「2〜クリスマス会の後で〜」
そうこうしてるうちに、テストが終わって冬休みが来てしまった。
とうとう、明日はクリスマスイブ。
この、学園内全体のクリスマスムードも真っ盛りになってきた。
あちこちから、クリスマスの歌が聞こえてきたりもする。
私たち、合唱部もだ。
明日の全校クリスマス会では、「ジングルベル」のアカペラに兆戦する。
すでに部長交代を終えて、今は二年の藤本さんが部長なんだけど。
三年で前部長の真里先輩と、前副部長の紗耶香先輩も、
合唱部での最後の舞台として、頑張って練習していた。
…当然、あのバカ亜弥も。
だけどねー…。
よく考えたら、合唱部での思い出ってあんまりないんだよなぁ。
そんなに練習自体、運動部と違って毎日じゃないし。
大会とか、そういうのもないし。
文化祭もこの学園はないから、このクリスマス会くらいでしか活躍がないの。
…だからこそ、気合入れて、みんな頑張ってるんだけどね。
バカ亜弥はウザイけど。
寮に戻ると、あっちこちで明日の準備が始まっていた。
中等部組は飾りつけ担当、
真希先輩とひとみ先輩、梨華先輩は料理担当。
他の先輩はまだ帰ってなかったけど。
「愛ちゃ〜ん、ボンド持ってきてちょ」
「はいはい」
声のした方に、とてとてと向かう。
「んあ〜…。愛ちゃ〜ん、ちゃっとお鍋見てて〜」
「はいは〜い」
「愛さん、ちょっと手が離せないんで、コレ片付けてもらっていいですか?」
「はいはい」
「愛ちゃん、しんちょー届かないからこれつけてほしいれす」
「はいはい」
もう、上へ下への大騒ぎ。
あっちへ行ったりこっちへ行ったり…。
だから、準備が終わった時はちょっと感動した。
いつもは外に飾りつけてある、『モーニング荘』の看板。
あちこちに折り紙で作った輪っかが飾られて、
赤や緑のライトがたくさん点けられた。
ケーキや明日のための料理もすでに仕込み中。
後は、明日を待つばかりだ。
「愛ちゃん、明日は楽しもうね」
「愛さん、明日は楽しみましょうね」
寝る直前に、あさ美ちゃんとマコちゃんの二人に同じコトを言われて、
そのまま眠りに就いた。
明日は、クリスマスイブ。
楽しみだなぁ〜。
クリスマス会は、予想外の大騒ぎだった。
なんと、今年は広場を使っての大ガーデンパーティー。
すっごいったらありゃしない!
あっちこちに幾多ものテーブルが用意されて、
シャンパンやらケーキやらローストチキンやらが山盛りになっていた。
そこで、生徒会長の梨華先輩が最初の挨拶をしていた。
「あッ…アッ。あの…メ、メリークリスマス!」
テーブルの席順はクラスごとだったので、
私は、合唱部の発表までみんなのところに回るコトにした。
ミカちゃんが「一緒に行こうカ?」と聞いてくれたけど、
ミカちゃんも都合があるだろうので丁重にお断りした。
まずは、大学生組から。
いるかな〜…と思ったら、すぐに見つけた。
すでに宴会場と化している、大学生ゾーン。
ほろ酔い気分の先輩たちに囲まれて大変だったけど、
目的の三人は一緒にいてくれた。
「ほれ、イッキイッキイッキ!!!」
「オラアァァ〜〜!!!」
圭織先輩の掛け声で、シャンパンをラッパ飲みでイッキする圭先輩…。
なんか、絵になりすぎてて恐い。
「アハハ。圭ちゃんは面白いべさ」
ほんのり赤くなった顔で、なつみ先輩も始終ニコニコしていた。
「せんぱ〜い」
「アハハ、愛ちゃんだべ」
「愛ちゃぁ〜ん。どーしたのさぁ?」
「あ、いえ。先輩たちに会いに…」
「えっ!?カオリに会いに!?」
そ、そんなコト言ってないッ…。
「ほらほらぁ、飲んだ飲んだぁ♪」
「オラァァァァ〜〜!!!!!」
・・・・・・。
とりあえず、暴走している先輩たちを置いて、私はダッシュで逃げましたとさ。
次は、華の二年生トリオ。
多分、人だかりができてて会うの困難だろうなぁ。
…案の定、三人とも見つからなかった。
残念。
「あ〜。愛ちゃんや」
「愛ちゃんれす」
「やっほ〜」
あいぼんとののちゃん。
今日も仲良し。
ケーキを目の前にして、二人で大食い選手権をしていた。
ののちゃんが、少し優勢か。
あいぼんは、私の方に顔を向けたのに、
ののちゃんはまだケーキに夢中のままだった。
アハハ…。顔中、クリームだらけだ。
「本当に二人は仲が良いねぇ♪」
「当ったり前やで〜。なあ、のの」
「がってんれす!あいぼん」
うんうん、仲良きことは美しき。
これからも、仲良くしたまえ。
「じゃあ、私次のとこに行くね」
「じゃ、またあとでな〜」
「れす〜」
マコちゃんとあさ美ちゃんは見つからなかったけれど、
ポツン、と一人寂しそうにしている里沙ちゃんを見つけた。
「里沙ちゃん」
「ワッ!?な、なんだ、愛ちゃん…」
「どーしたの?一人で…」
私は、今自分で言ったコトを少し後悔した。
里沙ちゃんが、うつむいて神妙な顔つきになってしまったからだ。
プライドの高い里沙ちゃんだもの、きっと傷ついたよね?
「あ、えっと…」
「別に、何でもないよ。ただ、ケーキが不味くて具合悪くなっただけだもん」
「…ハ、ハァ…」
「だいたいね、こんな甘ったるいケーキ食べれないのよね。
味も貧相だしさぁ。もっと上品で高級なケーキが…(略)」
あーーーーー。
心配して、損した。
次行こ、次。
「あ、いたいた」
今度は、逆に話しかけられた。
真里先輩だ。
「アレッ?もしかして、もうそんな時間ですか?」
「そーだよ。あと愛ちゃんだけだよ!早く準備して!」
しまったぁ…。
もう、合唱部の歌の時間かぁ。
あっちこっち回るのに夢中で、気付かなかったよ…。
見ると、真里先輩は額に汗までかいている。
「ゴ、ゴメンなさい!行きましょう!!」
「へいへい」
私は、合唱部の控え室へと向かった。
ジングルベル、ジングルベル
鈴が鳴る〜♪
「今日の愛さん、張切ってますねぇ」
「一生懸命、練習してたみたいだしね」
「ふん。ぜんっぜん上手くなんかないもん」
「ほら見て、なっち。矢口と紗耶香も頑張ってるよ」
「ほんとだべさ。愛ちゃんも、一生懸命歌ってるべさ」
「宇宙の心みたいだね」
「ほら、のの。食べてばっかいないで、歌聴け」
「歌??」
「んあ…。何か、歌…聞こえない?」
「歌ってるよ〜。合唱部」
「真希ィ、お前今までどこにいたのさ」
今日は楽しいクリスマス♪
「なんかこう〜暖かくなりますね」
「ホント。なかなかやるね、愛ちゃん」
「ぜんっぜん上手くないけどね」
ジングルベル、ジングルベル♪
「圭ちゃんも、合唱部で歌ったよね。昔」
「そうだねー。懐かしいねぇ…」
「宇宙の神秘みたいよね」
ジングルベル、ジングルベル♪
「のの、ほら。見てみィ。みんなええ顔しとるで」
「ケーキがあれば、ののだっていい顔れすよ」
ジングルベル、ジングルベル♪
「眠くなる…」
「おい、真希。こんなトコで寝るな。アホ」
「ひ、ひとみちゃん…真希ちゃん、怒ってるよ…」
今日は楽しいク・リ・ス・マ・ス〜〜〜〜♪
・・・・・・。
精一杯歌った!
頑張った!
歌い終わった後、合唱部みんなしてボロボロ泣いちゃったんだから。
それこそ、あの亜弥すらも。
とにかく、大成功!
いいクリスマスがきっと来ると思うな。
うん、絶対そう!!
メリークリスマス!!!!
「お疲れ〜!」
「みんな、よくやったじゃん!!」
「ホントですぅ。誰かさんも、足引っ張らなかったしィ」
ブリブリな口調で、亜弥が先輩たちに媚びた。
それを制しようと、私は身を乗り出して反論する。
「ちょっと亜弥!?あんただけには言われたく…」
ちょうど、その時。
『あー。クリスマス会の途中で失礼やけど。
高等部1年、高橋愛。至急、学園長室まで来なさい』
えええええ〜〜〜〜!!!?
「な、な、何!?何でぇぇ!?」
騒然としている周りと、嘲笑う亜弥を後に、私は学園長室までダッシュした。
な、何でなの〜!?
私、何かしたっけ〜〜〜!!!!?
「3〜突然〜」
学園長室の前で、私と寺田学園長が向き合っていた。
私の丁度真後ろに、裕子先生もいる。
何?何なの、この緊迫したムード…。
「早速やけどな。高橋」
「は、はい」
「今すぐ帰宅の準備してくれ」
「え!?」
私は、普段「ビックリ顔」とか言われるけど、
それを更にヒドクしたようなビックリ顔で驚いてしまった。
帰宅?
どこに?
「実はな。お前のおばあさまが、病気で倒れたらしいんや」
学園長はさらりと言ったけれど…、私は一瞬頭が真っ白になった。
おばあさまが…倒れた?嘘…?
あの、強情でワガママで、趣味が悪くて、性格も悪いおばあさまが?
殺しても死なないようなおばあさまが?
マジデ、デジマ、マジデジマ???
「高橋ィ、高橋…」
「はっ…!?」
あまりに突然だったから、ビックリして脳みそ吹っ飛んじゃってたみたい。
でも、でも…。
おばあさまが倒れたって、ありえない。
「とにかく、すぐに準備してきなさい」
「私が、麓の駅まで送るから」
学園長先生と、裕子先生に押し出されるように学園長室を出た。
ワケもわからないまま。
ど、どうなってるの!??
数十分後、とりあえず一日分の着替えを持った私は、
裕子先生の青いスポーツカーの隣に座っていた。
どうなってるの?
おばあさまが、倒れたなんて…。
翌日の昼。
私は、おばあさまの病室に居た。
約半年振りくらいに見るおばあさまは、ひどくやせ細っていて、
今は衰弱して眠りについていた。
おばあさまの病名。
それくらい、私でも知ってた。
───ガン───。
しかも、末期の。
発病してから、発見されるまでがかなり遅かったから、
いつ死んでもおかしくない容態らしかった。
……。
何よ。
悲しくなんて、ないよ。
大嫌いだもん、こんなババアなんか。
私に関係ないじゃん…。
……。
だってさ、だってさぁ。
この人、私のコト、いつもバカにしてたじゃん。
「小娘が、小娘が…」って。
それに、小さい時の記憶だと…。
お母さんのコト、「庶民風情のくせに」ってぶってたじゃん。
そうだよ、大ッ嫌いだよ。
こんな人。
人間の、クズとすら思ってたもん。
それなのに、なんで?
悲しくなんかないのに、なんで?
なんで、どーして涙なんか出るんだろ。
大っ嫌いだったじゃない。
憎んでたじゃない。
なのに、どーして?
全然、わかんないよ…。
こうして病院で、一人で泣くのはこれが初めてじゃない。
…お父さんと、お母さんが死んだ時に似てる。
突然死んだ、両親。
私から、今までの毎日を奪ったおばあさま。
でも、その代わりに、とても大好きな毎日をくれた。
いつぞや、幽霊の人に出会った時に言ってたっけ。
本当は、優しい人だって。
……。
そんなの、わかんないよ…。
全然、わかんないよッ!!!
私は一人、おばあさまの疲れ果てた寝顔を見て、
自問自答を繰り返すばっかりだった…。
意識を取り戻したおばあさまだったけど、
咳込んだりすると、すぐに呼吸困難になったりする。
本当に、一緒に見てて危なっかしかった。
一日中付き添ってないと、いつ逝ってしまうか解らないくらいに
ひどい容態になっているそうだった。
なんだか、特別な病室に入れられて、
私も手術だかなんだかで使うような、シーツみたいな服を着せられた。
「…愛…?」
「はい。ここにいます、おばあさま」
しわくちゃな、小さな手。
変なの。おばあさまの手って、こんなに小さかったんだ。
もっと、魔女みたいに大きくて、ゴツゴツした手だと思ってたよ。
その手で、私の手を握り締めた。
極々、小さな、小さな力で…。
「愛…ごめんなさい…ね」
「何が、ですか?」
弱々しいおばあさまの言葉。
初めて、あのおばあさまが謝った。
「あなたの…事…どうしていいか、わからなかった…」
「……」
「だから…。遠ざけて、しまった」
「……いいんです。わかってます」
「そう…。あなたは、良い子だわ…」
おばあさまは、それだけ言うと、また深く目を閉じた。
握り締めた手は、いつまでも離そうとしないまま。
私は、自然と悟っていた。
ああ、人間が死ぬ時って、こういう感じなんだなって。
だから、別にね。
悲しかったけど、驚きはしなかった。
その夜遅く。
おばあさまは、亡くなった───。
「4〜サヨナラの予感〜」
おばあさまが亡くなって、二週間程。
ちょうどお正月真っ只中だったので、親戚一同は、
新年の挨拶ではなく、お葬式のために集まった。
見たこともないような親戚の人がたくさんいたり、
おばあさまと同世代のような人もたくさんいた。
そういえば、政治家の人も来てたみたいだった。
私は特に何もすることはなく、ただボーっとしていた。
いきなり、死ななくたっていいじゃない…。
本音を出すと、きっと誰かに怒られたでしょうね。
けど、これが正直な気持ちだった。
別に、おばあさまを好きになったワケじゃない。
だけど、たった一人の肉親だもの。
もう少し、生きて欲しかったよ。
それが例え、大ッ嫌いだったおばあさまでも。
もう大変過ぎて、私が学園に戻った頃には、
三学期がすでに始まっていた。
「愛ちゃん…」
「愛さん…」
みんなが、私を励ました。
だけど、ちょっとそれは痛かった。
ここに来る前日に、言われた。
親戚の、おばあさまに一番親しかったおじさんかな?
「君が望めば、元にいた場所に戻る事もできる」
ってね。
元にいた場所…。
本当は行きたかった高校とか…。
ずーっと一緒にいた友達とか…。
悩んだ。
すっごく。
そりゃあね、戻れるならすぐに戻りたいって。
だけど…。
今は、この生活があるから…。
「あの〜…愛さん」
はぁ…。
「愛さん」
はぁ〜〜…。
「愛さんってば!!」
「え?」
「またボーっとして…。体に良くないですよ」
「あ、うん…」
あんまりにもボーっとしてたから、呼ばれてるの、わからなかった…。
「ねえ愛さん」
「ん?」
「…もしかして、実家に帰る…んですか?」
「へ!?」
私は、驚いてあさ美ちゃんの顔を見つめた。
な、何でわかるんだろ!?
「ど、どうしてそう思うの?」
「…なんとなく」
ポツリ、とつぶやいたあさ美ちゃんは遠い目をしていた。
だけど、こっちに向き直ると、まっすぐに私を見た。
「愛さん。責めたりなんかしませんよ」
「え?」
それだけ言うと、あさ美ちゃんは部屋から出て行ってしまった。
ちょっと〜。あさ美ちゃぁ〜〜〜ん…。
あさ美ちゃんが出て行ってすぐに、マコちゃんが入ってきた。
血相抱えて、目が血走っている。
「愛ちゃんッッッ」
「な、何?どしたの…」
その言葉が、終わるか終わらないかのうちに、
マコちゃんに問い詰められた。
「出てくの!?」
「え!?」
「出てくって、ホント!?」
「え…あ…」
「嘘でしょ!?」
「……ん……。まだ、悩んでる」
嘘ついても無駄だと悟った私は、正直にそう伝えた。
その言葉を聞くと、マコちゃんは今度は肩を落とした。
「…そっかぁ。ううん。愛ちゃんが決めるコトだよね。
私は、寂しいけど、愛ちゃんのしたいようにしたらいいと思うよ」
マコちゃんはそう言うと、あさ美ちゃんと同じように
何も聞かずに去ってしまった。
「愛ちゃん」
「里沙ちゃん」
珍しい…と思ったけれど、里沙ちゃんも話を聞いたのかな?
「里沙ね、別に愛ちゃんがいなくなっても寂しくともなんともないけど。
やりたいようにやればいいと思うもん。じゃね」
相変わらず、ワケのわかんないコだな。
けなしてるのか、慰めてるのか〜…。
でも、ありがたかった。
他のみんなも、続々と話しを聞きつけて私のところへやってきた。
「愛ちゃん、チャンスを逃したらあかんでぇ!」
うん、わかったよ。あいぼん。
「ののは、食べたい物を食べるのれす」
うん、そうだね。したいようにしろってことだね。ののちゃん。
「いつだって、ポジティブポジティブ!!」
梨華先輩は、いつもそればっかりだなぁ〜。
「別に、今生の別れじゃないだろ?
また来たくなったら、来ればいい話じゃんなぁ」
アハハ。ひとみ先輩、相変わらずサッパリしてますね。
「さびしいけど〜…ごーまいうぇいだよ」
真希先輩、またまたそれはアバウトですね〜。
「キャハハ!!だいじょぶだいじょぶ!」
真里先輩、何が大丈夫なんスかぁ〜…?
「うん。月並みな言葉だけど。
愛ちゃんのやりたいようにすればいいと思うよ」
いつも冷静ですね、紗耶香先輩は。
「なっちももうすぐ、卒業だべさぁ〜。
みんな、仲間だべさ」
なつみ先輩…。ありがとうございます。
「出会いとは、宇宙の───」
カオリサマハ、エライエライエライ…。
「あ〜〜!!そう言えば、アタシももう卒業じゃないの!!
すっかり忘れてた!!」
圭先輩…。飲んでばっかりいるからですよ。
「寂しくなるなぁ。でも、高橋のしたいようにすればええで」
裕子先生。もう出ていくの決定したみたいに言わないでくださ〜い。
「寂しくなるヨー。ワタシたち、友達だヨ?」
ミカちゃん。友達だよね。
「ふん。あんたなんかいなくても、寂しくともなんともないもの」
強がるなってば。ホントは寂しいくせに。
あんたとは、いつか決着つけるよ。亜弥。
その日、私は退学を申し出た。
それからしばらく、またごたごたが続いた。
編入試験を受けに行ったり、
久しぶりの我が家の引越しの準備をしたり。
気がついたら、明日は退寮の日だった。
ここに来てから、約一年。
短い間だったけど、色々あった。
…色々…。
忘れないよ。
忘れない。
いつまでも、いつまでも…。
「バイバイ」
「LAST PEACE」
元気ですか、愛さん。
こっちはみんな元気にやってます。
こないだ、圭先輩の卒業式でした。
なんでも、音楽スクールの講師になるらしいですよ。
圭先輩ったら、ボロボロ泣きまくっちゃって凄かったんです。
その後で、大宴会になって…(笑)
ののちゃんとあいぼんが、間違ってお酒飲んでしまって。
みんな大暴れでした。
愛さんは、どうですか?
一人暮らしは慣れましたか?
いつだって、遊びに来てくださいね。
あ、そうそう。
松浦先輩が、愛さんのコトでいつもグチグチ言って来ます。
だからこないだ、「愛さんが忘れられないんですね」って言いました。
顔真っ赤にしてましたけど(笑)
あ、そうだ。
春休み、麻琴さんと一緒に愛さんの家に遊びにいこうって
言ってたんです。
そしたら、みんなが便乗しちゃって…。
結局、みんなで行くことになりそうです(笑)
それでは、また手紙書きますね。
あさ美ヨリ。
・・・・・・。
忘れないよ、いつまでも。
「THE☆PEACE!!」
───おしまい。───