QUIZ

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996月27日 PM20:38

次々に楽屋に娘達が集まってきた。
「よっしー!目が覚めたの〜?」
石川が声を張り上げると吉澤は困ったように微笑んだ。
「後は、つんくさんからの電話待ち〜」
後藤が嬉しそうに携帯を見つめては笑いを浮かべていた。
みんなそんな後藤を見ては軽蔑の眼差しをむけた。
すると後藤の携帯が音を鳴らした。
「は!はい、もしもしつんくさん!後藤です〜!」
黄色い声で後藤が対応する。
「お、後藤か。収録は終わったみたいやな。他の皆はおるか?」
「はい!みんないます!まだ加護が寝てますけど」
周りを見渡さずに即答した。
「それでつんくさん、一体どうしたんですか?」
「そうやな…、もう隠す必要はないな…」
つんくはこれまでの事を話した。
安倍の誘拐…吉澤への脅迫…。
唯一話さなかったことは、保田脱退の命令だけだった。

1006月27日 PM20:49:02/03/05 21:35 ID:n2VxL4y7

「…はい、ありがとうございました…」
黄色い後藤の声は、いつの間にか暗く重い声に変わっていた。
ピッっと携帯を切る音がした。
「…今から、つんくさんが言ったこと…言うね…」
そう言うと、後藤は暗い雰囲気のまま語り始めた。

「なっち…」
保田の憂いを帯びた声が聞こえた。
「ど、どういう事ですか!私は嫌です!私はもう帰りたいです!
辻がワッと泣き出した。
「大丈夫…大丈夫だから…」
そんな辻を飯田が抱きしめる。
石川はこれと言って反応はない。
「冗談じゃないわ…、私帰るから…」
後藤がいきり立ち、バッグを手に取り楽屋から出ようとした。
「ちょっと…こんな時に1人になっちゃ危ないよ…」
吉澤が後藤を止めようとした。
「なら、よっしーも一緒に来なさいよ。ほら行くわよ」
後藤は吉澤の手を強引に引き、楽屋を出て行ってしまった。
「勝手な人たち…」
飯田が辻に囁いた。
「じゃ、私も帰るね。急ぎの用ができたし」
矢口はそう言うと楽屋を出て行ってしまった。
「圭織、私も帰って良い?写真の現像終わっただろうし…」
保田は飯田の了解を得て、楽屋を出ようとした。
「待って下さい〜!石川も行きます〜!」
石川がカバンを担ぎ、保田に付いて行こうとした。
「あんたは来ないで良いわよ」
そう言うと、保田はそそくさと出て行った。
「…」
石川は何も言わずにとぼとぼと楽屋を後にした。
「辻…どうする?私もそろそろ帰るけど…」
「私はあいぼんといます…。どっか別の部屋かります…」
「じゃぁ私も少し手伝うよ。」
そう言うと飯田は加護を抱きかかえ、辻と共に楽屋を出た。
1016月27日 PM21:06:02/03/05 21:36 ID:n2VxL4y7

「はい、写真できあがりました!」
先ほど来たカメラ屋。
「ちょっと遅れて悪かったわね…」
「いえ、そんな事ないですよ」
…良いのよ、本当の事言って…
写真を受け取ると、保田は無言でカメラ屋を後にした。
「また来てくださいね!」
店員の元気な声だけがした。
…来て欲しくないくせに…

1026月27日 PM21:23:02/03/05 21:36 ID:n2VxL4y7

石黒邸。
台所のほうで、あの男がコンビニ弁当を食べている。
一方で石黒の目にはパソコンの画面しか映っていなかった。
しかしHPには管理人と犯人以外の投稿は何もない。

題名:『モーニング娘。誘拐事件 途中経過その2』
投稿者:SILVA

犯人さん、書き込みありがとう。本物じゃないでしょうけど。

速報よ。
さっき面白い事が起きたみたい。
なんと、吉澤と加護が何者かに襲われたの!
なっちが誘拐、その上この事件!
これからももっと大波乱の予感!

6月27日 21:23

「ケケケ」
笑いが止まらない。
楽しい。いつぶりだろう、こんな楽しさ。
それにしても、この管理人のSILVAって誰かしら?
シルバー…歌手…銀…
焼銀杏…?
懐かしい事思い出しちゃった。


「なぁ風呂は…」

うるさい雑音ね。
私は今、とっても楽しい事をしているの。
だから、邪魔しないで、縄男。