モーニング娘。の小説書きます。

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424ごっつぁむ ◆USDAplHQ

「結局、井戸の話はデマだったワケね」
「そういうコトね」
「残念です」
資料室から出てきた私たち3人は、ガッカリ顔で来た道を戻った。
資料室で資料を探し、図書館でも探したけれど、手がかりは一つとして
見つからず、なおかつ、用務員さんに「井戸なんてねぇべ」と言われてしまった。
「どうしよっか、これから」
「どうしましょうかね…」
「暑い中、出てきた甲斐がありましたね…」
「……」
あさ美ちゃんの、嫌味たっぷりな一言で、
私とマコちゃんは顔を見合わせるしかなかった。
どうしようもないじゃないの〜。もうっ!

寮に戻って来た私たちは、そのまましばらくだらんとしていた。
夕方になっても、まだ暑い。
「ねぇ、愛ちゃん〜」
「なぁに〜?」
ベッドに寝転がり、私と同じようにだらだらしていたマコちゃんが
急に起きあがって声をかけてきた。
「あのさ〜ね。あの井戸の噂」
「まだ言ってるの?」
私が、暑さのせいで少し苛立って…というか冷たく返すと、
マコちゃんは「もういいや」と言ってタオルケットを被って眠りに入ってしまった。
あ〜…。
夏休みが過ぎて行く実感を感じながら、私もうとうとし始めるのだった…。
425ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/09/20 02:56 ID:rHehdKSq

それから、1週間。
お盆に入り、本格的に帰省ラッシュが訪れた。
この寮に残っているのは、私とあさ美ちゃんとマコちゃんだけ。
部活も何もない、私は毎日部屋でゴロゴロするだけで
暇を持て余してばかりいた。
…さすがに、この炎天下の中、外に出る気にはなれなくって…。
マコちゃんは水泳部の練習が本格的に忙しくって、夕方まで練習。
一方、あさ美ちゃんは、昼間は図書館に行って本を読んでいるという
極めて知的な毎日を過ごしているらしい。
昼間はほとんど2人に会わないから、1人でテレビを見たり、
宿題を進めたり、歌を口ずさんだりしていた。
そんな、8月14日の夕方。
「ただいまー」
「帰りました」
玄関から、2人の声が聞こえる。
私はというと、あんまりにも暇だったので夕食の準備を1人でするために、
キッチンの奥にいる。
426ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/09/20 02:56 ID:rHehdKSq

今日のメニューは、簡単にカレー。
「おっ、夕食の準備バッチリじゃん☆」
「カレーですか。私、激カラでお願いしますね」
「おかえりなさ〜い。2人一緒だったの??」
「ん」
ふと見ると、マコちゃんが付け合わせのサラダに乗っている、プチトマトを口に放りこんでいる。
それを見た私は、「シッシ」と手で追い払うようにしてみせた。
「途中であったんです」
マコちゃんの代わりに、手を洗いながらあさ美ちゃんが答えた。
どうやら、部活帰りに図書館帰りらしい。
「それじゃ、ご飯作るからもう少し待っててね」
「はーい」
「私、激カラでお願いしますね」
「はいはい」
そこには、いつもの夕方の風景があった。