泣いている私に…ひとみが少し困った顔しながら こう言うの〜
「…あたしは、ねえーまきちゃん?」
「・・・・・・・?」
「これからは.....あたしがしっかりしないと駄目だと思ってるんだー」
「・・・・・・・・」
「それでねー昔と違って今はヒマだけは、タップリあるでしょう〜だから…」
そう言うと、言葉をくぎり 私を見つめながら更にこう言うの…
「色んな事に、チャレンジするようになったんだ〜」
「・・・・・・・・」
「例えばさあ〜」
「・・・・・・・・」
「ボクシングでー身体を鍛えたりとかね!」
「…ボクシング?」
私がそう不思議そうな声をだすとひとみが「うん」とうなずきながら
コブシを突き出した。
「・・・・!」
「背中や腕や肩に筋肉が付いたと思わない?まだ初めて3ヶ月ぐらいだけどねー」
「・・・・・!」
うわあ〜スゴイ気がつかなかったけど…そういえば男の子みたいに
ゴツゴツした、感触がするわーーひとみの身体ー
元々大柄で骨太で身体は私なんかより全然大きいしそれにバリバリの
体育会系出身だもんね〜ひとみは…これじゃ〜私が敵うわけないよな〜
「ダンベルなんかでも、ガンガン鍛えてるんだよーもう以前の頼りない
あたしじゃ〜ないよーーまきちゃん」
「・・・・・・・」
自信満々に、ひとみの独白が続くわ・・・・・・
格闘技の修練にバイクと車の免許に・・・ダンスレッスンに芝居に〜
スゴイー怠け者のこの子がいつから〜こんなに向上心を持つようになったのー
「なんで、黙ってたのーひとみ?」
「ごめんねー」
「みずくさいじゃん」
「ビックリさせようと思ってー黙ってたんだ」
「私に見せたいものってひょっとして?」
「うん、そうだよ」
そう言いながらひとみがジーパンのポケットから真新しい免許証を取り出した。
「こんどからー疲れたら運転交代してあげるねーあとさー」
「・・・・?」
「あたし車も買ったんだよ〜」
「!マジ〜でえ〜〜なに買ったの?」
「うん、よくわからないんだけどーーすんげえ〜速くてーカッケー車だよ!」
「・・・・・・・?」
こういう所は 相変わらずだねーーひとみ? ウフフフフ・・・
でも 能天気で頼りない奴だなんてー決め付けてごめんね〜ひとみ
あなたも色々考えてたんだねー