モームス最大トーナメント

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694矢口真里−ミカ
おいらはまだ何もしちゃいない。
後藤真希とも、保田圭とも、決着は付けていない。
どっちが本当に強いのか?まだ答えを出していない。
待ってろよ、今度はもう途中で躓いたりしないから。
矢口真里は二度負けない。
お前達はその場所で待っていろ。すぐにおいらも昇ってやる。
頂点って名のその場所へ!
安倍なつみ、辻希美、松浦亜弥、紺野あさ美。
全員まとめてかかってきやがれ!

誰よりも闘うことが大好きで、ひたすらに地上最強を目指す娘がいた。
彼女は圧倒的強さで対戦相手のミカを打ち破った。
汗が光るその姿は、美しくさえあった。

栄光なき王者、グラップラー真里が再びあの舞台へ!
695柴田あゆみ−高橋愛:02/08/22 00:25 ID:B6nyKthZ
「柴田あゆみを知っているか?」
「知らない。」
「一昨年のベスト4選手。その実力は疑い様がなくトップクラスだ。」
「ふうん。」
「昨年はあのなっちに本気を出させるまで追いつめた程だ。」
「その人に勝てば、少しは私の株が上がります?それなら勝つよ。」

この一年で、一番成長した娘を挙げるとすれば?
それは高橋愛だ。
もう新世代のエースではない、格闘技界全体のエースと呼ばれるまでになっていた。
後藤なき後の格闘技界を支えるのは彼女しかいないと言う者すらいる。
その試合、高橋は特異の空中殺法もモールス打撃も使わなかった。
純粋なありのままの実力のみで、あの柴田あゆみをねじ伏せたのだ。
王者の片鱗が僅かに顔を覗かせていた。

高橋愛、決勝トーナメントへ!
696辻希美−石井リカ:02/08/22 00:26 ID:B6nyKthZ
「石井ちゃんです。」
「つっじちゃんれす♪」
その試合はほのぼのと自己紹介から始まった。
互いに数発の打撃を繰り出し、その内のいくつかはヒットしたりした。
「楽しいね。」
「たのしいれすね。」
最終的にスタミナ負けした石井がダウンして試合は終了した。
「強かったよ。」
「ありらとう、またいつかやりましょう。」
最期までほのぼのと、二人は握手を交わし別れた。

「昨年の様な圧倒的爆発力が感じられない、今年は期待できないな。」
あるライターが今年の辻希美についてそう感想を述べた。特に反論はでなかった。
仕方がなかった。誰も知らないのだ、去年の辻希美しか。
辻は戻りつつあった。まだ誰も知らない頃の辻希美に。秘めた力だけを残して……

辻希美、決勝トーナメント進出。
697里田舞−福田明日香:02/08/22 00:28 ID:B6nyKthZ
―――ッ
音すらなかった。
福田明日香の腕が揺れたと思った瞬間、里田舞はもう崩れ落ちていた。
首の後ろ、全身を統括する脊髄の神経が切られていた。
紐切りが完全必殺となって帰ってきたのだ。
「勝者!福田明日香ぁ!!」
天才がさらにその進化を遂げた。
試合後、勝利のコメント求められた福田がマイクに向かって一言恫喝した。
「今の私なら後藤真希にも勝てる!」

福田明日香、決勝トーナメントへ
698予選も残す所あと3試合:02/08/22 00:30 ID:B6nyKthZ
保田圭−吉澤ひとみ
市井紗耶香−藤本美貴
そして
石黒彩−?????

試合会場にいた石黒彩は苛立っていた。
対戦相手が名前も明かさず、なかなか現れないからだ。
彼女には、昨年の予選での苦い思い出があった。
その怒りを全部ここでぶちまけてやろうと意気込んでいた所だ。
ところが今回の相手がこの体たらく。
もう八つ裂きにしてやろうくらいの考えでいた。
「お・ま・た・せ〜」
来た。

この数分後、八つ裂きにされた石黒がそこに横たわることになる。