いて、
他学校からモーションをかけられる数では、私のほうが多かった。
これは自慢でも欺瞞でもない。厳然たる事実。
性格の吟味なんか初見でできるはずがないのだから、単に顔の好みだろう。
垂れていて少し離れ気味の目。私自身は嫌いじゃないが美しいと思ったことはない。
もうちょっとこうしたら良くなるんじゃないか。良くなるんじゃないか。
始終、鏡を見つめている。この微妙な差異を気づいてくれる人はいるのだろうか?
いなくても私は鏡を眺め続けるだろう。
よっすぃーはどれくらい鏡とニラメッコするのだろうか?
一度改めて聴いてみたい気がする。
あの雰囲気を醸し出すのには、いったいどうしたらいいのだろうか?
私自身は女色の気があるわけではないが、よっすぃーには憧れがある。
私にアプローチしてくる男には今のところ興味がないけど、
よっすぃーにならチョット揺らいでしまうかもしれない。
危ないかな?
実際学校の中で制服姿のよっすぃーははっきり他と区別することができる。
美醜の問題ではなく、存在のあり方だろう。
つまり、よっすぃーはあの中で埋もれようとは思っていない。
ネガティブな表現をすると浮いた存在なのだ。
あの学校にいるすべての生徒がまったく同じ人格なのではない。
処世として迎合術に長けているだけなのだ。
日本の社会にとって、それはとても重要なことでなくてはならないのならば、
そんなことを、若くから覚えられるあの場所はとてもいい学舎だ。
と思っていいのか?
そういえばあんな学校内だと同姓にもチヤホヤされそうなものなのに、
それでさえもない。いったいどうなっているのだろう。
でも、いくらよっすぃーよくできた人間だとしても、
それよりも魅力のある男がいないのはどういうことだろう。
手取り早く近場で調達できてもよさそうなものなのに、ナゼか興味がない。
以前はこんなんじゃなかった気がする。いったいいつからこんな風に…
わからない。思い出そうとするとあるところで行き止まりになり、
それ以上どこへも進めなくなる。
なぜ?
17untitled:02/04/01 04:48 ID:eyzkyEVA
ヒマだ。
お金に不自由はしていないけどヒマすぎるのも困りもの。
やる気はないけど暇つぶしにアルバイトでも始めようかなぁ。
ほとんど冷めてしまった、残り少ないキャラメルマキアートを一気に飲み干す。
甘い。
そして飲み終わるのを待ち構えていたように、「untitled」のリピートがまた始まった。
18untitled:02/04/01 04:50 ID:eyzkyEVA

お願いだ、僕に触れる術を見出さないで
お前が望むものなど ここには残ってないよ

一晩中君に触れる術を考えてたんだ
自分でさえも欺く 心は残ってないよ

ずっと前のある場所で すべてが動き出していたんだよ
思い出の重さが 二人を動けなくしているだけ

悲しみをコインに変えて生きていく
お前が望むものなど ここには残ってないよ

恐怖心と意地だけが お前と僕をつないでいるのなら
多分罪深さで僕は動けなくなってしまうから

喜びの余韻は消して生きていく
お前が望むものなど ここには残ってないよ
(written by西山達郎「初恋の嵐」)

19untitled:02/04/01 04:51 ID:eyzkyEVA
抑制されたギターのカッティングが淡々と連なる。
西山のヴォーカルも大きな感情を表に出してこない。
シンプルな3ピースで派手なギミックもない。
こんなに抑えられているのに心に響いてくる。
抑えられているからこそ、リピートしてしていも聴き飽きないのかもしれない。
聴いているうちに、何度泣きそうになったことか。
かろうじてとどまっているけど、目が潤んでいるのは確実。
いったいこの曲のどこに私の感情を揺り動かす力があるのだろう。
もしかしたら私の記憶の一部が呼応しているの?
わからない。

いつもだったら、この曲でマッタリとした気分に浸れるのに、
なぜだろう。きょうは覚醒してくる感じ。高揚。胸騒ぎ。
きょうが西山さんの追悼ライヴと言うのも関係があるのか?
いや残念ながら西山さん自体には思い入れはない。
だとしたら何?
考えることに耐え切れなくて目を開けた。

ガラス窓の向こうに白い犬がいた。
白い大きな犬。
はす向かい。スクランブル交差点の向こう側から、
白い犬が私を見つめていた。
窓ガラス越しだと言うのに、異様なほどの存在感があった。
きれいな白い大きな犬。
透き通るように白い体毛。ピンと立てた両耳。聡明そうな双眸。
ゴクッ。思わず唾を飲みこんだ。
20b-cr:02/04/01 04:52 ID:eyzkyEVA
きょうはここまでです。

さていつまで続くことやら…
21名無し娘。。。:02/04/02 15:34 ID:GW15/XOQ
dat落ち
22名無娘。。。:02/04/04 03:30 ID:BVfZw1ta
waruagaki
23名無し娘。:02/04/06 01:17 ID:22QRvqEl
保全してみたい
24untitled:02/04/07 20:55 ID:aTIK8QNq
白い大きな犬。
こんなに人がいるのに誰一人として、そちらを見る人がいない。
あんなに目立っているのに…
でもこの人出。どうやってあの犬を避けているのだ。
ここから見る限りだと、誰も気にしていないし避けている様子もない。
また唾を飲みこんだ。
確かめに行ってみよう。ドンドン気分が高まってくる。
得体の知れない不安よりも、興味が凌駕した。
こんなに積極的に行動しようと思えるのは久しぶりだ。
立ち上がろうとして、ハタと気づいた。
手鏡を取り出して髪形のチェックをしかないと…
25untitled:02/04/07 20:56 ID:aTIK8QNq
スクランブルが空けるのが待ち遠しい。
すぐ向こうなのに近づけないもどかしさ。
さっきと変わらない大きさに見えているのに…
えっ?さっきと変わらない…
少なくともスタバにいたときよりも近づいているはず
と言うことはどう言うことなの?
気が急いてきた。白い犬は相変わらず私をまっすぐ見つめている。
信号が変わらないのがもどかしい…

信号が変わった。私は走った。
体育の授業中でもこんなに急ダッシュをかけたことがないくらい。
私は走った。白い犬を見つめ返しながら走った。
相変わらず同じ大きさで変わらない。
私は走った。

3mの位置まで近づいた。
白いパピヨン。
パピヨン? パピヨンならこれくらいの小ささで普通だ。
小型の愛玩犬。
じゃあさっきまで見えていた大きさはなんなの?
どうして他の人には見えないの?
もしかしたら私だけを待っていたの?
なぜ?どうして?なんで?
疑問符の嵐が息切れた私の頭をあふれる。
でも答えなんかわかるはずもない。
小さな白いパピヨンは、私がこの位置まで近づくのを待ってから、
フッときびすを返して歩き出し、そのまま雑踏の中に溶け込んでいった。
いや本当に消えた気がした。私が声をかける余裕を与えてはくれなかった。
待っていてくれたように見えていたのに…
きびすを返す直前。私に微笑んだように見えた。
犬の笑った表情。それってどんなのだ?
その印象を具体的に伝えるのは難しい。でも笑ったように見えた。
混乱が収まってきて、回りの様子が見えてきた。
ハチ公銅像の目の前。こんなにも多くの人たちがたむろしている。
強い風が吹いた。
空にはツバメが舞っていた。
26untitled:02/04/07 20:57 ID:aTIK8QNq
まだ混乱している。
追いかけようかとも思ったけど、なぜか見つからない確信があった。
そんな確信はどこから生まれてきたのだろう? よくわからないけど…
もしかしたら、っていう気もしたけど…
時計を見た。3:30。まだ約束の時間までには2時間もある。
もう一回スタバに入っても順番待ちになるのがオチだ。
別のところで時間をつぶそう
白い犬のいたはずのところを後にしてセンター街を行く。
ここからスペイン坂を登れば屋根裏はすぐそこ。
でも、そのまま屋根裏の前まで行く気にはなれない。
この不思議な出来事をじっくり整理する場所がほしい。
でもあんまりお金はかけたくない。
お金がないわけじゃないが使いたい気分じゃない。
歩きながら思案した結果、フレッシュネスに居座ることにした。
27untitled:02/04/07 20:58 ID:aTIK8QNq
お金に不自由はしていない。
アルバイトをしなくても親からもらう小遣いだけで、普通以上の遊びができる。
1ヶ月5万円。学校をやめてからもこの高額の小遣いをもらえている。
これはアルバイトをするなと言う宣告にも感じるが、
たぶん私がアルバイトをし始めても、母は何も言わないだろう。
結局、私には何も求められてはいないのと同じ。
背負うものがない分気楽だと言う考えもあるが、何もないのも寂しいものだ。
私にはよくできた弟がいる。顔はすごく似ているが世渡りも頭の回転も弟のほうが上。
私が学校をやめたときも
「あと2年くらいなんだからもう少し辛抱したらいいのに」
感情のコントロールも身に付けた生意気な弟。
ケンカをふっかけても、一応相手をしてくれて、その後は折れてくれる。
どちらが年上なのかわかったのもじゃない。
だから親のご機嫌取りは弟に任せようと思う。
「姉ちゃん。ずるいよ。でもそれも姉ちゃんらしいけどね。
まぁ任せてもらってもいいよ」
最初からそのつもりではあったが、面と向かってこう宣告されてしまうとは。
まったく勝てない…
28untitled:02/04/07 21:06 ID:aTIK8QNq
私には犬を飼っていた記憶はない。3、4才くらいの記憶なら確実に残っている。
私の記憶の範囲外。そのより以前に飼っていたことがあるのだろうか?
母に聞けばわかるかもしれない…
私の家は、曲がりなりにも庭のある一戸建てだ。
犬を飼うスペースがないわけじゃない。
なぜなら爬虫類のイグアナが部屋のひとつを占拠している。
室温コントロールのためなんだそうだ。
爬虫類がよくって哺乳類だからダメだってことはないだろう。
でも、もし飼っていたとしても、どうしていま突然現れてくる。
あの場所のハチ公が現れてきたなんて陳腐な発想はゴメンこうむりたい。
もちろん、あの犬がまったくのアットランダムの事象だったとは考えられない。
それならば、別に私がスタバにいるときじゃなくてもいいわけだ。
あの時間に起きるようになっていた?それもどうだろう
できるなら、怖いような現象じゃなくてファンタジックな内容がいいなぁ。
こんな風に考えられるってことは、結論は出ようがないけど、
自分自身で整理できる段階まできたと言うことだ。
もう過去のことになりつつある。顔に思い出し笑いが込みあがってくるようだ。
ここまで来たら、あとはよっすぃーにでも聞いてもらえば大丈夫。
結論が出なくても平気。
そんなものだ。
自分の楽天的な性格にちょっと感動。
顔がほころんでいるのがわかる。
29b-cr:02/04/07 21:10 ID:aTIK8QNq
あ 読んでくれている人がいる…
どうもありがとうございます

そして
>>21 >>22 >>23
保全ありがとうございます

たぶん一週間に一度くらいしか更新できませんが
読んでくれただけでありがたいです

それにしても
まだ登場人物少なすぎ
これだと ぜんぜんここでやる必要ないし…
30untitled:02/04/07 23:55 ID:aTIK8QNq
そこへ派手な色の少女が目に入ってた来た。
白地に赤い花のプルオーバー、赤のフリルミニスカ、白のスパッツ、
金髪、平均的な女の子よりも格段に小さな体。
その彼女と目が合う。マリーだ。
「よぉ、ごっちん早いねぇ。もう来てたんだ」
そうしゃべりながら私の対面に座る。
私の“ごっちん”と言うあだ名も彼女がつけたのだ。
3つ年上だが、それを感じさせない人懐っこさを持っている。
ライブハウスで知り合いのいない私に、はじめて声をかけてくれたのは彼女だった。
「マリーでいいよ。矢口真里だからマリー。わかりやすいでしょ」
私が行くライブにはほとんど彼女もいたらしく、それで声をかけてくれたらしい。
私はと言えば、そこに誰が来ているかなんて全然考えていなかった。
それ以来、彼女以外にも知り合いができてきた。
その中の一人がよっすぃーだったわけだ。
あいさつもそこそこに、マリーはさっそく買ってきたハンバーガーをパクつく。
「おんなかすいたぁ。あっ、きょうはいちおうバイト帰りだかんね」
彼女はフリーター。どんなバイトをやっているのかは知らないが、
(何度も聞いたのだが、聞くたびに違うみたいなので覚えないことにした)
彼女はライブを見るためにバイトしているようなもの。
週に3本は確実に見ているだろう。
そんな彼女に薦められたのが「初恋の嵐」だった。
この曲を教えてくれたことには大きく感謝している。
31untitled:02/04/07 23:56 ID:aTIK8QNq
ただ… マリーにもらったCDを聴いて感動し。そのつぎに会ったときには、
感謝の意を伝えた。
「後藤、気に入りました。彼らのライブ見てみたいです」
だけど、そのときマリーは悲しい顔をした。
「ごめんね。もうそのバンドないんだ」
「ボーカルの西山くんが先週死んじゃったんだよ」
「えっ?!」私は聞き返す。

あのときのことを反芻してみた。
そして、きょうはその西山さんを偲んでのライブが行われるのだ。
「さっきは笑っていたくせに、マリーを見たとたん暗くなってんのか?」
見られていた。さっきの奇怪な表情をマリーに見られていたのだ。
一瞬、白い犬のことを話そうかとも思ったけど…
やっぱり、それはよっすぃーに話そう。
「さては、まだ学校を辞めたことを悩んでいるんだなぁ。
そう言うことなら、このマリーさんに相談しなさい。
ドロップアウトのことなら任せときなっ!」
体は小さいが頼もしいお姉さんだ。そっちの悩みが出てきたら、
まっさきに相談することにしよう。
「違うんです。マリーさんの顔を見たら初恋の嵐のことを思い出しちゃって」
それはウソではない。
「…そうだね。自分が教えたタイミングが悪かったかもね。
正直悪かった」
そう言ってマリーは、テーブルに頭をつけた
「あ、そうだ。あとで圭さんを紹介するね」
「圭さん? って誰ですか?」私は訝しむ。
「ふふふ、そのうちそのうち」
マリーは含み笑いをしている。本当に圭さんって誰なんだろう。
32untitled:02/04/07 23:57 ID:aTIK8QNq
「ねぇごっちん、ちょっと立ち上がって」
えっなになに?
マリーは左手をあげて手のひらを回転させている。
どうやら私に回転しろと言っているようだ。
私はその場に立ち上がりゆっくりとターンして見せた。
「いいねぇ、ごっちんは一見普通なのに、ごっちんが着ていると特別に感じるもんなぁ」
ため息まじりにマリーは言う。
この日の私の服は
赤いパーカにデニムのカットオフスカート、NB。
ホントに何の変哲もないものだった。
マリーはこんなときに駆け引きを用いたりしない。
始終駆け引きの場にあったあの学校のときとは大違いだ。
マリーのような人物に会えただけでもライブハウス通いの成果があったと言えるだろう。
そんなマリーに誉められたのだから素直にうれしい。

いい気分になって、ふと時計を見る。
「えっ、もうこんな時間だ。
マリーさん。よっすぃーと待ち合わせがあるんで後藤はこれで。
あとでまた会いましょう。」
「あっ、もしよかったらこのアイスコーヒー飲みませんか?
ぜんぜん口付けていませんよ」
するとマリーはうれしそうに答えた。
「ホント?いやぁ実はお金がなくって飲み物まで買えなかったんだぁ
アリガタヤ、アリガタヤ」
…私を拝んでいる。やっぱり生活大変なんだな。
私は微笑みながらアクアマリンの香りの横を通り抜けて、
フレッシュネスからパルコパート3の無印良品売り場へ急ぐ。
33b-cr:02/04/08 00:02 ID:JlNuzjwi
余りにも情けないので
もう一人登場人物が増えた時点まで掲載しておきます。
だからと言って広がったかは別問題ですな。

しかし遅々として進まない。
このままだとどれくらい書けばいいのだろう?
と言うか書くのか?
34名無し娘。:02/04/09 22:19 ID:9RPPGP3B
初恋の嵐の追悼ライブはeggsiteであったと聞いたが
35 ◆KOSINeo. :02/04/11 01:27 ID:CL9MXMnM
>作者さん
小説総合スレッドで紹介&更新情報掲載しても良いですか?
http://tv.2ch.net/test/read.cgi/ainotane/1013040825/
36名無し娘。:02/04/11 02:56 ID:NzfXUYc7

更新ありがとう(●´ー`●)

楽しみに待ってます。
 
37b-cr:02/04/11 22:28 ID:E0bDN9NG
へたれ作者です
当然のように続きはまだ書いていません…

>>34
実名に限りなく近い人が出ていますが
いちおうフィクションと言うことで…
イタイトコツイテキマスネ

>>35
あそこのスレはいつも見ています
正直 そこに情報が書き込まれるほどのレベルではないと思いますが
私自身のブラッシュアップには
多くの目にさらしてしまったほうがいいのかもしれません
返答が遅れましたが
◆KOSIeo.さんの判断にお任せいたします
こんなヘタレでもよろしければ…

>>36
読んでくださってありがとうございます
更新はできるだけしたいと思っていますので
これからもよろしくお願いいたします
38名無娘。:02/04/13 07:38 ID:OJUQ07PF
39untitled:02/04/14 20:49 ID:fZApZTDs
約束の時間を3分過ぎていた。
私は自他共に認めるズボラだが、よっすぃーは時間に正確だ。
待ち合わせにはいつも待たせることになってしまう。
よっすぃーは学校から直行。バレーボール部の練習帰りだ。
もちろん埼玉の自宅へ帰ってからじゃ間に合わないから、制服のまま。
着替える場所が必要なのだ。それを考慮しての待ち合わせ。
でもよっすぃーは遅れてはこないだろう。

駆けつけたときには。もうよっすぃーは制服ではなかった。
白ロングTにベスト、ボトムはジーンズ。
軽くさっぱりとした印象を与えるコーディネート。
こういうのは、試着をしたついでに着替えてしまうのだ。
荷物が多くてアヤシイ目で見られるてしまいがちだが、
さすがに引き止められたことはない。
制服から連想するあの悪い思い出を見ないでよかったのは、正直ホッとした。
40untitled:02/04/14 20:49 ID:fZApZTDs
「ゴメン待った?」
恐る恐る私は尋ねる。
「もちろん。待っていたから着替えも済ませちゃっているんでしょ」
よっすぃーはいたずらっぽく答える。
相変わらず大人な受け答えだ。これなら、私に引け目は残らない。
アノ場所での駆け引きとは違って、やさしさで接してくれるのがうれしい。
こんな風なよっすぃーだから頼ってみたい。
突き放すでも、くっつきすぎるのでもない。
少なくとも、私にはちょうどいい距離を保ってくれてるのだ。
マリーには悪いが、その微妙な感覚の差で、
私はよっすぃーを一番最初の相談相手に決めていたのだ。
すぐにでも話しかけたい気分に駆られたが思いとどまった。
ライブの後にしよう。まだ時間はある。
私はよっすぃーに微笑みかけた。
「いやぁきょうもきつかったよ。まわりが動かないから余計にね」
よっすいーは中学のときは将来を嘱望されたセンターだったらしい。
だけど、あの学校に入ってしまったらとたんに評価はガタ落ち。
バレーボールは一人ではできない。もちろんそれはわかっている。
だけどあのチームでの孤軍奮闘を見たら…
悔しいけど浮いて見えるかもしれない。それくらい実力が違うのだ。
だから練習の内容自体はよっすぃーには厳しいものではない。
だが、まわりの鼓舞やフォローで一層の疲労が出るようだ。
「こんななら、リベロに転向しようかなぁ」
珍しく弱気なよっすぃーだ。
こんなときの私は機転が回らない。とりあえず陳腐な言葉で励ましてみる。
「まぁ、よっすぃーならダイジョウブだよ」
うむぅ、我ながら情けないくらいに陳腐だ。
「こいつぅ、他人事だと思ってぇ」よっすぃーは私の額を小突く。
二人で笑いあった。
よっすぃーは私に言うことで意思を強固にしたかっただけなのだ。
結果的に、こんな対応でよかったみたい。
ふと急にまわりの視線を感じ、同時に肩をすくめて、そそくさと退散することにする。
「あっ、ちょっと待って」
私はライブハウスに入る前に髪をひとつに束ねる。
長い髪の毛は嫌いじゃないし、少し猫っ毛なところも気に入っている。
だけど臭いがつきやすい。帰宅したらすぐにシャワーを浴びるとはいえ。
気持ちのいいものではない。
例外は多少あっても、ほとんどのライブハウスは天井が低くて換気がよくなく、
あんまり環境はよくない。だからタバコの臭いがその場所に染み付いてしまっている。
臭覚はすぐに麻痺してしまうけど、その場所を離れたらテキメンにわかってしまう。
強烈な地縛臭だ。もちろん、それは始終更新されているからなのだが…
私自身も吸わないわけではないが、ほかの香りと干渉するから臭いは付けたくない。
あっそういえばマリーの香水アクアマリン。
あれもライブの後はすごいことになっているんだった…
41untitled:02/04/14 20:50 ID:fZApZTDs
会場時間までは、もう少しある。
だけど、予想通り店の前にかなり集まってきている。
楽屋の狭い屋根裏だからリハを終えたバンドのメンバーも混じっている。
ライブハウスを主な活躍の場にしているミュージシャンとは、
ファンともかなりフランクな交流が可能だ。
腹ごしらえを終えたマリーもバンドのメンバーと思しき男と会話している。
あれはどのバンドなのだろうか?
私もよっすぃーもライブハウス通いを始めて1年になろうとしているが、
バンドのメンバーに話しかけたことはない。
と言うよりも、まだ判別がつかないと言うのが現実だ。
でも例え判別がついたとしても、
「がんばってください」
以上の言葉をかけられるとは思えない。
それは自分が冷めているのか、それとも恥ずかしがっているからなのか?
どちらにしても私には間接的に触れることしかしたくない。
自分自身で壁を高く築いている部分もあるのだろう。
相手に触れたくないのは、自分に触れてほしくないから。
そんな頑なな自分になってしまったのはいつからなのだろうか?
もしかしたら生まれつき?
いや、少し前まではもう少し開いていたような気がする。
思い過ごしではないだろう。
こんなこと思いもしなかったのに、どうして今頃考えるのだ?
なにかをきっかけに私が変わってきているの?
それは…なにかトリガーがあるはず。
つい数日で変わったことと言えば…
初恋の嵐とあの白い犬だ。
特に白い犬の存在は怪しい。自分にしか見えていなさそうなことを考えても、
私のトリガーになるためにいたとしか思えない。
42untitled:02/04/14 20:50 ID:fZApZTDs
「どうしたの?」少し上の目線からよっすぃーが覗き込む。
急に思索の世界に入ってしまっていた私を心配してくれたようだ。
「あっ、うん、だいじょうぶ。
あとでね、よっすぃーに聞いてもらいたいことがあるんだ
そのことを考えていたの」
よっすぃーは眉間に縦じわを寄せて首を傾げてみせる。
「いまは話せないの?」
「そうだね。ちょっと恥ずかしいし。あとでお願い」
私は率直な気持ちを伝えた。私たちの会話なんか誰も気づかないとは思うけど、
なぜか、いまは言うときじゃないと思ってしまった。
「ふーん」よっすぃーは折れてくれた。
これ以上追求してもダメなことを理解してくれているみたいだ。
1年弱の付き合いで、私の性格を把握してしまうのだからさすがだ。

「こらぁ、なに美少女二人で世界を作っているんだぁ」
いつの間にか近づいていたマリーが飛び込んでくる。
普通だったら、うざく思ってしまいがちなのに、そう思わせない。
これもマリーのもって生まれた性分だろう。正直うらやましい。
ちなみに“よっすぃー”もマリーが命名したものだ。
こんなセンスには頭が下がる。
(実際に、このマリーの小さな体よりも頭を下げると、かなりつらいことになるが…)
マリーの人当たりの良さと、屈託のない笑顔で、まわりを巻き込んでしまえる。
それができないと、こんな芸当は不可能だ。
開演まで3人で取り留めのない会話をした。
こんなに楽な気分で会話できるのっていつ以来だろう?
そんなことも忘れてしまっている自分に気がつきながら…
43untitled:02/04/14 20:52 ID:fZApZTDs
きょうの追悼ライブ
参加バンドは、

Runt Star、ゲントウキ、スクービードゥー、コモンビル

初恋の嵐をやく理解できていないとこんなセレクトは無理だろう。
さほど深く知らない自分でも、このメンツを集めるのが大変だったと思う。
初恋の嵐・西山達郎追悼ライブ
こんな冠がついていなければ集まったかどうか怪しいものだ。
細かいところは知らないが、どのバンドも初恋の嵐とは縁があったらしい。
それは演奏自体にも現れていた。
どのバンドも素晴らしい出来だった。

屋根裏は縦に長い構造をしている。あんまり広くはない。
私はこのハコだと最後尾の調整室やロッカーがあるところのちょっと前。
ここを定位置にしている。屋根裏は最後尾からステージまでの間に
なだらかに下り途中段差が2つある。後ろからでも見にくいということはない。
バンドに客席からアピールしたいわけでもないので、この位置で十分なのだ。
そしてこの位置でも、バンドが近くに感じられる。
それもまたライブハウスの魅力なのだ。
そしてライブが始まった。
44untitled:02/04/14 20:53 ID:fZApZTDs


      ◆

いったい、どれくらい眠っていたのだろうか?
気がつくと白一色の視界が徐々に鈍色に変わっていく。
まるで純粋なもので構築された世界が、不純物を取り込んで行く様。
私はいつの間に眠っていたのだろう?
でも気持ちのいい世界だった気がする。
実はどんなに気持ちよかったかはよく覚えていないのだが、そんな感じがするのだ。
白いふわふわした中に漂っていた。覚えているのはこれくらい。
突然の覚醒にも、自分の中に何の感情も湧きあがってこない。
寝起きで頭がぼぅっとしているから?
いや、それならばこんな分析がなぜできる。
起きてすぐに冷静な思考を持っているのは、自分自身信じられない。
…そういえば、自分自身が何であるかを知らないことに気がついた。
私は誰?
そもそも私は何なの?
しかし、こんな恐慌を引き起こしそうな命題をたたきつけられても、
私のテンションは上がらない。
どういうことだろう?
これは取るに足らないことを意味しているのであろうか?
わからないことが不安にならない。
不思議だ。
徐々に展開していく平坦な世界の中で光を放っているのがひとつだけあった。
じっとその方向を見ていると、その光が私に近づいてくる。
少しずつ近づいてくる。
少女だ。
少女が近づいてくる。
光の少女。
懐かしい光だ。
それは私が覚えている光だ。
少女が段々大きな姿で捉えられるようになってくると、
私の頭の中に「もういかなきゃ」と言うメッセージが浮かんできた。
あの懐かしい光をもっと見ていたいのに、その言葉に抗えない。
私はきびすを返す。
空にはツバメが舞っていた。

      ◆

45b-cr ◆FruitMgc :02/04/14 21:00 ID:fZApZTDs
遊びでトリップをつけてみました
別段 必要ないんですけど

>>38
保全ありがとうございます
しかし今回の圧縮もすごかったですね
気づいたら200くらいスレがなくなっていた

というcocoa鯖になってはじめての更新でした
46仁担  :02/04/15 18:39 ID:fy8bkHv5
オリキがジュンノに聞いたんだけど、
モー娘の仲だったら誰が好き?って。したら後藤真希って言ったって
47::02/04/15 20:23 ID:JfzB9nj0
ごまぁぁぁぁ
48b-cr ◆FruitMgc :02/04/17 01:47 ID:xv6aUP71
4/1に間に合わせたかったんで
急造をアップしてしまった気がする
書いているうちに
前の部分も修正したい気分になってしまう
自分の構成力のなさを痛感しているしだい
でもあのときアップしていなかったら
全体を見直すこともしたかどうか…

ってこんな情けない悔恨しているくらいなら
続きを書けって>
49 :02/04/19 02:54 ID:GCe2Pb2Q
50 :02/04/20 09:02 ID:LPEDzFm1
50
51untitled:02/04/21 21:08 ID:5lzpz4PS
本当に素晴らしいライブだった。
バンドの皆からの思いが痛いほど伝わってきた。
メジャーが決まっているバンドがほとんどなのだから、
それも当然だろうとは思ったが、メジャーでもつまらない音しか出せない
バンドが多いのだから、これは特筆していいのだろう。
特にトリをつとめたコモンビルの玉川さんの思い入れは
相当なものがあったに違いない。
いまでは伝説となってしまった玉川、西山双頭のカントリー、コモンビル。
その伝説が嘘ではないと思わせる魂のライブ。
玉川さんの隣に西川さんもいた気がしたのは私だけではないはず。
いや、きょうの出演バンドすべてに当てはまるだろう。
みんな、ステージ上で今は亡き西山さんとのセッションを楽しんでいた…

煙草の匂いとライブの余韻が残るハコの中に残っている。
煙草のマイナス面よりも、きょうは煙が生み出すライトの乱反射。
幻想的な雰囲気を作り出すマジックに酔ってみたい。
煙の成分で昂揚感を沈静化されているはずなのに、それを差し引いても
きょうのライブの楽しさに興奮しているのがわかる。
いちばん後ろで見ているところは変わらないけど、
心の中に客観的な部分を多く残している。
そのステージまでの距離以上に離れているのが常なのに…
いままでに見たライブの中で、いちばん楽しかったかもしれない。
私の数少ない経験の中だとしても。
ステージの直前まで進出していたよっすぃーが戻ってきた。
満面の笑み。
「ひゃあ〜すごかったわ。こんなライブだったら何度でも見たいもんだ」
よっすぃーは興奮さめやらぬ体で話しかけてきた。
私は同意の微笑みを返す。気の利いた返答なんか思い浮かばなかった。
よっすぃーは私の意を汲れるはず。それがわかっているから無駄な修飾は必要ない。
ほら、よっすぃーも微笑んでくれる。
52untitled:02/04/21 21:08 ID:5lzpz4PS
「まぁた2人だけの世界に入っているよ」
いつの間にかそばにいたマリーが呆れたように言う。
そう言われて、少し恥ずかしくなった。
確かにまわりから見るとアブナイ世界に見えるかもしれない。
「だからさぁ、美少女2人で世界を作っていると、誰も入っていけないんだから
ちょっとは考えてよ!」
マリーは時に予想できないことを言ってくる。
そんなものなのかな?そんな影響は考えていなかった。
『でも、マリーさんは話しかけられているよね』
とも思ったけど、素直に同意してみる。
少なくとも、いまの私にはなんでも受け入れられそうな心の充実感がある。
「おいで、圭さんを紹介するよ」
そう言って入り口近くの物販スペースへ連れて行かれる。
物販のテーブルの後ろに落ち着いた感じの女性が立っていた。
その彼女にマリーは話しかける。
「圭さん!ほら前に話していた娘だよ。
覚えている?あの計画。この娘たちならうまく行きそうな気がするんだ」
ケイカク??ウマクイク??それってナニ??
疑問符だらけの紹介をするマリーに面食らってしまった。
得意満面で小さなカラダをこちらに向けているマリーと、
噂の圭さんを見ていると…
53untitled:02/04/21 21:09 ID:5lzpz4PS
わかってしまった。
「untitled」のモデルにある女性は彼女だ。
西山さんと燃えるような恋愛をして、お互いの未来のために、
どちらからともなく離れていったあの2人のモデルが彼女なのだ。
解釈によっては西山さんを執拗に追いかけたようにも取れるが、
たぶんそうではないだろう。彼女がモデルであることがわかったように、
解釈に関しても、2人のやるせない別れを確信させた。
決して美人ではないが、なにか惹きつけるような魅力を持っている。
大きく吊り上ったアーモンドのような目。
ともすると怖い印象を与えがちな目なのに、それを感じさせない。
むしろやさしい光をたたえているみたい。
不思議な女性だ。
「ウワサはマリーから聞いているわ。よろしくね」
圭さんが話しかけてきた。
私は面食らいながら答えた。
「どぅも」言いながら軽く会釈する。
挨拶を考えている余裕なんかなかった。
「ふふふ。ホントにウワサ通りなんだね」
相変わらず訳がわからない。
「あのぉ、けけ圭さん。噂ってなんなんでしょうか?」
たまらず、私は尋ねてみる。
「うん?それはあんまりたいしたことじゃないの
でも、わたしのことは圭ちゃんでいいのよ。
こんなおばちゃんにイヤかもしれないけどね。
マリーが“さん”付けで紹介したからこうなっっちゃったんでしょ?
マリーも慣れない敬語なんか使わないでよ。
どうせ目上だと思っていないくせに」
さっきから笑いをこらえている風だったマリーに向かって圭さんは言う。
「はははは、わかっちゃった?圭ちゃんもいい年なんだから
敬語のお世辞くらい言われなれていないとダメだと思ってさぁ」
ついにこらえ切れなくなって、マリーは笑う。
それを圭さんは殴りかかるフリををした。
もちろんその拳は空を切っている。まぁ直撃したとしても被害はまるで出ないだろう。
仲がいいなぁ。うらやましく思うほどに。
そう感じて、私はよっすぃーと顔を見合わせた。
よっすぃーは肩をすくませて微笑んだ。
私とよっすぃーの関係ってどれくらいなんだろう。
傍目から見て、マリーと圭さんくらいのレベルに達しているのだろうか?
私は微笑み返しながらそう思った。
54untitled:02/04/21 21:10 ID:5lzpz4PS
この顛末で私の質問は抹殺されたみたい。
少し気にはなったけど追求しないことにした。
こんなに楽しそうなのを壊したくない。
彼女は私が思っているほどの年上ではないのだろう。
そう思わせる無邪気さがある。
それはマリーにも共通するところだと思う。
こういうところに徘徊する人は無邪気さを失わないでいられるのだろうか?
もしもそうなら、私もそうあり続けるためにライブを見にこようかな。
少なくとも私はこの2人に憧れている。
マリーと2人ではしゃいでいる彼女に言う。
「あのぉ、私も“圭ちゃん”って呼んでいいんですか?」
「うん。ぜんぜんOKだよ」
初対面の私のお願いに2つ返事で応えてくれた。
でも、このはしゃいでいる彼女の奥底に、
深い哀しみが横たわっていることも見え隠れしていたのは気のせいではなかった。
55untitled:02/04/21 21:12 ID:5lzpz4PS
後でわかったことだが、きょうのイベントを企画したのは
圭ちゃんこと保田圭その人であった。
渋谷屋根裏はノルマが低いこともあり、普通の人でもイベントできるけど、
きょうみたいなインディー界の大物を集めたりするのは不可能に近い。
たとえ“追悼”と言う冠があったにしても…
そんなイベントを成功させた保田圭は、たぶんこの世界ではひとかどの人物なのだ。
その人が。こんなに気さくに話してくれている。
いや、こんな気さくさのあることが、この世界を生きていく武器になるのだろう。
その点ではマリーも負けてはいない。
マリーは誰にでもオープンだが、気に入らない人とはトコトン付き合わない。
自由人でだけではなく、ポリシーも確立しているのだ。
その点だけを取れば、この圭ちゃんもマリーに認められた人物。
そして、きょうここにいる誰よりも親しい人物だと思える。
それは敬ちゃんにとってもそうなのだろう。
マリーが話しかけたとき、一瞬で表情に明るさが出てきた。
もともとマリーにはまわりを明るくさせる素質があるとはいえ、
きょうの状況を考えてみると、マリーは圭ちゃんにとっても
大きな存在であることがわかる。
その2人が私に積極的にアプローチしてくる。
なぜだろう?
私にそれほどの価値があるのだろうか?
つんつんつん
よっすぃーが私の右頬を突っついてる。
「あんまり考え込むなよ」
また、よっすぃーに見抜かれていた。
そうだね。きょうは楽しかったからそれで十分。
「アリガト」
優しさに包まれて顔がほころんでくるのがわかる。
私は幸せだ。こんなにもわかってくれている人がいるのだから。
56untitled:02/04/21 21:12 ID:5lzpz4PS
昂揚した気分のままよっすぃーと2人で坂を下る。
「ねぇ、よっすぃー聞いてもらいたいことがあるんだけど、
ちょっとだけ時間あるかな?」
「うん、30分くらいなら平気だよ。なに?」
よっすぃーの自宅は遠い。喫茶店に入ってゆっくり話すほどの余裕はない。
どこかで立ち話するしかないだろう。
平日の10時くらいだと、渋谷はまだまだ騒々しい。
こんなところではどうにも落ち着かない。
ほんの少しでも静けさを求めて第一勧業銀行(現みずほ)の横手から地下道へ。
ここはちょっと小便臭いことには閉口だが、
そのマイナス面もあるからだろ、ここはさほどうるさくはない。
しかし、ティーンの女の子が会話するところでもないことは確かだ。
「ゴメン。こんなところで…」
「ははははは」
よっすぃーは明らかな苦笑。
悪いなぁと思いつつ、私は話し始める。
きょうの不思議な出来事…
57b-cr ◆FruitMgc :02/04/21 21:17 ID:5lzpz4PS
知らないうちに保全してくれたかたもいたようで
ありがとうございます
きょうも大きなスレ圧縮がありましたね
それを回避できたのも
まだ わけのわからないまま終わらせるなってことでしょうか
今の時点でも
ぜんぜん全貌が見えてこないと言う…
そうなるのをわかっていたから
冒頭にあれを持ってきたんですけど
あれがなんなのかまだわからないような進行状態
こんなんでいいのでしょうか?
58b-cr ◆FruitMgc :02/04/23 06:55 ID:6ch8xR25
保全がてら状況説明を少し

書き手の不得手で伝わっていないでしょうが
この物語は2002年3月20日前後を想定しています。
なので今では少し季節感が薄れてしまいました。

またすでに上げてしまった部分のなかで大きなミスは
やはり>>14“両親”と書いてしまっているところですね
この後は片親を前提に話を進めていくので
すごく大きいです
あげる前に校正したつもりだったんですけど残っていました…
なので その部分は“母親”と書き換わったつもりでお願いします

取材をあまりしていないので十分な説明ができず端折ることが多くなります
ごまかしているなぁ
と感じたら そこは流そうとしているところだと判断してください
59名無娘。:02/04/24 09:18 ID:axPaQA6C
祝 初恋の嵐 リリース決定
60 :02/04/24 16:51 ID:HRKyDEL3
61 :02/04/24 22:43 ID:GivHAw/+
62 :02/04/25 09:32 ID:bt+Reu6a
63b-cr ◆FruitMgc :02/04/26 05:06 ID:P27Z3oWg
すご こんな上まで上っている
って3回上げてもここまでしか上がらないんですなぁ

>>59>>60>>61>>62
保全感謝です
でも まだあんまり書いていません
果たして日曜日までに…
64_:02/04/27 07:10 ID:eAjV19B+
65untitled:02/04/28 20:14 ID:Ck9saf+b
私はこの不思議な出来事が嘘でないことを告げるように、
よっすぃーの目を見ながら訥々と話す。
最初よっすぃーは微笑みながら、聞いているうちに真剣な顔に変わっていく。
私が話を作るような性格じゃないのを知っているから、
この不思議な犬のことを真剣に考えてくれているのだ。
遠くからも見えるような大きさで私を待ち、そして見つめていた。
あれだけ目立つ光を放っていながら、誰も気がついていないようだったこと。
私が近づくと名残惜しそうに消えていったこと。
いま思い出しても不思議と言う言葉しか浮かばない。
渋谷の地下にあるコンコースに時折足音が響く。
話し終えてから少しの間沈黙があった。
やっぱり変に思われちゃったかな?
普通に考えたら私の頭がおかしくなったと思うのが常識だよね。
私は恐る恐る尋ねる。
「やっぱり変かなぁ」
変だよね。冷静に考えて変だと思う。
頭がおかしくなったとしか思えない寓話。
私自身はおかしくないと思っていても、気が付かないうちにまわりとズレてきた。
そんなことがあり得るのかも知れない。
学校をやめてから1ヶ月。影響がないとは言い切れない。
こんなこと言うべきじゃなかったのかな?
例え気の置けないよっすぃーにも言うべきじゃなかったのかな?
意を決して、私が『ゴメン、いまの全部冗談。おもしろかった?』と言おうとした瞬間。
66untitled:02/04/28 20:14 ID:Ck9saf+b
「うううん、おもしろかったよ。不思議な話だね」
よっすぃーはようやく整理がついたのか、ゆっくりと切り出した。
「まるで『白い犬とワルツを』みたい」
「えっ?!」目を丸くして動きが止まる私に向かってよっすぃーは続ける。
「知らないの?来月からロードショーも始まるんだよ。
去年話題になったベストセラー小説」
…知らなかった。学校をやめて以来一切の情報回収を遮断している。
いや去年一年間もライヴ以外には外界との接点を拒んでいた気がする。
それはそれで支障がないのだから、現在は情報過多なのだと思っていたのに…
うつむき加減に思索する私に向かってよっすぃーはさらに続けた。
「ごっちんみたいな世捨て人じゃないんだから知っているって。
あ、もしかして私が教科書と『クッキーシーン』以外興味ないと思っているなぁ。
ヨシオさんをバカにしているだろう。プンプン!」
よっすぃーはむくれたフリをする。よっすぃーは自分を下げることで、
不安定な私のことを気遣ってくれているのだ。
あくまでもさりげなく…
感謝。ありがとう、よっすぃー。
67untitled:02/04/28 20:15 ID:Ck9saf+b
しかし、よっすぃーも読んでいるようなベストセラーとは…
ちょっと興味が沸いてきた。
よっすぃーはあの学校で成績トップにいる優等生。
そのよっすぃーが唯一見る雑誌が『クッキーシーン』と言う
マニアックな洋楽を紹介したもの。
こんなのを読んでいるからなのだろう、よっすぃーの去年のフェイバリットは、
ベンズ・シンフォニック・オーケストラ
よっすぃーに借りて聴いてみたが、それほどいいとは思わなかった。
それだったらまだ私はトータスのほうが好きだ。人それぞれと言うことだろう。
いや、違う『白い犬とワルツを』の話だった…
どんな話なのだろう?タイトルから察するに白い犬が出てくるのだろう。
でも犬とワルツなんてどうやって踊るの?
もしかしたら全然勘違い?知らないことが怖い。
いや、たぶん知ってしまうことも怖い…
よっすぃーが、そう言うのだから似ている状況があるのだろう。
ちょっと興味が沸いてきた。読んでみようかな。
久しぶりにネット検索で関連ページを探してみよう。そのためには…
「それって誰が書いているの?」
「う〜ん確かなんだかケイ。外国作家。よく覚えていないや」
よっすぃーにしては珍しい。彼女にも覚えていないことがあるんだ。
「ケイ?」え〜っと。「あのさっきの…」
「いっちおう言って置くけど保田圭さんとは違うからね」
…先回りされてしまった。
さっきからよっすぃーには助けられてばっかりだったから逆襲したかったのにな。
きょうは連戦連敗みたいだ。あんまり無理しないようにしよう。
私のギャグがおもしろかったためしも数えるほどしかないことだし…
よっすぃーの目を見た。私を安心させてくれる笑顔だ。
負けて本望かな。
68untitled:02/04/28 20:15 ID:Ck9saf+b
「そろそろ時間だね。アリガト、こんな話に付き合ってくれて」
「ううん、おもしろかったよ。きょうのライヴと甲乙つけがたいね。
いつか自分にも、その白い犬が見られるようになるといいなぁ」
私は真意がわからず、小首をかしげる。
「小説では、他人にも見られるようになるところがクライマックスなんだよ」
「ふ〜ん」
似ていると思う。他の誰にも見えない私だけに見える白い犬。
少なくともここまでは同じだ。
私にだけしか見えないと言うことは、
たとえ私が表面上この世で一番信頼できる人物として、
よっすぃーを選び告白したのだとしても、
(まだ実験していないとは言え)他と同じように見えないのならば
その他大勢の人となんら変わりはない。
自分にとって無価値な人々と同格になってしまうのだ。
よっすぃーが私にとって重要な存在だなんて、そもそも思い違いなのか?
私がそう思い込みたかっただけなのか?
これはよっすぃーに対して失礼だとは承知。
だけど、この不安は否めない。
もしも、その白い犬を見られる機会ができたとしても、
よっすぃーが白い犬を確認できなかったとしたら…
いやいやそんなことは起こるはずがない。
よっすぃーには見えてくれるはずだ。
すぐにではないかもしれないが、よっすぃーには見えてくれるはずだ。
じゃないと…
いや見えてくれるに違いない。違いないのだ。
そう思わないとやり切れない。よっすぃーの存在意義を疑うなんて…
そんなことは思いたくもないし、あるはずがない。
そして、こんなことを考えているなんて悟られたくはない。
だから、私のそんな心の葛藤を払拭するように強く思い込む。
そう、この白い犬がよっすぃーにも見えて共有できるとしたら、
どんなに素敵なんだろう。
たぶん私はよっすぃーにこの犬を見てもらいたい。
この素敵な出来事をもっと上の部分で共有したい。
そうなるにはどうしたら?
まったく同じ展開になるとは思えないが、『白い犬とワルツを』のなかに
ヒントらしきものがあるかもしれない。
探し物は案外単純なところに潜んでいるものなのだ。
それに、最近は小説なんかまったく読んでいないことにも気がついた。
読んでみようかな。
たぶん読んでみたほうがいいだろうな。
69untitled:02/04/28 20:18 ID:Ck9saf+b
「じゃあね、よっすぃー。また連絡するよ」
「またねぇ〜、ごっちん」
私たちは渋谷駅構内で別れた。よっすぃーは埼京線。私は銀座線に乗るために。
銀座線の渋谷駅は始発駅ということもあり座ることができる。
電車の中は静かではないけど、それぞれが他人に干渉しないモードに入っているから、
けっこう自分の空間を構築することが可能だ。
そこで私はきょうの不思議な出来事。素晴らしかったライヴのこと。
今日出逢った圭さんのこと。そしてよっすぃーに教えてもらったヒント。
それらのことを反芻してみた。
納得のいく結論なんか出そうにないけど、
考えないと整理しきれないくらいいっぱいあった。
そういえば最近は深い思索に入っていないな。
学校を辞めてから、考えるのを拒否していた部分もあるから
重くて仕方がない。なんか錆びついているような感じだ。
使わないと衰えると言うところか?
深く考える価値のありそうなことがなかったとも言えるだろうが、
それは私の“やる気”のなさに起因するところも大きい。
いや能動的に拒否していた部分もあるだろう。
だけど、いまは考えてることが楽しい。
本当にきょうはいろいろなことがあったと思う。
70untitled:02/04/28 20:20 ID:Ck9saf+b
電車を乗り継いで小岩に着いた。
もう春とは言え、夜はまだ肌寒い。
寒さから身を守るべく体の筋肉を収縮させてみる。
左側が少しかけた月が見える。凍える月。
ここからは通いなれた道。典型的な下町。
こんな下町気質のところでは、顔見知りに出会うとひとしきり近況を聞かれてしまう。
それでなくともあまり人との交流を避けたい私には、
そんな人情味がうざく感じることがある。
暖かさ、優しさにあふれているのはわかっていても逃げ出したい気分だ。
特に学校を中途で辞めた引け目を感じているので、できるならば誰とも会いたくない。
だから、こんな時間にここを通るのは好都合だった。
いつもの夜の静かな下町。
普段はその“真夜中の恩恵”に預かるだけでなにも感じたりはしないが、
きょうのいろんな出来事のおかげで、何か新鮮な雰囲気がある。
ほとんど閉ざされたシャッターにも活気がにじみ出ている感じ。
普段ならそう思わないのに、心持ちですべてが変わることを実感した。
路傍に桜を見かける。ほぼ満開の桜。
街頭に照らされて艶やかに輝いている。
色彩の鮮やかさが夜の色をバックに浮き上がっているみたいだ。
でも、こんな季節の移ろいに気づいたのも久しぶりかもしれない。
そういえば昼間にはツバメの姿も見たなぁ。
この季節の風の強い日には、ツバメが群れを成して現れてきたはず。
ツバメ。ツバクラメ。
そういえばツバクラメで有名な歌があったと思う。
なんだったろう。授業で出てきた気がする。
…思い出せない。あとでユウキに聞いてみよう。
あいつなら知っていると思う。
あいつは私よりも数段頭の出来がいい。
だが、そのことに悔しさは沸いてこない。
そもそも、そこに自分のアイデンティティを感じていないからだろう。
71untitled:02/04/28 20:22 ID:Ck9saf+b
珍しく前向きだな。知りたいと思うなんて。
なにか自分の中に活気が蘇ってきたのかもしれない。
最近は、こんなに疑問を持ったり、感動したり全然なかった気がする。
自分の中ではうれしい変革だ。
いや、普通の人としての感覚が戻ってきたと言うことだろうか。
昔はそれこそ普通に感情を表すことができていたと思う。
この変化をもたらしたきっかけと言えばやっぱり、
“初恋の嵐”を置いて他にはないだろう。
彼らの「untitled」を聴いているときに、あの白い犬が現れたのだから。
それ以外に原因を求めることは無意味だろう。
この世界には事象と、その事象を起こす原因がある。
あの白い犬が現れてきたのにもそれなりの原因があるはずなのだ。
それを曖昧なままにして置くことも可能だし、
その逆に解明しなければ居ても立ってもいられない場合もある。
どんな角度から研究しても、それらの関連が見いだせない時には、
“不思議”や“偶然”と言うブラックボックスを使ってスケープゴートにしてしまう。
わからないままにして置くよりも、
何か理由を付けて理解できる範囲にしてしまうほうが人間は安心できるらしい。
少なくともいまの自分には理解できる。
このままブラックボックスに放り込むなどもったいなくてしょうがないからだ。
ホントに変わったな。つい最近はこんな深い考察をすることもなかったのに、
やる気のかけらもないはずの私が、こんなにも変わるなんて…
72untitled:02/04/28 20:27 ID:Ck9saf+b
ポケットの中の携帯がMAIL着信を告げる。
「みにもにテレフォン」とか言う曲らしい。
これはマリーにイタズラされて着メロが自分の知らない曲になっている。
特にお気に入りがあるわけでもないので変更していない。
私の印象はかわいらしいけど変な曲。
人前でチョット恥ずかしいような感じがするくらいだろうか。
そう言えば以前電車の中で鳴った着信音に周りの人が笑っていた。
子供もいた。サラリーマン風の人もいた。
いったいこの曲はなんなのだろうか?
私が似合わないと言うことなのか?
別に笑われることに関してはさほど気にならないが、
ふつうの人がふつうに知っていると言うことのほうが気になる。
私は世捨て人としてのランクの高いほうにいるようだ。
73untitled:02/04/28 20:30 ID:Ck9saf+b
MAILは予想通りよっすぃーからだった。
たった一言「テリー・ケイ」
よっすぃーらしさに溢れたMAILだ。
この一言の中にいろんなものが詰められているのがわかる。
さっき思い出せなかった作家の名前を思い出して、
私がその小説に興味を持ったのを知っていたからすぐに教えてくれたのだ。
それと、あんな変な体験をカミングアウトした私を気遣ってくれた。
たった一言だから伝わることもある。
いまはよっすぃーに甘えていよう。これから私の方が助けることがあるかも知れない。
それまでは甘えていよう。
一言MAILの返事を書く
こちらも一言MAILで返信するのがいいだろう。
「サンクス」MAIL送信。
送った後、笑みがこぼれる。
よっすぃーの微笑んでくれた顔が目に浮かぶようだ。
ふふふ。
すると間髪入れずに着信があった。
こんなに早くはよっすぃーも返信できないだろう。
なに?
いぶかしげに内容を確認する。
それにもたった一言だけ「赤光」
送信者不明。
さっきまで笑っていた顔が急に強ばってくるのがわかる。
いったいなんなのこれは?
74b-cr ◆FruitMgc :02/04/28 20:42 ID:Ck9saf+b
やっとアップできました。
直前まで手直し、校正をしています。
それでも締め切りだと思って
アップしています。

1000行にもなろうかと言うのにいまだに導入部分
風呂敷広げすぎです。
この分だと終わらないこと確定でしょうねぇ
一部のみならず二部への複線も張ってあるから
ある程度片が付いたら 他の人に任せてみようかな
って思ってしまう弱気な作者でした。

で 今回ようやく元ネタの一つ
「白い犬とワルツを」が登場してきました。
でも完全なパクリじゃありません(自分で言うのも何ですけど…)
パクリなんだったらもう少し楽に書けています。
そして作者はこの部分を書いた時点で
「白い犬とワルツを」を読んでいませんでした。
そのタイトルから類推してストーリーを練りました。
だから性格にはパクリではあり得ないのです。
でも似ていますね。
やっぱり同じ発想になっちゃうのかなぁ…

>>64
保全感謝です
これから一週間また書き込みがなくなるでしょう
あ 自分自身でも保全作業はします
自作自演…
75名無し7:02/04/29 08:34 ID:xTYoaItJ
75get
76名無し:02/04/29 08:59 ID:D9CSYUt7
おもろい
77b-cr ◆FruitMgc :02/05/01 01:44 ID:8Jo/xSXb
>>75 >>76
読んでくださったようで感謝です
これからも読んでいただけるとうれしいです

ところで
ザ・シロップとpastelshotを同じCDに焼こうとするのは
間違っているのでしょうか?
そこに どばと と BOSSA51まで突っ込んでしまうと言うのも…
流れさえ作ってしまえば何とかなると思うけど
果たして そんな編集ができるのだろうか?
78名無娘。:02/05/02 23:45 ID:b6iKxCfx
hozen
79_:02/05/04 06:01 ID:uCeL4IQJ
もちっとな
80_:02/05/04 23:59 ID:uCeL4IQJ
 
81untitled:02/05/06 02:44 ID:0UKdndWb
      ◇

渋谷から乗ったにもかかわらず空いているシートに座ることができた。
珍しいことだ。
それにしてもあの子は、なんであんなに危なっかしいのだろう?
もっと力強くても良さそうなものなのに、
あの子の過去がその荒波に持ちこたえる能力をスポイルしてしまったのかも知れない。
そうじゃないと合点がいかないほどの弱さなのだ。
一見、無関心なフリをしているから表面的には伝わらないだろうが、
一歩中に踏み込むとその弱々しさに驚いてしまう。
あの子もそこに気づいている節があって、だからことのほか踏み込ませない。
氷の心を持って他と接し、必要以上に、いや必要最小限でさえも踏み込ませない。
あの子の容姿を持ってすれば確かに、
異性同性を問わず恐れおののいて近付けないだろう。
あの容姿でお高く止まっているように見せかければ最高の対人障壁になるだろう。
あの子を人間、1人の女の子としてではなく祭り上げようと言う理由じゃなければ、
到底近付くことなんかできはしない。
そうだ、あの頃のあの子は二重の意味で辛そうだった。
仮面の上に仮面を付けている。そんな感じに見えた。
彼女らにとってあの子は偶像崇拝対象。
そんな枠組でしかない。
それにはうってつけな人材だろう。
82untitled:02/05/06 02:45 ID:0UKdndWb
要するに神を祭り上げるのだ。
そんな用途には、容易に俗世間に降誕してこないのは都合がいい。
だからその恩恵に預かろうとする者からの汚らわしい接近がある。
神をたぶらかすのは最上の愉悦とも言える。
その世界からようやく逃げ出したあの子。
逃げ出したからと言って簡単に傷が癒えるでもなく、
いやむしろそれ以前から傷を背負っていたあの子。
あの子を助けたい。
支えてあげたいと思うのは、あのでっち上げ偶像崇拝者と変わらないのだろうか?
私は違うと思いたい。
だから、その子が頼ってくれるなら意のままに助けてあげたい。
そんな気持ちのままMAILを書き始める。
言葉足らずでさっきは伝わらなかった思い。
すべてを伝えようとして書き直し、書き直し。
「私はいつでもそばにいるよ」「何でも打ち明けて」
どんな言葉もあの子への恋愛感情のように見えてしまう。
そんなつもりじゃないのに…
守ってあげたいと思うのは否定しない。だが恋い焦がれているつもりはない。
これでは余計な重荷にしてしまうに違いない。
陳腐な言葉しか思い浮かばない自分にうんざりした。
こんなセンスは学校の授業なんかじゃ身に付かない。
書いては消し、書いては消し。
結局、あの子=ごっちん=後藤真希にMAILを送付したのは、
目的駅にもう少しと言うところだった。
考えた挙げ句に送ったMAIL。
これが40分くらいかけたMAILの本文なのか思ってしまったが、
私の出した結論は、これが私の書ける現時点でのベスト。
たった一言だけ「テリー・ケイ」

      ◇
83untitled:02/05/06 02:45 ID:0UKdndWb
家にたどり着いた。
普段ならこの徒歩10分が長く感じられるのに、きょうはやけに短い。
桜の鮮やかさと、熟考の面白さ。
その2つのおかげで時間が進むのがことのほか早かった。
視線に映る桜よりも、めまぐるしい思考の方が忙しかったが、
それでも周りを見ていなかったわけではない。
それにしても、この家は過剰な大きさを備えている。
鉄筋コンクリート3階建て。大きくて、ごつくて、監視カメラまで付いている。
まるで要塞のようだ。
私はしみじみとそう思って納得する。
要塞が中の物を守るための物だと定義するならば、
この要塞はいったい何を守っているのだろう。
母と姉と弟と私。たった4人しかいないのに、こんな過剰な設備は必要なのだろうか?
3人の女に中学生の弟1人。防犯のために監視カメラは間違っていないだろう。
だが、ここまで威圧感のある巨大な建造物にする意義は?
1人1人がゆったりとした空間を保てるようにするため?
これから増えるかも知れない家族のための準備?
カギを握る父はもういないし、母は必要以上に語ろうとしない。
むしろ積極的に私を避けている気がする。
恐れられているのか?
もしかしたらこの要塞は私に対してのものなの?
そんなにしてまで私を避けたいのか?
…このままでは自分自身を貶めるだけになるだろう。
そんなんじゃダメだ。
答えを出すことなんか先送りにしよう。今のところ問題にはならないはず。
84untitled:02/05/06 02:46 ID:0UKdndWb
要塞の中は静かだ。
大きな家に4人の家族なので、よほど近くにいないと雑音も届かない。
ただ私の靴と三和土が奏でる音だけが虚しく響く。
和風色の強い玄関なのに天井が高いので違和感を感じてしまう。
建物全体に言えることだが、デザインの統一感とかも取れていない。
どこを見ても疑問の残る意匠なのだ。
一般に成金趣味と呼ばれるものが多くある。
首だけの剥製、有名絵画の複製品、使い道のない壺。
これだけ意味のないものが並んでいると、逆に賞嘆したいくらいだ。
広い廊下を通り抜け食事室に向かう。
途中リビングや応接室の横を通ったのだが、人の気配どころかTVの音さえ漏れてこない。
普通だったら取り残された感じがして怖じ気づきそうだが、
こんなこともしょっちゅうなので、麻痺してしまったのかも知れない。
確かに慣れるまでは怖かった。
私にはどんなホラー映画よりも、信頼する、
もしくはよく知っている人がいなくなるほうが、よっぽど怖い現象だと思っている。
外から見た時に個室に明かりがついていたから留守ではないのはわかっている。
もしも留守だとしたら廊下、リビング、と灯りがつきっ放しにしないで欲しいものだ。
いつも寝る前に下の階の灯りを消していく。1階の消灯時間は母の就寝時間だ。
外から見えた灯りのついた部屋はユウキの部屋。あとで訪ねることにしよう。
あいつには教えてもらいたいことがある。
85untitled:02/05/06 02:50 ID:0UKdndWb
予想通り、食事室の中には誰もいない。
だが到底4人用ではないテーブルの一角に布をかぶせたところがある。
その布の下には食器とサバの塩焼きが一尾あった。
これが私のきょうの夕食。
みそ汁は自分で温める。冷蔵庫の中には漬け物がいくつかある。
それをちょっと取り出す。
大きな家に反して食事はあくまでも質素だ。
味付けも薄味で上品だと思う。この家のデタラメさのなかで
この食事だけがホッとさせる空間を作りだしてくれる。
だから、遅くなる時でもできるだけ帰宅して食事をするようにしている。
そうでもしないと、この家、いや家族との繋がりまでも消えてしまいそうな気がする。
この家の共有空間でいちばん好きな場所だ。
たとえ家族一緒の団らんがなくても、ここにはそれを思い起こさせる何かがある。
この場所は大切にしたい。ここへ来るたびにそう思う。
86untitled:02/05/06 03:02 ID:0UKdndWb
食事を食べ終えても母は現れなかった。
母にも何か言おうかと思っていたが止めた。
流し台に食器を入れて、一度自分の部屋へ行く。
着替えを持ってシャワーを浴びよう。
ライブハウスへ行った後は体中にタバコのにおいが染み付いている。
これを取らなければ気になって寝られやしない。
早くベッドの中できょう起こったことを整理しないと…
私の一日の終わりはベッドの中での思考。
別にそんなことしなくてもいいようにも思うが、これが私の日記代わり。
こうすることで日にちをセグメント化しようとしているのだと思う。
きょうはいろんなことがありすぎたから眠るのにどれだけかかるのだろう?
たぶん考えながら眠ってしまうほどの分量だし、しかも疲れている。
そんなときには夢の中でも考えられたらいいのにと思ってしまう。
そう、都合どおりに動いてくれたらどんなに楽だろう。
87untitled:02/05/06 03:03 ID:0UKdndWb
鏡を見ながら髪をほどく。胸にまで届く髪がパラリと流れ落ちる。
同時にタバコの臭いが立ち込めてきた。
束ねていた髪にもタバコの臭いが染み付いてしまっていたのだ。
いつものこととは言え嫌な気分になる。
タバコ自体は嫌いではないが、服や髪には勘弁して欲しい。
この髪の毛は私の自慢できるところ。十分な手入れもしているつもりだ。
そんな苦労が一瞬で水の泡になってしまうのだからやり切れない。
まぁしょうがない。楽しい体験と友人との出会いの場だ。
髪は手入れしなおせば元通りになる。
もちろん髪の毛は私の宝物だし疎かにする気なんかサラサラない。
だけどライブハウスで起こることはワンアンドオンリー。
その刹那的瞬間を求めて足を運ぶのだ。
少しくらいの嫌な気分なんか、それを体験することで吹き飛ばすことができる。
少なくともきょうのライブにはそれを実感した。
姿見に映る私の顔に微笑みかける。
悪くはない。
顔にしても体にしても均整がとれているほうだと思う。
もちろん他人をじっくりと見定めたことはないが、
それくらいに思っていてもいいじゃないだろうか。
…そんな会話を誰かとしたことがある。
そう、突然思い出した会話。でも誰とだったのだろう?
なにかとても懐かしく楽しい想い出だったように思う。
88untitled:02/05/06 03:04 ID:0UKdndWb
オ・モ・イ・デ
何か別世界の言葉のようだ。意味はわかっていても実感がない。
本当は体感できるはずなのに、私には想い出と呼べる記憶がない。
もしかするとこれは、想い出を感じたいと言う幻想か?
ありもしないことを無意識に創作して、楽しかったと思い込んでいるだけとか…
いやいや、そんなことが過去にあったのかもしれないな。
いまは明確に思い出せないにしても、そのほうが楽しい。
私は思考を結論づけるべくかぶりを振った。
決めた。きょうはどんな突飛な考えも許せそうな気がする。
うん、自分には楽しい想い出があったのだと信じてみよう。
それでいいじゃないか。
また鏡の中に笑みが広がった。
本当に笑みが絶えない。こんな日は滅多にないから、
記憶力のない私にも記念の日になりそうだ。
微笑んだ私は、けっこうかわいいと思う。
不意に自分の中でイタズラ心が目覚めてきた。
「かわいいぞ。後藤真希」
思わず吹き出してしまいそうなセリフを口にして赤面する。
自分で自分を煽ってみるのもけっこうおもしろいものだ。
「ぷはははははっ」大きな声で笑う。
ひとりごちる“ごっちん”。くだらなくていいかもしれない。
こんなの他人が知ったら、おかしくなったと思うかだろうな。
でも少なくとも家族には聞かれたりする危険性はない。
少し哀しいがそれは現実だ。
「ごほん。ごほん」忘れかけていたタバコの臭いにむせて咳をする。
早くシャワーを浴びてしまおう。
89b-cr ◆FruitMgc :02/05/06 03:11 ID:0UKdndWb
う〜ん小岩って知らないんですけど…
別にこの駅じゃなきゃダメってこともないのに

よっすぃーのとこは東武東上線か?
途中で乗り換えると言うことにしていよう

ここらへんは今回ごまかした部分ですね
90娘。:02/05/06 16:22 ID:lfKXemIe
そんなものにこだわる必要あるのか?
ある程度フィクションにしたほうが扱いやすいだろう
91b-cr ◆FruitMgc :02/05/07 21:51 ID:/WBEv9fG
>>90
おっしゃるとおりでございます
92名無し娘。。。:02/05/09 10:42 ID:pVfXGF9g
hozen
93娘。:02/05/10 11:19 ID:xirgBTQB
94名無し募集中。。。:02/05/10 20:51 ID:uizUWiWi
うたばん短すぎ
95b-cr ◆FruitMgc :02/05/11 14:25 ID:4Mms7HIu
>>94
そのぶんおもしろさを凝縮していたのではないかと…

>>92 >>93
保全感謝
96b-cr ◆FruitMgc :02/05/12 15:14 ID:FcbVuktM
きょうupできるのかなぁ…
97untitled:02/05/14 00:17 ID:UF2ZMPjM
熱いシャワーを頭から浴びて冷静に戻っていくのを感じた。
覚醒してもきょうの出来事が幻に変わるわけではない。
ただ、自分では納得したつもりのことを信じ切れないだけだ。
無理のない流れに乗っているようにも思えるが、
その実論理的な部分はほとんどない気がする。
あくまでも幻想的な部分を信用しようとしているだけだ。
そもそも私が覚えていることにどれだけ信頼が置けるというのだ?
去年の春、高校に入る以前の出来事をほぼ忘れてしまっている自分は、
いったいナニモノなのだろうか?
私は他からすると、落ち着いて見えると言う。
だがそれは、他人と関わることで知ってしまう自らの異質が見たくないのだ。
無関心を装い、他人から触れられることを恐れている。
私に興味を持って接し、私の中に理想型を求めようとする。
まず私に過度の期待を背負わせたのは両親だった。
私はそれに応えて自分なりにうまくやっていたと思う。
勉強、スポーツ、習い事、すべてうまくこなすと思われていた。
だが、私には自分の限界が見えていた。
うまくやっているように見えて、私の中では綱渡りだったのだ。
98untitled:02/05/14 00:18 ID:UF2ZMPjM
適度なストレスが人間を成長させていくのは理解できるが、
私にかかっていたストレスは明らかに過剰だった。
そしてそのプレッシャーで飽和した私の心は、順序立てた考察ができなくなっていった。
時にまわりが予期しない発言や行動が出ることがある。
私の中ではさほど突拍子なものではなかったため止められなかった。
それが顕著になっていくとまわりの目が、哀れみを含んでいるように思えてくる。
そのうち弟のユウキが生まれ、私への期待はユウキへ移っていく。
要領のいいユウキは次々と期待に応えていき、そのたびに私への比重は軽くなる。
だが、その軽くなったはずのプレッシャーにも、
私のいびつに成長してしまった精神を癒すことはできなかった。
明らかに軽くなったはずなのに、それを軽く感じられない。
それらから逃避することでしか自分自身の保身をはかれなくなった。
突飛な言動を防止するように自分から心を開くことがなくなり。
周囲も離れていき、次第無口になっていった。
コミュニケーションのない状態が心地よい。
だったはずなのだ…
これは私が高校に入ってからの記憶と経験を元にしている。
ならばそれ以前はどうしていたのだ?
99untitled:02/05/14 00:18 ID:UF2ZMPjM
髪の毛から水滴が落ちていきボトボトと音をたてている。
シャワーを止めても思考は止まらない。
こんなに考えるのは久しぶりだ。
イヤなことを考えているはずなのにひどい後味は残らない。
考えることも拒否していた昨日までとは大きく違う。
でも…
わからないことが多すぎる。
いったいどうしたと言ういうのだろうか?
平穏な、いや平穏にするために何事にも閉ざしてきた私が、
驚き、喜び、嫌な想い出、それらのすべてに翻弄されている。
初恋の嵐「untitled」から始まったとも言える一日。
それが私の中にこんな大きなうねりを起こすとは…
まったくいろんなことが起きすぎだ。これほど急激に変化することもないのに…
確かに薄ボンヤリと「変わらなきゃならないかなぁ」と思っていたには違いない。
それにしても大きすぎる変化だ。
変わってどうなるものでもないと言う思いがあったのかもしれない。
あまりの転換の早さについて行けていない自分を感じた。
できることなら、もう少し速度を落としてやり直したいくらいだ。
賽は投げられた。もう後戻りはできない。
100untitled:02/05/14 00:18 ID:UF2ZMPjM
疲れた。もうきょうはいっぱいいっぱい。
髪を乾かすのもそこそこにベッドに倒れ込む。
本当に疲れ切っていた。
『明日はお手入れ大変だなぁ…』
頭の片隅に自慢のロング・ヘアーの心配があっても、
意識が遠ざかって行くのを抗うことなどできやしなかった。
深く落ちて行く。

  1日目 終


101untitled:02/05/14 00:19 ID:UF2ZMPjM
      △

赤い光がゆったりと現れてくる。
空虚な世界。
やがて視界全体を覆い尽くした赤い光が一点に収束し始める。
その収束点は地に横たわった白い犬だ。
動かない白い犬。死んでいるのだろうか?
こちらに腹を向けた姿勢で固まったまま動かない。鼓動や呼吸を示す微動すらない。
どうやら光は犬の心臓をめざしている。
まるで光が体の中に吸い込まれるように見える。

段々と赤の範囲が狭まっていても、完全に消え去ったわけじゃない。
うっすらとピンク。
ピンクのもやが漂っているようだ。
先ほどまで広がっていた赤の世界の影響が残っているからだろう。
102untitled:02/05/14 00:21 ID:UF2ZMPjM
妖しい光の動きを見つめていて、どれくらい時間がたっただろう。
突如今まで動かなかったはずの犬が痙攣しだした。
それどころか立ち上がろうとしさえしている。
それを私は、至極あたりまえのように眺めている。
ゆっくりと静かに時間が流れた。

やがて、白い犬は完全に立ち上がり呆然と立ちつくす私を
黒い大きな瞳の中に捉えていた。
うっすらと赤みを帯びた他には何もない世界で、
白い犬が強い存在感で浮かび上がっている。
そして、その愛らしい顔に満足げな表情が浮かび上がり、
そっと私の後方に視線を移す。
釣られるように私も振り返ると、
そこには何もなかったはずなのにいつのまにか屋根が張り出していた。
そして2羽のツバメが仲良く止まっていた。

      △


103b-cr ◆FruitMgc :02/05/14 00:25 ID:UF2ZMPjM
う〜んスランプです
この小説の進みが悪いと言うのもあるが
このまま書くと心身が不安定なのが
そのまま出てしまうと思う

ここで改めて書くまでもなく
きょうアップしたのも充分その傾向が出ているのだが…

今回の更新は少なかったにもかかわらず
日曜日にアップできませんでした
そしてこれ以降は
もっとタームが長くなってしまうことでしょう…

まぁ どうせ誰も読んでいないでしょうし
このまま沈んでいくのもいいかもしれません
104 :02/05/14 19:18 ID:1agT3ysL
105名無し募集中。。。:02/05/14 20:28 ID:IbrPsqs8
age
106名無し募集中。。。:02/05/14 22:12 ID:tKAX36NZ
自分のペースで書けばいいじゃん。
107b-cr ◆FruitMgc :02/05/15 21:43 ID:jyskFWaN
>>104 >>105
見てくれただけでもうれしいです

>>106
サンクス
そうなんですよねぇ
そう思おうとしているんですけど…
なんとか建て直しをはかってみます


体調が芳しくない
見た目は元気に見えるだけに困ったものだ
下血は色が鮮やかだから
たぶん直腸と肛門の間に傷でもできたのかな?
それと同時に胃腸に不穏な動きがあるのが解せない
そんなのもただの出血に思えなくて…
ストレス性のものなんだろうなぁ
108名無し募集中。。。:02/05/17 01:33 ID:wIPAer5M
いっぺん診てもらったら?
109b-cr ◆FruitMgc :02/05/17 02:27 ID:UW2Cm/bb
>>108
御心配していただきありがとうございます
おかげさまで下血はなくなりました

これさえなくなれば雰囲気的には…
110b-cr ◆FruitMgc :02/05/18 22:36 ID:Quw4g9yq
ぜんぜん関係ないけど
昨日の「美少女教育II」に影響を受けて
BOOKOFFでマンガを買ってしまった
矢沢ようこ は豪華本で欲しいから買っていないけど…
80年代後期に週刊少年ジャンプに連載していた
「空のキャンバス」全7巻購入
一気読みです

だからこんなことしていないで書けって
111b-cr ◆FruitMgc :02/05/19 23:18 ID:g3HSDWQF
やっぱり続かないかもしれないなぁ
休息以外にまとまった時間がないと
これ以上書けないかもしれない
全体の構想は定まっているのに
ちょっともったいないな
でも自分でここまで読み返しても
あんまりおもしろくないんだよなぁ

はっきり言って自分が別名で書き込んだ
【伝説】保田圭がそばにいる生活【再び】
のほうがいいと思う
あれくらい短いのに凝縮したほうが読みやすいと言うのもあるけど…

まぁとにかくもう少し書いてみるつもり
こうしんがいつになるかはわからないけど…
こんな言い訳は書けるのに
本文は書けないのか
我ながら情けない
112_:02/05/21 01:07 ID:rOV9d5Us
ho
113娘。:02/05/21 19:46 ID:qD+UHTGb
hozen hitsuyounanodarouka?
114b-cr ◆FruitMgc :02/05/22 08:28 ID:q7BxdymX
>>112-113
thanks
もう少しだけ猶予と余裕をください
だから保全感謝です
115sage:02/05/24 03:34 ID:y9MoLOLv
hozy
116sage:02/05/26 03:31 ID:NKo5NCgh
hoz
117b-cr ◆FruitMgc :02/05/26 22:03 ID:QWVbSCsz
>>115-116
保全感謝です
いちおうこんなんでも読んでくれている人がわかっただけでもうれしいです
できるだけ早い復帰をめざします

いかんせん小説を書くだけの時間がないのです…
118  :02/05/27 17:46 ID:+bmHI6AS
大変だあ、ごっつあんが入院だってよお

ソース↓
http://corn.2ch.net/test/read.cgi/news/1022485867/l50
119娘。:02/05/29 04:20 ID:DXqN8tVt
保田
120保全:02/05/31 11:37 ID:M35ZhyJ3
保全
121 ◆HOzENDAE :02/06/01 16:08 ID:2Ag1gx3i
 
122b-cr ◆FruitMgc :02/06/03 02:35 ID:HIdpUyhh
>>119-121
保全感謝です
でもぜんぜん続きを書いていません…

きょうはあるイベントを見てきました
この小説にも出てくるゲントウキも出てきました
それを見ているときに
目の前にコモンビルの玉川氏がいました
坂本サトルとか無頼庵もいたりして…
こういうイベントって客よりも関係者のほうが多いことがある
だから売れていないんだよなぁ
カーネーションなんてあんなにいいライブをするのに…
アンコール曲は「夜の煙突」
後に森高がカバーした曲(加藤紀子という人もやってましたな)
123 :02/06/06 07:55 ID:fTHb2UVC
124b-cr ◆FruitMgc :02/06/08 17:10 ID:XDZzXnZN
>>123
thanks

ご迷惑をかけ続けています
自分もなんとかしなきゃとは思っているのですが…

http://pub.idisk-just.com/fview/yBTjTKBrBLg5oPTaajOvNPBGD2-KaIbkwqbs-Qa6IhqDca_YL8fiCXSGo11ASPZT
ここにこの小説で重要な役を担っている
初恋の嵐「untitled」PVを上げてみました
参考までに…
来月には彼らのメジャー・シングル「真夏の夜の事」が発売される
C/Wの「涙の旅路」ともども楽しみ
125b-cr ◆FruitMgc :02/06/10 04:19 ID:cctlropu
今週こそはまとまった時間がとれると思ったのに…
ってやる気の問題もあるな
他のところには書き込んでいるわけだし
続けるってことの難しさを痛感いたします

いろいろと考えている構想を検証しているうちに
なんか面倒になったってパターンですね

そうこうしているうちに
重要な役割を果たしているはずの
ツバメも巣立ちの季節に…
126名無娘。:02/06/12 01:09 ID:Y/JkeR6B
zawawa
127麦飯:02/06/14 22:44 ID:4rX/stXd
???・・・・(汁)
sage
128sage:02/06/16 03:44 ID:u1sFkDHt
hoze
129test:02/06/26 17:48 ID:rBi4Bme4
◕ฺ
130名無し募集中。。。:02/06/28 00:36 ID:3IEXXgLq
test
131 :02/06/28 02:04 ID:42ZT5h7A
ここは…
132 :02/06/29 19:33 ID:ldg2ZBp0

  読  み  て  ー
133b-cr ◆FruitMgc :02/07/02 01:51 ID:hpIxWcxI
わ 保全してもらっている…

もう最後の更新から日がたちすぎて
プロットを忘れつつあります
あんまり期待できませぬ

異動とかあったりして
どうも余裕がありませんなぁ
同時進行のいくつかも保田さんのは書いているんだけど…
安倍さんのやつも未発表のまま頓挫
そしてここの後藤さんのやつはいちばん難しいかも

とにかく保全してくれていただいていることには感謝しています
134うんこ:02/07/03 01:06 ID:jZln1evw
135名無し募集中。。。:02/07/04 18:57 ID:3SmaM/Dg
136名無し募集中。。。:02/07/04 18:59 ID:A5atc3CE
137 :02/07/05 15:09 ID:ymCFesTG
138:02/07/05 23:04 ID:KXXwCaJJ
139かき:02/07/07 00:35 ID:pbq68rai
あいうえうんち
140かき:02/07/07 00:35 ID:pbq68rai
きゃいんといったら手を出すな
141かき:02/07/07 00:36 ID:pbq68rai
誰かいない
142かき:02/07/07 00:36 ID:pbq68rai
さみちー
143かき:02/07/07 00:37 ID:pbq68rai
っていうかよるだしねぇ(おばさんっぽい)
144かき:02/07/07 00:38 ID:pbq68rai
まぢで誰もいないっすか?
145かき:02/07/07 00:39 ID:pbq68rai
っか!(怒)ぷんぷん
146ゆう:02/07/07 00:41 ID:sTEFvbld
カレシがゴマキファンなんだけど・・・
どこがいいんだ?!
147  :02/07/07 00:46 ID:6liHGyC+
>>146
俺のカノも近畿の光一くんがイイそーだ。
以下同文。

ただし、真希はカワイイ。
148 ◆HOzENDAE :02/07/10 11:07 ID:8HD65AWp
 
149半自動保全エージェント ◆HOzENDAE :02/07/15 11:56 ID:Yq+cP6cJ
テスト運用中 1026701697
150名無し募集中。。。:02/07/16 06:46 ID:dSedt4oi
>>147
SHOCK見てきたモーヲタですが何か?
151半自動保全エージェント ◆HOzENDAE :02/07/18 09:38 ID:D2hfUITn
保全書き込みを行います. 1026952713
152戸藻湖:02/07/21 13:41 ID:n5q0HKg3
ほえほえ〜〜(汁)
153名無し募集中。。。:02/07/23 06:20 ID:o5W1RNTV
154半自動保全エージェント ◆HOzENDAE :02/07/26 00:11 ID:RsFoz2ob
保全書き込みを行います. 1027609871
155ねぇ、名乗って:02/07/31 01:33 ID:lrW/nUoA
ほ(ry
156名無し募集中。。。:02/08/02 11:35 ID:YAADGKOm
157:02/08/05 02:01 ID:Bij+yPUq
158名無し娘。:02/08/05 19:41 ID:qozy90oU
記念カキコ
現在550番目最下位のスレです

って こんなことしている場合なのか?
159:02/08/05 21:28 ID:GQJU6iHN
・・・。
160名無し募集中。。。:02/08/06 08:34 ID:WuKYB8na
8月6日 am8:34
563: 後藤真希 (159)
最下層
161bc:02/08/06 14:10 ID:NP/I3EPN
。。 ∋oノハヽ ノハヽヽノノハヽ @ノハ@ノノハノハヽヽ、ノノハ/ | | | |ヽノノハヽ
    ( ´D` (´〜`0)( ´ Д `)( ‐д‐ (´▽`( `.∀´)´ー`●) ´〜`)-´◇`)
   ( ⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒∪⌒⌒⌒つ⌒とと⌒⌒ ⌒⌒とつ⌒⌒⌒∪⌒⌒⌒つ⌒と
   ((   )  (    )  (    ) (    )(    )((   ) (    ) (、    )    )
  と(    )  (    )  (    ) (   ) (    )(    ) (    )  (    ) (   )
   (   ⌒   (   )   (   )⌒  (   ))  (    )  (    )  (    ) ⌒⌒  
   (        (   )   (   )        ) (   ⌒         (   、)     
   ⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒∪∪⌒⌒⌒

162ごっちんにKOされた…:02/08/06 16:06 ID:0yRB2k+I
ほぜむ
163名無し募集中。。。:02/08/06 16:22 ID:9d1QZPmw
後藤ヲタって羊に来たがらないんだよね
狼ばっか
164名無しです。:02/08/07 05:26 ID:1id/qKg/
ゴマキの新曲のやる気!の衣装の写真、どっかありませんでしょうか。。
どうぞ教えて下さいm(_ _)m
165名無し募集中。。。:02/08/07 05:28 ID:SUIuNsAq
ゴマキ卒業ライブ
テレ東が生中継

「モーニング娘。」を卒業する後藤真希(16)のファイナルステージとなる
9月22日の横浜アリーナコンサートが、テレビ東京で同日午後7時から
スペシャル番組として生中継されることが6日、決まった。
「後藤真希ヒストリー」と題し、オーディション当時から現在までの
秘蔵VTRを一挙公開するほか、卒業決定から現在までの密着ドキュメント
など、後藤の素顔を紹介する。
166nanasi:02/08/08 04:29 ID:n7V189w1
真希ちゃん、、、
167名無し募集中。。。:02/08/09 07:10 ID:moQceSG4
>>165
ゴールデンタイムの地上波でやるって凄くない?
168m:02/08/14 23:34 ID:FXoqh5nS

モーニング娘のSEXY水着画像あります

http://www.geocities.com/SouthBeach/Coast/6794/idol.html
169名無し:02/08/14 23:36 ID:2PDEYb05
>>165
今ごろかよ
170untitled -out side-:02/08/16 06:28 ID:5ekUEiSi
「ねぇ私のこと忘れちゃったの?」

暗い夜の往来で、後ろから唐突に問い掛けられ驚く。
近くには誰もいなかったはず、
それを確かめてわざわざ人通りの少ない道へ入ったはずなのだから。

私と光男は同時に声の聞こえた後ろを振り返る。
いや同時だった気がする、としたほうが正確か?
対象を見つけることに集中してしまい、
隣にいた光男の行動のほうはあまり覚えていない。

少女だった。
14、5才くらいの少女が泣きそうな表情をして私を見ている。
光男ではない。私を見つめているのだ。
少女のまっすぐな眼差しを避けるように光男を見る。
口をだらしなく開けたまま動けないでいる。
ふぅ〜
どうやらこの男はここで役に立ってくれそうにない。

避けたはずの視線が気になり、チラチラと横目で様子を探る。
相変わらず泣き出しそうな顔でじっとこちらを見ている少女。
泣いた表情も似合いそうなかわいい少女だ。

「ねぇホントに忘れちゃったの真希ちゃん?」
ドキン!
この少女はどうして私の名前を知っているの?
この少女は私のことを本当に知っているの?
驚きで目が見開いているのが自分でもわかる。
見開いた目で何度も少女を見返したが一向に見覚えはない。
171untitled -out side-:02/08/16 06:29 ID:5ekUEiSi
私が当惑の表情でいる間にも、少女のテンションは上がっているらしく、
今度は地団駄を踏みながら叫ぶ。
「名コンビって言われていたじゃない。
そんなことも忘れちゃったの?」

…!?
私は虚をつかれた。
名コンビだってぇ? いったい何のこと?
そんなことあるわけが…

あっ!

言い返そうとした瞬間、
ふと何か懐かしいような感覚が心の中をよぎる。
私はこの言葉を、そしてこの少女を知っているのかもしれない…
明確ではないが、そんな気がしてきた。
そして、そんな気分のまま私が口にしたセリフは、
172untitled -out side-:02/08/16 06:30 ID:5ekUEiSi

「どこがぁ?」

どうして、こんなセリフが口に出てきたかはわからない。
だが、何も考えないで口のほうが反応していたという感じだ。

それを聞いた少女は一瞬凍り付いたようだが、
すぐに満足げな表情へと変化し、笑顔まで浮かべた。
きれいな笑顔だった。

そんな笑顔を見つけた刹那、少女は忽然とかき消えた。

私は驚きの連続でそう簡単に動けそうもない。
だけど気持ち悪い感じはしない。
あれは私の大切なモノ。
そう確信できる何かがあった。

かたわらの光男は地べたに座り込み、だらしなく失禁していた。
私はため息をつきながら、この男のことは忘れてしまおうと決意した。
173b-cr ◆FruitMgc :02/08/16 06:39 ID:5ekUEiSi
久しぶりです

ホントはこのまま放置しようと思っていたけど…
自分にはこの長編を完結させる能力と気力がありません

誰かここを再利用してください
「untitled」を読んでくださった方には感謝しています
そして中途で終わらせてしまうことをお詫びいたします

今回のアウトサイド・ヴァージョンは本来ならばプロットにないものでした
こうやってアウトラインだけでも知ってもらい
それで「untitled」が続いていたはずの流れを想像して頂ければ…

虫がよすぎますね

ただ やっぱり最後まで書ききることはできません
ゴメンナサイ
174名無し募集中。。。:02/08/22 05:24 ID:t4+E2yxj
 
175名無し募集中。。。:02/08/25 20:52 ID:LTUboED0
test
176代打名無し:02/08/27 23:13 ID:wpXYEA7X
age
177 :02/08/30 02:18 ID:D5NyN5Qc
後藤は最強である。
178名無し募集中。。。:02/08/30 02:23 ID:7BS3k4Qz
>>177
おまえは最低である。
179 :02/08/30 08:16 ID:8gjRtwwf
ゴマキの乳は最高である。
→PCでは載せられないんで携帯でね
http://mania1.net/tosatsu/
180名無し募集中。。。:02/09/01 22:54 ID:7YJDLkFV
test
181名無し募集中。。。:02/09/03 00:33 ID:cpFviSbP
testtest
182名無し募集中。。。:02/09/07 02:45 ID:Slrnuj6v
te
183名無し募集中。。。:02/09/09 22:37 ID:QsldMUfI
test保全
184プリンス羊:02/09/10 01:52 ID:VNj1gT8Y
後藤みーつけた。
185名無し募集中。。。:02/09/11 06:30 ID:1XPvSSyt
ho
186名無し募集中。。。:02/09/12 02:10 ID:pCeJHkb9
zen
187名無し募集中。。。 :02/09/13 07:10 ID:Ajs+Aeig
hage
188名無し募集中。。。:02/09/13 23:58 ID:hsuMdStI
hoge
189名無し募集中。。。:02/09/15 06:24 ID:1Tj9vnrv
dat
190名無し募集中。。。:02/09/16 14:26 ID:ni1s1ABD
tasting
191名無し募集中。。。:02/09/17 23:43 ID:CnB7Ssh9
te
192名無し募集中。。。:02/09/21 20:40 ID:u15oszCx
てst
193名無し募集中。。。:02/09/27 13:27 ID:ZfXu2GUb
残務
194名無し募集中。。。:02/09/27 22:34 ID:KkD1/5CR
整理中
195名無し募集中。。。:02/10/02 23:22 ID:TzUMTbac
test
196 ◆CtFairyOo. :02/10/04 12:43 ID:YxQ/SuNz
trip
197名無しの娘。:02/10/05 09:53 ID:XryjkCF6
ゴマキが青春時代1.2.3の時、恋愛レボリューション21の時
溢れちゃうBE IN LOVEの時、Do it NOW!の時のそれぞれの身長と体重って
どのくらいなんでしょう??
198名無し募集中。。。:02/10/12 12:17 ID:F0J6z3b2
199名無し募集中。。。 :02/10/12 14:02 ID:F0J6z3b2
200松浦主任 ◆irAYAYAAoA :02/10/13 06:28 ID:FGqYSKC5
200
201名無し募集中。。。 :02/10/16 21:24 ID:f4FtTbpm
test
202sivava:02/10/17 16:06 ID:dN1/sFxT
test
203名無し募集中。。。 :02/10/18 17:08 ID:5nX4tE91
te
204名無し募集中。。。 :02/10/18 17:21 ID:Cm5XSEUM
205名無し募集中。。。 :02/10/18 17:42 ID:y430rH5H
t
206名無し募集中。。。 :02/10/18 18:18 ID:y430rH5H
207名無し募集中。。。:02/10/22 01:00 ID:ZQ3Li19Q
t
208名無し募集中。。。:02/10/22 15:31 ID:1wFlAAM+
t
209名無し募集中。。。:02/10/23 13:38 ID:w8JG1o0w
フ フ |ー | | フ 十ナ”  |
ー ー |ー レ| @ L_ 之 ・
210名無し募集中。。。:02/10/23 13:39 ID:w8JG1o0w
フ フ |ー | | フ 十ナ”  |
ー ー |ー レ| @ L_ 之 ・
211名無し募集中。。。:02/10/23 13:40 ID:w8JG1o0w
フ フ |ー | | フ 十ナ”  |
ー ー |ー レ| @ L_ 之 ・
212名無し募集中。。。:02/10/25 18:44 ID:63c9do68
無情
213幻燈蝶蛾:02/10/29 22:04 ID:pNsz3hWS
秋、冬、春、夏、だいすっき!
ゴマキ ゴッチン ゴッツアン

労しや老いの身を・・・。
松浦、藤本とでないと・・・・・・・・・哀れなり
214名無しさん募集中:02/10/29 22:35 ID:uaSi8ihe
ゴマキの歌で、サビの部分が「ほんとの涙じゃないわ・・」って歌詞
の曲ありますか?なんか後藤マキの声に似てて気になってるんですけど
誰か、教えて下さい。
215名無し募集中。。。:02/10/29 22:45 ID:3zveEME8
¬ ¬ l ¬ |  l  フ ┼┼”   l
ー ー|ー レ| ∂  L_  之 ・
216名無し募集中。。。:02/10/31 08:14 ID:ZO/k5h74
今日からは平成の越路、と呼んでね。
217永遠の若大将・原辰徳:02/10/31 16:10 ID:FArnmC7r
しかしカバーナンバーが"君といつまでも"か……
加山雄三氏の許可は取ったのだろうか……

世も末じゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
218ぷーさん:02/11/03 21:45 ID:0y2AguJb
>214
ありますよ。やる気!のカップリングの「きまぐれ」
という曲だよ。
219博多駅前@東急イン:02/11/03 22:10 ID:69uJJfK5
運動会のライブ、ごっちんは「やる気!」1曲だけなのに、松浦は「美学」「桃色」「めっちゃ」の3曲。
しかも松浦の方が出番も後。

かなーり気分を害しました。

順番だけなら我慢できなくもないが・・・。
その上、娘。本体も4曲だけ。



・・・正月のハロプロ、見送りケテーイ。
220娘>>あやや:02/11/03 22:14 ID:hdMGEhW4
>>219
禿同!
何なんだ、あの扱いは!?
221 
ごまっとう♪後藤真希
→激ヤバ画像なんで携帯で見て!
http://mania1.net/icoramax/