重たい足を引きずりながら体育館の方に向かうと
中からはムッとした熱気と飯田先輩の張り切った声と
ボールが床に叩きつけられる音が聞こえてくる。
「あぁ〜やってる〜カオリ張り切ってるなぁ〜」
と笑いながら矢口先輩は言った。
すると飯田先輩がこっちに気付き
「矢口もやるぅ〜???」
「イヤっ遠慮しとく!!」
とタタタッとあたしの後ろに隠れてチラッと飯田先輩を
覗くように見ていた。その姿がとても可愛かった。
(梨華だったら断れないだろうな・・・)
後ろの方を見てみると梨華がいる。
梨華はまだお腹の痛みが消えないのか横腹を押さえていた。
(大丈夫かなぁ・・・)
心配で話しをかけたい。でもわたしにはその勇気がなかった。
その事をかき消すように顧問の先生がやってきて集合をかけた。
「集〜合〜!!」
『はぁ〜い』
飯田先輩のかけ声にみんなが答えるように返事をした。
先生は今日の対戦校「大沢高校」の話と前回の試合の反省を話をしていた。
「〜だからけして気を抜くなよ。いいなっ」『はいっ』
「じゃあ練習を続けろ。それで吉澤〜おまえは残れ」
みんなが練習に戻った所で顧問は話を始めた。
「おまえこのあいだの試合はなんだ?楽勝かもしれないが
手を抜くなとはいったよな?」
あたしは「すいませんでした。」としか言えなかった。
たしかにあのときのあたしは梨華と話してから精神状態が不安定になり
あまりにも無惨な姿だった。そのため試合からは降ろされベンチからの
応援になってしまった。その事を挽回しようと思ったが先生の口から
出た言葉はわたしの恐れていた言葉だった。
「まぁ今回の試合はおまえをレギュラーから外す。」
一瞬なにを言われたのか理解出来なかった。先生は
「前回を事を反省すると言う意味が込められている。
だけど次の練習中の態度、応援の頑張りによっては考え直す。
けして0ではないんだ。今回の試合は見て学べ。そして覚えろ。」
それだけ言うと先生は「練習を続けてきなさい。」と言ってコート
近くのベンチに腰をかけた。
あたしは涙が出そうになりながらもぐっとこらえて練習に戻った。
川o・-・)ノ<どうも。。。夏バテ作者です。。。
ここ最近バテ気味により更新が大幅遅れてしまいました(汗
>187さま
ありがとうございます。なにせ初小説なもので・・・
>188さま
( ´D`)<保全どうもなのれす。
>189さま。
(^▽^)<あげちゃったぁ!
>190さま。
遅れてしまってすいません。ほぜむ。
では
|彡サッ
突然ですが
>>192の続き・・・
「よっすぃ〜・・・先生なんだって???」
不意に矢口先輩に言われた。あたしは涙がバレないように
あくびで誤魔化して
「レギュラーから外すって言われちゃいました」
一拍おいて矢口先輩の口からでた言葉は
「マジ〜!!何それ!?よっすぃ〜はそれでいいの〜??」
矢口さんらしい返事だった。
(良いわけないじゃん・・・何でそんなこと聞くの?
わかり切ってることじゃん・・・)
と思いつつも言葉に出せないあたしは臆病だった。
(はぁ疲れてきた・・・)
あたしは練習。と言ってもいつもはレギュラー軍とスパイクをやったり
試合の話とかしてたけど今回は外されてしまったので球拾いをしていた。
球拾いなんて1年の初めの頃にちょこっとやったぐらいですぐにレギュラーに
入れられたからほとんどやってない。やり場のない焦りが不安にさせた。
(このままほかのほかの子にレギュラー取られたらどうしよう・・・)
クールを装ってたあたしだけど内申は焦っていた。
ネガティブになっている事に気づいた。
(どうしたひとみ!!あたしらしくないぞっ!)
そう言い聞かせて頬を両手でパンッと叩き球拾いに集中した。
先生が今日の試合の作戦を話すためレギュラー軍を呼んだ。
そのためあたし達は仕事は一旦休憩に入りホッとしていた。
するとなにやら中等部の1年生っぽい子が4人組が
なにやらボソボソ話しながらこっちに来た。
4人が話している事に耳をすまして聞いてみると
「ねぇ〜愛ちゃんから話しかけてよ〜」
「恥ずかしいよ〜りさちゃんお願い〜!」
「いやだ〜あたしはただついてきただけだもん〜」
「でもさぁ〜やっぱりこうゆうときはさぁ・・・」
3人で声を合わせて「せ〜のっ」『あさ美ちゃん!!お願いします!!』
「えっ?!あたし・・・?」
「ほらほらあさ美ちゃん!おねが〜い!」
と背中を押されてあたしの前にその子が来た。
あたしはとりあえず「どうしたの?」と訪ねてみた。
彼女「あさ美ちゃん」と言う子は困った顔をしていた。
「あっあぁあのぉ・・・」と言われたはものの恥ずかしいみたいで
なかなか言葉が続かない。それに痺れを切らしたのか「まこっちゃん」と
言う子はこっちに来て「あさ美ちゃんいいよっありがとっ!」
と言ってあたしの方を向いて
「あのっ朝比奈中等部1年の小川麻琴って言いますっ!あ、あたしの
隣にいるのは同じクラスの紺野あさ美ちゃんって言います!」
あさ美ちゃんはあたしの方を見てペコッと礼をしたけどまた下を
向いてしまった。麻琴ちゃんの後ろを見てみるともう2人の背の高い方の子が
「あのぉ〜高橋愛っていいますぅ。」すこし訛っているのが印象的だった。
「あたしは〜新垣里沙っていいます。」まるこくて一言で言うと豆に似ていた。
あたしは可愛い子達だなぁと思ったけど顔にでないように一生懸命クールを装った。
がんばってくれぃ。応援するべ
「それで、麻琴ちゃんにあさ美ちゃんに、愛ちゃんに、里沙ちゃん達4人は
どうしてあたしなんかに話しかけたの?」と訪ねてみた。
すると麻琴ちゃんは恥ずかしそうに頬を赤くして
「あたし、あの実は・・・その吉澤さんのファンなんですね・・・それで試合楽しみで
見に来たら練習のほうに参加してないんで何かあったのかなぁ〜って思っちゃって・・・」
麻琴ちゃんはそう言うとあさ美ちゃんと同じように下を向いてしまった。
2人の姿があまりにそっくりで笑いそうになったけど
こらえるために目線を後ろにいる2人に向けてみた。
ふと愛ちゃんは誰か釘付けになって見ていた。
その目線をたどって見てみると紛れもなく梨華に目線が注がれていた。
(なんで?愛ちゃんが梨華のことを?)
愛ちゃんがあたしに気付くと小さな声で
「石川先輩ってぇ誰かと付き合ってるんですかぁ?」
と訛りのある声で訪ねて来た。あたしは動揺しているのが
バレないように「さぁ・・・どうなんだろうと・・・」と曖昧な返事をした。
里沙ちゃんはあたしを見ながら
「あの〜吉澤先輩ってぇ〜本当にぃ〜こま・・・うぅ!!」
麻琴ちゃんは里沙ちゃんの口を慌てて押さえて「すいませんなんでもないです・・・」
と言って里沙ちゃんを睨みつけていた。まぁ何を言いたかったのか
わかったけどその事には触れずにしといた。あたしがここで何を言ったって
意味の無いことってわかっていたから。
ベンチの方から飯田先輩の「集〜合〜!」の声が聞こえたからとりあえず4人に
「まぁあたしは分け合ってレギュラーから外されちゃったけど
戻れるように頑張るから応援してね。」と言ってニコッと笑いすぐにいつもの
クールの顔に戻しながら小走りでその場から去った。
だけど気になるのは愛ちゃんが梨華に向けたあの目線だった。