QUIZ

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386月27日 PM17:45

…あ、加護が走ってる。
飯田はメンバー全員を見渡していた。
…リーダーとして、もっとみんなの事知らないとね。
…辻がごっちんと話してる。めずらしー!いつの間に仲良くなったんだ?
まぁ辻のほうが、まだ騒がしくないからね…
再びチラッと加護を見る。
すると、その瞬間吉澤と加護がぶつかった。
…あ〜あ、痛そう〜。加護もちゃんと、前見なきゃ〜。
加護が吉澤に頭を下げる。吉澤は怒ってはなさそうだ。
だが、どこか引きつった笑顔で答えている。
そして吉澤は加護を通り過ぎ、辻の頭をなでた。
…仲良しが…一番だよね…
飯田はしみじみそう思った。
…あれ?なんで矢口、後藤の事あんなに睨んでるの?よっしーにも…。
ふと目を向けた先には矢口がいた。
…圭ちゃん、カメラ好きだよね。でも、何撮ってるんだろう?
保田は誰いない方向をカメラにとっている。
…そろそろ始まるかな?
あともう少しで『おねモー』の収録が始まる。

その時、メンバー全員に加え中澤、市井、石黒の元にメールが届いた。
そのメールには題名が「みんなへ」と書かれ、HPのアドレスだけが書かれていた。

396月27日 PM17:45:02/02/23 17:27 ID:RvT4czi8

つんく邸。
突然中澤は立ち上がり、
「あ!つんくさん!私、なっちのいる場所、心当たりあるわ!」
と言うと中澤は外に出る用意をしだした。
「お、おい!裕子。なんやいきなり、ちょい待ちぃ…」
つんくの引き止める声も聞かずに中澤は玄関を飛び出た。
窓のから覗くと、中澤が走っていくのが見える。
すると、突然タクシーが登場し中澤は急いで乗った。
「あいつ、いつの間にタクシー呼んだんや?」
その問いには誰も答えなかった。

406月27日 PM17:52:02/02/23 17:28 ID:RvT4czi8

スタジオでは加護、吉澤、石川以外のメンバーがスタンバイしている。
彼女たち3人は楽屋でお茶をしながら談笑していた。
「今日は2本撮りだね〜。めっちゃ疲れる〜!あ、携帯、電池なくなっちゃった〜!」
加護が前髪を整えながらぼやく。
「そうだね〜。この前は9人全員でやったのにね〜。
今回は5人かぁ。安倍さん、大丈夫かなぁ?」
安倍は体調不良と言う事で、番組は納得してくれたようだ。
「よっすぃーはごっつあんが一緒じゃなくて寂しいでしょ〜?
あ〜、でも〜。ごっつあんも市井さんがいなくなった時すごかったよ〜。
自分の部屋で1人きりでずっと泣いているんだもん。」
石川が親しげに吉澤に話し掛ける。
「……」
一瞬にしてその場のムードが変わった。
「さ、さっき変なメール来たの〜。『みんなへ』って題名なんだけど…」
咄嗟に話題展開をした。だが、
「…それ、他のメンバーにも来てるんや。チェーンメールやろ…」
加護もそっけない態度である。
石川はどうして吉澤が暗くなってしまったのかが分からなかった。
話を逸らそうと石川は頭を働かせた。
「そ、そーいえば、三人祭りの衣装って露出激しいよね〜。さっき着て恥ずかしかった〜。
おへその周りとか、肩とか、結構見えちゃうもんね〜。
あいぼんも、さっきの練習の時、着ればよかったのに〜。
そう言えば私、1回もあいぼんが衣装着てるの見たことない〜」
石川の中ではこの上ない良い話題だと思った。だが返事はない。
「ねぇ、あいぼ…」
「無視しないでよ」とは言えなかった。
それでも反応がないのが寂しく、
加護の名を呼ぼうとしたが、加護はジッと吉澤を見つめている。
石川はお茶を一気飲みした。

416月27日 PM17:59:02/02/23 17:30 ID:RvT4czi8

「メールはもう来ないみたいやな…」
つんくは、ホッと胸をなで下ろした。
しかし、その胸は再び恐怖で震える事になる。
「メールが届きました」
間髪なくパソコンの画面を見つめた。
件名はやはり「くいずです」だ。
つんくは、恐る恐るメールを開いた。

「件名:くいずです
よしざわを もーにんぐむすめから だったいさせろ
さもないと よしざわの いのちは ないよ」


つんくは腰を抜かした。
フローリングの床は冷たく、体温を全て奪われそうだ。
今が『おねモー』の収録である事をスケジュールで確かめると、つんくは電話を手にした。
…スタッフに電話を…
だが、つんくは電話を元に戻した。
…スタッフが犯人かも知れへん…。
今度は現メンバーの携帯に電話をかけた。しかし、誰1人出ない。収録中だからだ。
…どうしてだ!
自分自身の中で葛藤がおきた。
…どないしよぅ…裕子…
その瞬間ハッと我に返りつんくは中澤に電話をした。
426月27日 PM17:59:02/02/23 17:31 ID:RvT4czi8

「はいはい」
中澤の少し気の抜けた声が聞こえた。
「た、大変なんや!」
つんくはメールの事を話した。
「え…吉澤が!?」
中澤の驚いた声は非常に大きく、携帯を離さなければ耳が痛くなりそうだ。
「どうしたら良え?」
つんくは明らかに混乱している。唯一の犯人との接触者ゆえのプレッシャーなのか。
「帰ってきてくれや!!」
つんくはそう哀願した、が、
「ご、ごめん…。私、行かなきゃいけなくて…紗耶香にでも電話したら?」
そう中澤が言った途端、つんくは携帯を切り、市井に電話をした。

436月27日 PM17:59:02/02/23 17:31 ID:RvT4czi8

「市井!とにかく、日本テレビのスタジオまで行け!」
あまりに突然で市井も驚く。
「どうしたんですか?」
つんくは、話を要約して話した。
すると、市井がおどけた声で聞いてきた。
「つんくさん…?吉澤には電話したんですか?」
「あ…」
つんくは間の抜けた声を思わずだし、携帯を切った。
「…頭悪い…」
市井は煙草の煙をフッとはき、それまでいたマクドナルドを後にした。
「『行け!』ね…。」
市井はうんざりした顔で言う。
「これからが、本番ね」

446月27日 PM18:07:02/02/23 17:32 ID:RvT4czi8

10人祭りの着信音が楽屋に響く。吉澤の携帯だ。
画面には『つんくさん』と表示されている。
「はい、もしもし…」
「よ、吉澤かぁ…良かった…」
つんくの声が聞こえる。つんくは、安倍の事、そして吉澤が狙われている事を話した。
「え!安倍さんが!それに、なんで私が!?」
吉澤の握っている拳に力が入る。
「今、そこには誰がいるんや?」
「えっと、あいぼんと梨華ちゃん…梨華ちゃん寝てますけど…」
「いいか、吉澤!絶対楽屋から出るなよ!絶対だぞ!」
「はい…」
加護は心配そうに吉澤を見つめていた。

時を同じくしてここはインターネットカフェ。
サングラスをかけた中澤がそこにはいた。
手元には先ほど届いたメールが表示されていた。
中澤のパソコンの画面にはおどろおどろしい文字でこう書いてあった。
『モーニング娘。誘拐事件 実況生中継』
456月27日 PM18:13:02/02/23 17:33 ID:RvT4czi8

「何これ…」
石黒のパソコンの画面に『モーニング娘。誘拐事件 実況生中継』が映る。

46回想:6月27日 PM17:45:02/02/23 17:34 ID:RvT4czi8

「よっしゃ!リーチ!」
昼寝を終えた石黒は再びインターネット麻雀を始めていた。
その瞬間、石黒の携帯のメール着信音が鳴る。「たんぽぽ」だ。
しかし石黒は夫からのメールだと思い、その時は見なかった。
だが、なかなかツモれず、その苛立ちを晴らそうとメールを見た。
アドレスだけが書かれているメールを、始めは迷惑メールだと石黒は思った。
…でも、なんかいつものと様子が違う?
そのアドレスを携帯で見ようとしたが、容量が大きすぎて見れなかった。
仕方無しに、パソコンにそのアドレスを打ち込んだ。

476月27日 PM18:13:02/02/23 17:35 ID:RvT4czi8

石黒の胸は高鳴っていた。
…これから面白くなる…
HPには今まで起きた事や、ついさっき、つんくの元に来たメールの内容も書いてある。
掲示板やチャットもあるが、まだ参加者はいないようだ。
管理人だけの発言だけがそこにはあった。


題名:『モーニング娘。誘拐事件 実況生中継』開催
投稿者:SILVA

私がここの管理人。
これから随時情報を公開していくね。
まずはなっち誘拐だね、犯人はだれだろう。

6月27日 17時49分


石黒は「ケケケ」と笑い声を上げて書き込んだ。


題名:最高!
投稿者:深夜

更新待ってマース!
なんか私、ドキドキしてきちゃいました!

6月27日 18時15分


石黒はもう一度「ケケケ」と笑い、何度も何度も更新ボタンを押した。
インターネット麻雀では、石黒がツモったまま止まっていた。