「辻と後藤」復活希望スレ

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492名無し娘。

事務所のバックアップが少ないため、
メンバーたちは自分自身の足で活動しなくてはいけなかった。
彼女たちは、忙しいスケジュールの合間をぬって
ワイドショーや、ニュース番組にメンバー自らが出向いてキャンペーンを行う。
もちろん自らの出演番組でも必ず視聴者にお願いを忘れなかった。

メンバーたちはとある某生放送音楽番組に出演していた。

「はーい、モーニング娘。でーす」
タモリが紹介する。
「どうもー」
「どう、12人にもなれた?」
「そうですね。大分なれました。はやく戻ってきて欲しいですね」
タモリの横に座っている飯田が答える。
「それで今日はなんか告知があるとか」
女性アナウンサーが台本どおり進行を続ける。
493名無し娘。:02/05/07 17:32 ID:OzP94tEc

「そうなんです。いま、私たちはこういうキャンペーンをやってるんです」
安倍が話し始める。その横で矢口がフリップをだす。
「お、なるほど。辻、これなんて読むか分かる?」
「はっけつびょうのむすめをきゅうえ、れすか?」
「すくえだよ」
会場内から失笑がもれる。

「どんな活動をしてるの?」
タモリが話を振る。
「中心なのは骨髄移植についての正しい知識と登録者の募集です。
いろんな番組にお邪魔して、告知してます」
安倍が答える。
「へえ、どんな番組出たの?」
「ニュースステーションとかにも出ましたよ。久米さん困ってましたけど」
後藤が答えた。
「でも、若い子がきたからよろこんでたんじゃないの?」
「いや、どうでしょう。でもチョット場違いっぽかったかな」
後藤はテレ笑いをする。
494名無し娘。:02/05/07 17:33 ID:OzP94tEc

「こんどは、タモリさんの番組にいってもいいかな?」
間を計っていた矢口がタモリに言った。
「え?ああ、いいとも!」
「キャー、ホントですか?いきます、いきます」
メンバーたちは拍手をする。そして、会場も拍手につつまれる。
そしてタモリはいつものように3回の拍手でそれを切る。

「タモリさん、他局の番組です」
女子アナが突っ込みをいれる。
「ああ、そうだった。新メンバーはなんか活動してるの?」
「いいかげん名前覚えてくださいよ」
矢口が突っ込む。
「いや、だからあきらめたんだって」
「えー?」
「あ、辻加護はタモモニできてくれるのかな?」
「はい、是非。あ、いいとも!っていうんだった」
「あ、時間?それではスタンバイお願いしまーす。」

メンバーたちは小さな手ごたえを感じながらステージへと向かった。
495名無し娘。:02/05/07 17:36 ID:OzP94tEc
吉澤は病室のベッドの上でそのテレビを見ていた。
抗がん剤の治療も終わり、体調もやや良くなっている。
ドクターからは治療の効果は良好。そして寛解導入に近づいているとのことだった。

「みてますよー」
「のの、それぐらいちゃんと読めよ」
「あー、また矢口さんしゃべってる。新メンバーまた話せなかったじゃん」

独り言を言いながらテレビを見る。
吉澤には前のような、孤独感や寂しさを感じなかった。
みんなが一緒に闘ってくれる。メンバーたちは決して口には出さないが、
自分のために活動してくれている。それが伝わってくる。

独りじゃない。仲間がいる。そして私のために一生懸命やってくれる。
石川、後藤、彼女たちの言いたかった気持ちが分かった気がした。

見つかるかもしれない──
戻れるかもしれない──
一緒に働けるかもしれない──

みんな一緒に闘ってくれているんだ。

テレビを眺めながら吉澤は久しぶりに嬉しくて涙を流した。