石川梨華ちゃん似

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22夢をあなたに
>>15のつづき
そうやって2人は黙々と作業を続けた

「ところでさー、石川さんて」と村上が急に口を開いた
「あ、はい」石川は少し驚いた
「血液型A型でしょ?」
「あ、はい、そうですけど、」
「あ〜〜、やっぱり〜。なんかそんな感じしたんだー」村上は少し嬉しそうに言った
「あ、はい、そうですか」石川は相変わらず少しうつむき加減で答えた
「うん」村上がそう答えると再び2人は作業に戻った

23夢をあなたに:02/03/03 01:21 ID:1ktTmwKm
しばらくしてまた村上が
「ところで」
「あ、はい、なんですか?」
「石川さんて付き合っている人とかいるの?」
「えっ!?付き合っている人ですかぁ?」石川はまた少し驚いた感じだ
「うん、そう彼氏」
「えー、そ、そ、そんな彼氏なんてー、」石川はなおのこと焦った様子だ
「いるの?」
「いや、いないですよー、そ、そ、そんなあたしなんて・・・」そう石川は少し
だけブルーが入った感じで言った
すると村上が
「あはははははは、おもしろいねー石川さん」
「えっ?」石川は何がどうだかわからない様子だ
「だってそんなびっくりするような質問じゃないでしょ?彼氏いるの?ってのは」
「ああ、はい、あはは、そうでした」石川の顔に笑みが戻った
何より村上が受けてくれたことが嬉しかった
「あはは、フゥ、じゃあ、作業に戻ろう」
「あ、はい」
そう言って2人は再び作業に戻った
24夢をあなたに:02/03/03 01:21 ID:1ktTmwKm
「あ、そう言えばさ」再三村上が急に口を開く
「えっ、あ、はい、今度はなんですか?」
「石川さんて・・・」
「あ、はい」
「僕のこと好きでしょ?」そう村上は半分いたづらっぽく、半分真剣な顔をして言った
「え!?えっと、あ、あの、そ、そんなこと急に言われてもー」
石川は見透かされたと思い、顔が真っ赤になった
「どっち?」
「え、えっと、そ、その、えっと、その」
石川はその真っ赤な顔をさらに紅潮させしどろもどろしている
「嫌いなの?」
「え、いや、決してそんなことは、」
「そっか、じゃあ、好き?」
「そ、そのー、なんて言うか、えっとーそのー」
「あははは」
村上がまた声をあげて笑い出した
石川の顔には「?」の文字が浮かんでいる
「あはは、石川さんてからかうと面白いんだね」そう村上は目に笑い涙を浮かべて言った
「エヘ、あはは」石川も見透かされたんじゃないと少し安心したようだ
「でもね・・・、」
村上がまた少しマジの入った顔で言った。石川もそれを感じとった
「僕はね、好きだよ、石川さんのこと」
「え!?えーーーーーーーーーーー!?そ、そ、そ、そんなーー!!!!!!」
石川の顔には今日一番の驚きがあらわれ、そこには嬉しさも見え隠れする
「ハハ、そんな驚かないでよ。別にだからって付き合おうとかって
いうんじゃないから。ただ、僕は君に好意を抱いてるってだけさ」
石川は少し安心した。がそこには少し落胆の色も伺える
「あ、そっか」
「うん、じゃあ、もうちょっとだから作業がんばろう」
そう何事もなかったかのように村上は言った

そうして2人は作業に戻ったが、石川の方は気が気でなかった
いくらそれが友達全般に持つものと同等なモノだとしても、自分が好きな
で憧れている人から好きだと言われたのだ
それだけで、もう、石川は今まで生きてきて最高の幸せを感じていた
しかしそう石川が喜びに浸っていると石川の頭に一つの疑問が浮かんできた
「(村上君あたしのどこが好きなんだろう?)」
石川は自分があまりに村上に不釣り合いであることに気づきどんどんブルーになっていった

そうしている内に作業が終わりに近づいた
「あ、もうこんな時間だ」村上が言う。時計は6時を回っていた
「あ、うん、そうだね」
「もうちょっとで終わるし、今日はもう帰ろうか?」
「うん、ありがとう、ホント手伝ってくれて」石川はどこか暗い
「うん、いいんだよ、全然、石川さんといられたってだけで僕にはよかったから」
そう村上はまたも笑い混じりに言った
「え!?」石川の顔に再び喜びの色が宿る
そしてさっきの疑問が再浮上してくる
「(あたしのどこが好きなんだろう?)」
そんなことを考えてると
「うん、じゃあ帰ろうか」
「え!?あ、はい」石川は少し肩すかしを食らったような顔をしていた。
しかし石川の疑問は消えない、
「(あたしなんかのどこが好きなんだろう?)」
石川はその疑問をどうしても村上に聞きたくなった
教室を出る時石川は勇気を出した
「あ、あの、村上くん」
「ん、何?」
「あ、あっと、なんでもないです、すいません」これが限界だった

けれどその衝動は消えることはなくもう一度石川を襲った
2人は帰る方向が逆なので校門で別れる
「(ラストチャンスだ)」そう石川は思った
「あ、あの」
「何?」
「村上君はあたしのどこが好きなんですか?」顔を真っ赤にして言った
すると村上は少し「う〜〜ん」と言って考えると
やはり少し笑い混じりで
「それは秘密。じゃ、バイバーーイ」と言って走り去ってしまった
石川の「あ、あの」という声はむなしく春の夜空に消えていった