QUIZ

このエントリーをはてなブックマークに追加
296月27日 PM14:23


「ふぅ〜、やっと終わった〜」
背伸びするタンポポの面々。
「まったく〜、加護が途中でトイレなんか行くからだよ〜」
矢口は叱るようにそう言った。石川がうんうんと頷く。
…リーダーとしてフォローすべきかな…?
「でも、お陰で紗耶香にバイバイできた訳だし。良いじゃん〜」
石川がまたうんうんと頷く。

「すいませーん、ちょっとトイレ行きたいんですけどー」
そう言い、1時半頃、収録を一時中断させた加護。
…ののから返事がこない…
ののはうちの事、嫌いなのかな…
加護は再び辻にメールを出した。
…早く帰らないと怒られちゃうね…
加護は急いで戻った。

316月27日 PM14:23:02/02/22 02:24 ID:T7uHtVS+

「ねぇみんな。なっちが体調悪いって紗耶香が言ってたじゃん?
お見舞いでも行かない?『おねモー』の収録まで時間あるし」
飯田が言った。それはリーダーとして言ったのだろうか。
「えー、いいじゃん、別にー」
…他人の事なんて気にしてられない…
矢口は間髪入れずに断った。
「あ、うちもちょっと用事があるんですよ」
…ののに会いたいな…暇してるやろうし…それに…
加護も断った。
「あ…あ…わ、私も家で用事が…」
…安倍さんと…あんまり話したことないんだよね…それにわざわざ行かなくても…
「わかった…。」
飯田はガクッと肩を落とし、しょんぼりした。
326月27日 PM16:32:02/02/22 02:25 ID:T7uHtVS+

東京都心のマンション。ここが安倍の自宅だ。
さすがは一流アイドルといったおもむきの外観だ。
保田はそれを見上げながら1枚写真を撮った。
「結構良い家よね」
感心していると、後ろの方で「あれ〜」と言う声がした。
「圭ちゃん〜。どうしたの〜?お見舞い?」
そう、飯田だ。
「圭織?」
2人はあまりの偶然に爆笑した。
「…へー。DVD貸していたんだぁ」
「そうよ。だから今、暇な時間に返してもらおうかなって。アハハ」
保田は久しぶりに笑った自分が少しだけ恥ずかしくなった。
「え…あ、か、圭織!何その大きなカバンー!」
話を変えて気を紛らわそうとした保田。
「え…あ、ちょっとね〜」
飯田は照れながら笑っていた。
ピンポーン!
安倍の家のインターホンを押す保田。しかし、返事はない。
「おかしいなぁ。吉澤が『家にいる』って言ってたのに」
保田は何度もインターホンを押した。
飯田はドアノブをガチャガチャしている。
すると、飯田が、
「あ、ごめん、圭ちゃん。鍵開いてた…」
申し訳なさそうに笑う飯田に保田も呆れた。
「それにしても、不用心だね」
保田は怪訝そうな顔をして中に入った。
336月27日 PM16:32:02/02/22 02:26 ID:T7uHtVS+

「なっち〜?私と圭織が来たよ〜?なっち?」
しかし、返事はない。
2人は顔を見合わせた。
「そう言えば、今日、紗耶香がなっちの事、聞きに来たんだよね」
飯田が言った。
…ふぅん。
保田は軽く相づちした。
「まぁいっかぁ〜。DVD探そうよ、圭ちゃん〜」
飯田は安倍の部屋をいじくり回していた。
「圭織…」
さすがの保田も怒る気が失せた。
さっさとDVDを返してもらおう、保田はそう思ったが、
久しぶりに安倍の家に来たせいか、心が少しだけ弾んでいた。
カシャッ!カシャッ!
保田は安倍の部屋をカメラで撮っていた。
「圭ちゃん?」
フレーム越しに飯田が聞いてくる。
カシャッ!
「あ、あぁごめん。さっ、DVD返してもらおう」

346月27日 PM17:02:02/02/22 02:27 ID:T7uHtVS+

飯田も保田も安倍の家から直接日本テレビの収録へやってきた。
こうして見ると、かなり多忙の毎日だ。
もうスタジオ前ではメンバー全員がそろっている。
リーダー、サブリーダーそろって遅刻してはならないと思い、
飯田と保田は走ったせいか息切れをしている。
「飯田さーん、保田さーん、どうでした?安倍さんの部屋?」
さっきまで、家に帰っていた石川が嬉しそうな顔をして保田に聞いてきた。
「…」
保田は無視した。別に石川には関係ないと思ったからだ。
それでも返事を期待している石川を見た保田は、仕方無しにこう言った。
「いなかった…」
すると石川は心配そうに、
「そーですかぁ。安倍さん助かると良いですよね」
石川はとても嬉しそうだった。
「あ、そうだ。あと、これ…」
石川はポケットから2枚のカードを取り出した。
「これ、『おねモー』のテレホンカードなんですって。番組の方がみんなにくれたんです。」
飯田と保田はそれを手にすると、各々こう思った。
…今さらテレホンカード…?
2人はしぶしぶそれをポケットに入れた。

356月27日 PM17:41:02/02/22 02:28 ID:T7uHtVS+

時間がたつに連れてますます騒がしくなる。
その中心で加護と辻が会話をしていた。
「でさ〜、おもしろかったんよ〜!」
「へ〜」
はしゃいでる加護とは裏腹に、辻はうわの空だ。
するとスタッフが加護の名前を大声で呼んだ。どうやら打ち合わせがあるらしい。
「じゃぁね、のの!あとでね〜!」
小刻みに手を振り走ってスタッフの元に走る加護。
…メールの事、怒ってないのかな?
辻は不思議に思った。
普通のメールを無視したことならまだしも、収録中にお忍びで送ったメールだ。
これを無視されて加護が何か言ってこないのはおかしい。
そう思いながらも、辻はメールを見ようとはしなかった。
「ねぇ、辻」
辻が振り返るとそこには後藤がいた。
「あ、後藤さん…」
さすがの辻でも後藤の前では緊張するみたいだ。
「なんかさ、やぐっつぁんって怖くない?」
突然酷い事を言ってきた。
「なんかさー、みんなの事いっつも睨んでるしさ。 特には私なんだけどね。
辻は気付いてないかもしれないけど、辻も睨まれているんだよ」
えっ、と辻は驚いた。今まで気付きもしなかった。
…そう言えば最近、矢口さんの笑った顔見てない…
辻は心配になり矢口を見つめていた。
すると、矢口と目が合い、すさまじい形相で睨んできた。
びくっと体を震わせて目を逸らした辻を見て後藤は笑った。
「ハハハ!でしょ?」