感動ってすてきやん

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51赤き涙を流す者

囚われし者

愛は震えが止まらなかった、背中が焼けるように熱くて痛い、でもそんな事よりこれから私は
どうなるんだろう、気が付いた時には車の中にいた、動こうにも体の自由がきかない、
背中の痛みもあるんだが、何かで体を縛られているので身動きが出来なかった
車に乗っていたのは3人か、4人の人間、戦って勝てる状況では無い、もっとも相手が1人でも
勝てないと思うけど、そのうち車が止まり、車から降ろされどこかの建物へと連れてこられた
そして連れてこられた部屋の奥の物置か何かなのか、狭い部屋に閉じ込められている
部屋の中には更に何人かの人間がいた、どうしよう・・・愛だって、れっきとした魔女だが
だからといって、何でも出来る訳では無い、もちろん愛にも得意な魔法はある、というより
これは愛にしか出来ない魔法なんだが、目さえ合わせる事が出来れば・・・
相手に自分の目を見させれば、一種の催眠術のような効果を与える事が出来る、要するに
しばらく見つめ合ってさえくれれば、その相手は無条件で愛を好きになってしまうのだ
効果はそれ程長くは続かないけど、それで逃がしてくれさえもらえれば・・・
もう、それしかない、何とかその機会さえつくれれば、いくらなんでもずっとこのまま
なんて事はないだろう、そのうち誰かここに入って来るはず、まあその目的にもよるけど
殺すつもりなら、もう殺されてるだろうから、たぶん・・・大丈夫だろう、と思う、問題は
目を合わせてくれる状況をつくれるかどうか、出来れば誰か1人で来て欲しいんだけど
そう都合よくいけばいいけど・・・
そんな事を考えていた時、突然ドアが開いて、誰かが入って来た、愛の心臓がより激しく
動き出した。
52赤き涙を流す者 :02/03/23 01:08 ID:jvHycxwr

(決議)

なつみ「どうゆう事なの?」
よく会議の時などで使う、円形のテーブルを囲むように座れるソファーに全員座っている
ひとみ「何がですか?」
香織「あの子の事に決まってるでしょ、魔女よね?あの子」
ひとみ「そうですよ、分かってるなら、今更どうゆう事もないんじゃないですか?先輩方
    だって知ってるでしょ?人間が入っていけるのは森の中まで、その先の世界にまで
    は入る事は出来ない、どういう訳か・・・ね、なつみさんの妹さんを救出しに行くは
    いいけど、この問題をどうするつもりだったんですか?先輩方」
真里「何にも分かってないのねーあんた、だから雪になるのをなつみさん達は、今まで
   待ってたんじゃない、雪が積れば足跡が残るでしょ?その足跡を追うのよ」
自分だってついさっき知ったくせに、心の中で梨華が呟く
ひとみ「ふ〜ん、で?森に魔女が足跡を残してくれる保証は?その前にこれだけの吹雪
    の中、森に出掛けてくれる魔女がいます?先輩等が言うように、足跡が残る
    危険を侵してまで? 」
真里「あっ・・・・・・」
なつみ「・・・・・・・・・・」
そのとおりだ、それはなつみも考えていた事だっただけに、何も言えなかった、分かっては
いたのだが、なつみにしてみれば、もうそのあまりにも薄い可能性に賭けるしか無かった
のである
香織「・・・・それで?皮肉はいいから、あんたの意見を言ってみなよ」
ひとみ「ふ、いいですか、さっきも言ったように、人間には何故か入れない世界、でも
   魔女なら?当然入れる、なら足跡なんか追わなくても、直接魔女に案内してもらえば
   問題無くなるじゃないですか、しかも、いざという時には人質にもなる、どうです?」
真里「なるほどね・・・人質って言うのかな?魔女でも・・・」
どうだっていいでしょう、んなこと・・・・梨華である、口に出して言えばいいんだが、先輩に
そんな事の言えるタイプではなかったりする
香織「でもそれじゃあ、最初から喧嘩売るようなもんだよ?あの子怪我してるじゃん、
   撃ったんでしょ?あんた達」
真琴「あの〜すいません・・・・・」
もちろんひとみの命令に従っただけなのだが、撃った真琴が誤る
ひとみ「謝る事はないよ、別にいいじゃないですか、元々戦争は避けられないんだから
   それとも、お話し合いでもするつもりですか?先輩」
香織「あんたねえ」
なつみ「いいよ香織、ひとみの言う通りだし、それに、もうやってしまった事は仕方ない
    からね、でもね、ひとみも勝手な行動はこれっきりにしなよ、いい?」
ひとみ「・・・・・分かりました」
普段はおとなしいんだが、何故かなつみの言葉には逆らえない何かがある、それは強気の
ひとみとて例外では無かった、その時梨華が立ち上がって歩き出した
香織「どうした?梨華」
梨華「あ、あの子怪我してるんでしょう?せめて手当てくらいしてあげようかなって」
なつみ「ああ、そうだね、じゃあお願いね」
軽くうなずいて、救急箱を手に魔女のいる部屋のドアを開けた。