QUIZ

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536月27日 PM18:34

「ふぅ〜、休憩休憩〜!」
後藤が気だるそうに楽屋のほうへ向かって行った。
その後から、メンバーがぞろぞろ歩いてくる。
「あ、つんくさんから着信があった〜」
黄色い声をあげ、後藤が嬉しそうに奇声をあげる。
だが、他のメンバーにも着信がある事が分かると、後藤はトーンダウンした。
「わ、私がかけるからね!」
後藤は、そう皆に言うとつんくに電話をした。

「あ、つんくさん?」
「おお!後藤か!もう収録終わったんやな?」
「いえ、まだ休憩中ですけど…」
「そうか…。みんなに異常はないんやな?」
「え?あ、はい。何も…」
つんくにだけに見せる従順な顔。それが鼻につくメンバーは多いだろう。
「良かったぁ…。ほな、ちょっと吉澤に代わってくれへんか?」
後藤は一瞬ムッとした顔をした。
「え?よっすぃーですか?いませんよ」
電話越しでつんくが慌しくなった。
「ど、どーゆー事やっ!楽屋にいたメンバーはどこや!」
つんくが携帯越しでも聞こえる大声で怒鳴ると、メンバーが一斉に後藤の携帯を見る。
「えっ!あ、えっと、梨華ちゃんがいますけど…。そういえば加護もいないです」
つんくの脳裏に不吉な考えが巡った。
…まさか、2人とも…?
「い、いいか!急いで、その2人を探すんや!」
「な、なんでですか?つんくさん…。飲み物でも買いに行った…」
「いいから!」
最後に「あとで、詳しく説明する」と言い残し、つんくは電話を切った。
546月27日 PM18:34:02/02/25 04:59 ID:ZMy0LT1t

「ねぇ、みんな…」
後藤がつんくに言われた事をメンバーに話す。
「加護と、吉澤って、よく2人でいなくなるよね。だから、心配いらないんじゃない?」
矢口が爪をいじりながら言う。
「そーいえば、そうですよね…」
辻がポツリと言う。
「言われてみるとそうだ…」
後藤が人差し指を顎につけ考え込む。
「ってゆうか、こいつ起こそうよ」
保田は突然石川を揺さぶり起こした。
すると、石川が目をこすりながら言った。
「あれ…?私寝ちゃったんですか…?」
誰もそれに答えず飯田が問い詰める。
「石川、あんた、吉澤と加護、どこ行ったか知らない?」
石川は一瞬寂しそうな顔をした。
「え…あ、あの…私、お茶飲んだらいきなり眠くなって…その…」
起きたばかりの目をこすりながら石川が語る。

55回想:6月27日 PM17:55:02/02/25 05:03 ID:ZMy0LT1t

お茶を一気に飲み干した石川は突然睡魔に襲われた。
「どうしたの?梨華ちゃん?」
吉澤が聞いてくるも、睡魔に勝てない石川は、
「ごめん…ちょっと、寝て良い?」
そう言うと返事も聞かずに目を閉じた。
「あ、うちもちょっとだけ眠くなってきた…」
加護の声が薄れゆく意識の中聞こえた。
566月27日 PM18:34:02/02/25 05:04 ID:ZMy0LT1t

「あ、あいぼんも寝ちゃったんです〜!」
「使えなーい!キャハハ!」
矢口があざ笑う。
「睡眠薬…?」
飯田が推理した。だがしかし、それ位は辻にも想像がついた。
「わ、私、あいぼんに電話してみる!」
辻が携帯で電話をかけた。
「あ、のの〜。あいぼんの携帯は、電池が…」
「コールしてるのに出ません」
辻が残念そうにそう言う。
「じゃぁ、よっすぃーにもかけたらどうで…?」
「よっすぃーも駄目みたい」
石川が恨めしく後藤をにらむ。
「仕方ない…。探そ…」
後藤がそう言うと、皆だるそうに楽屋を出た。

576月27日 PM18:36:02/02/25 05:07 ID:ZMy0LT1t

石黒邸。
石黒は何度も更新ボタンを押していた。
…何か起きないかしら…
そう胸を踊らしていた瞬間、パソコンの画面に変化が起きた。

題名:『モーニング娘。誘拐事件 途中経過』
投稿者:SILVA

お待たせ!新しい事件がおきたわ。
吉澤を辞めさせろというメールがつんくの元に届いたの。
モーニング娘。は今『お願いモーニング』の収録中。
一体どうなるのかしら。
詳しくは送られてきたメールの写しを読んでね。

6月27日 18時36分


「ただいま〜」
玄関のほうで野太い男の声。
これが私を縛っている縄。
この縄のせいで私はモーニング娘。を辞める羽目になった。
私はもっと輝いていたかった。

「なぁ、明後日さ…」

聞こえない。聞こえない。
あいつの声は聞きたくない。
586月27日:PM18:42:02/02/25 05:08 ID:ZMy0LT1t

テレビ局を歩きながら加護と吉澤を探す娘たち。
「いないですね…」
辻がほそぼそと言う。
「どこいっちゃったんでしょうね〜。あいぼんとよっすぃー」
石川はどこか楽しげだ。
「そうだ!あいぼんにメールだしてみる!」
辻が一瞬にしてメールを打ち始めた。
「送信っと!」
「返事が来るといいね〜」
そんな石川を無視した辻。するとすぐさま携帯が鳴った。
「メールが返ってきちゃった…?」
不可解に思った辻は、再びメールを送る。
…やっぱり戻ってきちゃう…
596月27日:PM18:42:02/02/25 05:09 ID:ZMy0LT1t

飯田と保田はテレビ局のスタジオで合流した。
「いた?圭ちゃん」
「ううん…」
「いないね…加護と吉澤…」
飯田が心配そう顔でそう言う。
「そうね…」
そんな事保田には関係なかった。
「じゃぁ私、こっち探すから」
再び2人は探し出した。

606月27日:PM18:42:02/02/25 05:10 ID:ZMy0LT1t

後藤と矢口は会話もなくただ歩いていた。
「よっすぃーどこかな?」
後藤が気を配りそう言ってみたが矢口は無視した。
「ねぇ、やぐっつあん?」
酷い人相で周りを見ている矢口。しかし口元はどこか楽しそうだ。
…やっぱ、こえ〜…
「ちょっと私、トイレ行ってくる」
そんな雰囲気に絶えられなかった後藤はその場を駆け出した。

616月27日 PM18:54:02/02/25 05:13 ID:ZMy0LT1t

不機嫌そうな顔をしていた後藤が一瞬にして笑顔に変わった。
その目線の先に市井がいたからだ。
「よっ!」
「いち〜ちゃん!!!」
後藤が、甘えた声で市井の側に駆け寄る。
「なんでここにいるの〜?」
満面の笑みで市井の服を引っ張る。
「なんか大変なんだって?私も付き合おうよ」
そう言うと市井はスタスタと歩いていった。
「あ、あとね、さっき裕ちゃん見たよ」
市井が来た方向をチラッと見ながら言った。
「裕ちゃんが…」
別に後藤はなんとも思わなかったが、市井の言葉がただ嬉しかった。

…なんで私がこんな事しないといけないのよ。
市井は心底そう思っていた。
…こんな事無意味だ。
後藤がしきりに話し掛けてくるが、その返事も曖昧になっている。
その瞬間、遠くでかん高い石川の叫び声が聞こえた。
「いやぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
「何!?」
後藤の顔が少しずつ青くなる。
「行ってみよう!」
市井は後藤の手をとって走り出した。
…この手、やっぱ市井ちゃんだ…
後藤は市井の手を強く握りしめた。
626月27日 PM18:54:02/02/25 05:14 ID:ZMy0LT1t

あら?書き込みが増えた。

題名:『じょうほうありがとう』
投稿者:はんにん

じょうほう ありがとう

6月27日 18時45分

犯人から?本人かしら。
ケケケ。そんなわけないか。
楽しくなってきたわ…。