>>26のつづき
その日は休日で僕は家にいた
仕事もなく昼頃までぐーたら過ごしていると
突然携帯が鳴った
「(ん?知らない番号だ)」
僕は恐る恐る電話に出てみた
「もしもしー」女の子の声だ
「あ、はい、あの、どちら様ですか?」
「あー、ひどい、忘れてるー」そう女の子は笑いながら言った
「あっ!後藤さんですか?」
「うん、そうだよー」
「あ、どうも、こんにちは」僕は少し改まってしまった
「あはは、そんなに堅くならなくていいよー」彼女には受けたみたいだ
「ところでさー、今ヒマ」
「あ、えっと・・・、はい、ヒマですけど」
「そっか、よかった、じゃあ今から出てこられる?」
「え?」
「だから今から池袋駅まで来れる?」
「あ、はい、行こうと思えば」僕はあんまり状況を把握できてない
「うん、じゃあ、2時ね。池袋の東口だよ。遅刻しないでよ」
そう彼女はなぜか笑い混じりで言った
「あ、はい、わかりました」
そういって電話は切れた
僕はあまりに急な出来事だったので状況が上手く掴めていない
「(えっと、池袋駅に2時に後藤さんに来いと言われた
それだけだ。ん?後藤さんにプライベートで池袋駅に来いといわれた?
これってデート?)」
「・・・・・・・・・・」
「ええーーーーーーーーーーーーーー!!!」
僕は自室で驚いて大声を上げてしまった
(デート?僕が?あの今をトキメクスーパーアイドルと僕が?)
僕はその事実に少し震えがきた
「(一体どうして?どうして僕なんかが?)」
そういう考えが頭の中を駆け巡った。
しかしここでまた重大なことに気づく
「ところで今何時だろう?・・・・ん?1時50分?
たしか約束は2時で今1時50分ってことは・・・・あと10分?」
僕は頭の中で大体池袋までどれだけかかるかシミューレートしていた
「最低でも30分はかかる、うわーどうしようー」