感動ってすてきやん

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68赤き涙を流す者

(波乱)

皆がキョトンとしていた、というよりも、目の前の出来事をどうしても理解できないという感じだった
とりあえず梨華が治療に行ってる間、会議を進める訳にもいかないので、各自、タバコを吸う者、
ジュース等を飲む者、やる事はさまざまだが、テーブルの周りにはいた、そして梨華が戻る
のを待っていたのだが、いや、梨華は戻っては来たのだ、戻っては来たのだが、テーブルの
所には来ないで、自分のデスクの方へと歩いて行った、もちろんそんな事ぐらいでは誰も
驚いたりはしない、問題はその後である、いつもはニコニコ笑顔を絶やさない印象の梨華だが
自分のデスクの所で何やらしていた後、皆のいる方にやって来たのだが、普段からはおよそ
想像もつかない程真剣な表情で歩いて来る、思わず真里がどうしたの?と声を掛けようと
した程だったのである、(掛けようとした)という言い方をしたのは、掛けれなかったからで
実際には掛けようとして止めたと言う方が正しい、梨華は皆がいる所まで来ると
梨華「座りなさい」
と、静かに言い放った、何よりその手には銃が握られている、只握られているだけならいいんだが
その銃口は皆に向けられていた
なつみ「梨華ちゃん?」
あまりの事に皆が言葉を失っている中、なつみが声を掛ける
梨華「動かないで!私の銃の腕は知ってますよね?」
そうなのだ、実はこの梨華は銃においては右に出る者がいないという程のスペシャリストなのである
ひとみ「・・・何のつもりだよ、梨華」
香織「そうだよ、シャレになってないよ、あんた」
梨華「シャレのつもりなんかありませんよ、これからあの子を森に帰してあげます、みんなは
  動かないで下さいね、邪魔するなら迷わず撃ちますよ」
真里「あの子って、魔女?なんでよ急に」
ひとみ「ふん、気でも狂ったのかい?させると思ってんのかよ」
言いながら隣に座っている真琴に、走り書きしたメモを渡す、メモには(梨華は魔女に操られてる
私が梨華の気を引くから死角に移動して、隙をみて梨華を気絶させな、場合によっては
魔女の方は殺してもかまわない)と書かれていた。