モー娘。のエロ小説

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 ほっそりとした腰があたしの上で踊っていた。
 円を描くように刻まれる三拍子のリズム。
 あたしは時折腰を突き出してリズムを崩す。
「……っく……あっ……はぁ……っん……」
 合わせるように切なげに乱れる呼吸。
 楔のように繋いだディルドーが、あたしたちを貫く。
 あたしたちはコレが大キライだった。
 忌々しいことに男の象徴を象った道具でしか、あたしたちはお互いの存在を
実感することができない。
46 :02/03/26 09:20 ID:dOq14ckU
 彼女の動きがディルドーを通してあたしに伝わる。
 あたしたちは犯されることで互いを犯す。
 ふいにムカついて、彼女の腕をとって引き寄せた。
「やっ……」
 小さな悲鳴を上げて彼女の長い髪が頬にかかった。
 あたしを潰すことを怖れてか、彼女は反射的に倒れ込まないように肘をついた。
 胸だけがあたしの上で軽く弾む。
 驚いたような放心したような彼女の薄く開いた唇を、貪るように奪った。
 ああ神様、あたしたちの腰はキスをしてるその時も、芋虫のように這いずって
更なる快感を求めます。
47 :02/03/26 09:25 ID:dOq14ckU
 最初はキスだけでした。誰でもやってました。あたしたちは挨拶のようにキスを
交わしました。
 いたずらのようなそれは、深く――次第に深く。彼女が拒まないのをいいことに、
あたしはどんどん大胆に彼女を求めました。
 ――楽屋で。化粧室で。移動中のマイクロバスのなかで。衣装室で。試着室で。
シャワールームで。お互いの部屋で。
 あたしたちの冒険もどんどん大胆になっていきました。
 最初はただのキスでした。
 誰とでもするようなキスでした。
48 :02/03/26 09:31 ID:dOq14ckU
 これが愛とか恋とかなのだと言われると困惑します。
 あたしはただヤりたいだけで、それには彼女がとても手頃なのでした。
「……あたしのこと好き?」
 快感の深い溜息を吐きながら、彼女は時折あたしが怯むようなことを聞きます。
「……うん」
 たぶんという言葉を飲み込んで、あたしは答えます。
「好き――すごい好き――大好き――」
 熱に浮されたように彼女の耳に囁いて、耳朶を口に含みます。彼女は息を詰めて
あたしの背をかき寄せます。苦い味のするそこは彼女の性感帯のひとつです。
49 :02/03/26 09:38 ID:dOq14ckU
 彼女の姿を見ると、あたしはソレを期待しました。
 彼女もきっとそうだったのでしょう。
 あたしたちは二人っきりになるといつも待ちかねていたようにお互いに触れました。
 視線だけで交わす、いつもの合図――言葉は、殆どいりませんでした。
 触れたところを動かして――反応を見てまた撫でさすり――乱れる呼吸に合わせる
ようにキスをして――そして――お互いの敏感なところに触れてまた反応を――
 それがひどく切ないだけの行為であることに気付くのに、そう時間はかかりません
でした。あたしたちが二人でいても足らないなにか。涎を垂らして待ちかねているの
に咥え込むことができない、あれ――
50 :02/03/26 09:43 ID:dOq14ckU
 身体を松葉くずしのようにズラしてお互いのもっとも熱いところを重ね、湿気
のある音が部屋を満たしても、思ったほどの快感は得られませんでした。
 ざらっとした彼女の茂みがあたしのそれの上から滑り込んで、どこよりも熱い
剥き出しの陰核が触れても、満たされることはありませんでした。
 あたしたちは二人とも処女でしたが、お互いの手で、指で、それを散らすこと
には何の躊躇いもありませんでした。
51 :02/03/26 09:49 ID:dOq14ckU
 思い返せば、あたしたちの快感はただただ湿っていたけにすぎなかったのかも
しれません。彼女もあたしも濡れていくだけで、勃つものは何も持ってません。
 綺麗に爪を詰んだ指でお互いを傷つけないようにして、ソレのふりをすること
しか――
 ディルドーという二股に分かれたその器具を知ったのは、楽屋に読み捨てられ
ていた淫猥な雑誌の通信販売のページでした。楽屋で茶化すように廻し読みされ
たそれのその頁を、あたしは誰にも悟られないようにポケットにしのばせました。