☆PEACE・7☆〜another side〜
吉澤ひとみ編「赤いハチマキ」
吉澤ひとみは、張切っていた。
何故なら、あと1週間ほどで秋季大運動会が行われるからだ。
バレー部のエースで、運動神経抜群の彼女にしてみれば、
当然とも言えるだろう。
誰よりも熱くなりやすく、一方でどこかクールさを保っている性格。
極めて男性的で、それでいて、天才的な可愛らしさを持つ。
多彩な顔を持つ女───。
他の人の目に映るひとみは、そんな印象が強い。
超美麗な彼女のファンも学園内に多く存在するほどだ。
だが、本人にしてみれば、そんな事はどうでも良かった。
本人曰く、「アタシは別にやりたいコトやるだけだね」との事。
その渋さが、また女子ファンを増やしてる事も本人は知らない。
彼女には、運動会に対して熱い思い入れがあった。
親友の後藤真希は、「めんどくさい」と言ってサボるつもりらしいが。
ひとみにとっては、大変重大なイベントだったのだ。
ひとみの部屋は3人部屋だ。
同じ学年の有名トリオ───石川梨華に、後藤真希、そして吉澤ひとみ。
3人はとても仲が良い事で、学園内でも有名だ。
そして、それぞれ、「石川派」「後藤派」「吉澤派」との派閥を持つ。
これは本人の意志とは全く異なる事ではあるが。
その3人部屋の一角、ひとみの空間がある。
中学の頃から、この寮に住んでいるひとみ。
特に何かを飾ったりするのを嫌う彼女の、シンプルで静かな空間。
まあ、そのすぐ横にはピンクの「梨華空間」が広がっているワケだが…。
それはともかく。
その中でも、特に小さな空間。
バレーでのチーム優勝のトロフィーなどが飾られているサイドテーブル。
その小さなサイドテーブルの上に、赤いハチマキが畳まれて置かれていた。
少し色あせた、赤いハチマキ。
いつも、この時期になると思い出す───。
「絢香先輩…」
木村絢香は、バレー部のキャプテンだった。
美人で、秀才で、全日本のプロバレーボールチームから、
誘いがかかっているほどの凄腕の選手だったのだ。
ついでに、性格もとても良かった。
今でこそ、吉澤派や石川派という派閥ができているが、
当時は誰もが絢香を崇拝していたほどだ。
ひとみも、そんな絢香に憧れる内の1人だった。
小学校から始めたバレー。
元々、運動神経は抜群だったし、何より身長が高かった。
中等部2年で転校して来てからも、レギュラーの座を獲得するのは容易かった。
そして出会ったのが、高等部3年の木村絢香だった。
通常、中等部と高等部の練習は、別々に行われている。
中等部がグラウンドで、高等部が専用の体育館だった。
時々、高等部の練習がない時だけ、中等部が体育館を使用するのを許された。
だから、同じバレー部でも、ひとみは絢香の存在など知る由もなかったのだ。
もともと、他人にあまり興味のないひとみの事だ。
本人を見ずして、友人から絢香の話をされても、特に何も感じなかっただろう。
だが、あの日。
高等部の練習見学で、ひとみは衝撃を覚えた。
チームプレイのバレーボールを、1人でプレイしているような存在感。
ひとみには、もはや絢香以外の人間など見えていなかった。
(カッケー!!なんであんな上手いプレイできんだろ!?)
(あの人、なんて言うのかな!?)
(すっげー。アタシもあんな風になってみてぇ〜!!)
見学終了直後、ひとみはすぐ様、同じチームメイトたちに問いただした。
「ねえ!!あのすっげーカッコいい人、誰!?」
ひとみの興奮気味の様子に、同じチームの少女たちは呆れ顔を返した。
「ひとみ、知らないのォ!?木村先輩だよ!!」
「木村先輩?知らねー。アタシ、先輩とか興味ないから」
ひとみのその一言で、少女たちは火を吹いたように騒ぎ始めた。
「木村先輩ねぇ、プロのチームから誘いがかかってるんだってぇ!」
「しかも、超優秀!成績はいつもクラストップでぇ〜」
「その上、マジ性格いいんだってばぁ〜」
「顔も綺麗だしぃ」
「もう、欠点とかないってカンジじゃん!?」
「へぇ…そんなにすげーんだ…」
「凄いとか、そんなんじゃないよねー!?」
「ね!!ね!!」
キャーキャーと騒ぐ少女たちを完全に無視して、ひとみは拳を握り締めていた。
「目指すは、絢香先輩ッッッ!!!」
ひとみは、絢香を目標にし始めてから、今までの倍以上の上達を見せた。
元々、余りヤル気のなかったひとみだったが、練習後も自主トレをするなど、
相当過酷な練習を重ね続けた結果だ。
2年の夏の大会では、3年生に混じって1人だけ2年で出場した。
その大会で、チームとしてはイマイチだったが、
彼女の動きは目覚ましく、大会のMVPにまで抜擢されたほどだった。
だが、彼女の目標がそれで達成されたワケでもなく、
その後も「目指すは絢香先輩」をモットーに、練習を続けた。
そんなひとみだったが、今まで一度も絢香と話した事はなかった。
そもそも、中等部の生徒と、高等部の生徒が話す事はあまりない。
絢香自身も、ひとみの存在を知ってはいたが、話しかけるまでは至らなかったのだ。
ところが、運命の日はやって来た。
「いってぇ…」
ひとみの額から、汗が滴り落ちる。
校舎の壁に手を付き、立ち上がれないまま、うずくまってしまった。
その足には、擦り傷だろうか。
派手に転んだ後のようなその擦り傷からは、赤い血がドクドクと流れ出していた。
ひとみは、運動会のクラスリレーの選手だった。
それも、アンカーだ。
ひとみの直前まで、クラスはトップで独走し続けた。
ひとみにバトンを渡す後藤真希が、トップで走ってきて…。
バトンを受け取ってすぐに猛ダッシュをかけた。
アンカーの走る距離は、今までの走者と違って200m。
スピードと共に、スタミナも要求される。
だが、ひとみにとっては何も問題なかった。
(これで、イケるッ!!)
ところが───。
「ああっぁっと!!首位を走る、吉澤選手が転倒したぁぁ!!」
(いってぇ…)
ひとみは、一瞬自分の身に何が起きたのか解らず、
すぐに立ちあがる事ができなかった。
足の擦り傷も、随分派手に転んでしまったので、すぐに血が流れ出してきた。
それでも、ひとみは諦める事はできない。
それが、リレーという事を知っていた。
転んでしまった間に、何人かに抜かれている。
(まだ抜かせない距離じゃない!!)
(あと、100m!!!)
立ち上がったひとみは、恐ろしいスピードで走り出した。
まさに、風。
風のようなスピードだった。
抜かされた1人を、2人を次々に追い抜いた。
歓声が湧き上がり、もう何が何だか解らないような状況。
ゴール前5mで、ついにひとみは首位に巻き返し───
「ゴォォォォォル!!!!!!」
「……っしゃぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」
湧き上がる歓声と共に、クラスメートたちがひとみを取り囲んだ。
もう、あれやこれやでもみくちゃにされて、何が何だか解らない。
けれど、ひとみは雄たけびを上げ続けていた。
ところが、カッコつけたのもつかの間。
その無理のしすぎで、足が限界に達していた。
プログラムはもう、あと少しでおしまいだし、もう自分の出番はない。
とりあえず、みんなにバレないように(カッコ悪いので)保健室に向かおうとしたが…。
結局、足が動かなくなってしまったのだ。
人気のない、校舎の裏で、壁に背を向けて座りこんだ。
(いててて…。あー、こんなトコ見られたら、カッコ悪いよなぁ)
血まみれになった自分の足を見て、ひとみは苦笑した。
(クッソー。梨華みたいに、ハンカチ持ち歩いてれば良かった)
ふと、額に手をやると、ハチマキをしている自分に気付いた。
(あー…このハチマキが、白じゃなくて赤だったらなぁ。
血が滲んでも大丈夫なのになー…くそぉー…)
別にもう運動会は終わるのだから、気にする必要はないのだが…。
それすらもひとみはカッコ悪い気がした。
ふぅ〜…と長い息を吐いて、ひとみは瞳を閉じた。
そのひとみの傍で、人の気配がした。
「大丈夫?」
どうせ、梨華か真希だろうと、目を閉じたままでいたが、
話かけられた声が違ったので、ひとみはビックリして目を開けた。
(聞いた事ない声だ…)
目を開くと───。
そこには信じられない人物が立っていた。
「き、木村…先輩!?」
「あれ、覚えててくれてるんだ?吉澤さんだよね」
「え、あ、あ、ハイ!!」
(うっわー…絢香先輩に話かけられちゃったよ!!?)
(すっげーじゃん、アタシ!!)
「リレー凄かったね。さすが、バレー部のエースだけあるわ」
「あ、ありがとうございます!!」
憧れの先輩に、話かけられたり、褒められたりして、
ひとみは我を忘れてただボケーっとしていた。
自分でもおかしいと思ったほどだ。
「あっ、ここケガしてる!!凄い血じゃない!!」
「え?」
「ちょっと待ってて」
「あ、いいッスよ。汚く…」
「ハイ、これでいいわ」
絢香は、自分の赤いハチマキを額から外すと、
ひとみのケガの部分に巻きつけた。
「私の汗が滲んでるから、汚いかも知れないけど…。
赤いハチマキだから、血が滲んでも大丈夫だから」
「え!?いいんスよ、こんなの!!全然大丈夫ですから!!!」
「いいの。私がしたくてしたんだから。
あ、それじゃあ、私…高等部のリレーだから、もう行くね。
今度はゆっくり話しましょうね!!」
「あ……」
背を向けて走り去る絢香に向かって、ひとみは何も言えないでいた。
そして、完全に絢香が去った後に、「くっそぉぉぉ!!」と叫んでいたのだった。
その胸の中には、後悔とか多分そんな感じのものがあったんじゃないかと思う。
それから、2人の仲は急激的に近づいていった。
…と言っても、別に妖しい関係になったワケではないが。
どちらともなく、相手の姿を見つけると、近寄って積極的に話すようになった。
バレーの話、普段の生活など。
その人柄に、ひとみはとても惹かれていた。
ヘンな意味ではなく、人間的にすごく尊敬できる人だった。
ひとみは、実は寮の先輩の誰かよりも、この尊敬できる先輩が好きだった。
時には、彼女に憧れる女性徒たちに妬まれたりしたが、
特に気にするコトなく、ひとみはひとみで絢香との人間関係を楽しんでいた。
「ひとみちゃん」
昼休みの中庭。
もうすぐ本格的な冬になるが、午後の日差しはまだ暖かい。
そこで、真希と一緒に昼食をとっている時の事だ。
ベンチに座って、2人でボケーっとしていたら、突然声をかけられた。
「あ。絢香先輩ッ」
声の方を向いたひとみは、すぐ様その先輩の姿を見つけて走り寄った。
長い髪、丹精な顔立ち、ひとみより少し背の低い───。
一緒にいた真希は、どーでもよさそうにまだボケーっとしていたが。
「先輩、珍しいッスね」
「そう?さっき、クラスのコに聞いたら、ココにいるって言われたから」
「え?なんか用事ですか?」
「ええ。実は私、高等部卒業後に、プロのチームに入るのが決まったの」
「えええええ!!!!!???マ、マ、マジッスか!?」
「ええ。マジよ」
「うわぁ…すっげー…かっけー…」
自分の事ではないのに、まるで自分の事のように嬉しく感じた。
それも、憧れの絢香の事だ。
これが、喜ばれずにはいられなかった。
「今日、正式にお話してね。お願いしますって事になったのよ」
「うわぁ…あ、おめでとうございます!」
「ありがとう」
ひとみはビビった。
何にビビったかというと、絢香の存在自体に。
ひとみに礼を言った絢香の、完璧までの笑顔。
まるで、弱点のない人───。
何度も見なれた先輩だったのに、今日初めて見るような気分になった。
(この人なら、きっとプロでも成功する)
「あの、先輩!!頑張って下さい」
「ええ。頑張るわ。ま、まだあと少しはこの学園にいるしね」
「ハイ!それまで、お願いします!!」
(すっげーよ…マジかっけー…)
去る絢香の背中を見つめて、ひとみは呆然としていた。
目指すべきその存在は、ひとみが猛スピードで近づいても届かない。
それが、天性の才能───。
(凡人と、天才の差ってヤツだね)
ひとみ自身のそれも、凡人にはほど遠かったが、絢香のそれはケタ違いという事だ。
「何…デレデレしてんの」
「は!?」
振り向くと、さっきまでは1人しかベンチに1人追加されていた。
「梨華…」
「何よ。ひとみちゃんったら、絢香先輩にばっかり…」
少々、他の人が聞いたら誤解されるような内容なのだが…。
絢香にばかり注がれる羨望の眼差しが、梨華には面白くなかったのだ。
…梨華にその気があるとかないとかはともかく…。
初冬の日差しは、彼女たちを優しく包んでいた。
それから3月になり、絢香は卒業した。
高等部を卒業した者のほとんどが、外部の大学等に進学する。
そんな中で、絢香は早々とプロへの道を決めたのだ。
本来なら、卒業してもしばらくは寮の引越しなどをするのだが、
絢香の場合は少し事情が違った。
他の卒業生と違い、卒業式の翌日にはここを去らなければならなかったのだ。
絢香が学園を去る日のこと。
ひとみは練習をサボって、絢香の見送りに行くつもりだった。
何故なら、どうしても返さなければならない物がある。
───赤い、ハチマキだ。
彼女から借りた大切なハチマキだったが、絢香が学園を去る以上は
自分が持っていてはいけない気がした。
(こんなことなら、さっさと返してれば良かった)
ひとみは、いざとなって自分の判断力のなさを痛感した。
ハチマキを持っている事が、自分と絢香を繋ぎ止めている気がして。
それを返すのも辛かったが、返さないワケにもいかないと思っていた。
木村絢香が学園を去る事実は、学園内にかなりのショックを与えた。
ファンの少女たちは泣き出し、絢香についていくと言い出す者もいた程だ。
ひとみは、そんな彼女たちを横目で見て、
(ついてけるもんならついてけよ)…と心の中で悪態をついていたのだが。
すでに、人だかりに囲まれた絢香に近づくのは至難の技だった。
人だかりの中に、同じ中等部バレー部の者たちがいる。
(なんだよ。みんなサボりか。ま、アタシもだけど)
(あーあ…。絢香先輩、あんなに遠いよ…ったく)
「ハイ、ちょっとゴメン」
少女たちの間を強引にすり抜け、ひとみはなんとかして絢香に近づこうとした。
まだ遠い。
花束をたくさん抱えて、微笑んでいる彼女には。
(邪魔だよ、ったく!!)
世界の人口が3分の1になればいい、と本気で考えたのは初めてかもしれない。
それくらい、今の自分にとってこの少女たちの群れが邪魔だった。
ある意味、障害とも言えようか。
足を踏まれ、肩はぶつかり合い、手に握ったハチマキが揺れる。
(あと、少し…)
だが、ひとみが、最前列に出ようとした瞬間に、絢香が踵を返した。
そのまま、振り返る事なく歩んで行ってしまおうとする。
(こ、ここまで来たのに…)
(ちくしょう…)
(一言だけ、一言だけ…)
その瞬間、ひとみは叫んでいた。
「絢香先輩ッッッ!!!!!!」
───静寂。
声を枯らして叫んだ自分。
そして、振り返った憧れの少女。
周りの少女たちの声援が、キャーキャーうるさいハズなのに。
ひとみと絢香しか存在しない空間のように感じられた。
「ひとみ…ちゃん?」
「あはは…やっと、気付いてもらえた…」
「来てくれたんだ…。ゴメンね、気付かなくて」
「あ、はい」
(かぁ!!何やってんだよ、アタシ!!)
(渡すんだろ!?ハチマキ!!)
本当は、言いたいことがたくさんあるのに。
伝えたい言葉がたくさんあるのに。
どうしても、その言葉を紡ぐことができなかった。
「…?どうしたの、ひとみちゃん」
「あ、その…」
(早く!!ハチマキ…!!!)
「あの、実は…」
「ふふ、変なの。それじゃあ、私…」
ハチマキを握るその手が、強まった。
ひとみは、ついに決心を意して叫んだ。
「絢香先輩、コレッ!!」
差し出された、赤いハチマキ。
自分と、彼女の思い出の。
少なくとも、アタシにとって。
「あっ!それ、ハチマキ!」
「先輩に、借りた…」
「うんうん、覚えてるぅ!」
「返さないと…」
必死になって言葉を噤むが、口がカラカラになって、
ノドはガラガラになって、上手く喋れなかった。
それでも絢香は、そのハチマキを受け取って優しく微笑んだ。
「ありがとう」
「…いえ。あの、卒業おめでとうございます。
さようなら…」
そのまま、踵を返して走り去ろうとしたひとみを、絢香の手が止めた。
ひとみの腕に、細い指が絡む。
「待って」
「え?」
何が起きたか知らなかったが、気付いたら絢香の顔が目の前にあった。
そして、自分の額に赤いハチマキが巻かれていた。
「コレはー…あげるッ♪」
「ハ?」
「コレ、ひとみちゃんと私の思い出だから」
「え??」
「来年の運動会は、コレつけて出場してね」
「あ?」
「それじゃあ、また会いましょう。じゃあね」
「え、あ、あの…」
「see you again!」
「あ、ハイ。しーゆーあげいん」
(何がしーゆーあげいんだよ)と、冷静に突っ込む自分がいたが、
絢香が去ってからも何が起きたか解らずにいた。
残ったのは、ひとみの額に巻かれた赤いハチマキだけだった…。
その赤いハチマキを、『今の』ひとみが握り締めている。
絢香の活躍は、瞬く間に世界に広まった。
あの人は今も、世界のどこかでプレイしているのだろうか。
全く連絡は取っていないが、それでもまた会える気がある。
この、ハチマキがある限り───。
「あ、今年もそのハチマキつけるんだ。赤組だもんね、今年」
「まあね」
「え?そのハチマキ、何か意味あるんですか??」
「ひとみちゃんの憧れの先輩のハチマキなんだよ、愛ちゃん」
「へぇ〜…ひとみ先輩が憧れる程の人かぁ」
「…ひとみちゃんの初恋の人の人だもんねー…」
「ハァ?まだ言ってんの?お前。うぜー」
「だって…」
「アハハ。梨華の初恋はひとみだもんね」
「ま、真希ちゃん!!変のコト言わないでよっ!!」
「はいはい…」
「そーいえば、愛ちゃん白組だねー」
「そーなんですよぉ。みんな赤でつまらないー…」
「ま、アタシがいる限り白の優勝はないけど」
「何ですかそれー!」
絢香先輩、元気ッスか。
アタシは今年も大暴れしますよ。
だって、先輩のハチマキがあるからね。
あ、アタシもプロから誘いが来るようになったみたいだし。
そろそろ追い抜いてやるんだから、待ってろよ!
アハハハハ…。
───吉澤ひとみ、いきます!!