QUIZ

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2126月28日 AM11:25

「つんくさん。うち急用が…」
トイレから出てきた中澤はスタジオに向かおうとつんくに話し掛けた。
「な…なあ裕子!」
つんくが驚いたように中澤を呼び、言った。
「便乗犯の1人は加護やろ?ならもう1人の便乗犯は何しよってん?」
中澤は呆れたように答えた。
「後藤の脱退やろ…」
ああそうか、と納得するつんく。
それを見届けると中澤は家を出た。

自らこれから行われるであろう犯行現場に足を向ける中澤。
加護と吉澤の件の時もそうだった。
犯行を止めることもせず、ただ“現場にいた”という事実だけを作りに。
それにより、事件が起こるにつれ容疑がますます深まっていく。
タクシーに揺られ、そんな中澤はいつも同じ場面を思い出していた。

213回想:1999年 春:02/05/16 04:29 ID:6wqXibls

福田が脱退の手続きを終え、本当の意味での“脱退を”迎えることとなった日。
当時のメンバーは思い思いに喋り、笑い、そして泣いた。
一緒になって福田を虐げてきた石黒も、福田と仲睦まじく抱き合っている。

ずっとうちが言いたかった言葉。あの時しか言えないと思ったんや。
一言だけで良かったんや。『ごめんな』って。
そして、最後に明日香と話せる瞬間がきた時、明日香が言った。
「許さないから」
もう、戻れないと思った。手売りで5万枚売っていたあの頃に…。

2146月28日 AM11:25:02/05/16 04:29 ID:6wqXibls

それから数日後、電話がかかってきたんや。
内容はただ1つ。モーニング娘。のスキャンダルや内部事情をリークすること。
いろんな事を明日香に話した。もちろん仲間を裏切っている事は分かってたけどな…。
それでも明日香は満足しなかった…。
そして、今回の事件…。
最初に話した時、明日香は嬉しそうだった…。
これでこの役目、この背徳感から逃れられる…そう思ったん。
でもな、明日香が言った。
「じゃぁあんたが怪しまれるようにしなさいよ」
この時から、私の新しい役目が始まった…。
うちは自らアリバイをなくしていく。
いずれ警察が介入するかもしれない。そしてうちは疑惑の渦中に存在していくんねな。
なんでこんなことやってんやろ…。
今までは他人のことだったけど、今回は自分の身のことやで?
…こんな疑問、とっくに答え出ている。
でもいつも自分自身に投げかけてしまう。まだ、この心に良心が残っているんやろか?
こうやって現場に向かうたびに思うねん。
ああ、うちは明日香に『ごめんな』って言うチャンス待ってるんやなって…。

そんな思いを乗せ、タクシーはスタジオへと走っていく。


その頃、1人のメンバーの携帯の元に1通のメールが届く。
「件名:くいずです
あなたの すんでいるばしょ どーこだ
あなたの でんわばんごう なーんだ
あなたの いのち どーこだ」