先輩達は円陣組んで肩を組むと飯田先輩の
「じゃあみんな今日も頑張っていきまっ・・・」
『しょい!!』と気合いを入れてコートの方に走って行った。
<ピピィーー!!>
けたたまししホイッスルの音と同時に試合が開始した。
順調に点を取っていく中ひとみはベンチに座りさっきの出来事を
思い出していた。そう愛ちゃんが梨華に向けた視線のことだった。
目では、試合を見ながらも頭では梨華の事ばかり考えていた。
梨華はと言うと先輩達の飲むドリンクの準備やタオルを準備したりと
座る暇もなさそうだった。
気がつけば朝比奈は1ゲーム勝ち取っていて先輩達は
先生の周りに円陣を組み梨華達が準備したドリンク片手に話を聞いていた。
いつもと変わらぬ風景。すこし違うのはその中にあたしがいないだけ。
ふと後ろから視線を感じた。後ろを振り返って見ると誰もいない。
(気のせいか・・・)
あたしはその後も何度か視線を感じたが気にしないようにした。
飯田先輩の華麗なスパイクも決まり3ゲーム中2ゲームで勝利し
次の試合に駒を進めることが出来た。大沢校の選手達に挨拶をしてきた
先輩達が帰ってきた。先生は「よくやった次の試合も気を抜くなよ!!」
と言われ先輩達は『はいっ』と答えるとそのまま昼食の時間になった。
矢口先輩が「よっすぃ〜!!こっち来て食べよ〜!!」
と手をヒラヒラさせながらあたしを呼んできた。
飯田先輩と矢口先輩がいる芝生の所まで歩行きそのままあぐらを
かいて座った。あたしは飯田先輩が作ったというおにぎりをもらった。
「これねぇ〜カオリの自信作だから食べてねぇ〜!!」
「何味ですか?」
「あのねぇ〜キムチ納豆味♪」
間を割るように矢口先輩が
「うげぇ〜カオリ〜そんなの作ったのぉ〜?!」
「うるさいなぁ〜矢口にはあげないよっ!」
「いらないよっ!!そんなあぶなさそうな物・・・」
(あぶなさそうな物・・・)
見た目はキムチが混ざってるからなのか赤い色をしている。
「さぁ!早く食べてみてよっ!」
飯田先輩に言われ意を決して一口・・・
(………んっ?おいしい???)
「どうっ?おいしっ?」
顔をのぞき込んでくる飯田先輩。
「おいしいです・・・」
「ホントに??」
「はいっ。」
ビックリした見た目とは違い美味しかったことに。
(キムチと納豆って以外に合うんだ・・・)
口に含み味を楽しんでいると口の中にとんでもない辛さが広がった。
「でも・・・」
「んっ?なぁに?」
「すごく辛いです。。。」
急いでペットボトルを開けゴクゴク飲んでいると
矢口先輩の「キャハハハハハッ!!」
とゆう笑い声につられて飯田先輩も笑ってしまった。