静かだね...ひとみ、潮騒の音が闇の彼方から聞こえてくるよ…
私とひとみは、さっきから 一言も喋らず黙ったまま
しばらく ヒクヒクと泣いていた ひとみも落ち着いた様子で 黙りこんでいる
「車を下りて砂浜のほうにいこうかー」
私がそう言うと ひとみが…
「ウウン、このままがいい.......ねえーまきちゃん?」
「なに、ひとみ…」
「もっと 側に行きたいよーーあたし......」
「…どうしたいの?」
「ひざの上であたしを、だっこしてよーー」
「・・・・・・・・」
なにを言いだすんだ........コイツ無茶言うなよ
「いいよねえ〜〜」
「ちょ、ちょっと待ってよ」
「なんでーー」
「巨体のあんたに乗っかられたら...私が潰れちゃうよーー」
「なにそれえ〜〜!ばかあ〜まきい!」
「・・・・・・・」
「酷い!あたしがデブだって言いたいんでしょう!ばかばか!」
「・・・・・・・」
はあーーーまた怒りだしちゃった........本当に疲れるわ
こいつの精神年齢は辻、加護といい勝負ね........
唯でさえ中学レベルなのに…
私と一緒にいると退行現象をおこして本当にわがままで甘えん坊
の幼児になるんだから......でもそこがスゴイ可愛いんだけど.........。
「ばか、ばか、ばか、ばか!」
「・・・・・・・」
「まきのばかぁ!ばかぁぁ〜!」
「・・・・・・・」
「何とか言えよ〜〜まきい!黙ってんじゃねえ〜〜こらあ」
「・・・・・・・・」
さっきから....言いたい放題 ばかばかって.......コノオー!
いいかげんにしろよなー私だって怒るよ.....舐めんなよーー殴ったろうか!
それは、駄目だ私はもうひとみを、怒鳴ったり 殴ったりするのは止めたんだ。
どうしようかな…そうだ!これがいいだろう 私はひとみに、こう言いだした。
「・・・・それじゃーさあーひとみ〜〜?」
「・・・・・・・?」
「私があなたのヒザの上に乗るわ.....それでいいでしょうだめえ〜〜」
「…おう、なかなかいい発想の転換じゃねえ〜〜かーまきぃ」
「それに......」
「なんだよーまきぃ?」
「私はひとみが、デブだなんて思ってないよーだいいち私が絶対そんな事に成らないように
するもん....ひとみは今宵も綺麗だよーーただ私は男じゃないし…ひとみより身体が小さいから
ヒザでだっこは少し辛いな〜〜とそれだけなの」
「!.......そう?」
「あたりまえでしょう」
「怒ってばかって言いまくってごめんなさいーまきちゃん」
「いいよ別に......」
可愛い 私が色っぽくそう言いだしたら ひとみ 真っ赤になっちゃてるの
今夜は月明かりもあるし更に 星もキラキラ輝いて とてもひとみの顔がよく見えるわ
それじゃーーあなたのヒザの上に乗ろうかなーー
たまには私にも甘えさせてよーーひとみ..........いいでしょうーーー