モーニング娘。の小説書きます。

このエントリーをはてなブックマークに追加
1ごっつぁむ
進行はsage。
荒らし、煽り厳禁。
作者への意見等は受け付けます。
2ななし:02/02/18 01:38 ID:su0HXk3c
2
3ごっつぁむ:02/02/18 01:38 ID:QnXY5qIg
前作品「娘。サスペンス劇場〜雪の女豹〜」
http://tv.2ch.net/test/read.cgi/ainotane/1010818051/l50
4名無詩:02/02/18 02:09 ID:OkpX+y0V
今日から書いてくれるのかい?
5名無し募集中。。。:02/02/18 02:18 ID:MkDfWbmM
がんがってや
6アルマーニ濱口 ◆2ggkL5EU :02/02/18 03:28 ID:NhKxuUx3
ごっつあむ、新スレおめ!!

新作お披露目はいつごろかな?

あ〜あ小橋負けちゃった、、、
7アルマーニ濱口 ◆2ggkL5EU :02/02/18 03:29 ID:NhKxuUx3
( ゚д゚)マズー、、、アゲチャッタ、、、
8名無し娘。:02/02/18 03:29 ID:SsUnLlM6
>>6
えぇ試合やったで
9インターネットゾーン:02/02/18 04:49 ID:Eyw+/75P
カテキョみたいな、知的障害者を出す小説書かないでね!
10名無し募集中。。。:02/02/18 05:12 ID:ccQD7FbX
ハッピーエンドキボンヌ
11名無し募集中。。。:02/02/18 10:52 ID:NMWO+RF3
新スレ立て、おめ。
まったりがんがれ。
オレはオリンピック板逝ってくる(・∀・)ライーヨー!!
12名無し募集中。。。:02/02/18 11:04 ID:XOfD5Xo3
新スレ(・∀・)オメ!がんがってよ!
13ごっつぁむ@更新中:02/02/18 18:02 ID:QnXY5qIg
この小説では、都合により年齢が実際と違うメンバーがいます。
あくまで、フィクションの設定ですのでご了承下さい。。。
14ごっつぁむ:02/02/18 18:02 ID:QnXY5qIg


【THE☆PEACE!】

15ごっつぁむ@更新中:02/02/18 18:03 ID:QnXY5qIg


今ではない時に、ここではない場所で、
全く違う環境にて、もし彼女たちが出逢っていたなら…。
これは、そんな「もしも」のお話…。

16ごっつぁむ@更新中:02/02/18 18:03 ID:QnXY5qIg
☆PEACE・0☆「愛を下さい…ホント、マジでっ!」

私って、絶対ついてない方だと思う。
ううん、ついてないなんてもんじゃない。これは不幸!
そう、不幸なの!!!
でも負けない…。頑張れっ、愛っ!負けるなファイト!

私、高橋愛は今まさに人生の路頭に立たされているかのような状況にあった。
何故かと言うと…。
先月、2人でドライブに出かけていた父と母は突然の事故死。
1人残された私は、厳格で強情で欲張りでいじわるな『おばあさま』に預けられることになりました。
その『おばあさま』ったら、性格悪いのなんのって!!
毛むくじゃらの蛇みたいな真っ白な髪。
趣味の悪い紫色のビラビラしたドレスを身にまとって。
嫌味としか思えないほど、宝石をジャラジャラさせて。
その上、すっごいキツい香水をガンガンつけて。
皺くちゃなきったない顔でギロギロ私をにらみつけるの。
それでいて、「愛さん、あなたのような小娘がこの屋敷でなんたらかんたら…」って。
私、『おばあさま』から逃げたくって、何度も何度もこのバカでかいお屋敷を脱走しようとした。
だけど…。
他に身寄りもない、行くところもない、お金もない私は籠の中の小さな鳥…しくしく…。
ああ、パパ?ママ?どうして愛を残して死んでしまったのですか?
こんな『おばあさま』と2人暮らしするくらいなら、いっそホームレスになった方がまだマシ。
ああ、パパ…ママ…。
結局、このお化け屋敷に『おばあさま』と2人暮らしをすることになったのです。
17ごっつぁむ@更新中:02/02/18 18:07 ID:QnXY5qIg
そんなある日のこと。
私は、『おばあさま』に呼び出されて居間の畳の上に正座させられていました。
『おばあさま』は不気味な、鋭い目で私を睨み付けながら
「そろそろ高校に行く頃ですわね」
と、皮肉たっぷり。私と話すのも嫌そうに冷たく言い放つんだから!!
私も、春からは高校生…になるハズだったのに。
両親が死んで、遠く離れたこのお化け屋敷に来たものだから
受験も出来ず、高校に行くことを諦めた頃だった。
だけど、そんな『おばあさま』からまさか、高校の話が出るとは!!
私は、そりゃもう無我夢中で『おばあさま』の話を、身を乗り出して聞きました。
「愛さん、あなたには高橋家の次期家主としてそれ相応の名門校に進学していただきます」
…ええっ!?マジで〜〜〜???
嫌だなぁ…。私、こう見えても堅っ苦しいのって大ッッッ嫌いなのに。
「これ、お読みなさい」
そうやって、『おばあさま』がドレスの裾からそっと取り出した一枚の紙。
私はそれを、ぺらっと受け取ると…。
「じょ、女子学園!?」
「…そうです、何か不満でも?」
そこに書かれた文字を見て、私はもうはっきりいって絶望しちゃった。
『私立・聖ハロー女学園高等部』
えええ〜〜〜!!!
ヤダよ、ヤダよ、ヤダよ〜!!!
女子校!?絶対嫌ッッッ!!!だってだってだって…。
こんな堅っ苦しい女子校なんて入ったら、華のハイスクールライフが送れないじゃない!!
私は、その紙を思いっきりくしゃっと潰してやろうかと思ったんだけど、ハッキリ言ってそれどころじゃなくなった。
そのパンフレットには、小さな文字で『全寮制』…。
イヤ〜〜!!!絶対、ぜ〜〜〜ったいイヤッ!!!!!
私は心の中で雄たけびを上げて、『おばあさま』に向かって頬をヒクヒクさせて愛想笑いを向けてみた。
「お、おばあさま??…全寮制って…」
「その学園はねぇ、私もかつて通った学園よ。
 そこなら今からでも私のコネが効くからあなたは心配せずに荷物の支度をなさいね」
ちょ、ちょっと!!勝手に話進めるな!!このクソババア…と叫びたいのを胸に抑えて。
「あ…あの、おばあさま?私、まだ行くとは…」
私が頬をヒクヒクさせて反論すると、このクソババアったら!!
憎っっったらしい顔して「ならば、出ていきなさい」と。
「ああ!!出てってやるわよっ!!!!」…とは言えず。
私は泣く泣く全寮制のこのセンスのかけらもない名前の学園に通うことになってしまったのです。
だって…私ったら、ホントに何処にも行き場がないんだもん…くすん。
それに、高校生になれるチャンスだし、寮でも友達ができれば『おばあさま』との2人暮らしより楽しいだろうし…。
ううっ、頑張れっ、愛っ!負けるなファイト…しくしく…。
18名無詩:02/02/18 23:47 ID:yeblkAJi
いいね。
19名無し募集中。。。 :02/02/19 00:10 ID:z5kKvNrG
おっ、はじまりましたね。
こっちもしっかりよむぞ!
それにしても>>3。前作ってそういうタイトルだったんだ。
ずっとかまいたちの・・だと思ってたよ。
20 ◆KOSINeo. :02/02/19 00:21 ID:9xiw5wUZ
また小説総合スレッドで紹介&更新情報掲載しても良いですか?
http://tv.2ch.net/test/read.cgi/ainotane/1013040825/
21ごっつぁむ@作者:02/02/19 00:41 ID:86uQgNVs
>>18
まだまだこれから。
今回は全体的に話が暗くならないように頑張ります

>>19
そうなんです。最初は適当に「かまいたち〜」とか決めてしまって(w
後でつけました。今思うと、正式タイトルの方が適当に決めたんですけど(w

>>20
よろしくお願いします。お世話になってます。
22 :02/02/19 00:45 ID:hoyY6v30
>>21
作者さん
新作始まりましたね。
期待期待。

( ^▽^)<がんばってください♪
23ごっつぁむ@作者:02/02/19 00:46 ID:86uQgNVs
更新しようと思ったら…
>>22さんっ!!IDに「hoy」がっ!(w
だから( ^▽^)なんですか?とか思ってビビりました。
24ごっつぁむ@更新中:02/02/19 00:47 ID:86uQgNVs
☆PEACE・1☆「愛と平和の日々…なんて送れるハズないじゃない!!」

「…来ない…」
かれこれ2時間程待っても、バスは来なかった。
寒いよぅ〜〜早く、来てよぉ〜〜!!!
なんでこんな田舎…。もうイヤ。でも『おばあさま』との2人暮らしはもっとイヤ…。
この『聖ハロー女学園』ったら、とんでもない田舎にあるもんだから。
バスは1時間に1本?とかそんなもんらしいのよね。
私は、『おばあさま』に家を放り出され(実際そうでしょ?)1人しみじみここまでやって来たのです。
大きな荷物を抱えて、もう春なのにこの、まだ寒い中をたった1人で…。
『聖ハロー女学園行き』のバス停のベンチで待つこと2時間。
ホンットにバスが来ないんだから。
その上、田舎なモンだからケータイは圏外!!
暇つぶしになるものと言えば…唄って待つことくらいだった。
もうすでに何曲唄っただろう。
流行りのアイドルの曲を口ずさみながらバスの到着を待ちつづける私。
ああっ…パパ、ママ、やっぱり愛は不幸です…しくしく…。
25ごっつぁむ@更新中:02/02/19 00:47 ID:86uQgNVs
…と、2時間も待っても〜うちょっと待った頃。
「あの…ねえ、…あなた」
「!?」
私ったら、あまりにも突然のことだったからビクッと肩震わせて振り向いちゃったのよ。
そしたら、そこには私と同じくらいかちょっと下くらいの女の子。
真っ黒な髪に、大きなまん丸の瞳、ちょっとしまりのない口…(失礼)
そんな女の子が私の座ってるベンチの真後ろに立っていた。
「ビ、ビックリしたぁ〜。どこから出て来たの?」
私ったら、ホントにあんまりにもビックリしたから口をぽか〜んと開けてバカみたいだったの。
だけど、その女の子のオドオドした態度見てたら、なんか安心しちゃって。
だけどそのコ、私の質問にもオドオドして答えてくれなくて。
「ねえ、あなたどうしてこんなトコにいるの?」
「あ、あの…その〜…」
「??????」
「あの、私…あのっ、その…」
・・・・・・。
もう〜!こういうコ、イライラする。
私も普段は結構大人しい方だけど、こういう自分の意見も言えないようなコって…ねぇ。
「ねえ。言いたいこと、あるんならハッキリ言ってくれない?」
私がちょっと強く言うと、女の子は「ご、ごめんなさい!!」と言ってペコリとお辞儀をした。
なんなの、このコ…。
「あの、私っ、聖ハロー女学園に、通うことに…なった、んですっ!!!」
女の子は泣きそうになって顔を真っ赤にしながら、途切れ途切れに精一杯になっていた。
私はそれ聞いて、案外あっさり「あら、そうなの」って答えてしまった。
でも、彼女はそんなこと全然気にしない様子で張り切って答えた。
「あ、ハイッ!!私、あさ美です!紺野あさ美!今日は、き…緊張してっ、こんなになってますけどっ、
 普段はっ、こ…こんなんじゃないん、ですっ!!!」
「ふ〜ん…。私、高橋愛だよ。愛でいいよ。よろしくね」
私は彼女があんまりにも必死なんで、ニコッと笑って握手を求めた。
なんか、ちょっと見てて面白いけど、可愛いコだなぁ〜…と思ってました。
26ごっつぁむ@更新中:02/02/19 00:50 ID:86uQgNVs
「へぇ〜。じゃあ、あさ美ちゃんは今年中3なんだね」
「ハイッ。愛さんは高校生なんですねっ」
…あさ美ちゃんと2人、ベンチに仲良く並んで座ってバスを待つ。
さっきみたいに独りじゃないから気はだいぶ楽になったけど相変わらずバスは来ないの…。
「あの、愛さんって…歌、上手ですね!」
「え?」
「あ、あの…実はさっき、邪魔しちゃいけないと思って隠れてたんです…。
 とっても、上手だったから…」
私はその言葉を聞いて、なんだかちょっと驚いたような嬉しかったような複雑な気分になった。
それは、決して悪い意味での複雑じゃないんだけどね。
「ああ。私ねー、中学の時・・・合唱部だったんだぁ」
「そ、そうなんですか〜。はぁ〜。どうりで上手いハズですね」
「ありがと」
実は高校でも合唱部は続けようと思ってたんだよね。
それで、将来は歌手になりたいと思ってた…んだけど。やっぱり無理なのかな。今のままじゃ…。
「で、あさ美ちゃんは何部だったの?」
「えっ!!!?」
私の問いかけに、あさ美ちゃんはもの凄く焦ったような顔をして、顔を赤らめながら小さな声で
「…陸上部と、空手を…」と呟いた。
その答えに今度は私がビックリしちゃって。
「ええ〜っ!?そんなスポーツ少女には見えない!!」
なんて、ちょっと失礼なこと言っちゃったり…。失敗失敗。
「あ、よく言われるんです…」
って、あさ美ちゃんはちょっと苦笑いしながら答えたけど、どうやらあんまり触れられたくないみたいで…。
「ね、どうしてこんなとこまで来る気になったの?中3だったら、転校でしょ?」
「…あ…」
彼女が、暗い表情でうつむいてしまったのを見て、私は聞いてはいけないことだったんだ…と悟ってしまった。
気まずい雰囲気が流れて、私はそれがイヤで自分で話題を変えてしまった。
「あ、ねえっ。あさ美ちゃんってどこの出身なのっ?」
「あ、あの…北海道から…」
って、彼女はそう言いながらま〜た暗い顔でうつむいてしまった。
ん〜〜〜…って、私がちょっと困ってしまったところでちょうどバスがブロロロ…とやってきてくれた。
私は内心、ホッとしながらあさ美ちゃんを「バス、来たね」って促した。
こうして私は無事、バスに乗ることができたワケだ。
27ごっつぁむ@作者:02/02/19 00:52 ID:86uQgNVs
更新しました。
ここまでは書き溜めてあったとこなんです。
次回の更新は明日の夕方か夜になると思いますので、よろしくお願いします。
28 :02/02/19 02:24 ID:hoyY6v30
( ^▽^)<ホイ♪

作者さん更新お疲れさま。
29名無し募集中。。。:02/02/19 04:50 ID:wlaklx/+
期待しちゃいます。がんがってね。
30ごっつぁむ@更新中:02/02/19 16:26 ID:86uQgNVs
バスに乗ってもまだまだ道のりは遠く。
もうすでに30分近く、あさ美ちゃんと2人バスに揺られたまんまだ。
…静かすぎる。
乗客は私とあさ美ちゃんの2人っきり。
だから、さっきの気まずい雰囲気はバスの中でも相変わらず流れてて…。
ハァ、ってあさ美ちゃんに気づかれないように小さなため息をつく。
それを偶然にもあさ美ちゃんが私の顔を見てて、目が合っちゃって…。
・・・・・・。
気まずすぎる〜〜〜!!!
だって、話をしたくても何を聞いても「あ…」とか言って黙っちゃうんだもん!
私、こんなんで上手くやっていけるのかなぁ〜…。
ちょっぴり弱気…。ハァ。
「あ、愛さん。着いたみたいです」
あさ美ちゃんに突然声をかけられて、私はハッと我に返った。
言われた通りバスの外を見てみると、赤い煉瓦の塀がだーっと続いている。
「ここが…」
「聖ハロー学園…」
「行こうっ」
「はいっ!!」
気まずかった空気なんか忘れて、私とあさ美ちゃんは2人、手を取り合ってバスを降りた。
バスの料金がちょっぴり痛かったけど…気にしない気にしない。

「でか〜…」
「でっかいですね〜…」
って、2人でポカーンと口を開けて塀を見上げる。
周りは山なのに、ここにだけ学園がぽーんってあるんだから凄い。
私たちは、それに見とれてる場合じゃなくて大きな門をがーっと開けて中に入った。
31ごっつぁむ@更新中:02/02/19 16:32 ID:86uQgNVs
「うわぁ…」
「でかい…」
中に入ったら入ったでまた、2人してポカーンとしていた。
だってね、だって!!入ったらすぐに道の脇にお花がたくさん咲いてて!噴水があって!
綺麗〜…。楽園みたい…。
もう2人してうっとり。ああ、これが天国なのかしら…。
それからもう2人でうっとりボケーっとしたまま歩いてたもんだから、どっちに行ったのか全然解らなくて。
気がついたら迷子になってたの…。くすん。

「もう〜!この学園、広すぎるよ〜!!」
だだっ広い裏庭みたいなところに出ちゃって、私とあさ美ちゃんはそこにあったベンチに腰掛けていた。
並大抵の広さじゃない。もうそれはそれは、ディズニーランドくらい大きいんじゃないかって思った。
そういえば、ボケーっとしてて気づかなかったけど道の途中に商店街みたいな通りもあったような…。
「私たち…、無事に学園長室まで辿り着けるんでしょうか…」
あさ美ちゃんもボケーっとしたままそんな事を呟いてる。
私たちは学園長先生に会わなきゃいけないのにー…。
「あさ美ちゃん、休んだらもう行くよ。さっ…」
って、私があさ美ちゃんの方をみたら彼女ったらジッとして怖い目で傍の茂みをにらんでた。
「あさ美…」
「しっ…」
私の口を指で抑えながらもその視線は茂みを捉えてる。
…何なのよ、まったく…。
私が別に何にも気にせずに茂みに近づくと…。
「キャッ!!」
「静かに!!」
突然、手がニョキっと茂みから飛び出してきて私は茂みの中に突っ込まれた。
「いたたたた…」
「愛さん、大丈夫ですか??」
あさ美ちゃんの声が茂みの向こうから聞こえてきて、私はハッと我に返った。
突然のことだったから、ビックリしちゃって顔を上げると…。
「!!!」
そりゃあもうビックリの連続だったわよ。
32ごっつぁむ@更新中:02/02/19 16:37 ID:86uQgNVs
「ゴメンね、乱暴して」
「あっ、いえ…」
「愛さ〜ん、誰と話してるですかぁ?」
あさ美ちゃんの声が遠くで聞こえたけど、私はその人の顔をポーっと見つめて何も言えなくなっていた。
サラサラの茶パツのロングヘアー。
目がクリっとして、鼻筋が通っていて…すっごい美人…。
「愛さ〜ん…キャアッ!」
あさ美ちゃんの声がもう一度聞こえると、美人さんはまたニョキっと手を伸ばしてあさ美ちゃんを
茂みの中へと連れこんだ。
…すっごい力持ち。
「しっ、静かに!」
美人さんは私たちに静かにするように命令して、茂みをそっと開いてキョロキョロしていた。
「あの…」
「ああ、ゴメン。ちょっと今追われてて…」
「追われてる!?」
驚く私と対称的にあさ美ちゃんってば「かっこいい…」なんて目を輝かせて言っちゃってるんだから。
「うっさいのに追われててさぁ。あたし、眠いんだよね」
「ハァ…」
って、私が返事をするとどこからか女の人の声が聞こえてきた。
何て言ってるか解らないけど、段々こっちに近づいてくるのがわかる。
…だって、声が大きくなってきたから。
それを聞いた美人さんは、慌てた顔をして
「お願いっ、今すぐ茂みから出てやり過ごして!ねっ!!」
「え…あっ…!!」
って、美人さんってば私をドカンと茂みの中から外へ突き飛ばした。
「キャッ」って私が地面にダイブして顔を上げると、女性が私の姿を見つけて近づいてくる。
マズイッ…。
「あなた、こんなところでどうした?」
その女性は、髪はショート…の部類に入るのかな。
やや明るめな髪に、そう!犬のような…なんて言ったら失礼よね。
関西弁のイントネーションが混じった大人の女性だった。
「あ。あの…」
って、私が答えようとすると
「違う、今はそんな場合じゃなくて…。ねえ、あなた。
 さっきここに誰か来なかった?」
え、え…。っていうことは、この人がさっきの美人さんを??
「あの、あっちに行きました」
「そう、ありがと。あなたも早くクラスに戻りなさいね。
 …コォラ、後藤〜!!!出て来い、後藤真希〜!!!!」
って、私が嘘の方向を教えるとそっちに向かって大声を怒鳴り散らして行ってしまった。
33ごっつぁむ@作者:02/02/19 16:39 ID:86uQgNVs
更新しました。
次は明日かな?結構最近は時間に余裕があるので更新多めかと思われます。
34 :02/02/19 20:07 ID:pgKQjAcc
( ^▽^)<更新お疲れ様♪
35名無し募集中。。。:02/02/19 22:06 ID:bo5SIgLn
>都合により年齢が実際と違うメンバー
・・・むむ、どぉーなるんでしょうっ!(ASAYAN風)(・∀・)ライーヨー!!

36 :02/02/20 23:27 ID:zY+nPzBH
ホゼン
37ごっつぁむ@更新中:02/02/21 00:08 ID:Rfyl02ZT
「サンキュ。助かった」
後藤さん…って呼ばれてた美人さんは茂みからがさごそ出てきて私にお礼を言った。
ついでにあさ美ちゃんもひょこっと出てきた。
「…ったく、しつこいんだよ。あのババア。だ〜から結婚もできないんだよ」
「あの…」
って、私が後藤さんに聞こうとすると「じゃあ、あたし逃げなきゃ行けないから」って言ってさっさと行ってしまった。
…何だったんだろう…。
「愛さん、今の…きっと先生に追われる生徒ですよ」
あさ美ちゃんがワクワクしたような感じで私に言ってきた。
…私も、そんな感じだとは思うけど。
「あっ!今の人に、道を聞けば良かったです」
「あっ…」
私もハッとしたけど、そうだ〜…そうしとけば良かった。でもそんなこと聞いてる暇なかったし…。
な〜んて思ってたらさっきの先生らしき人がこっちに戻ってきた。
なんか、「まったく逃げ足の早い…」とかブツブツ言いながら歩いてくる。
「どうしよ、逃げた方がいいかな?」
私があさ美ちゃんに聞くけど、あさ美ちゃんは
「きっと、話せばわかってくれると思います…」
と、淡々としていた。…なんだかなぁ〜。このコ、つかみ所がない。
ハッキリ言ってちょっと苦手カナ…。
そんなことを思ってると、さっきの先生がすでに私たちの目前にいた。
先生もこっちに気づいたのか「ま〜だ居たの」って怒りながらこっちに向かってきた。
その先生ってば、近づいてくるなり私の腕をがしっと掴んで
「コラ!あんたたち、どこのクラス!?」
なんて怒るんだから。
その迫力ったら鬼気せまるものがあって、あさ美ちゃんも私もビビりまくっちゃった。
「ホラ!さっさと歩けっ!!」
腕を掴まれながら、私はあさ美ちゃんの顔を恨めしく見た。
(どこが話せばわかるのよっ!!)
(す、すみませ〜〜〜ん…)
視線だけで会話をする私たち。出会ってまだ数時間なのに随分打ち解けたもんだわ…。
38ごっつぁむ@更新中:02/02/21 00:18 ID:Rfyl02ZT
「あ、あの…」
って、私が連行されながらも恐る恐るその先生に話しかけた。
すると、その先生はまたとんでもなく恐ろしい顔で私に睨みを利かせた。
「ホラ、おしゃべりしてないでとっとと歩け!」
……ハァ。
あさ美ちゃんの他人事のような小さなため息が聞こえる。
もぉぉぉぉ〜〜!!!!ホンットに、私ってついてない!!
重たい荷物を引っ張りながら、私は先生に連れて行かれた。

「いややもぉ〜、あんたたちそういうことは早ぅ言ってやぁ〜」
…私が必死こいてその先生に自分たちが「新入生」であることを告げると、
その先生はケラケラ笑いながら関西弁で曖昧にごまかしていた。
隣のあさ美ちゃんをチラっと見ると、(一言でいいから謝って…)という目をしていた。
「あの、それで…」
「ああ、私は中澤裕子。裕子センセvってお呼び」
ちが〜う!!そんなコト、聞いてないのっ!!
しかもその裕子センセってばウインクなんかかますもんだからあさ美ちゃんは(オエッ)という顔をしていた。
…年増のウインクはキツイ。
「…なんか、今失礼なこと思ったやろ!?」
ギクッ!!!
「えっ…えっ…」
「そんなごまかしてもわかるんやからな。さあ、言えっ!!」
ひえええ〜〜〜…。
裕子センセのひとさし指が私の鼻の辺りをチョンッ、と突く。
「あの、あの…」
隣のあさ美ちゃんをチラッと見ると、他人事のような涼しい顔で
(がんばってください)とエールを送ってくれていた。
嬉しくないわよ〜っ!!!
39ごっつぁむ@更新中:02/02/21 00:46 ID:Rfyl02ZT
「あ、あの…そう!とっても綺麗だなぁって…」
「え?アラァ、あんたってば正直vvv」
……勘弁して下さい、ホント……。
私がしどろもどろになりながらおべっかを使うと、裕子センセは
それはもうこの上ないってくらい極上の笑顔を満面に浮かべて喜んでいた。
「あの〜…それより、学園長室に…」
あさ美ちゃんが話に割って入ると裕子センセはにこやかに微笑みながら
「さっ、こっちよ♪」
と、軽やかにステップ踏みながら歩き始めた。
(……)
(……)
私とあさ美ちゃんは無言で見つめ合い、これからの学園生活に不安が募るばかりだった…。

コンコン。
「学園長、中澤です」
と、裕子センセが学園長室のドアをノックすると、ほどなく
「おう」
という男性の声が聞こえてきた。
「入ります」
裕子センセがドアを開き、学園長室が私の視線の中に映った。
部屋に入る時、裕子センセから「粗相のないようにね」といわれ、
私は、履いている中学時代の制服のスカートをちょっぴり下げながら中に入った。

「おお、来たか」
学園長室に入ると、学園長が私とあさ美ちゃんを出迎えた。
実は私は『おばあさま』の家ですでにこの人に会ってるのだけど…。
最初は学園長っていうからにはちょっと年とった人なのかな、と思った。
だけど会ってみてビックリ!!
年の頃なら30過ぎくらい?なんか、もうちょっと若かったら芸能人になれそうなくらい
カッコイイ男の人だったの。
あの時は、『おばあさま』の屋敷に学園長先生が直々に面接に来てくれたんだっけ。
ちょっと前のことなのに、すごく昔のことのように思える…。
私、こんなんでここで巧くやっていけるのかなぁ。
40ごっつぁむ@作者:02/02/21 00:51 ID:Rfyl02ZT
更新終了です。
ああ、もうこんな時間だ〜〜〜
また明日(ってか今日)更新します〜
41名無し募集中。。。:02/02/21 01:27 ID:NJkYhP5A
読んでる 俺前作から読んでる
42ごっつぁむ@更新中:02/02/21 22:12 ID:Rfyl02ZT
「ご機嫌いかがですか、学園長先生」
私は『おばあさま』に躾られた通り、学園長先生に会って
『お嬢様っぽく』挨拶をした。自分でも寒気がするほど嫌だったんだけど。
さすがに隣にいたあさ美ちゃんも引いたのか、チラッと見た顔が引きつってた。
「おお。楽にしてええで」
って、学園長先生が言わなかったら私もそのままひきつった笑い浮かべて
その場に凍りついたまんまだったかも知れない。
でも、私今気づいた。
…なんで私とあさ美ちゃんしか新入生がいないのかなって。
まあ、正確にはあさ美ちゃんは転校生らしいから、新入生は私だけ…?
「あの、学園長先生」
私は、意を決して学園長先生に質問してみた。
「なんや」
「あの。新入生って私たちだけなんですか…?」
「……」
ああっ、聞いちゃいけないことだったのかしら!?
学園長先生は、私の言葉を聞いて眉間にシワを寄せていた。
「あんな。今年は君らだけやで」
「ええ〜〜!!?そんなんでいいんですか!?」
「ああ。基本的には新入生はおらん。
 うちは全寮制のエスカレーター式やからな。中学から持ち上がりって奴が多い」
と言いながら机の上から2番目の引き出しをガラッと開き、
薄い冊子を2冊取り出して私とあさ美ちゃんに渡した。
そのパンフレットには『入学の手引き』という文字がでっかく書かれていて
学校での生活について詳しく書いてあった。
43ごっつぁむ@更新中:02/02/21 22:18 ID:Rfyl02ZT
『聖ハロー女学園』
学園長:寺田光男

全校生徒数:380名
中等部:101名
高等部:147名
大学部:132名

ふ〜ん…。大学まであるんだ…。どうりで広いはずだよね。
次のページをペラッとめくる。
次のページは『生徒心得』、その次は『学園紹介』だった。
その次のページは『寮での生活について』…。
私がそのページを見始めた時に、学園長先生が「そうや」って声を上げた。
「お〜い、中澤!!」
と大声で、廊下にいるであろう裕子センセを呼ぶ。
するとほどなく、「なんでしょう」と裕子センセが学園長室に入って来た。
「このコたちの寮のことや」
「ハイ。承知してますわ、学園長」
2人はそんな会話を交わすと、学園長先生は今度は机の一番下の引き出しをガラッと開き
中から分厚い青いファイルを取り出した。
それをドカッと机に置き、パラパラめくって「お?」とか「ふ〜ん」とか独り言を呟いていた。
裕子センセも、その後ろからファイルを覗きこみ「ええ」とか「そうですね」とか言っていた。
…何だろう?
私がぼーっとしていると、突然、肘の辺りに何かが当たる感覚がした。
…あさ美ちゃんの肘が私の肘をつんつんと突っついていた。
(何よ?)
私が目と口パクで返すと、あさ美ちゃんはそれと同じように
(私たち、同じ寮になれますかね?)
と言っていた。
…知らないわよっ、もうっ!
私は痛む胃を抑えながら、ファイルを楽しそうにめくる2人の姿を眺めていた。
44ごっつぁむ@更新中:02/02/21 22:27 ID:Rfyl02ZT
「よ〜し、決めたっ!!」
学園長先生は、青いファイルをパタン、と閉じ机にガンっと手をついて立ち上がった。
「君らは2人揃って『モーニング荘』や!」
「や……」
「でっ!?」
私たちが喜ぶより早く、声をあげた者がいた。
……裕子センセ、だった。
素っ頓狂な声をあげてビックリ顔で学園長先生を見つめている。
「学園長!!私は断固!!反対です!!!」
怒鳴り声をあげて、裕子センセは学園長先生に詰め寄った。
私とあさ美ちゃんは何のことかわからず、ただポカーンとそれを眺めている。
…何なの?ホントに…。
「まあ、落ち着けや中澤」
「落ち着いてなどいられますか!!」
「ええやんか。あの寮の担当はお前やろ?」
「それはそうですけどっ!!私にはこのコたちをあの寮に入れるのは反対です!!」
怒鳴り散らす裕子センセ、とは逆に、学園長先生はニコニコした顔で笑っている。
…相変わらず、私たちは何のことだかわからずポーカンとしてたんだけど。
どうやら、裕子センセの言う感じではその『モーニング荘』はかなり問題のある寮なんでは…。
私の胃の痛みは、収まるどころか今まさにサンバを踊ってるかのような最高潮に達していた。
45ごっつぁむ@更新中:02/02/21 22:43 ID:Rfyl02ZT
「大体っ!あの寮の人間がどんなものか知ってるんですかっ!?」
「知ってるけど…。アレやろ、どーしようもないしゃーない問題児ばっかり」
ええっ!?嫌だなぁ、そんなトコ…。
「そうですっ!解ってらっしゃるんなら…もがっ」
その時、裕子センセの口を学園長先生が左手の手のひらで塞いだ。
「ええやんか。見たところによると大人しそうな2人。
 そんな2人がとんでもない寮でもみくちゃにされて1回りも2回りも大きくなるんやで」
ううっ、いいよぉ。私、普通に生きたいのにっ…。
「つーことやから、2人とも。この中澤について『モーニング荘』へ行ってくれ」
「ハァ…」
「ハ、ハイ」
私とあさ美ちゃんの2人は、もうどうしようもないと言った感じで気のない返事を返して
学園長室を後にした……。
部屋を出てから聞こえた「実はあそこしか空いてなかったんや」という学園長先生の
ケラケラ笑う声は聞こえなかったことにしておこう…。

「ハァ…あんたたちみたいないたいけなコたちが…」
裕子センセは学園長室から出てくるなり、ため息をつきながら私たちを
哀れむような目で見ていた。
「あの、何がそんなにマズイんですか?」
あさ美ちゃんが裕子センセに尋ねる。
「……まあ、行ってみよか」
ちょ、ちょっと〜〜!!!答えてよっ、先生ってばぁ〜!!!!
「ちょ、…先生っ!!」
不安がる私たちを置いて、とっとと裕子センセはハイヒールでカツンカツンと廊下を歩いて行ってしまった。
そしてちょっと進んで振り返ると「何しとんのや。早ぅせんと迷うで」
と廊下の向こう側から私たちに向かって叫んでいた。
もう〜!!どうにでもなっちゃえっ!!!!!
もう私には自暴自棄になるくらい余裕がなかったのであった。…くすん。
46ごっつぁむ@作者:02/02/21 22:44 ID:Rfyl02ZT
更新しました。
週末に入ると更新できなさそうなのでいつもより多めです。
感想お待ちしています。
47 :02/02/21 22:47 ID:7fLQNSfR
( ^▽^)<更新お疲れさま♪

( ^▽^)<これからどーなってくのかワクワクドキドキ。
48ごっつぁむ@作者:02/02/21 23:00 ID:Rfyl02ZT
>>35
いや、大した差じゃないんですけど…。
2002年4月の時点での学年なんですが、それと違う人が何人かいます。

>>41
これからも読んでくださいねっ♪

>>47
梨華ちゃん登場はもうすぐです♪これからも感想おねがいします
49 :02/02/21 23:52 ID:uSy53YOo
うーん、ほのぼの系なのか!?
それとも・・・・
50ごっつぁむ@作者:02/02/21 23:55 ID:Rfyl02ZT
>>49
そ、それとも…何でしょう!?
自分なりにはほのぼの系のつもりなんですが…。
殺人事件なんかは起きませんよ、さすがに(w
51ごっつぁむ@更新中:02/02/22 17:02 ID:Sb66Me3m
☆PEACE・2☆「全員集合!愛と愉快な仲間たち」

すぐに『モーニング荘』に向かうかと思いきや、裕子センセは
私とあさ美ちゃんをまずは生徒指導室に連れて行った。
そこで、お昼ご飯をご馳走になりながら裕子センセの話を聞いた。
生徒たちは今日から始業式で、私とあさ美ちゃんは明日の入学式から
クラスに所属することになるらしい。
それで、とりあえず今日は寮にだけ入るんだって。
それに、入学式って言っても私たちの入るクラスで行われるだけで
特に何かがあるわけでもないみたい。

裕子センセの説明が終わってから、ようやく寮へと向かう。
話が終わった時には、もうすでに生徒たちは授業が終わって寮に帰っていたそうだ。
今日は始業式だから半日らしいしね。そういえばまだ昼過ぎだ。
学園の中枢に位置する、中央校舎の表玄関から出て
正面の高等部校舎の横を通りすぎ、丁度さっき迷った裏庭を通って
花のアーチが掛けられた道を潜り抜けたところに『モーニング荘』はあった。
途中、いくつかの寮を通りすぎて来たから…正直、1人だったらここに来る自信はない。
家の大きさとしては…そうだなぁ、普通の一戸建ての家が5軒分くらい。ちょっとした学校くらいの広さよ、コレ。
2階建ての白い建物に赤い屋根、屋根のところには赤い字で書かれた
「PEACE!」という黄色い看板が掛けられていた。
玄関の真上にも『モーニング荘』というさっきの看板と同じ色の看板が掛けられている。
寮の周りには花がいっぱい咲いていて、花の香りが漂っていた。
そっかぁ、もう春だもんね…。
「さっ、着いたで〜」
裕子センセの声で現実に呼び戻され、私はハッとした。
「ここが…モーニング荘……」
私とあさ美ちゃんがボンヤリしていると、裕子センセがスーツの内ポケットから笛を取り出した。
体育の時に使う笛だ。
そして息を吸い込んだ後、それを思いっきり吹いた。
ピピーーーーーーーーッ!!!という笛の音が鳴り響く。
「…サウンドオブミュージックみたい」
あさ美ちゃんの多分独り言に、私は「それ見たことある」と言いながら
そのシーンを思い浮かべていた。
父親が笛を吹いて、子供たちが一列に並びながら階段から下りてくるシーン。
それを彷彿させた…けど。

「なんや!!アイツら、呼んでも来ないのかっ!!」
裕子センセ、が集まった3人に怒鳴り散らした。
そう、下りてきたのはたった「3人だ・け」。
一列に並んで下りてくるどころか…全員集合もしていなかった。
52ごっつぁむ@更新中:02/02/22 17:02 ID:Sb66Me3m
「石川、どうなっとんのや」
「あ、え〜と…」
集まった寮生の3人も、困ったような顔をしてうつむいていた。
『石川』と呼ばれた女の子は私より1つか2つ位年上なのかな?
凄く可愛くて、とにかく外見はピンクのワンピースを着ていることから「女の子」って感じの人だった。
肩までの髪に、抜群のスタイル、柔らかい雰囲気が漂っている。
それに…声が、アニメみたいですっごく可愛い。
その隣には、ちょっと年下くらいのコ。
一目見ただけだと、もの凄く気の強そうな印象を受ける。
今はうつむいてるのでその顔はよく見えないんだけど…。
そして、その隣の小さな女のコ。
このコは、おでこ丸出しで幼さの残る印象を受ける。
私がじーっと見てると、そのコと目が合った。
そのコがニコッと笑いかけてきたので、私はそれにつられて笑顔を返してしまった。
「で、どーなってんのや?」
裕子センセの声で我に返る。
「あの…圭織先輩となつみ先輩と圭先輩は今日は大学の方に…」
石川さんの言葉に「うんうん」、と裕子センセが頷く。
「真里先輩と紗耶香先輩は部活なのでまだ帰ってません」
裕子センセは、今度は「ほうほう」と頷く。
「真希ちゃんとひとみちゃんも部活です」
「……」
裕子センセの顔が次第に険しくなって行く。
「それで…ののとあいぼんは…」
「なんや?」
鋭い視線で睨みつける裕子センセに、石川さんはビビった顔でうつむいて言いにくそうに
オドオドとしていた。
「あの…その…」
「石川」
「あっ…えと…その…」
「い〜し〜か〜わ!!」
何度も強く呼ばれて、石川さんは観念したかのように顔をキッと裕子センセに向けた。
「知りません〜〜〜!!!」
と、石川さんは後ろをくるっと振り向いて逃げ出してしまった。
去り際に「私、今日食事当番なんで買い物行ってきます〜〜〜!!」と可愛い声で叫んでいた。
53ごっつぁむ@作者:02/02/22 17:03 ID:Sb66Me3m
ども、作者です。
週末は更新できるかわからんので早めの更新。。。
では今からバイトなので行ってまいります。
54名無し募集中。。。:02/02/22 18:12 ID:V1pc/x/7
(ノ゚Д゚)オツカレ!!バイトガンガレ!!
55 :02/02/22 18:46 ID:HvR9I+q/
更新お疲れ様。

( ^▽^)<知りません〜♪

かわいいことこの上なし。

56 :02/02/22 21:42 ID:gDzVPQWR
ぐっ、殺人事件はおきないんですか・・・
まあ、平和が一番ですけどね、
( ‘д‘) の出番を心待ちにしてます。。。
ガンガレー♪
57ごっつぁむ@作者:02/02/22 22:52 ID:Sb66Me3m
あ、どうも作者ッス。
今日は何も予定がつかなかったので(涙
小説書きに専念いたします。

>>54 あい、頑張りました。
>>55 梨華ちゃん可愛いッス。微妙に中澤にいじめられる役ですけど(w
>>56 前スレでも書いたんですけど、自分は推理小説は苦手でした。。。
   加護はすぐ出てくるので待ってて下さい。
58ごっつぁむ@更新中:02/02/23 00:32 ID:19jglttB
「あっ、コラ待て石川ぁぁ〜!!!!…ったく、しゃーないな。アイツも」
「あの、皆さんいらっしゃらないんですか?」
私が恐る恐る裕子センセ、に聞くとギロッと睨まれてしまった。
よ、余計なコト聞いちゃったかも……。
「まあ、いいわ。取りあえず中入るで」
「あ、ハイ」
私とあさ美ちゃん、それに気の強そうな女のコとおでこ丸出しのコは靴を脱いで寮の中に入った。

寮の中に入ると、まず玄関。
玄関にはでっかい下駄箱が置いてある。私とあさ美ちゃんは専用の置き場所がないので
とりあえず空いてるところに靴を突っ込んでおいた。
そして、入るとすぐにでかいリビングとキッチン。毎日ここで自分たちで自炊するそうだ。
リビングを通ると階段と真っ直ぐ伸びる廊下と右に曲がる廊下があった。
「真っ直ぐ行くとトイレと洗面所に風呂、右に進むとアタシや、
 大学生たちの部屋やから用がある時以外は行ったらあかんで」
「はーい」
「はい」
返事をして、階段を上がって行く。
階段を上がると、2階には廊下がだーっとあり、部屋は6部屋あり、
その一番手前の部屋に入った。
部屋にはベッドが2つに机が2つの2人部屋で、彼女たちの私物が置いてある。
それでもまだ余裕があるくらい1部屋1部屋が広かった。
「とりあえず、部屋割り変えなあかんから…このコたちの部屋に荷物置いておいて。
 じゃ、私は色々用があるから。夜にはまた帰ってくるから…小川、新垣、後頼んだで」
「は〜い」
「わかりました」
2人が返事をすると、気の強そうな女の子が私にようやく話かけてきてくれた。
59ごっつぁむ@更新中:02/02/23 00:33 ID:19jglttB
「ね!ね!あなた、名前なんて言うの?学年は?」
「あ、あの…高橋愛、高校1年…」
「じゃあ、私の先輩だから、愛ちゃんね!そっちのあなたは?」
「え、えと…紺野。紺野あさ美です。あの、中3です…」
気の強そうなそのコは、それを聞いてにんまり笑うと「じゃあ、あさ美だ!」
とニコニコしていた。
「アタシ、小川麻琴!中3だよっ。アタシのことは麻琴、って呼んでねっ!」
呆気に取られている私とあさ美ちゃんを余所に、麻琴ちゃんはズンズン話を進めていく。
…まだ、もう1人のコの自己紹介も済んでないのに。
「この寮ではねぇ、親しみを込めて相手を名前で呼ぼうってルールがあるのっ」
麻琴ちゃんは、(おそらく)自分のベッドに腰かけながら言った。
「あ、その椅子に座っていいよ。…って、里沙も早く挨拶しなよっ」
里沙、と呼ばれたコはオドオド、もじもじしながら
「えと…新垣里沙。中2です、よろしく…」
と答えた。見かけによらず、大人しいコみたいである。
「あ、このコ。人見知りするんだー」
って麻琴ちゃんがフォローを入れても、里沙ちゃんは自分のベッドの毛布に潜りこんでしまった。
「じゃあさ、色々案内することがあるからアタシについてきてよ」
麻琴ちゃんはいきなり立ち上がって、私たちの返事も聞かずに手を引っ張って部屋を出ようとしていた。
「ホラ、早く!里沙も来るんだよっ!」
麻琴ちゃんが顔も見ずに、廊下から声をかけて里沙ちゃんもしぶしぶ「わかったよ」と部屋を出てきた。
そして、里沙ちゃんが出てきたところで4人揃って階段を下り始めた。

「えとね、まずはキッチンについてだね」
リビングに下りるなり、麻琴ちゃんの説明がアレコレ続く。
「ココではねー、基本的に食事も掃除も自分たちがするんだよ。
 ま、家みたいなもんだからね〜。で、それぞれに当番があるんだけど…」
そう言いながら彼女は、キッチンの冷蔵庫に磁石で留めてあった紙を持ってきた。
「ホラ、コレ見て。食事当番、洗濯当番、ごみ当番、風呂掃除、トイレ掃除……」
そう、彼女が持ってきた紙には全部の当番の振り分けがキッチリされていて
毎日毎日誰かが1仕事になるように設定されていた。
「コレは後で先輩たちが帰ってきたら、ミーティングの時間に決めるの」
「ミーティング?」
「そう。夕食の後、毎日必ずするんだよ。
 今日の反省、とかお知らせとかね。それに、日誌当番の人はリーダーに日誌を提出するんだよ」
「へぇ〜…」
なんだか、胸がワクワクしてきた。
初めて体験することばっかりで、もっと縛られて苦しい生活かと思ってたのに。
と、その時。
「ただいま〜〜〜〜っ!!!!!!」
元気な声が、『モーニング荘』中に響いていた。
60ごっつぁむ@更新中:02/02/23 00:35 ID:19jglttB
「ただいま〜っ」
「ただいまれす〜!」
でかい声を張り上げて帰って来たのは、ええっ!?
双子……???
帰って来たのは、片方は髪をお団子にしてくるくるっとした
黒目がちな女のコ。
もう片方は、ツインテールにぴょこっと髪を垂らして
目がとろんとしてて笑うと八重歯が可愛い女のコだった。
2人とも身長が小さくて、同じくらいで体型もほとんど同じ。
それに…顔もどことなく似てる気がする。
「おっ、そのコらが新入生やな〜」
お団子のコが私とあさ美ちゃんの近くに寄ってきた。
関西弁だ…。学園長先生といい、裕子センセといい、こんなにたくさん
関西弁の人が身近にいるのは初めての体験だ。
「お帰り、あいぼん。遅かったじゃ〜ん」
麻琴ちゃんが『あいぼん』と呼んだコに声をかけると、あいぼんはそっちを向き
「それがな〜、聞いてや。まこっちゃん。ののがな〜…」
って何か企んでいるかのような目でニヤニヤしていた。
「だめれすぅ〜!!」
もう1人の『のの』ってコが、あいぼんの口を泣きそうになりながら必死に両手で塞いでいた。
その様子が何だか凄く可愛らしい。
「もがッ…わかった、わかった。ののがトイレで寝てたことは言わな…」
ぷっ。
その瞬間、麻琴ちゃんや里沙ちゃん、それに私とあさ美ちゃんも思わず笑ってしまっていた。
だって、トイレで寝てるのもおかしいし、それを言わないフリして言っちゃうのも面白い〜〜!!
「あっ、あかん。言ってもーた」
てへっ、と舌を出して笑うあいぼんに対して、当の本人は
「大バカなのれす、あいぼんは〜!」とブリブリ怒っていた。
「それより…」
あいぼんは私とあさ美ちゃんの方にまた近寄って来ると、
「うちは加護亜依。あいぼんでええで〜」
あいぼんはニコッと笑いながら、自己紹介をしてくれた。
笑った時に、歯が一本抜けてるのが愛らしさを強調させている。
「あ、わた…」
「ハ〜イ!ののれ〜す!!」
私の自己紹介を遮って、一方のののちゃんの方は、手をシャキっと挙げて自己主張していた。
「アホ。フルネームで答えんかいっ!」
あいぼんのツッコミをくらって、ののちゃんは「あ〜そうか〜」と言いながら
「つじのぞみれ〜す!!」
と言い直した。その滑舌の悪さがさらに幼さを感じさせた。
61ごっつぁむ@作者:02/02/23 00:36 ID:19jglttB
ども、更新しました。
何気に早いペースですねぇ…
次は今日の夜か明日の夜です。花粉症なのでもう寝るです。。。
6256:02/02/23 04:47 ID:nu3J0KzZ
乙カレー。。。
確かにはやい・・・
読むほうにとっては、うれしい限りですが。。。
加護マンセー♪
63 :02/02/23 18:46 ID:E1nPTV/W
更新お疲れ様。

( ^▽^)<花粉症、鼻炎でしたらルルの点鼻薬が効果ありますよ〜
6462:02/02/24 00:12 ID:xD6dJB2N
明日の夜までもつと思うけど保全。。。
65名無し募集中。。。:02/02/24 23:03 ID:rx+CDWLr
ホゼーン
66ごっつぁむ@作者:02/02/25 01:28 ID:haHyFzYb
あ、どうも作者ッス。
更新できなくてすんませんです。
明日(っていうか今日)は更新する予定です。
67ごっつぁむ@作者:02/02/25 01:29 ID:haHyFzYb
ありゃ。
急いでたんでageてしまいました〜マズー
68名無し募集中。。。 :02/02/25 01:34 ID:iMiYCOIp
異様なスレだが、楽しそうだな
漏れにはこの手の妄想の良さはわからんけど、ガンガレよ作者
69ごっつぁむ@更新中:02/02/25 23:37 ID:haHyFzYb
「あ、そうそう。なあ、新入生はなんて名前?」
あいぼんが、ちょっと忘れかけていた私とあさ美ちゃんの自己紹介を
ようやく聞いてくれて、私は内心ホッとした。
「あ、私は紺野です。紺野あさ美、中3です」
あさ美ちゃんがオドオドしながら、ニコニコしているあいぼんに言うと
あいぼんは「じゃあ、あさ美ちゃんやな」と、あさ美ちゃんに握手を求めていた。
それを見たののちゃんが
「ののもあくすするのれす〜!」ってはたまた可愛い滑舌の悪さであいぼんに対抗していた。
「アホか、ののは!うちが先に手、出したんやで」
ののちゃんの手を引っ叩いてあいぼんはあさ美ちゃんを自分の背後に回し込む。
それを見たののちゃんがあさ美ちゃんを取り返そうとしてあいぼんの背中に回り込もうとしていた。
…っていうか、あの…。
……私の自己紹介は……?

困り果てた顔で、引きつった苦笑いを浮かべてるあさ美ちゃん。
背後にあさ美ちゃんを隠しながら、いじわるそうな笑顔を浮かべ、ののちゃんと格闘してるあいぼん。
そんなあいぼんに必死に食らいつくののちゃん。
いつものこと、というように黙ってそれを見守ってる麻琴ちゃんと里沙ちゃん。
…で、私は放置?
そりゃ、あんまりですよ…くすん。

…とか思ってたら。
突然、腕をくいっと引かれて私はビックリして「うきゃーっ」って叫んでしまいました。
その叫び声があんまりにも大きかったものだから、あいぼんやののちゃんも一時停戦して
叫び声の主…ってつまり、私の方を一瞬にして向いた。
で、何事か…と思って顔を上げたら…。
「あ。やっぱりアンタが新入生なんだー。見ないコがいるなーと思ったんだ」
目の前にすんごくカッコイイ長身の女の人だったんです。
ええ、そりゃもう、この世の美の集大成っていうくらい。
女性なのにカッコよくて、私ったらついうっとり見入ちゃった…。
「ひとみちゃん、そんな突然、腕なんか引っ張ったら失礼だよ〜」
そう言って、まるでスーパーに買い物に行った後の主婦のように買い物袋を両手にぶら下げて、
その『ひとみ』さんの後ろからやってきたのは、さっき裕子センセから逃げ出した石川さん。
『ひとみ』さんと並ぶと、まさに美男美女カップル!!(いや、両方女だけど…)
「おー、悪い悪い。あんまりにも可愛かったからさぁ」
『ひとみ』さんが私に向かって放った、不意打ちのウインクに私ったらもうメロメロでした…うっとり。
70ごっつぁむ@作者:02/02/25 23:37 ID:haHyFzYb
ども、作者ッス。
ちょっと昨日今日明日と忙しいようなんで更新控えめです。
保全お願いします。
71名無し募集中。。。 :02/02/26 00:25 ID:ryAID5cH
キテタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
マッテタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
ここだけが楽しみ
72 :02/02/26 17:22 ID:kxAEEAt8
(0^〜^0)<登場!!
( ^▽^) <きゃ〜♪ 
7364:02/02/26 20:54 ID:eu6KQQsP
    @ノハ@  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ピュ.ー ( ‘д‘)< 続き期待sage
  =〔~∪ ̄ ̄〕 \________
  = ◎――◎
74ごっつぁむ@更新中:02/02/27 04:29 ID:Mj2ryo1O
「なあ梨華。このコ、やたらとボケーっとしてるけど…どーかしたのかな?」
私がウットリしているのを不思議に思ったのか、『ひとみ』さんは後ろに居た石川さんに聞いた。
ふぅん、石川さんって梨華って名前なのか…と思いつつも、『ひとみ』さんが私の顔を
じっと見ていて、それで目が合って…また私はボケーっとしてしまったみたい。
ハッと我に返ったら、石川さんが口元に手をあてて「うふふ」って笑ってた。
「よろしくね、えっと…」
石川さんは、手を差し出したのは良いけれど私の名前が解らずにちょっと困ったように口ごもった。
私はそれに、なんとなくピンと来たので
「あっ!!わ、私。高橋愛ですっ!!高1ですっ!!!」
と慌てて自己紹介をした。
「じゃあ、よろしくね。愛ちゃん。私のコトは“梨華っち”でいいよ。
 …でも、最初は呼びにくいと思うから“梨華先輩”でいいからねっ。
 あっ、ホラ。私は2年だから愛ちゃんの先輩だからねっ」
梨華先輩は殺人的に可愛らしい笑顔でニコッと笑って私の右手を握った。
その温もりが、なんだか温かくて…また、ボケーっとしてしまった。
「へぇ〜。愛ちゃんって言うんや」
「あいぼんとおんなじなのれす」
「わっ!!」
さっきまであさ美ちゃんの取り合いで格闘していたあいぼんとののちゃんが私の背後にいた。
それにビックリして、ようやく現実に戻れた…情けなや。
結局、ののちゃんはあさ美ちゃんをゲットすることができなかったらしく、
あさ美ちゃんは苦笑いを浮かべてあいぼんと手をつないでいた。
「なぁ、愛ちゃん。うちは“あいぼん”って呼ばれてるから、気にしなくてええで〜」
「あいぼむなのれす」
「あ、う、うん…」
あのね、実はあんまり気にしてないんだよね〜…。
なんてコトはもちろん言えないんですけどね。
「あっ、そうそう。ひとみちゃんも自己紹介しなきゃネ」
「おうよ」
梨華先輩に促されて、『ひとみ』さんも私に握手を求めた。
「アタシは吉澤ひとみ。高2で、梨華とタメ。ヨロシク」
きらりん、と歯を輝かせて言う「ヨロシク」がこれまたとんでもなくカッコよくて…。
愛は、愛はどうにかなってしまいそ〜〜〜〜!…うっとり。
なーんてまたトリップしてたから、『ひとみ』さんの
「なんだ?愛はやけにボーっとしたコだな」
言葉で現実に引き戻された。…危ない、危ない。
75ごっつぁむ@更新中:02/02/27 04:29 ID:Mj2ryo1O
「アタシのコトはさ。みんなは“ひとみ”とかって呼ぶんだよね。フツーに。
 まあ、たまーに“よっすぃー”とか呼ばれるけど、カッコよくないじゃん?」
「あ、じゃあ…“ひとみ先輩”って呼べばいいですか?」
「オー。モノ解りのいいコだネッ。それでOKさっ」
いいコ…いいコ…いいコ…vvv
ああ〜…素敵。こんなカッコいい先輩がいるのなら、私っ、女子校でも何でも耐えられる…。
ああっ、パパ?ママ?
私、あんなに嫌がってたけど。実はちょっと女子寮万歳とか思ってるんです。
ええ。そりゃぁ、憎ったらしい『おばあさま』の屋敷よりはマシかな?程度には思ってたけど。
でもねっ、先輩たちは優しいし、何気にすぐに打ち解けちゃって…。
もう、新生活に不安を抱くことなんかないんです。
ああっ、パパ?ママ?
私はなんて幸せなんでしょう…。
もう、愛は負けません。
「…なあ。ホンットにこのコってボケーっとしてるんだな」
「……ちょっと、ね」
「うちも引くで…ちょっとは…」
「なにをひくのれすか?」
「ののちゃんはちょっと黙っててね」
「あかん。なんか、目が逝ってしまっとるやん」
「妄想癖かなんかがあるのかも知れませんねー…」
「もーそーへきってなんれすか?」
「大人しそうやからな、愛ちゃん…」
「そういう時はポジティブが一番よねっ」
「関係ないんじゃない?」
「もーそーへきってなんれすか〜?」
「ののは黙っとれ!!!」
「もーそーへきってなんれすかぁぁぁ!!!!!?」
とかなんとかっていう感じの会話が交わされていたコトなど、もちろん私の耳には届いているハズがなかった。
随分長い間トリップしていたみたいで…。
周りのみんながギャーギャー騒いでるのも気づかないくらいだったんだから…。
我に返った時には、みんなの注目はあさ美ちゃんの元へと注がれていた。
「ところで。そっちのベイベーも新入生かい?」
あいぼんに手をギューっと握り締められ、更にいきなり声を掛けられもうどうしようもないくらいに
焦った顔をしていた。…もちろん、あさ美ちゃんのコトだ。
「あ、…あの、そ、その…えと、あの、なんていうか…こ、こ…紺野あさ美です」
顔を耳まで真っ赤にしながら、あさ美ちゃんはもう今にも倒れそうな勢いでどうにか喋っている。
…そりゃ、あさ美ちゃんじゃなくても緊張するよ。それくらいにひとみ先輩、カッコいいんだもの。
76ごっつぁむ@更新中:02/02/27 04:31 ID:Mj2ryo1O
そこに、黙って様子を見ていた麻琴ちゃんが割って入り
「ひとみ先輩!梨華先輩!このコのことは“あさ美”って呼んであげてください!!」
と、フォローを入れた。
当の本人は顔を真っ赤にして、恥ずかしそうにうつむいている。
「OK☆2人揃って、このモーニング荘の新メンバーだ!!」
「新メンバー!」
「しんめんばー!」
「新メンバァァァー!!!!」
一気にその場が妙なテンションに盛り上がり、当の私とあさ美ちゃんを除いて6人がノリノリになっていた。
ア…アハハ…。
私が苦笑いしかけたその瞬間。

ドカッ!!!

モーニング荘が揺れた。

なんていうのかな〜…2階にいる人が、思いっきり床を足で押し付けたような感じ。
まるで、誰かが「うるさい!」って怒ってるような…。
盛り上がっていたひとみ先輩やあいぼんたちも、それを聞いた途端に大人しくなってしまった。
そして、ひとみ先輩が真っ青な顔をして「…麻琴」と、麻琴ちゃんに声をかける。
「はい…」
麻琴ちゃんも怯えながらひとみ先輩に返事を返し、何か大変なコトが起こった…という顔をしている。
「真希が居るかどうか確認した?」
『真希』???また、新しい名前だ。ん?でもさっき、梨華先輩の話に出てきたような気も…。
どうやら、この様子ではその『真希』っていう人は相当怖い人らしい。
…とんでもない大女とかだったらどうしよう…。
「あの…してないです」
麻琴ちゃんのその言葉を聞いて、ひとみ先輩や梨華先輩。あいぼんやののちゃんに里沙ちゃんまで
慌てて部屋から出ようとしていた。
「あわわ…」
えっ?えっ?えっ???な、何?どういうコトなのっ??
「あの…先輩ッ」
私がひとみ先輩に聞いても、「お前たちも早く避難しろ!!」と私の腕を掴んで外へ連れ出そうとした。
だけど……。
「……うるさい……」
そんな声が背後から聞こえてきたのでした!!!愛、転校初日大ピーンチ!!!?
77ごっつぁむ@作者:02/02/27 04:36 ID:Mj2ryo1O
ちょいと遅め(早め?)の更新してみました。
明日休みなので、遊びまわってさっき帰ってきたんですけどね(w
かなりこの辺楽しんで書いてるんで、感想お待ちしております。

>>68
ありがとうございます。小説って読むのも楽しいけど書くのも楽しいです。
自分が一番楽しんでますね(w

>>71
そのAA好きです(w とうとうこのスレでも使っていただけるとは…!!(w

>>72
読めば解ると思うんですが、梨華ちゃんはよっすぃーやごっつぁんと同い年の設定です。
本来なら高3なんですけどね。

>>73
加護の関西弁が怪しいですけど、気にしないでください(w
7873:02/02/27 22:16 ID:mLSDHJUh
  〜〜〜
  | 保全|
   〜〜|
      |@ノハ@
      |( ‘д‘)__<ok! 更新乙カレー。。。
      / ̄ ̄ ̄|| A Iヽ
      /,_,_,_,_,_,_,_,_\-=\
   .((( ´◎◎◎◎`ノノ'-'ノノ デデデデデ
7973:02/02/27 22:28 ID:MGEJ+ffO
感想かかせていただきます。。。
文章に勢いがでてきましたね、
作者もかいてますが、楽しんで書いてるからでしょうか?
あと、( ´D`)は言語障害だけでなく知能障(略
それにしても、よすぃーのキャラはかっこ良すぎですね(w
80ごっつぁむ@作者:02/02/27 23:08 ID:Mj2ryo1O
どうも、作者です。
今日は更新お休みいたします。

>>78-79
そうですね。やっぱり楽しんで書いてる時は、キャラが勝手にしゃべってくれます。
頭の中でポンポン言葉が浮かんできますえん。
あと、キャラに関してですけど実際の( ´D`)はあそこまでアホじゃないだろうし
(о^〜^о)もあそこまで男っぽくはないと思うのですが、あくまで小説として
極端なキャラ付けをしてる…と思いながら読んでいただけると嬉しいですね。
81夢をあなたに:02/02/28 05:13 ID:SVuLwAwZ
新しい小説書くスペースないだろうか?

82ごっつぁむ@更新中:02/03/01 00:35 ID:gE6V1d0q
それはもう、私が振り返る直前に皆さん「しまった」という顔をしてたんです。
だから、私もこりゃマズイ…と思っていたんですよ。
後ろを振り向いたら最期。私、もしかしたら命を落とすかも…なんて思ってたんです。
でも、そういう時ほど…その、つまり。
振り向いてはいけないと解ってる時ほど、振り向きたくなってしまうものなんです。
だから…。私、思わず振り向いてしまったんです!!
「あ、あれ…?」
私、すごくビックリしました。
…決して、その『真希』さんが大女だったワケではないんです。
だって…その『真希』さんってば、裏庭で私を身代わりに裕子センセから逃げた、あの後藤さんだったんです!
そういえば、あの時。
裕子センセが「後藤〜!!後藤真希〜!!!」って叫んでいたような気が…。
そうかぁ…この人が、後藤真希さんなのかぁ。
考えてみたら、私とあさ美ちゃんを軽々と茂みに引き込めるくらいの力持ちだもの。
あの振動を起こすくらい、ワケないのかも。
…見た目は華奢なのに。
そんな後藤さんも今はとんでもないおっかない極悪人のような顔して…。
一歩、一歩とこちらに近づいて来るから、私も一歩、一歩と後ずさりしていたんです。
「あ、あの…真希ちゃん!落ち着いて、ネッ」
梨華先輩が後藤さんに対して、にこやかに苦笑いを浮かべてなだめるけれど、効果なし。
「真希ッ。ホラ、こいつら新入生なんだよ。だからアタシらで歓迎を…」
ひとみ先輩が私たちを引き合いに出してなだめても、効果なし。
それどころか、じりじりと私たちに近づいてきている。
…うう、怖い…。
まるで、アクションゲームのゾンビに襲われているかのような感覚に陥る。
目の前にいる人は、美少女なのに。
それほどの威圧感と、怒りのオーラが後藤さんの体から発せられているのが解った。
「………………」
「まきせんぱい、おちつくのれす〜」
「そ、そうやで。真希ちゃん。うちら師弟関係やろ??」
そ、それは説得には関係ないんじゃないかしら…?
そうやってみんなの説得もむなしく後藤さんはこちらにじりじりと向かってくる。
って、ていうかなんでこの方…こんなに怒ってるワケェ!?
83ごっつぁむ@作者:02/03/01 00:37 ID:gE6V1d0q
明日あさっては更新できるかわからんです。まあ例によってすると思いますが(w

>>81
どうでしょうね。下の方にある氏にスレ使うか、もしくは
新しくスレ建てるといいと思いますよ
8479:02/03/01 00:48 ID:X/8yCfbe
ぬおぉー!!!
ネヨと思ったら更新されてた。。。

あと、81は他の小説スレにもいたんで、放置してよろしいかと・・
もしいたら、ここでなく小説総合スレッド5へ逝け。。。
8584:02/03/02 03:42 ID:dZLGinFf
保全。。。
8685:02/03/03 00:45 ID:jfK8LBaq
hozen
87ごっつぁむ@作者:02/03/03 09:14 ID:FAXu0LVV
あ、どうも作者です。
今帰ってきました…。今から眠るので夜更新します。。。

ちなみについさっき保田写真集が届きました。
他のは全部、本屋で買ったんですけど圭ちゃんはちょっと…と思ってたので(w
通販で買いました。何気に(・∀・)イイ!
88 :02/03/04 12:13 ID:qcvRcnNr
今のうちにage
89ごっつぁむ@更新中:02/03/04 18:35 ID:nULEDEc6
「ま、真希ちゃん…」
「……」
相変わらずじりじりと私たちを追い詰める後藤さん。
それを必死で後ずさりする私たち。
絶体絶命の大大大ピーンチ!!?
…と思ったら。
「あ〜〜〜っ!!!そうだ、アレよっ!!」
梨華先輩がいきなり大声を上げて、手にしていた買い物袋からゴソゴソと急いで何かを取り出した。
「ひとみちゃん!」
「あいよっ」
梨華先輩はそれをひとみ先輩に素早く渡すと、ひとみ先輩はまるで
野球のボールを投げるように大きく振りかぶり構えた。
…な、なんなの??
「梨華っ!」
「はいっ!!」
ひとみ先輩が合図をすると、梨華先輩が後藤さんに飛びつき両手でその口を思いっきり広げた。
口が広がったか…と思ったら、その口の中にビュン!と何かが入っていくのが見えた。
この間、3秒くらい?
ものすごいコンビネーションだったのよ。
あまりにも唐突な出来事だったんでよくわからなかったんだけど。
その瞬間に後藤さんの極悪人のような顔が、さっき裏庭で会った時のような顔に変わっていた。
「ハァ〜〜〜…」
「助かった…」
「いつもいつもコレじゃねぇ…」
ひとみ先輩や、梨華先輩、あいぼんたちもその様子を見て安堵の声を上げている。
「んあ?どしたの???」
すっ呆けた声を上げて、後藤さんは不思議そうな顔で私たちを眺めていた。
わ、私もよくわからないんだけど…。
「真希ちゃん。そのアメ、おいしい?」
「アメ〜…??あ、ほんとら。今気づいた。いつの間に入ってたんらろ」
アメ??さっき口の中に放り込んだのはアメ???
どうしてアメで大人しくなるの????
疑問だらけの私とは裏腹に、他の人たちが「よかった、よかった」という顔で喜んでいたのでした。
90ごっつぁむ@作者:02/03/04 18:35 ID:nULEDEc6
後でまた更新します。。。
91ごっつぁむ@更新中:02/03/05 00:44 ID:5DHKgMdY
「あれ〜。このコたち、さっき会ったコたちじゃん。何してんの?」
後藤さんはようやく私とあさ美ちゃんの存在に気づいたらしくて、とことこと近寄って来た。
あ、あの〜…。さっきあなたが追いかけまわしてたのが私たちなんですけど…。
「このコたち、この寮に入るんやで〜」
「そうなのれす」
あいぼんとののちゃんに言われて、後藤さんは「ふ〜ん」という顔で興味なさそうな返事を返した。
「あたし、後藤真希。呼び方は何でもいいや、アハハ。ヨロシクね〜」
差し出された右手を握りながら、私は「高橋愛です」と答えた。
やっぱり、『真希先輩』って呼ぶべきかな。ののちゃんもそう呼んでたし。
…あいぼんはなんか、普通に『真希ちゃん』って言ってたみたいだけど。
私が手を離すと、今度はあさ美ちゃんがその手を握りしめ
「あっ、あの…紺野あさ美です…」といつもの調子で自己紹介していた。
「…愛ちゃんに、あさ美ちゃんね。ふぁぁ〜…眠い…」
「あ、真希ちゃん。夕飯までまだ時間あるから、昼寝したらどう?」
大きなあくびをした真希先輩に、キッチンの方で冷蔵庫に買ってきたお肉やら何かを閉まっていた。
梨華先輩が声をかけた。
それを聞いた真希先輩も「んあ。そうする」と言って再び2階へ上がってしまった。
「そんじゃ、アタシも上にいるから。梨華、コイツらに色々教えてやってよね」
「は〜い」
真希先輩につられるようにひとみ先輩もドタバタと階段を上がって行く。
「な、愛ちゃん。ビックリしたやろ?」
「え、な、何が?」
「真希ちゃんのコト…。あ、ここ座ってええで」
あいぼんに腕をとられて私は「あ、うん」と言いながらソファに座った。
さっきはよく見てなかったけど、リビングにはテレビが一つあって、テーブルとそれを囲む大きなソファが3つある。
それで部屋の1/4。もう1/4が長テーブルに椅子…っていうと解りにくいかなぁ。
まあ言うならば、リビングのソファのある半分が雑談用のスペース。
もう半分は食事のためのスペースってコトだった。
正面から見て、そのリビングの奥半分はキッチンになっていて、そこに冷蔵庫や棚がある。
今はそこに梨華先輩がいて、夕飯の支度を1人でしている。
「愛ちゃん、余所見してる…」
「あ、ご、ゴメンッ!」
突然、あいぼんに耳をキッと引っ張られて私はハッとした。
なんか、料理をする梨華先輩が若奥さんみたいで可愛いなぁ…なんて思ってたのでした。
…ううっ。私ったら…。
92ごっつぁむ@作者:02/03/05 00:45 ID:5DHKgMdY
更新しました。。。
もう寝るです。

>>84-86
保全ありがとうございます。
いつもいつも助かってます〜
93アルマーニ濱口 ◆2ggkL5EU :02/03/05 05:11 ID:+oDRZ9vY
保全・・・
ごっつぁむ、これからも、がんがってくれ
しばらくサイナラだけど、影ながら見守ってるぞ!
ちゃお〜
94名無し募集中。。。:02/03/05 05:50 ID:+xZm6a1I
↑お前はない
9586:02/03/05 23:14 ID:8YQbMmLL
    @ノハ@  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ピュ.ー ( ‘д‘)< 保全。。。
  =〔~∪ ̄ ̄〕 \________
  = ◎――◎
96ごっつぁむ@更新中:02/03/06 00:00 ID:MtON6xC6
「真希ちゃんはな、寝てる時に騒音で起こされるのが嫌いなんやて」
「まきせんぱいがキレたら、しにんがでるのれす」
ソファに座って、私が真ん中。左にののちゃんで右にあいぼんが座っている。
2人に腕を絡まれて、何気に身動きが取れない…。
別のソファには、あさ美ちゃんを真ん中に麻琴ちゃんと里沙ちゃんが話をしていた。
「で、何でアメを舐めると大人しくなるの?」
「それはやな〜…」
「それはれすね〜…」
…???な、何?
2人は意味深に頷きあって、何か企んだような顔をした。
「聞きたい?」
「そうかんたんにはおしえられないのれす」
「き、聞きたい…」
私がコクッ、と頷くとあいぼんは「そうか…」とあさっての方向を向きながら、
何か意味深にうつむいた。
「実は…真希ちゃんは、アメが好物なんや〜〜!!!」
「えええ〜〜〜っ!!?ビックリなのれす〜!!!」
・・・・・・。
・・・・・・。
・・・・・・。
ハァ??
「え?あの…それが、何か?」
私が素で質問すると、あいぼんは「ハァ〜」と深くため息をつき
「あかんなぁ、愛ちゃん。ツッコミがなっとらんで〜」
「おわらいのみちはきびしいのれす」
「お、お笑い…?」
私がひきつった笑いを浮かべると、あいぼんはそれを聞いて「ハァ〜」とまたため息をついて
「ここでやってくにはそれじゃあかんで」
と、どこか哀愁漂う感じに言った。
97ごっつぁむ@更新中:02/03/06 00:01 ID:MtON6xC6
ん…。実は、今あいぼんに言われて思い出したけど…。
私、昔からよく「個性がない」って言われる。
そんな、個性なんかどこで身につけたらいいのかわかんないし。
でも、よく考えてみよう。
学園長先生は、私とあさ美ちゃんをこの寮に薦める時、なんて言ってたっけ?
「大人しそうな2人がとんでもない寮でもみくちゃにされて…」って言ってた気がする。
まさか、それで私はここに来たの?
そうよ!!私、解っちゃったわ!!
私はここで『個性』を身につけるの!そうよ、絶対そう!!!
そうすれば、私だって…うっとり♥
「…ちゃん?愛ちゃん!!」
「…そうよ〜。ウフフ〜♥ 」
「愛ちゃん!!愛ちゃん!!!!!」
「あいちゃん!!!あいちゃ〜〜ん」
…ん?な、何?
い、いけない!!私、またトリップしてたみたい…。
「あ〜、ビックリした。脅かさないでよ、あいぼん」
「…こっちがビックリや。何や、何回呼んでも返事もせんといて」
「ゴ、ゴメンね〜…」
ああ、コレってホントに駄目な癖よね…。私、妄想癖なのよね、きっと。
「…やっぱりええキャラしとるわ」
あいぼんがボソっと何か呟いたけど、やっぱり私の耳には入っていませんでした。
「それよりさ〜、あいぼん」
それまで、事の始終を傍目で見ていた麻琴ちゃんが、隣のソファから身を乗り出して話に入ってきた。
「何や?」
「まだ、この寮のコト…愛ちゃんとあさ美にほとんど何にも教えてないよ」
「ヤダ、そうなの?」
ふと、あいぼんではなく上の方から声がして見上げると、いつの間に後ろにいたのか、
ピンクのフリフリのエプロンを身にまとった若奥さんみたいに可愛い梨華先輩が私たちを見下ろしていた。
「駄目だよ〜、マコちゃん。ちゃんとやらないと裕子先生に怒られちゃうよ」
梨華先輩の言葉に、麻琴ちゃんはちょっとムッとした感じになって
「だって。説明しようと思ったらみんなが邪魔したんですよ〜!!」
と、ムキになってしまっていた。
98ごっつぁむ@更新中:02/03/06 00:02 ID:MtON6xC6
「そや。梨華ちゃんが教えてあげればええねん」
プリプリと怒った顔の麻琴ちゃんの顔を見て、あいぼんが上を見上げながら口を挟んだ。
それを聞いた梨華先輩はビックリした顔になってあいぼんに怒鳴った。
「わ、私はお夕飯の準備があるじゃないっ!!」
「あかんで〜、梨華ちゃん。そうやって逃げてちゃ」
「な、なんで〜!」
唇をとがらせて、年下のあいぼんにたてつく梨華先輩はとても可愛い。
「ホラ、梨華ちゃんはモーニング荘一の優等生やから」
「りかちゃんはちゅーとーぶじだい、せいとかいちょうだったのれす」
「そ、それとこれとは関係ないでしょ!」
「あ、梨華先輩っ。いつも梨華先輩が言ってる“ポジティブ”ですよっ!」
「そ、それも関係ないでしょ!?」
年下のあいぼんやののちゃん、麻琴ちゃんに絡まれてる梨華先輩。
その様子が何だか面白くて、私はクスクスっと笑ってしまった。
「愛ちゃんに笑われとるで」
「…笑わせたのはあいぼんたちでしょっ」
「アハハ」
「おかしいのれす」
私、なんだか上手くやって行けそうな気がする。
こんなコト言ったら、何を突然…って言われるような気もするんだけど…。
なんだか、こうやって笑い合うと仲間になれたみたいな気がするもの。
もう、不安なんか感じてなかった。
「じゃあ、お夕飯の支度するからあいぼんとののも手伝って!今日は、愛ちゃんとあさ美ちゃんのために
 ご馳走を作っちゃうんだからっ!」
張りきって、床をスリッパでパタパタ踏んづけながらキッチンに戻っていく梨華先輩に、
「つまみ食いするで〜」
「もうおなかぺこぺこれす」
と、双子のような2人も親鳥にくっつく雛みたく付いてキッチンに足を運んでいた。
「じゃあ、その間に私と里沙でこの寮のコト、教えてあげるねっ」
空席になった私の座っているソファの右側に麻琴ちゃんがドカッと座り、
テーブルの上にさっき見ていた当番表をバン!と叩き置いた。
「じゃ、さっきの続きね…」
私たち4人はその紙を顔を寄せ合い眺めていた。
99ごっつぁむ@作者:02/03/06 00:03 ID:MtON6xC6
更新しました。

>>93
どうしたんでしょう??
また、感想お待ちしてますよ!!

>>95
あいぼん大活躍って感じです。
10095:02/03/06 00:12 ID:tt42/i9C
 @ノハ@
_( ‘д‘)ノ <更新乙カレー、と同時に100get!
\  |   |
彡\∪  |
   \∪
     \\
      \)
101( ^▽^)<ポジティブ:02/03/06 22:32 ID:gArSInhf
保全
102 :02/03/07 15:30 ID:VeQDGUUG
保守
103103:02/03/09 08:08 ID:oAV7Ut9F
安田
104ごっつぁむ:02/03/09 15:57 ID:VpvBQx5C
あ、作者ッス。
すいません忙しくって更新できなくて。。。

もうすぐ春休みなので、そしたら更新たくさんするので
もうしばらくお待ち下さいませ。。。
105名無し募集中。。。:02/03/10 00:05 ID:D+5LTcKh
がんがってや
106名無し募集中。。。:02/03/10 14:31 ID:mBCmjyvX
人‘ 。‘人
107名無し募集中。。。:02/03/10 17:13 ID:KMxyTKIn
( ‘д‘)<ageるで〜
108 :02/03/10 18:52 ID:AGH4HqSh
>>107
てめぇ何考えてんの?氏ね!

109107:02/03/10 19:21 ID:KMxyTKIn
>>108
落ちてたからageただけなんだが・・・
作者が来た時にスレがなくなってたら可哀想だろ
110( ^▽^)<カモン!:02/03/10 20:40 ID:2/BpZww3
>>109
スレ圧縮はそのスレの(age,sageに関わらず)最終カキコの時間によって決まる。
だから落ちていてもsage保全してあれば大丈夫だよ。
111107:02/03/10 23:37 ID:KMxyTKIn
>>110
そうなのか・・・お騒がせしてすまん
112ごっつぁむ@更新中:02/03/11 00:19 ID:dORtS3So
麻琴ちゃんはこの寮のアレコレを凄く丁寧に教えてくれた。
当番のコト、それから生活の規則。学園での過ごし方。
商店街について。それから、帰省日について…などなど。
まあ、覚えるコトはいっぱいあったのだけどその中でもすぐに覚えるのは麻琴ちゃん曰く
「挨拶は必ずするコト。コレは基本だねっ」
とのコトだった。
それから、この寮の人たちについても色々教えてくれた。
まだ会ってない先輩もいるけど、私たちを含めて全部で15人。

監督の先生がさっきの裕子センセ。なんでも、昔この寮にいたコトもあるらしい。
…というより、この学園で育ってそのまま先生になったそうだ。
そういうワケで、ほとんどの人生がこの寮での暮らしだったため、
男の人との出会いがないそうな…。だから、麻琴ちゃんは
「裕子センセの前で男の話は禁句!死に値するわよ」と言っていた。

それから、まだ会ってない先輩たちの話も出てた。
それはまた後で実際に会ってから麻琴ちゃんの話を思い出してみるかなー。
会ってもいないのに想像できないからねっ。
113ごっつぁむ@更新中:02/03/11 00:19 ID:dORtS3So
…というワケで、まずは梨華先輩。高校2年生。
梨華先輩は中等部時代に生徒会長とテニス部のキャプテンをやっていたらしくて
かなり性格は真面目。その上、服装から見ても解るようにフリフリの女のコチックな性格だそうだ。
声がアニメの声優さんみたくて、凄く可愛いのがインパクトに残る。
麻琴ちゃんは「ココが共学だったら絶対男に人気だったのにね!」と言っていた。
あ、ちなみに今もテニス部らしい。

そんでひとみ先輩。高校2年。
ひとみ先輩はバレー部のエースで中等部の頃からアタッカーとして活躍してたそうだ。
それはなんとなく、ショートカット風の髪型と高い身長から伺えるところがある。
女の私でもうっとりしてしまうほどの美形で…そう、私の好きだった宝塚の男役の人みたい。
そんなひとみ先輩はやはり後輩の女のコに慕われて取り巻きまでいるそうだ。ひえ〜っ…。

次は真希先輩。高校2年。
梨華先輩・ひとみ先輩・真希先輩の3人トリオは中等部からの名物トリオらしくて、特に
真希先輩はその中でも後輩や先輩からの支持が圧倒的だそうだ。
飄々としていて、いつも気だるそうな真希先輩。授業をサボったり、遅刻したりなんかは日常茶飯事。
そういえば私と会った時も授業をサボってたみたいだったな〜…?
だけど「ヤル時はヤル!」というのが真希先輩の凄いところらしくて、その点については梨華先輩や
あいぼんたちも「真希ちゃんはヤル時ゃヤルで〜」と言っていた。
そんな真希先輩はバスケ部の幽霊部員。普段の練習にはほとんど出てないそうだ。
114ごっつぁむ@更新中:02/03/11 00:20 ID:dORtS3So
そんなあいぼんと、双子の姉妹のようなののちゃん。
思いきって「2人は双子なの?」と聞いてみたら、2人とも暗い表情をしてうつむいてしまった。
「あんな…。それには海の底より深ぁ〜い理由があるねん…」
「かなしいカコなのれすよ…」
「…う、うん」
ごくり、と思わず唾を飲みこみ悲しそうな2人の表情を見守る。
すると、あいぼんがぽつり、ぽつりと妄想に深けるようにしみじみと語りだした。
「…あれは…14年前のコトやった…」
そのぽつり、ぽつりの度にののちゃんがコクン、コクン、と頷く。
「うちとののはな…こう見えても双子やねん」
「ふたごなのれす」
「…う、うん」
「せやけど…うちは貧乏でした…」
「おかねがなかったのれす…」
「だからっ、とーちゃんは苦しいけど決心したんねんな!!ののを…ののを〜!!!」
私ったら、その瞬間本気で涙が出そうになってハンカチを取り出そうとしたんです。
でも…。
「……なーんて、下手な漫画じゃあるまいし。んなぁこたぁないんやけどな」
「ぜんぶ、うそなのれすよ。しんじてませんよね?」
・・・・・・。
だけど私ったら恥ずかしくって思わず反論しちゃったんです。
顔が真っ赤になりながら、もう何叫んでるのかわからないくらいに…。
「あ〜っ!もう、そうなのエヘヘ。私ったらバカだな〜信じちゃった〜アハッ
 あ、駄目なの。そう、駄目なの。ホンット駄目なの。
 私、そういう嘘とか本気にしちゃうのよ〜あはは…」
最後の方はかなり情けなくなりながら、ビックリした瞳で私を見つめるあいぼんとののちゃんの
視線に耐えられなかった…。
と思ったら。
「アハハッ。愛ちゃん、今までで面白い反応やで〜。こりゃあ三日三晩は笑い通しやな〜アハハハハ!!」
「まともにしんじたのはあいちゃんがはじめてなのれす」
「アハハ…」
私とて、あんまり気が気じゃなくて苦笑いを浮かべているだけでした。…トホホ。
あ、ちなみにあいぼんとののちゃんは同じバレー部だそうだ。
これはいつもあいぼんにくっついてるののちゃんが薦めたそうで、意外にも(失礼)
あいぼんよりののちゃんの方がバレーは上手いらしい。
「ののはバレーだけはできるんやで」
「ほかはだめなのれす」
と2人とも照れくさそうに笑っていたけどね。
115ごっつぁむ@作者:02/03/11 00:21 ID:dORtS3So
ども。お久しぶりの更新です。
明日もできるように頑張りますのでよろしくお願いします
116名無しさんは見た!:02/03/11 22:58 ID:dORtS3So
そして、私とあさ美ちゃんに色々教えてくれた麻琴ちゃんと里沙ちゃん。

里沙ちゃんの方は最初、あんまり喋ってくれなかったけど次第に打ち解けてくれた。
そんな里沙ちゃんはバスケ部で真希先輩と一緒に頑張ってるそうだ。
印象としては大人しいな、って思ったけど案外大胆な発言をするところもあってビックリした。

そして麻琴ちゃん。
よく笑ってよく喋る彼女は水泳部に入ってるんだって。
私たちにもよくしてくれるし、先輩たちにも信用されてるのかな?
とにかくよく笑ってよく喋る、というのが印象に強かった。
麻琴ちゃんとあいぼん、ののちゃん、あさ美ちゃんが同じクラスになるんだって。
でも、残念ながら私と同じ学年の人はいないみたい…。
それが残念と言えば残念だったかなぁ。
117ごっつぁむ@更新中:02/03/11 22:59 ID:dORtS3So
↑あ、自分です(w
他の板でカキコしてきたのでそのままでした。。。
今日は短いですが更新しました。
118ごっつぁむ@更新中:02/03/12 23:18 ID:oCp7lTGx
「たっだいま〜」
「ただいま」
ふと、そんな声がして時計を見るとすでに5時過ぎになっていた。
私は帰ってきた2人の声が初めて聞く声だって解ったので、ちょっとドキドキしてきた。
案の定、リビングに入ってきたでっかいバックをしょった2人の顔は見たことがない人たちだった。
…ってそんなの当たり前なんだけどね。
背の低いちょっと金髪に近い程の明るい髪の人と、ショートカットがちょっと伸びたくらいの人。
どっちも美人で可愛い…。
「あーっ!!このコたちが新入生かぁ〜〜!!!」
背の小さい方の人がキンキン声を張り上げて、私たちの姿を見つけて近寄ってきた。
近くに来て解ったけど、この人…あいぼんたちより小さいみたい。
「ねぇ、ねぇ!名前聞いてもいいっ!?あっ、先に矢口の名前言わないとねっ!」
「…ハ、ハァ…」
この人がきっと、さっき麻琴ちゃんの話に出てた『矢口真里』さんなんだな。
だって、麻琴ちゃんの言ったとおり身長が低くてちょっと派手で元気…って感じだもん。
「矢口」
「あ、ゴメン。紗耶香…」
一方のこの人がえ〜と…なんだっけ…??
イチイ??さんだったかな。
うん、多分そうだ。『市井紗耶香』さんだ。
ちょっとクールで大人っぽい感じがする人って聞いてたもん。
確か、2人とも合唱部だったハズ…。
後で色々聞いてみようかな?だって、私も合唱部に入るつもりだからね。
そういえば、梨華先輩がちょろっと言ってたけどこの寮の人には合唱部出身の人が結構いるみたい。
裕子センセもそうだし、『なっち先輩』という人や、『圭先輩』という人もそうだったそうだ。
あと、現寮リーダーの『かおり先輩』は美術部だったんだって。
119ごっつぁむ@更新中:02/03/12 23:18 ID:oCp7lTGx
その市井さんは私たちに向かって「ゴメンね、コイツ興奮するとすぐ騒ぐから」と笑顔で言った。
「私は市井紗耶香。よろしくね」
「アタシッ、矢口!矢口真里!!」
「あ、あの…私、高橋愛です!!」
「あ、あ、あ、あのっ、私は紺野あさ美ですっ!!」
「アハハ、見て紗耶香!このコたち緊張してるよ〜」
「真里…そういうコトは思っても言うな」
紗耶香先輩(って呼ぶことにします)は真里先輩(同じく)に向かってピシャリ、と言うけれど
真里先輩は「アハハ〜ゴメン」と笑いながら「矢口、今日の夕食当番なんだ〜♪」とキッチンに行ってしまった。
その向かい際に「今日の夕食はご馳走にするからね〜♪」と叫んでいた。
…元気な人だなぁ…。
「それじゃ、私…上にいるからね。愛ちゃん、あさ美ちゃん。これからヨロシク」
紗耶香先輩はそうさらっと告げるとドアを閉めさっさと上に行ってしまった。
…後にはキッチンから聞こえる梨華先輩と真里先輩の声と、階段の音が残っていた。
「紗耶香先輩はねっ、すっご〜く厳しいの!」
「そ、そうなの?」
こそこそ話で声を潜めながら、麻琴ちゃんは私たちに呟いた。
「でも、アタシは好きだけどねっ」
「…私も」
横で静かにしていた里沙ちゃんも、微笑を浮かべていた。
そこで私は、さっきちょっとだけ気になったコトを麻琴ちゃんに聞いてみた。
「ねえ、この寮の人はみんな名前で呼ぶんでしょ?」
「ああ。真里先輩のコト?あのね、あの人…自分のこと“矢口”って呼んでたでしょ」
「う、うん…」
「だから、真里先輩だけ上の人たちから“矢口”って呼ばれてんの。言わばアダ名ね」
「ふ〜ん…」
そうかぁ。ちょっと疑問だったんだ。
さっき、紗耶香先輩が「矢口」って言った時。
だけどそれで疑問が解けた。アダ名なんだね。
120ごっつぁむ@作者:02/03/12 23:19 ID:oCp7lTGx
明日また更新します
121100:02/03/14 00:03 ID:qFsz3JQi
保全。。。
122122:02/03/14 04:08 ID:IsRDlY/W
煽り上等
123加護信者 ◆JatY6Lfg :02/03/14 04:26 ID:C+SPQ57L
>ごっつあむ
たった今全部読み終えました!こんなに疲れたの初めてw
小説は実際かなり読みまくってるのでこれ系スレは大好きです
ちなみに加護ちゃんモノで小説読みたいんですけど知ってますか?
よろしければ教えてください。
124ごっつぁむ@作者:02/03/14 17:05 ID:mjBkRa17
>加護信者さん
他スレで見たことあります(wどうも。
読んでくださってありがとうございます☆
加護の出てる小説で好きなのって言ったらやっぱり「カテキョ」でしょうか。。。
ってアレはいいらさんと辻モノですけど…。そういえば加護主人公の小説ってあんまり見たことないですね〜。
小説総合スレッドで聞いてみてはいかがでしょう?
125( ^▽^):02/03/14 18:37 ID:SBZX3e4n
>>123
「のの、ひとり暮らしをはじめる」
http://kyoto.cool.ne.jp/etm/index.html
主人公は辻だが、加護の視点。有名だから読んだことあるかもしれないが...

>作者さん
更新期待してます。かなりの長編になりそうですね。気長に待ってます。
体調に気をつけてがんばってください。
126ごっつぁむ@作者:02/03/14 23:59 ID:mjBkRa17
今日はモーたいやら食わず嫌いやら見てたので書けませんでした。。。
明日更新できる…かな?

>>125
それも有名な作品ですね。
そして話はまだまだ続きます。…っていうかまだ3人出てきてないし(w
見捨てないで読んでやってください
127121:02/03/15 00:24 ID:Ig8cqBTX
>作者
マターリまってますよ。。。
一応、毎日見に来ますけど・・・(w
128127:02/03/16 01:27 ID:trKwCKR3
マターリ保全。。。
129名無し読者:02/03/16 14:21 ID:hiK9tNF9
早く続きが読みたいsage
130ねぇ、名乗って:02/03/17 08:55 ID:xKzlU0aq
(〜^◇^)<ホゼンしちゃうぞぉ
131128:02/03/18 00:31 ID:VhWtlWt/
再びマターリ保全。。。
132名無し募集中。。。:02/03/18 01:07 ID:JJgjQZ1h
早く戻ってきてくれ〜!!!
続きが読みたいんだっ!!!
133132:02/03/18 14:40 ID:JJgjQZ1h
まだ来てないな
早くきてけろ
134ごっつぁむ@更新中:02/03/19 01:15 ID:8ite5yIz
キッチンの方で「できた〜!」とか「真里先輩のせいで料理が〜!!」とか聞こえたと思ったら、
キッチンからやってきたあいぼんとののちゃんに捕獲されて私とあさ美ちゃんはワケもわからず
2階の部屋に拉致されてしまいましたとさ。
「今から支度するから、下りてきたらあかんで」
ってあいぼんがちょっとドスの効いた声で脅したので私もあさ美ちゃんは黙りこくってしまっていた。

・・・・・・。
静か。
さっき出会ったばかりなのに、不思議。
なんだかここにいると懐かしい気分になれるんだ。
いつもはちょっと人見知りしちゃう私がすぐに打ち溶けて、みんなと笑ってた。
それがなんだか可笑しくなって、覗きこんだ鏡に映った自分が恥ずかしかった。
「ね。愛さん」
「なぁに?」
「…なんか、私…。こういうのに憧れてました」
あさ美ちゃんは照れ笑いしながら顔を赤くして言ったけど、私はそれを聞いてビックリしてしまった。
「…実はね〜。私もなんだっ」
あさ美ちゃんの顔を覗きこんで私も恥ずかしそうに笑った。
その瞬間に目が合って、思わず二人で笑い転げていた。
「ね。愛さん。私と…友達になってくれますか?」
ピタッと笑うのを止め、真剣な眼差しで私を見つめるあさ美ちゃん。
夕暮れのオレンジ色の光が窓から差し込んで、その顔に陰りが見えた気がした。
だけど、その瞳はまっすぐ私を見つめている。
何であさ美ちゃんがそんなコト言ったのか解らない。
それに、私にとっては友達になるコトに理由なんかないと思ってたからあさ美ちゃんの言葉に
「当たり前だよ。それに、私たちもう友達だよ」
と答える以外の選択肢はなかった。
その言葉を聞くと、あさ美ちゃんは嬉しそうな、泣きそうな顔をして「うん!」と微笑んだ。
135ごっつぁむ@更新中:02/03/19 01:20 ID:8ite5yIz

「さ、2人とも。準備ができました」
「先輩たちが待ってるから、下に下りよっ」
「う…うん」
「は、はい」
麻琴ちゃんと里沙ちゃんの2人が私たちを呼びに来て、いよいよ私の心臓はドキドキしてきた。
さっき出会った先輩たちがいっぺんに登場。
その上、まだ会ったこともない人もいるんだから!!
…ま、また妄想癖出ちゃったらどうしよ〜〜!!!
「愛ちゃん。足が震えてるよ」
麻琴ちゃんに足をペシッと叩かれて、私は「おうっ」とブルブルしているコトに気づいた。
「ま、待ってぇ〜…心の準備がまだ…」
「わ、私もです…」
「そんなもん、いらないいらない。真里先輩あたりが盛り上げてくれるから、心配しなくていいよ。
 さ、行きますよ!!」
麻琴ちゃんにぐいぐいと引っ張られて、後ろからは里沙ちゃんに押されて
私とあさ美ちゃんは階段を自分の意思とは裏腹にズンズン下りた。
「呼ぶまで待ってて」
「ドアは引き戸ですよ」
下に着くと2人はドアの向こうに入ってしまい、私たちは震える体を抱き寄せながら
呼ばれるのを待った。
う〜…緊張する。
横をチラッと見たら、あさ美ちゃんなんか死んだ魚みたいな目で顔を真っ青にしながら
ブルブルとしている。…それは私の腕を伝って解るんだけど…。
「さっ、愛ちゃん!あさ美ちゃんの登場で〜す!!!!」
いきなり名前を呼ばれて、私はハッ!としてしまい、震える手でドアノブを掴んだ。
ええ〜い!!もう、どうにでもなれっ!!!
目を閉じながら、ドアを一気に引いた。
136ごっつぁむ@更新中:02/03/19 01:41 ID:8ite5yIz
パン!パン!!!パン!!!!

クラッカーの音が響き、私たちの髪にクラッカーの紙くずがかかる。
私がそれを取りながら目を開くと、食卓に勢ぞろいした先輩たちがズラーっと私たちを見ていた。
「さ、こっちやで」
「こっちれすよ」
あいぼんが私の手を取り、ののちゃんがあさ美ちゃんの手を取る。
それはまるで結婚式のように、主役が席に向かうようなちょっと恥ずかしいけど嬉しい出来事でした。
私たちが丁度ど真ん中の席につくと…。
「へぇ〜。新入生ってば、2人とも可愛いじゃないの」
「でもカオリにはまだまだ負けるわね」
「まったぁ〜。かおりは新入生が来るとそればっかりだべ」
初めて見る3人の先輩がまず口を開き、それに対してさっきの先輩たちがみんなで口々に意見を言っていた。
「じゃ、まずは自己紹介よね」
ロングヘアーの長身の美人な先輩が立ち上がって自己紹介を始めた。
「アタシは飯田圭織。美術科の大学2年…」
「違うべさ、カオリ。3年になったべさ」
圭織先輩にツッコミをいれたのはショートカットの童顔のちょっと小柄な先輩。
ツッコミを入れられても動じず、圭織先輩はフサッと髪の毛を掻きあげて
「い、今のはジョークよ?解るわよね、このハイセンスなギャグ」
と、あくまでカッコよく私たちに言い放った。
…どこか外れてるけど、私こういうキャラの人好きだなぁ〜♥
そういえば、麻琴ちゃんが「カオリ先輩はカッコつけたがりなのに超天然」って言ってたっけ「え、あの、私もです!」
なっち先輩の言葉に、あさ美ちゃんが反応して「あ、しまった…」というような顔をしていた。
「へぇ〜。北海道から…。それは色々大変だったんだ?」
「あ、ハイ…色々〜…」
あさ美ちゃんはどこか表情に陰りを見せて、あんまり触れられたくないような顔をしていた。
…なんでだろ?まぁ、私も『おばあさま』のコトに触れられるのはあんまり嬉しくないけどね。
137ごっつぁむ@更新中:02/03/19 01:42 ID:8ite5yIz
「で、私が保田圭」
なっち先輩の右隣の目の鋭い、口元のホクロがちょっとセクシーっぽい人がいった。
最後の一人、保田圭先輩だ。。
美人で、自信たっぷりなのにどこか抜けてるのがちょっと可愛らしい。
「ま、そういうワケだからよろしくね。カオリはリーダーだから、わからないコトがあったら聞いてよね」
そういうと、さっさと席についてしまった。
続いて立ち上がったのはさっきの左から2番目の小柄な人。
「ども〜。なっちだべさ。“なっち先輩”って可愛く♥呼んでくれると嬉しいべさ」
こぼれるほどの満面の笑みを浮かべて、どこかの訛り混じりな喋りで私たちに自己紹介している。
「なっち、北海道の出身だべ」
「現在この寮の最年長、元合唱部で、今は音楽科の4年生。よろしくね」
ニコッと笑いかけたその笑顔に、更に右隣の真里先輩が
「ええ〜っ、圭ちゃん。それじゃ普通すぎじゃな〜い?やっぱアレでしょ!」
「そうだよ、圭ちゃん。あたしもアレ見たいな〜」
真里先輩につられて、一番右端っこの真希先輩も騒ぎ出した。
更にそれにつられて、あいぼんやののちゃんも「見た〜い!」と連発している。
「う、うるさい!新入生に変なイメージもたれたらどうすんのよ!」
「いいじゃ〜ん!つまんないと思われるよりはイイかもよ」
「…わ、わかったわよ」
圭先輩はハズかしそうな顔をして立ち上がり、
「やすだけいでぇ〜すぅ♥好きな食べ物はぁ〜なんこつです なんこつです♥チュ〜ッ」
・・・・・・。
・・・・・・。
・・・・・・。
・・・・・・。
・・・・・・。
・・・ハッ。
今、私の頭の中は真っ白になっています。
「あ〜あ。やっぱり衝撃度マックスだったみたい」
「だからやりたくなかったのに…」
「おええええ〜っ…」
「あ〜っ、真希ちゃん!お食事の前に吐かないでぇっ」
な、なんだったのかしら。今の…?
「愛ちゃん。あさ美ちゃん。大丈夫〜?ちょっと心臓に悪かったでしょ、今の」
「アンタらねぇ〜!人にやらせてその言いぐさはないんじゃないのぉ!?」
実際、それからしばらく圭先輩の顔を直視できなかったのは言うまでもなかった…。
138ごっつぁむ@作者:02/03/19 01:46 ID:8ite5yIz
ども、作者です。
更新遅れて申しわけない。。。

>>130 >>131 >>132
保全、ありがとうございます。感想もお待ちしてますね

>>133
キマシタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
139ごっつぁむ@作者:02/03/19 01:49 ID:8ite5yIz
ぬぁぁ!!!!
文章が途中で入れ替わってる!!!!!(鬱
すいません。修正したあと、間違えたところ削除依頼出しておきますので…。
140ごっつぁむ@修正中。。。:02/03/19 01:53 ID:8ite5yIz
キッチンの方で「できた〜!」とか「真里先輩のせいで料理が〜!!」とか聞こえたと思ったら、
キッチンからやってきたあいぼんとののちゃんに捕獲されて私とあさ美ちゃんはワケもわからず
2階の部屋に拉致されてしまいましたとさ。
「今から支度するから、下りてきたらあかんで」
ってあいぼんがちょっとドスの効いた声で脅したので私もあさ美ちゃんは黙りこくってしまっていた。

・・・・・・。
静か。
さっき出会ったばかりなのに、不思議。
なんだかここにいると懐かしい気分になれるんだ。
いつもはちょっと人見知りしちゃう私がすぐに打ち溶けて、みんなと笑ってた。
それがなんだか可笑しくなって、覗きこんだ鏡に映った自分が恥ずかしかった。
「ね。愛さん」
「なぁに?」
「…なんか、私…。こういうのに憧れてました」
あさ美ちゃんは照れ笑いしながら顔を赤くして言ったけど、私はそれを聞いてビックリしてしまった。
「…実はね〜。私もなんだっ」
あさ美ちゃんの顔を覗きこんで私も恥ずかしそうに笑った。
その瞬間に目が合って、思わず二人で笑い転げていた。
「ね。愛さん。私と…友達になってくれますか?」
ピタッと笑うのを止め、真剣な眼差しで私を見つめるあさ美ちゃん。
夕暮れのオレンジ色の光が窓から差し込んで、その顔に陰りが見えた気がした。
だけど、その瞳はまっすぐ私を見つめている。
何であさ美ちゃんがそんなコト言ったのか解らない。
それに、私にとっては友達になるコトに理由なんかないと思ってたからあさ美ちゃんの言葉に
「当たり前だよ。それに、私たちもう友達だよ」
と答える以外の選択肢はなかった。
その言葉を聞くと、あさ美ちゃんは嬉しそうな、泣きそうな顔をして「うん!」と微笑んだ。
141ごっつぁむ@修正中:02/03/19 01:54 ID:8ite5yIz
「さ、2人とも。準備ができました」
「先輩たちが待ってるから、下に下りよっ」
「う…うん」
「は、はい」
麻琴ちゃんと里沙ちゃんの2人が私たちを呼びに来て、いよいよ私の心臓はドキドキしてきた。
さっき出会った先輩たちがいっぺんに登場。
その上、まだ会ったこともない人もいるんだから!!
…ま、また妄想癖出ちゃったらどうしよ〜〜!!!
「愛ちゃん。足が震えてるよ」
麻琴ちゃんに足をペシッと叩かれて、私は「おうっ」とブルブルしているコトに気づいた。
「ま、待ってぇ〜…心の準備がまだ…」
「わ、私もです…」
「そんなもん、いらないいらない。真里先輩あたりが盛り上げてくれるから、心配しなくていいよ。
 さ、行きますよ!!」
麻琴ちゃんにぐいぐいと引っ張られて、後ろからは里沙ちゃんに押されて
私とあさ美ちゃんは階段を自分の意思とは裏腹にズンズン下りた。
「呼ぶまで待ってて」
「ドアは引き戸ですよ」
下に着くと2人はドアの向こうに入ってしまい、私たちは震える体を抱き寄せながら
呼ばれるのを待った。
う〜…緊張する。
横をチラッと見たら、あさ美ちゃんなんか死んだ魚みたいな目で顔を真っ青にしながら
ブルブルとしている。…それは私の腕を伝って解るんだけど…。
「さっ、愛ちゃん!あさ美ちゃんの登場で〜す!!!!」
いきなり名前を呼ばれて、私はハッ!としてしまい、震える手でドアノブを掴んだ。
ええ〜い!!もう、どうにでもなれっ!!!
目を閉じながら、ドアを一気に引いた。
142ごっつぁむ@修正中:02/03/19 01:55 ID:8ite5yIz
パン!パン!!!パン!!!!

クラッカーの音が響き、私たちの髪にクラッカーの紙くずがかかる。
私がそれを取りながら目を開くと、食卓に勢ぞろいした先輩たちがズラーっと私たちを見ていた。
「さ、こっちやで」
「こっちれすよ」
あいぼんが私の手を取り、ののちゃんがあさ美ちゃんの手を取る。
それはまるで結婚式のように、主役が席に向かうようなちょっと恥ずかしいけど嬉しい出来事でした。
私たちが丁度ど真ん中の席につくと…。
「へぇ〜。新入生ってば、2人とも可愛いじゃないの」
「でもカオリにはまだまだ負けるわね」
「まったぁ〜。かおりは新入生が来るとそればっかりだべ」
初めて見る3人の先輩がまず口を開き、それに対してさっきの先輩たちがみんなで口々に意見を言っていた。
「じゃ、まずは自己紹介よね」
ロングヘアーの長身の美人な先輩が立ち上がって自己紹介を始めた。
「アタシは飯田圭織。美術科の大学2年…」
「違うべさ、カオリ。3年になったべさ」
圭織先輩にツッコミをいれたのはショートカットの童顔のちょっと小柄な先輩。
ツッコミを入れられても動じず、圭織先輩はフサッと髪の毛を掻きあげて
「い、今のはジョークよ?解るわよね、このハイセンスなギャグ」
と、あくまでカッコよく私たちに言い放った。
…どこか外れてるけど、私こういうキャラの人好きだなぁ〜♥
そういえば、麻琴ちゃんが「カオリ先輩はカッコつけたがりなのに超天然」って言ってたっけ。
美人で、自信たっぷりなのにどこか抜けてるのがちょっと可愛らしい。
「ま、そういうワケだからよろしくね。カオリはリーダーだから、わからないコトがあったら聞いてよね」
そういうと、さっさと席についてしまった。
続いて立ち上がったのはさっきの左から2番目の小柄な人。
「ども〜。なっちだべさ。“なっち先輩”って可愛く♥呼んでくれると嬉しいべさ」
143ごっつぁむ@修正中:02/03/19 01:56 ID:8ite5yIz
こぼれるほどの満面の笑みを浮かべて、どこかの訛り混じりな喋りで私たちに自己紹介している。
「なっち、北海道の出身だべ」
「え、あの、私もです!」
なっち先輩の言葉に、あさ美ちゃんが反応して「あ、しまった…」というような顔をしていた。
「へぇ〜。北海道から…。それは色々大変だったんだ?」
「あ、ハイ…色々〜…」
あさ美ちゃんはどこか表情に陰りを見せて、あんまり触れられたくないような顔をしていた。
…なんでだろ?まぁ、私も『おばあさま』のコトに触れられるのはあんまり嬉しくないけどね。
「で、私が保田圭」
なっち先輩の右隣の目の鋭い、口元のホクロがちょっとセクシーっぽい人がいった。
最後の一人、保田圭先輩だ。。
「現在この寮の最年長、元合唱部で、今は音楽科の4年生。よろしくね」
ニコッと笑いかけたその笑顔に、更に右隣の真里先輩が
「ええ〜っ、圭ちゃん。それじゃ普通すぎじゃな〜い?やっぱアレでしょ!」
「そうだよ、圭ちゃん。あたしもアレ見たいな〜」
真里先輩につられて、一番右端っこの真希先輩も騒ぎ出した。
更にそれにつられて、あいぼんやののちゃんも「見た〜い!」と連発している。
「う、うるさい!新入生に変なイメージもたれたらどうすんのよ!」
「いいじゃ〜ん!つまんないと思われるよりはイイかもよ」
「…わ、わかったわよ」
圭先輩はハズかしそうな顔をして立ち上がり、
「やすだけいでぇ〜すぅ♥好きな食べ物はぁ〜なんこつです なんこつです♥チュ〜ッ」
・・・・・・。
・・・・・・。
・・・・・・。
・・・・・・。
・・・・・・。
・・・ハッ。
今、私の頭の中は真っ白になっています。
「あ〜あ。やっぱり衝撃度マックスだったみたい」
「だからやりたくなかったのに…」
「おええええ〜っ…」
「あ〜っ、真希ちゃん!お食事の前に吐かないでぇっ」
な、なんだったのかしら。今の…?
「愛ちゃん。あさ美ちゃん。大丈夫〜?ちょっと心臓に悪かったでしょ、今の」
「アンタらねぇ〜!人にやらせてその言いぐさはないんじゃないのぉ!?」
実際、それからしばらく圭先輩の顔を直視できなかったのは言うまでもなかった…。
144ごっつぁむ@やる気無し:02/03/19 03:37 ID:2D26QHeZ
この小説打ち切りです
みなさん有難うございました
145ねぇ、名乗って:02/03/19 08:59 ID:wsOBLIGv
>>144
騙したいんならもっと研究しろよw
146ごっつぁむ@本人:02/03/19 13:40 ID:8ite5yIz
>>144
おおっ、偽者登場だ(w
嬉しかったり悲しかったり…
取りあえず荒らさないで下さいね
147ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/03/19 23:15 ID:8ite5yIz
ども、作者です。
何気にトリップ付けてみました。
明日は更新できないのでお休みいたします。
148133:02/03/20 00:12 ID:ncOxxKG+
キタ━━(゚∀゚)━━ !!
ダーヤスのキャラ、面白すぎ!!!

作者>
偽者に負けずがんがれ。期待してます
149名無し募集中。。。:02/03/20 08:03 ID:CV9+Z17w
145のおかげで144が微笑ましく映ったよ(w
150名無し募集中。。。:02/03/20 19:07 ID:NB2F5ek+
>>149
すごい自演だな(w
同じような時間にほとんどの小説スレにカキコしてんのオマエだろ。
普通に保全しとけばいいじゃん。
151131:02/03/21 21:48 ID:5U1frtid
>最後の一人、保田圭先輩だ。。
>美人で、自信たっぷりなのにどこか抜けてるのがちょっと可愛らしい。

修正前のつっこみで申し訳ないが、
これにワラタ。。。
設定少し違うとはいえ(ry
こんなカキコですが
禿げしく応援してます・・・
152148:02/03/22 16:37 ID:o6U1o2ea
>>151
ワラタ(w
153144:02/03/22 17:56 ID:JRgCS8bf
145はオイラとは別人
154152:02/03/22 23:52 ID:o6U1o2ea
>>153
どうでもいいけどむやみにageるな
>>1を読め
155ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/03/23 19:10 ID:8alIMEyZ
ども。作者ッス。
忙しくてなかなか更新できないようです。。。

早く続きが書きたいので、もうちょっとだけ待っててくださいませ

>>151
ワラタ(w
156:02/03/25 11:24 ID:1cLdI3sM
157chinko:02/03/25 21:22 ID:/GAhgPcP
(・∀・)シャンティ♪
158151:02/03/27 00:21 ID:vGoRpYwl
    _∧@ノハ@ 
   (_` |(‘д‘ )  パッパカパ-    (´´
      | Ю⊂)_√ヽ        (´⌒(´
     (  ̄ ∪ )^)ノ ≡≡≡(´⌒;;;≡≡≡
       @ ̄ ̄@  ≡  (´⌒(´⌒;;
         ドドドドォーーーーーッ    (´⌒;

保全中。。。
159( ^▽^):02/03/28 13:32 ID:LElQjv1o
160( ´ Д `):02/03/29 22:27 ID:hHAWd9Nh
早く〜
161158:02/03/31 00:59 ID:Vp0nttkM
   | ハ@
   |‘д‘) こそーと更新ちぇっく。。。
   |⊂
   |
162161:02/04/02 07:54 ID:mOw081QL
   | ハ@
   |‘д‘) 再びこそーと更新ちぇっく。。。
   |⊂
   |
163 :02/04/03 16:29 ID:O9MqogZ0
作者よ!いつごろ更新できるんだ?それだけでも教えてくれ!!
164ごっつぁむ@作者:02/04/03 23:21 ID:rMigvQN7
あ、どうも…。ホンットに久しぶりです。
えーと…春休みが終わる頃には更新したいと思います。
学校がなければ書く時間が増えると思ったら逆に時間がないんで…。

待っていてくださる方、本当にごめんなさい。
必ず続き書きますのでもうしばらくお待ち下さい…。
165ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/04/03 23:21 ID:rMigvQN7
あ、トリップ忘れてた…。
166162:02/04/03 23:34 ID:GhJIpjHm
>作者

マターリまってますよ。。。
春休みかぁ・・・
いい響きだ。。。
ほすぃなぁ、春休み。。。
167名無し読者:02/04/04 00:49 ID:uP2UJUq9
dat逝き阻止age

>作者
気にせずに頑張ってくれ
待ってるよ
168167:02/04/04 00:52 ID:uP2UJUq9
そういえば、『小説人気投票スレ』でごっつぁむタンの
「娘サスペンス劇場〜雪の女豹〜」が29位にランクインしてたよ!!
おめでとう
169名無し募集中。。。 :02/04/04 02:27 ID:JB2JfRXX
>>167
どこにあるの?
170169:02/04/04 02:28 ID:JB2JfRXX
悪い>>168だ。
171167:02/04/04 06:18 ID:uP2UJUq9
172アルマーニ濱口:02/04/05 02:12 ID:MQaRA7EU
復活期待ほぜ
173 :02/04/07 20:09 ID:OTUiEqkK
久しぶりに顔だし保全
174ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/04/07 23:23 ID:jch1msYe
コホンッ!」
突然、バカでかい咳払いが聞こえて一堂はシーンと静まり返った。
咳払いを発した主に視線が注がれるけれど、当人は逆にそれで気分を良くして立ち上がった。
…立ち上がったのは、寮リーダーの飯田圭織さんだった。
「いいですか、皆さん。カオリから大事な話があります!」
シーンとした空気の中、圭織先輩はバンッと机に両手をついて言い放った。
「自己紹介もすんだことだし…早くご飯にしましょう」
「ハァ?」
「結局、カオリがご飯食べたいだけだべさ」
「ち、違うわよっ!」
圭織先輩はムキになって机についた手を振り上げ、あさっての方向を眺めながら
「私のこの体の中には、小さな宇宙が広がっているの。
 宇宙は食物のパワーを欲しがっているんだわ。だから私は今!この瞬間に宇宙にパワーを送るべきなのよ!」
・・・・・・ハァ?
あ、あの…?う、宇宙って何…。
「出た出た。カオリの宇宙パワー!」
「…ったく、電波なんだから」
「メシが食いたいなら、そうやって言えばいいのに」
いつものこと…というように呆れ返ってる皆さんとは別に、私とあさ美ちゃんだけはキョトンとして圭織先輩を見ていた。
…と思ったら。
「わ、解ります!私のこの体にも宇宙がパワーを欲しがっているんです!!!」
あさ美ちゃんが突然立ち上がって、圭織先輩の手のひらを掴んでブンブンと上下に振りまわし始めた。
その瞳は、さっきまでには一度も見せないくらいにキラキラと輝いていた…。
「あら、あなた。なかなか話が解るじゃない?」
「ハ、ハイ!」
「えっと。…愛ちゃんだったわよね?」
うわ。
やっちゃったよ、この人。
「…………あさ美です…………」
さっきまでのキラキラした瞳から光が消え、背後にどんよりとした空気が見えそうな程、あさ美ちゃんは落ち込んでしまった。
「ふっ。あさ美ちゃんね。間違いには誰にだってあるじゃない?」
「うわ。なかったことにしてるよ、コイツ」
さっきから冷たいツッコミを入れてるのは真里先輩。あの、年下じゃなかったでしたっけ…?
175ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/04/07 23:24 ID:jch1msYe
「それより!今日のご飯、頑張ったんです〜!」
話を途中で遮って、梨華先輩が大声を張り上げた。
あ…あの。普段は可愛い声なんだけど、大声で怒鳴られると超音波みたいで〜…。
「今日のこのビーフシチューとかかなりオイシイよね」
「梨華ちゃんのご飯は結構おいしいねんな」
「ののはなんれもすきれす〜」
誉められて、「えへへ」と笑っていたけどキッと真里先輩を睨みつけ
「でも、ホントはもっとおいしくなるハズだったのに…」
「キャハハ☆塩と砂糖間違えるなんて、ベタなコトするよね〜」
「……間違えたのは、真里先輩ですからねっ!」
梨華先輩はほっぺたを膨らませて、キャハハと笑っている真里先輩を睨んだままだった。
「あたしはね〜、梨華の作るケーキとか好きかも〜」
真希先輩が、梨華先輩の膨らませたほっぺたをぷにぷに突っつきながらニコニコしている。
当の梨華先輩は、複雑な表情でほっぺたを押されるたびに「ブウッ」とかやっていた。
「オッ、同感だね真希。アタシも梨華の作るケーキは何気に好きかもよ」
ひとみ先輩もそれに便乗し、真希先輩と一緒になってほっぺたを突つきはじめた。
「や、やめてよ二人とも〜!!」
「どう?あさ美ちゃん。おいしい?」
不意に、真里先輩がニコッとあさ美ちゃんに笑いかけながら聞く。
あさ美ちゃんはそれにいきなりビックリしたのか、目の前のパスタをフォークに巻きつけながら
「あ、このビーフンとかとってもデリシャスです、うん」
「え…ι」
「あっちゃ〜…あさ美ちゃん、それはパスタやねん…」
かなり動揺してたのか、あさ美ちゃんはパスタとビーフンを間違えていたのだった。
「い、いいのっ…。梨華の作る料理なんて、所詮…所詮…そんなものなんだもん…」
あさっての方向を向き、瞳をうるうるさせて梨華先輩は自分で自分を励ましていた。
それを見て、真希先輩とひとみ先輩が「うるせ〜!カワイコぶるな」とか
「オラオラ、修行が足りねーんだよ!」とか言っている。
「や、やめてよ二人ともぉ〜!!」
…梨華先輩は嫌がりながら言ってるけれど、私には喜びながら言っているようにしか見えなかった…。
176ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/04/07 23:25 ID:jch1msYe
どもです。お待たせしました〜!
ほんのちょこっとしか更新できませんでしたけど、ホントに待たせてすみませんです。

毎日少しずつ更新できたらいいなぁとは思ってますので、これからもよろしくお願いします。
しかし、話が段々ワケわかんなくなってる…。
177166:02/04/07 23:40 ID:SSUwTQqq
      @ノハ@
      (‘д‘ )< さまざまなネタがからんで微妙ですね、
(( ━─O─O─━ ))
       ( ( (
      (_(_)     



でも、オモロイのでいいっす。。。
ガンガッテ続き書いてください。。。
178名無し募集中。。。 :02/04/08 00:36 ID:8g9cliz1
確かに話は段々ワケわかんなくなってるけど
ワロタぞ。
179177:02/04/10 00:17 ID:t2hTajfQ
    @ノハ@ 
   (∩‘д‘)つ  <おどりながら更新まってるでー
  (( (   (⌒) ))   
    (_ノ
180ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/04/10 21:54 ID:e4S25ueU
「そういえば、まだ私たちアナタたちのこと、聞いてないんだけど」
さっき、ディープインパクトを与えてくれた(笑)保田圭先輩が、話題を変えた。
顔を見て笑ってしまったら、それを見たなっち先輩が「圭ちゃん、笑われてるべさ」とくすくす笑っていた。
「じゃ〜、愛ちゃんからいってみよぉ〜う!」
「えっ!?私ですか!?」
こ、困ったぁ〜…。私、自己紹介って案外苦手なのに!!
それも、さっきは個別で会ったから良かったけど…みんなの前でなんてぇ〜!!!
「あ、えっと!!わ、わ、わ、私っ、◎♀≧☆♪△(ё)◇!!?!?」
「…………」
「あ、愛ちゃん…。何言ってるかわからへんよ」
「あ、だ、だからっ!!?、◎♀≧☆♪△(ё)◇!!?!?なんです!!」
「……ハァ」

ってなコトがあって、そうしてる間にも食事は終わり、食事当番の梨華先輩と真里先輩が洗い物をして
あれよあれよといううちに、部屋割りが決まり、当番が決まり、色々なコトが決まっていきました。
部屋は私と麻琴ちゃん、あさ美ちゃんの3人部屋になり、元々麻琴ちゃんと相部屋だった
里沙ちゃんはあいぼんとののちゃんの部屋に移るコトになったのです。
「ほな、もう時間も遅いし…そろそろ風呂入って寝よか」
部屋割りの真っ最中に帰ってきた裕子先生(センセvとはやっぱり呼べません…)が消灯を言い渡し
私たちも「は〜い」と部屋に戻っていった。

「ねぇ、なんか楽しそうでしょぉ〜?」
お風呂に入って、部屋に戻ってくるなり麻琴ちゃんが布団を引きながら言った。
私とあさ美ちゃんの分のベッドがまだ運ばれていないので、今日はとりあえず布団を引いて寝ることにした。
「うん。なんか、先輩とかみんな良い感じだし」
「そ〜でしょ!」
その晩は、麻琴ちゃんの話に付き合って…ホントは眠たかったんだけど
この寮のコトを色々聞いて胸を躍らせていた。
私たちが眠りについたのは、すでに午前1時を回った頃だった…。
181ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/04/10 22:26 ID:e4S25ueU
☆PEACE3・☆「宿命のライバル、出現。〜ざけんなよ〜」

「ハァ〜イ、転校生の高橋愛さんよぉん。みんな仲良くしてやってよねん」
「よ、よろしくお願いしますっ!」
担任の石黒先生(この人もモーニング荘出身)の紹介で、私は思いっきりぺこりと頭を下げた。
石黒先生は、美術担当。どっからどう見ても先生には見えないんだけど…。
「そんじゃ、あとはテキトーにやってて」
先生はそう言うと、ちゃちゃっとクラスから出ていってしまった。
ドアがピシャリと閉まった瞬間に、女の子たちがワーっと私を取り囲んだ。

「ねっ、どっから来たの!?」
「モーニング荘の新入生ってアナタ!?」
「いいなぁ〜…可愛い先輩、いっぱいいるよね、あそこ!!!」
ひ、ひえぇぇ…。
もう、押せや引けやで大騒ぎ☆私ももう何がなんだか解らなくなって
「あ、ふぇ〜」とか「エヘッ☆」とか混乱しながら言っていた。
誰かどうにかして〜!と思った瞬間、バカでかい咳払いが「ゴホンッ!!」と聞こえ
一瞬にしてあのうるさかった教室内が静まりかえった。
教室の奥の方から、左と右と真後ろに取り巻きを3人連れた『彼女』が私に近寄ってくる。
『彼女』の通る道は、自然と開けられ…ついに対面した。
「……」
じとーっと言う目で私を見つめる『彼女』。
その目には、嫉妬とか…そういう感情が込められてる気がしてならない。
『彼女』は一通り私を眺めると、くるっと振りかえって極上の笑顔で
「合格〜〜〜〜〜ッ!」
と絶叫した。
な、何?????誰、アンタ…と思ったけど、新参者の私がそんなコト口に出して言えるワケもなく。
『彼女』の次の言葉を待った。
「あ、アンタ合格だからさ」
ハァ???しばき倒すぞゴルァとか一瞬思ったけど、そんなコト言えるハズもなく。
そして、また『彼女』の次の言葉を待った。
「ふふん。どうして合格か知りたい?」
「…あ、はい」
……別に知りたくないけど。
「じゃ、聞かせてあげる」
182ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/04/10 22:27 ID:e4S25ueU
「アタシの名前は松浦亜弥よ。
 この学園、始まって以来の史上最強アイドル。アタシより可愛いコは、このクラスでは認められないわよ
 そうねぇ…アンタもそこそこ可愛いけど、アタシより3ランクは下よね」
……ハ?意味がわからなくって、私の頭の中は真っ白に吹き飛んだ。
ちょっと考えてみよう。
このコより可愛いコは認めない=私は合格=つまりこの偉そうな女>>>私?
……ふざけんなこのアマ。
「そ、そ、そう…」
血管がブチ切れそうになるのを抑えながら、私は頬を引きつらせて笑っていた。
「ふん。ま、いいわ。そういうワケだからぁ、アンタもこれからアタシに従うのよ」
「…………は、はぁ…………」
だ、だめ。リミット限界。でも私は新入生…。
障害事件でも起こしたら、それこそ『おばあさま』に勘当されるわ!
「そうそう。このアタシに逆らったら…右美!」
亜弥の右に立った、ごっつい長身の女。
「右美はこの学園のたった1人の柔道部よ」
だから何だっていうのよ!!
「それから、左紀」
今度は左の眼鏡をかけたちょっと知的っぽい女。
「左紀は科学部で、爆薬の研究とかしてるんだから」
…ちょっと、そんな危険人物が何でいるのよっ!!
「それから…後子」
亜弥の奥から現れた、全身に気味の悪いローブをかぶった女。
ど、どうみてもオカルト系…。呪いとかかけられそう…。
「後子は呪いが得意よ」
せ、正解…。
「解ったでしょ?アタシに逆らおうったって無駄よ?ム・ダ」
きぃぃぃぃ〜!!!ム、ムカつく!!このサル女!!!
お、抑えて私…。ここでブチ切れたら、私の薔薇色のスクールライフがっ…!!!
「ま、アンタみたいな親なしの…」
ベキッ。

私が放った右ストレートは、もろに亜弥の顔面を直撃していた。
183ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/04/10 22:39 ID:e4S25ueU
教室中が静まり返った。
っていうか、もう誰も何も言えなかったんじゃないの?
きっと、今までクラスのコも、この女に虐げられてきたんでしょうね。
それも、コイツ自身じゃなくて…その取り巻きたちへの恐怖のために。
それをあっさり破った大バカ女がいた。
……私なんだけど。
だって!ひどいじゃない?人の親のコトまで持ち出してさ!!
偉そうにしてるんだから、その代償を私が払ってやったまでのコト。

「…ア、アンタァァァ!!!」
ぶっ倒れてる亜弥に代わって、さっきの長身のデカブツ女が私に殴りかかろうとしたけど。
私は無意識に昨日あさ美ちゃんから習った
学校で何かあったら、こうしてこうするといいですよ」というのを実行していたようだ。
デカブツ女のみぞおちに、私の放ったボディブローが決まる。
どうだ!あさ美ちゃん直伝の、「奥の手・自分を守るのは自分拳」(センスなし)の威力は!
「……す、すごい……」
キャーキャー言いながら逃げ回ってたギャラリーの女のコたちから感嘆の声があがった。
一番の戦力を失ったのか、残る二人は観念して…というよりは恐怖のあまり
亜弥と右美を引きずって教室からすたこらと逃げ出してしまった。

「あ、愛ちゃんって強いんだね…」
しばらく沈黙が続いた後、女のコが1人私に話しかけてきた。
「あ…うん。自分でもビックリした…」
そう言いながら、実際私も今自分がしたことを冷静に考えると…ちょっと怖くなってきた。
ううん、それよりもっと怖いのは…今後のコトよ…。
うう、これで退学→『おばあさま』から勘当→行く所なし→裏社会…。
いやぁ〜!!!!
も、もうだめ…。
「あ、愛ちゃん!?どこ行くのっ!!?」
女のコたちの止める声も耳に入らず、私はブラリと教室を後にしていた…。
184ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/04/10 22:41 ID:e4S25ueU
更新しました。
さ〜楽しくなってきましたよ!
…あれ〜?段々話にズレが…(w
さて、これからも頑張っていきまっしょい。
185179:02/04/11 00:03 ID:e+R6r2vW
更新乙カレーです。。。
このまま突っ走っていきまっしょい、
186167:02/04/11 22:27 ID:3oLubm0U
久々の更新乙
確かに突っ走ってきてるけど、おもろいね
愛たん最強萌え(W
187186:02/04/11 22:28 ID:3oLubm0U
それからぁゃゃの不幸な(?)役回りに萌え(W
188MASTER:02/04/13 13:39 ID:+2O/9fJf
>>ごっつぁむさん
この小説、割と最近見つけて、今長時間かけて詠み終えました。
感想は・・・良い!この一言ですね。こういったノリの作品、結構好きです。
愛ちゃんの視点というのも斬新でいいと思います。
あさ美ちゃんとの会話シーンでは何気に感動してしまいました(w
それにしても、1人1人に明確なキャラ付けがしてあってすごいですね!
個性の強調とでも言うんでしょうか、それぞれの特徴をしっかりとらえて
うまく生かしてますよね。本当にお見事です。
文章もとてもうまくて、引き込まれてしまいますし。
時々出てくる実際の発言ネタもかなりおもしろいです(w
あと個人的な要望ですみませんが、今後真里先輩にさらなる活躍の場を
与えてくだされば幸いです(すみません、矢口さん押しです(w
もし余裕があればで結構ですので、よろしくお願いします!
では、長々と偉そうに失礼しました。これからも頑張ってくださいね!


189ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/04/13 13:59 ID:k/xf+Lsx
>MASTERさま

感想ありがとうございます!
そんなに誉めていただけると照れます(w
えっとですね、矢口は自分的にもかなり好きだし動かし易いんですけど
愛ちゃん視点だとどうしても辻加護の方が目だってしまうんですよね(w

でも、1人ひとりにスポットを当てた話なども書いてみたいので
期待して待っていてください!
感想いただけるとすごく嬉しいですよ〜
190185:02/04/13 15:32 ID:M0KfPRIL
>作者

>でも、1人ひとりにスポットを当てた話なども書いてみたいので

読者の立場としては、
そうーゆー話はうれしいですね。。。
期待してます、
あと、今回何気にヤバッカタすね。。。
もうすぐでdat逝きですた。。。
ちぇっくしてたんですけどね・・・
191保全sage:02/04/14 12:05 ID:XbxMAeGV
保全sage
192MASTER:02/04/14 14:44 ID:vxohPzgT
>>ごっつぁむさん
はい、期待してます!わざわざお返事ありがとうございました!
何かと忙しいのでたまにしか来れないんですが、次回の更新楽しみに待ってます!
ごっつぁむさんもお忙しい中大変だと思いますが、マイペースで頑張ってください!
193ねぇ、名乗って:02/04/15 19:07 ID:bqrsjrbK
保全
194190:02/04/17 19:14 ID:7nSkFuhe
    @ノハ@  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ピュ.ー ( ‘д‘)< 保全でっす。。。
  =〔~∪ ̄ ̄〕 \________
  = ◎――◎
195187:02/04/18 22:14 ID:gQQu2cb/
ホゼンナッ!
196ふにふに(0^〜^0):02/04/18 23:19 ID:3mdTV3At
小説カモンナッ!
楽しみにしとりますです。
197194:02/04/20 00:32 ID:xYtQUsfh
゚ .。☆
       @ノハ@
     へ( ‘д‘)  <保全でっす。。。      
    彡 ノ つ つ
      / ____|
       (/ (/
198ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/04/20 02:54 ID:JrfF6Ndt
ふらり、ふらりと歩いて…どこまで来たんだろう。
気づくと、昨日あさ美ちゃんと一緒に真希先輩に会った裏庭にいた。
…もしかして、真希先輩また居たりして〜、なんて、バカなコト考えながら
ごそごそ、と昨日の茂みの中を覗いてみた。
「……んあ?愛ちゃんじゃん」
茂みの中から、ヒョコっと真希先輩が現れたからちょっとビックリ。
茂みの中にシートを敷いて横たわっていた。
「何してんの?授業はぁ〜?」
真希先輩の問いに、私はフルフルと首を横に振り
「…サボリます…」
と小さく呟いた。
「ふーん…。転校初日からサボリとは感心しないねぇ」
「……」
「まっ、そういうこともあるさ〜」
「……」
真希先輩が慰めてくれるのは解ってるんだけど、私はその言葉を聞きながらも黙ったままだった。
今になって、体中から冷や汗が吹き出てくる。
私、転校初日なのに大変なコトしちゃったんだな…。
「あのねぇ〜」
「……」
「あたしもねぇ〜、最初はそういうコトもあったさ〜」
「えっ!?真希先輩もですか?」
思わず、私はビックリして真希先輩に聞いた。
「んあ〜。そうだよ。なんか、あたし…この学園に入った時ギャルってたからさぁ」
「……」
私は、特に何も相槌をいれることもなく真希先輩の話に聞き入っていた。
真希先輩はそれを気にすることもなく淡々と話を続けている。
「あたしがこの学園に来た時は中2だったんだけどねー。夏休みに入寮したから
 髪の毛とかキンパとかにしててね〜。みんなに『13歳!?』って聞かれてたなぁ…。
 そんでさぁ、まだひとみとか梨華が来る前だったから…あたし、クラスで友達できなくってね」
「……」
199ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/04/20 02:54 ID:JrfF6Ndt
「クラスでさ、ムカつく奴がいて。そいつがクラス中の女引き連れててさぁ」
「……」
「そいつにねぇ〜、『新入生のくせに髪の毛金髪でナマイキだ』とか言われてね〜」
「……」
「それでさぁ、ネチネチいびられたりしたんだけど、ムカついて一発殴ったんだ〜。アハハ〜」
……私と、一緒だ。
「そしたらさ、次の日からあたしにヘコヘコするようになってね〜。
 そんでもそいつは中学卒業したらどっかいっちゃったし、中3の時にひとみや梨華が来て上手くやってきたんだ」
「……真希先輩」
「なに?」
「真希先輩は何で授業サボるんですか?」
真希先輩は一瞬、よくわからない…というような顔をしたけれど
「だるいからに決まってるじゃん」
と、すぐに笑顔で答えた。
私はクスッとちょっと笑って、「嘘です!」と舌をぺろっと出して言った。
「ホントは違う質問しようとしたけど〜、今はまだ秘密にしておきます☆」
「んぁ〜?何ソレ」
「私、頑張りますよぉ。ヒトリぼっちになっても負けないんだから」
私が拳を握り締めると、真希先輩が立ち上がって私の頭をぐいっと引き寄せた。
「無理しない」
「…無理して…」
私の頭を真希先輩がなで、そして覆い被さるように抱きしめた。
そのせいで、思うように声が出なかったけど、なんだかふんわりと安心した気分になってくる。
「あのさ、あたしらコレから一緒に生活してくんだし。悩みごとは全部打ち明けようぜ?」
私は、真希先輩の腕の中で小さく「はい」と呟いた。
「…じゃっ、あたしの癒し時間はコレでおしまい〜。ハイ、離れて離れて」
照れくさかったのか、真希先輩は私と目を合わさないまま、座り込み茂みに敷いたシートに寝転がった。
「ほらぁ、ぼさっとしてないで教室戻んな。裕子がうっせーぞぉ」
真希先輩は照れくさそうにしてたけど、私の胸の中は嬉しさでいっぱいだった。
200ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/04/20 02:57 ID:JrfF6Ndt
んあ。どうもです。
今年度から土曜が休みになって(・∀・)イイ!!

今回の更新はちょっとシリアスめな感じですですね。
次回の更新もお楽しみに☆
保全してくださる方、ヤバめになったら保全ageしてください。
よろしくおねがいします。
201197:02/04/20 16:05 ID:PayN0Bz8
最近、荒らしが少なくなったとはいえ
小説スレをageるのは抵抗ありますね。。。
sageでいんじゃないでしょうか。。。

190で自分がいってた事は
圧縮直後?!(スレ数が500)のときに
下から3番目くらいだったってことです。。。
202201:02/04/22 02:01 ID:d+Dn45SX
@ノハ@
( ,,‘д‘)<保全でっす。。。
Ol⌒ll⌒O
203名無し募集中。。。:02/04/24 00:21 ID:vjMZXSO8
位置的に気になるのでageまっす
荒らしは勘弁
204ふにふに(0^〜^0):02/04/25 20:34 ID:A3Z5I1+P
ほぜーん
205名無し募集中。。。:02/04/26 20:14 ID:UBcxtUgT
誰かなっちと松浦の弟翼がヤっちゃう小説しらない?
206名無し募集中。。。:02/04/26 20:17 ID:TIUlqTF3
小説スレッドをageる意味が分からん
207 :02/04/26 20:22 ID:PpVrcJMx
>>205

知りたきゃ、ここ逝け。。。
http://cocoa.2ch.net/test/read.cgi/ainotane/1013040825
208 :02/04/27 22:35 ID:c7vMsFZj
早く続きを...
209ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/04/28 00:50 ID:Bb4rH8uU
教室のドアを開けると、一気にその場のキャピキャピした空気が静まり返った。
まるで、腫れ物に触るかのように。
重々しい空気の中、私の足音だけが響いていた。
時々、小さな声で「あのコに近づかない方がいいね」とか聞こえたけど、別に気にしなかった。
窓際の一番後ろの席。
そこが私の席だ。新入生だし、イマイチ勝手が良くわからなかったけど、仕方なくそこに座って顔を伏せていた。
はぁ…何やってんだか…。私。
「ちょっと」
見上げると、あの松浦亜弥が私を見下している。
「…なに?」
一瞬、シカトしようかと思ったけれど、律儀にも返事を返す。
私が体を起こすと、亜弥は思いっきり私にビンタを喰らわした。
…ま、予想通りなんだけどさ…。
さすがに…痛い。
「痛い。また殴られたいワケ?」
私とて、そこまでやられて黙ってられないもの。
立ち上がって、亜弥と向き合った。
「そんなんじゃないわよ。 これはさっきの仕返し」
「…だから、何よ」
「ふふん。アタシを殴ったのはアンタが初めてだわ」
「そりゃあ悪かったわね」
「だからっ、アンタをアタシのライバルに任命してやるわよっ!感謝なさいっ!!!!」
・・・・・・・・・・・・。
ハァ?
コ、コイツ…。なんて楽天的なのかしらねぇ!
アンタのせいで、私はクラス中に「あのコに近づくと危ないわよ」的な扱い受けてんのにさぁ!?
210ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/04/28 00:51 ID:Bb4rH8uU
「バカい…」
私が反論しようと亜弥に食ってかかろうとすると、亜弥は意外なコトに後ろをクルッと向いて
「アンタたち。そういうワケだから、今まで通りこのコとしゃべりなさいよね。
 …このコをシカトでもしたりしたら、アタシが許さないわよ」
…とクラスの女のコたちに命令していた。
……なんのこっちゃ。
「ふふん。アタシのライバルともあろうモノが、クラス中にシカトされてたんじゃみっともないでしょ」
偉そうに言う亜弥に、私は冷たく言い返す。
「何よ。ただのおせっかいでしょ」
「ちがっ…!!!自惚れもいいかげんにしなさいよ!?」
「別にいらないわよっ!!そんなのっ!!」
「なら、勝手になさいっ!!!」
そう言うと亜弥は手下の3人を連れ、ツカツカと教室を飛び出してしまった。
・・・・・・。
相変わらずの沈黙。
もう、何が何だかわかんないよ〜!!!
何なのよっ、あの女!!ホンット意味わかんない!!!
そうこうしてるうちに、女のコの1グループがオドオド近づいてきて、
「あのぉ、高橋さん…」
「私たち、高橋さんの味方だから、ね?」
「げ、元気出してね」
励ましてくれてるつもりだったんだろうけど、逆効果…。
今の私にはナーバスな気分にさせるだけなのよぅ〜…。
私は、その後先生が戻ってくるまで(っていうか、何で先生いないのよ!?)
女のコたちに代わる代わる質問責めにされたり、励ましの言葉を貰ってうんざりしていたのだった。
211ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/04/28 00:52 ID:Bb4rH8uU
「ハハ、そりゃ災難だったね」
「笑いゴトじゃないんですよ〜!!もう〜、最悪です…」
放課後。
ちょうど、合唱部を案内してくれるという真里先輩のクラスへ行く途中にひとみ先輩に出くわした。
私が今日の出来事を打ち明けると、ハハハと爽やかに笑ってくれた。
「アレだろ〜。松浦亜弥。アイツはちょ〜っと色々有名だからね」
「…そうなんですかぁ」
「そうそう。うちのバレー部の後輩も、アイツのコトをムカつく〜って言ってたさ」
「そうですよ〜…勝手にライバルにされちゃうし…」
「おっと、悪ぃ。もうこんな時間だ。じゃあアタシ行くからさ。マリーによろしくな」
「あ、ハイ」
ひとみ先輩が行ってしまう様子を見てたけど、すれ違う女のコたちに
「キャ〜!!」とか「カッコイイ〜!!」とか言われているのを見て、私は何だか自分が誇らしくなった気がした。
私は、あの人と同じ寮にいるんだもの♥♥♥
あ、うっとりしてる場合じゃなかった。早く行かないと。

「キャハハハハ!!愛ちゃん、面白すぎ〜!!も〜ダメ、矢口!!」
さっきのひとみ先輩と同じように、ケラケラ笑う真里先輩。
うう、こういう笑い方されると、さすがに傷つくわ…。
「キャハハハハ!!…ってちょっと待てよ…?」
「……?」
いきなり真里先輩がバカ笑いを止め、真剣に何か考えはじめた。
ブツブツ何か言ってるけれど、上手く聞き取れない。
「……真里せんぱ……」
「ゴメンッ!愛ちゃん、今日はパス!!」
両手を顔の前でパンッと合わせて、頭をコクコクと何度も下げた。
な、何で突然そんなコト言うんですかぁ〜〜!!!?
212ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/04/28 00:52 ID:Bb4rH8uU
「よく考えたら、今日ちょっと矢口用事があるのよぉ」
「え?え?」
「っていうかぁ、それ、ちょっと頼まれてくんない?」
「え?え?え?」
「あ、別にイヤならいいんだけどぉ。でも、今日はそしたら案内できないのよぉ」
「あ、あの…?」
「だからっ、どっちにしても今日は案内できないじゃない?
 でも矢口、これでも一応部長だからちゃんと部活には出ないといけないのぉ。
 だから、愛ちゃんが代わりに矢口の用事を引きうけて欲しいのよぉ」
な、何で突然…。とは思ったけど、用事があるんじゃ仕方ないよね。
「わかりました、いいですよ」
「え?あ?ホント?じゃ、ちょっと待ってて」
真里先輩はケータイを取り出すと、「りかりかりか…」と言ってケータイのアンテナを伸ばし始めた。
この学園にはちゃんと電波が通ってるんだよね。ただし、学園から1歩でも出ると圏外。
そういうコトでちゃんとケータイが使えるのは嬉しい。
「…あ、梨華?ちょっと頼まれて欲しいコトがあるのよ」
真里先輩がデカい声で梨華先輩に頼みゴトをしているようだ。
「え!?そ、そうよ・……でしょ。っていうかさ…合唱……アレ…ちょっと……でしょ?」
段々声がひそひそ話になってきて、時々聞き取れなかった。
ただ解ったことは、真里先輩が何か企んでる、ってコト。
「だ〜か〜ら!!…合唱部には…でしょ!?愛ちゃん・……だから、…そう、そう!!そうでしょ!?」
…私の名前が聞こえた。なんだろう…。
「うん。じゃ、そういうことでよろしくねぇ〜。ハ〜イ、バイバイ」
カチン、とケータイを閉じると真里先輩は、
「あっはぁ〜、愛ちゃん!梨華に用件伝えたから梨華と一緒に頑張ってねぇ〜」
と私の返事も待たずさっさと猛ダッシュで走り去ってしまった。
…ってか、梨華先輩はどこにいるのかすら聞いてないのに……。
それに、用件って……。
何でか解らないけど、この上ない不安が私の胸を襲うのでした。
ああ、もう何がなんだか…。今日は厄日だわ!!
213ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/04/28 00:53 ID:Bb4rH8uU
更新しました〜。
レスが溜まってるみたいなんですが、また後日。。。

もう寝ます〜…。
214202:02/04/28 00:59 ID:D8obw2VI
>作者

更新乙でっす。。。
ユクーリ寝て
マターリいきましょー。。。
215195:02/04/30 05:21 ID:8s6Z922m
この小説の影響かどうかわからんが、最近高橋がカナーリ好きだよ
216MASTER:02/04/30 11:24 ID:MYsA3k9k
>>ごっつぁむさん
更新お疲れ様です!
真里先輩を出していただきありがとうございます!(w
口調とか、結構ツボです(w
続きが気になりますが、あくまでマイペースで、無理しないで頑張ってください!
217214:02/04/30 12:54 ID:qmhVr7xY
>>216

あまり口をはさみたくはないんですが、
sageでおながいできませんか?
特に今は黄金厨の時期ですので・・・
218215:02/04/30 14:23 ID:8s6Z922m
>>216
同感。1にも「sage進行」と書いてあるのでsageでいきまっしょい
219MASTER:02/04/30 15:55 ID:v+xgSHEE
>>217
>>218
すみません、自分はPCはまだまだ未熟なので
sage、age、保全などの意味がわからないんです(申し訳ありません!
もしよろしければ教えていただければ幸いです(素人ですみません
これを書くことでまたルール違反になってしまうかもしれませんがご容赦ください(反省
220とおりすがり:02/04/30 16:07 ID:hZnvnO1c
>>219
E-mail:欄に
半角小文字でsageと入れるだけ。
221名無し募集中。。。:02/04/30 16:09 ID:H2r+ksQ8
>>219
2chのトップにガイドがあるからそこへどうぞ
222218:02/04/30 23:03 ID:8s6Z922m
>>219
まあ、そうだろうと思ったけどね
簡単に言えば
・ageは普通に投稿した際にスレが上がること
・sage(E-mail欄に[sage]といれる)だと上がらない
・小説スレはageると荒らされたり、色々都合が悪いのでsageが基本(作者の方針による)
・何日もカキコがないと圧縮やdat逝きの対象となるので「保全」する(sageが基本)

こんな感じ。これでもわからなかったら2chガイドを見ることをおすすめする
223MASTER:02/05/01 15:49 ID:YSCcl51+
親切に教えていただきありがとうございます!
ご迷惑&お手数をおかけしてすみませんでした。
これからはsageでいきます!
224217:02/05/03 10:02 ID:TetczMYI
ほぜむ。。。
225224:02/05/05 10:05 ID:6acTKcNC
保全。。。
226ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/05/06 15:46 ID:tFA2cvVd
「うう、梨華先輩の番号まだ聞いてないのにぃ〜」
とりあえず、私は梨華先輩を探してうろうろしだした。
彼女は2年生だから、この3年生の教室がある3階の1階下…つまり、2階にいるはず。
階段をたたっ、と駆け下り2年生の教室の近くまでいくと、案外すぐに梨華先輩を見つけられた。
近づいてみてわかったんだけど、何故かさっき用事と言ってダッシュで逃げた真里先輩が一緒にいる。
「真里先輩…。何してるんですか?」
「ギャッ!?」
驚愕の声をあげて、真里先輩が振りかえる。
「あ、あらぁ愛ちゃん…。は、早かったのね…。ああ〜じゃあ、矢口もう行くし〜」
しどろもどろにそう言うと、さっきと同じように返事も聞かず猛ダッシュで去っていった。
なんなんだろう、あの人……。
「あのぉ、梨華先輩」
「な、なぁに?」
心なしか、振り向いた梨華先輩の声がいつもより1オクターブほど高いような気がした。
…っていうか、どう聞いても高かった。
「あ、あのね、愛ちゃん!真里先輩に頼まれたコトがあるんだけどぉ…。
 実は、梨華と一緒にお夕飯のお買い物についてきて欲しいのよ」
「え…それが用事??」
私、もっと重大な用事だと思ってたからそこで拍子抜けしてしまった。
それにしても、そのくらいの用を私に頼むのもな〜んか怪しいような怪しくないような。
「あのぉ、梨華先輩」
「だ、ダメよ!愛ちゃんっ!!頼まれた仕事をきちんとこなす…それが、チャーミーに与えられた試練なのっ!!
 そ、それにっ!私だってお料理当番のために今週は部活に出られないんだからっ!!」
……チャーミー????
やっぱり、様子がおかしい。絶対この人たち隠し事してるんだわっ。
「解りました。ちゃんとお仕事はするけど、でも隠し事は止めて下さい!」
「か、か、か、隠し事なんてぇ〜!」
ハァ〜…梨華先輩、そんなわざとらしいまでに動揺されたら『隠し事してますっ!』って言ってるようなもんですよぉ〜…。
とは言えず、心の中でそう絶叫していた。
「そ、そ、それはともかく!まずはモーニング荘に帰りましょうねっ」
「はぁ〜い」
227ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/05/06 15:47 ID:tFA2cvVd
「お帰り、愛ちゃん。アレ?今日は合唱部の案内じゃなかったの?」
モーニング荘のリビング。
ソファに座って、夕方のワイドショーを眺めていた麻琴ちゃんが私に声をかけた。
その隣にはあさ美ちゃんが座って、ワイドショーを真剣に観ていた。
「今日は、真里先輩の代わりに夕飯のお買い物なの」
「ふ〜ん。入寮2日目にして早々と食事当番の手伝いかぁ〜!愛ちゃん、なかなかやるねぇ」
麻琴ちゃんは、ふぅんと頷くと別に大して面白くもなさそうにテレビを眺め始めた。
「あれぇ、マコちゃん。まだ今日は2人だけしか帰ってないの?真希ちゃん、今日早退したハズなんだけど…」
私より少し遅れて帰って来た梨華先輩が、リモコンを握ってチャンネルをあちこちに回してる麻琴ちゃんに尋ねた。
っていうか、真希先輩ならさっき会ったよなぁ〜…。
「ああ〜。真希先輩なら、さっき『部活行く〜』って言って出ていきましたよ」
「部活ぅ〜?…真希ちゃん、いつもサボってるのにどうしたのかしらね」
梨華先輩が、カバンの中からペンとメモ帳を取り出しながら呟いた。
「あ、そーいえばぁ…『あたしもたまには頑張るのさ〜』とか言ってましたけどねぇ」
「ふ〜ん…あ、そうだ。マコちゃんに頼もうかしら」
「え〜?何をッスか〜?」
「あのねぇ、私がお夕飯の支度してる間に、愛ちゃんとお買い物に行って来て欲しいの…って、そうそうついでだから
 あさ美ちゃんと3人で行ってきたらどう?ねっ??」
「ええ〜!?マジッスかぁ〜」
麻琴ちゃんはすっごくイヤそうな顔した。
「お、おねがぁい〜」
「…愛ちゃん、あさ美、どうしますよ?」
「え…私は構わないです…」
「わ、私も別にいいけど…」
その言葉を聞いた梨華先輩が、後ろ向いて小さくガッツポーズかましていたのを見た気がしたけれど
あえて見ないふりをした。
・・・絶対、何か企んでる。
「それじゃ、お金とメモ。3人とも、しっかり頼んだわよ〜」
228ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/05/06 15:48 ID:tFA2cvVd
ども。作者ッス。
GW(ゴトウウィーク)ももう終わりッスね。。。

明日からまた頑張りまっしょい
229225:02/05/06 16:51 ID:gnW6lAZQ
うぃーーす・・・
更新乙カレーっす。。。
でも連休の終わりに続き読めて
よかったっす。。。
230222:02/05/07 00:39 ID:5JHG7AM9
この小説読み始めてから、小川や紺野が好きになってきた
愛タンは元から好きだがな!
231あほ男:02/05/07 11:47 ID:SuREUwnC
更新ありがとうございます
これからも楽しませて下さい
232229:02/05/09 00:35 ID:GI9nuhE8
保全。。。
233名無し読者:02/05/10 05:45 ID:04DBnzzX
おっとっと・・・
かなり下まで落ちてるぞ
万が一の場合を考えてageときます
作者さん、早くカムバーク
234WW:02/05/11 00:24 ID:+U294ceR
やっと全部読み終わった!
かなり(・∀・)イイ!!
保全下げ〜。
235ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/05/11 00:40 ID:wpSPgXfP
「ねぇ〜愛ちゃん」
「ん?なぁに?」
3人の並んで商店街(なんと学園内にある!)へ向かう道で、麻琴ちゃんが前を向きながら声をかけた。
さっきから、買い物に行く寮生たちとすれ違ったり追いぬかれたりする。
どこの寮にも食事当番がいるみたいだからね。
「クラスどうだった?」
「……」
私がギギギ…という音がしそうなくらい恨めしい顔をしながら、首だけ麻琴ちゃんの方を向けた。
「…うわ…その顔だと、思わしくなかったみたいだね」
「愛さん、何かあったんですか??」
2人の問いかけに私は、思い出すのも面倒だったし、それ以前に触れられたくなかったのだけど
とりあえず「まあね」とだけ答えておいた。
「まっ、何があったのか大体わかるけどね」
おそらく、学園中の噂なんだろう。あの『亜弥』の話題は。
だから麻琴ちゃんが納得しても、別に不思議でも何でもない。
ただ1人、あさ美ちゃんだけは「えっ??何?何?」と不思議そうな顔をしていたけど。
「麻琴ちゃん、それ以上聞かないで♥♥♥」
「…は、はい」
ニコニコ笑いながら思いっきり握り締めた右手のグーを麻琴ちゃんに見せつけた。
「あの〜愛さん??」
「…あさ美ちゃん。聞かないでね…」
「…は、はい…??」
あさ美ちゃんもビクッとした顔で頷いた。
「ん、あ〜でもあさ美ちゃんのお陰で助かったわ」
そう、あの時あさ美ちゃんから習った「奥の手・自分を守るのは自分拳」(センスなし)のお陰で
あのデカブツ女の右美の攻撃をカウンターできたんだもんね。
「もしかして、愛さん…あの技使っちゃったんですか…」
「ん?うん…。そうだけど…」
「……いいですか、愛さん。あの技は奥の手ですからね。そう簡単に使っちゃいけませんよ」
なんだそりゃ。そもそも、あさ美ちゃんがあんな技使えるのが不思議な話なんだけどね…。
236ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/05/11 00:41 ID:wpSPgXfP
どもども。ちょこっとばっかり更新逃げしておきます。
2日に1回は更新できると嬉しいんですけどね。。。

感想下さる方、ありがとうございます!
応援してください。。。
237 :02/05/11 09:04 ID:AFsh71qc
ガンガレ!
238 :02/05/12 02:26 ID:lYwUrFrV
239名無し募集中。。。:02/05/13 02:18 ID:LjjgBx4G
5期メンも(・∀・)イイ感じに目立ってるね!
(ё)の扱いは悪いけど(w
240名無し募集中。。。:02/05/14 20:31 ID:IbrPsqs8
くくくくく
241ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/05/16 20:45 ID:mmS0akPZ
「ね〜、あさ美。何のコト?」
私たちの話をキョトン、として聞いてきた麻琴ちゃんが口を挟んだ。
「…秘密、です」
「何それ」
人差し指で唇を押さえたあさ美ちゃんを見て、麻琴ちゃんは呆れ顔をした。
「…言えません。まだ…」
「?」
「??」
二人して顔を見合わせて、う〜ん…と考えてしまったけれど、どこか影のあるあさ美ちゃんのことだ。
今は聞かないに越したことはないと思う。…攻撃とかされたらイヤだし。
「ん。ねぇ、そういえば愛ちゃんさぁ、合唱部って…」
麻琴ちゃんに聞かれて答えようとしたとき。

バコン!!!!!カラン、コロン・・・。

「ったぁ〜!!な、何よっ!!?」
「コレ、ペットボトルですよ」
そういいながら、地面に転がる空のペットボトルをあさ美ちゃんが拾い上げる。
どうやらコレが麻琴ちゃんの後頭部に直撃したらしかった。
「な、何でこんなのが…」
ペットボトルの飛来してきた方向(麻琴ちゃんの真後ろ)を振り返ると、
凄く見慣れた人がいた。(っていってもまだ二日目だけど)いや、正確にはその人がコソコソ隠れようとしていた。
242ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/05/16 20:45 ID:mmS0akPZ
「……真里先輩、何してんスか」
麻琴ちゃんの殺意の篭もった声に、真里先輩は「は、はろぉ」と言いながら私たちの前に現れた。
「いいから!!まこっちゃん、ちょっとこっち来なさい!!!」
「ちょ…」
真里先輩は、麻琴ちゃんの腕をガシっと掴むと小さな体でちょっと離れたところへ引っ張っていった。
コソコソ話だから、何を言ってるのかは聞こえない。
けど、真里先輩が何かを企んでいるのは私にでもわかった。
……それがなんなのかはわからないけど。
イヤだなぁ、そういうの。
しばらくすると、真里先輩はダッシュで走り去ってしまったし、麻琴ちゃんはルンルン顔でスキップして
こっちに戻ってきた。
「何だって??」
「ん〜?あぁ〜、愛ちゃんには関係ないことよぉ。それより早くっ、おつかいおつかい♪」
「ちょ…麻琴ちゃん!!」
「アハハハ〜♥♥♥」
私の言葉を全く聞きもせず、スキップを速めてガンガン先に進んでしまった。
「…まったく…」
私とあさ美ちゃんも仕方なくその後を追ったのだった。
243ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/05/16 20:46 ID:mmS0akPZ
ああ〜…もう忙しくて小説書いてる暇が。。。
でも細々と更新していくのでよろしくおねがいします。
244232:02/05/16 21:40 ID:TxsgsP+q
マターリまってるっす。。。
無理しない程度に更新ガンガッテ・・・
245WW:02/05/16 23:38 ID:h/EqdYHp
乙彼。落ちないようにsageとくからね〜。
246ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/05/18 19:57 ID:ltxtOKOG
翌日。
転校二日目は、友達も何人かできて事態はかなりいい感じだった。
亜弥からの攻撃もなく、何事もなく無事に放課後を迎えることとなった。

「んじゃぁ、愛ちゃんまた明日ね〜」
「バイバ〜イ」
仲良くなった女のコたちに手を振られ、私もそれを返しながら真里先輩を探した。
“今日こそは”合唱部の案内に連れて行ってくれるという約束をしたのだが。
…何か企んでいる彼女のコトだから、きっとまた逃げ回ってるかも知れない。
だけど、「勝手に入部しちゃダメだかんね!」と釘を刺されたので、一応真里先輩の許可を得ることにした。
そして、案の定見つからなかった。
「もぉ〜〜!!!…もしかして、私歓迎されてないんじゃ…」
そう、そう思えば思い当たる節がなくもない。
だから真里先輩や梨華先輩や麻琴ちゃんまでグルになって私を落とし入れよう(?)としてたんじゃ…。
そうよ!そうに決まってる!!
もう、こうなったら強行突破してやるんだから〜!
そうとなれば、早速音楽室に行かなくちゃ。
私は、猛ダッシュで3階の一番端の音楽室へ走った。
247ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/05/18 20:06 ID:ltxtOKOG
「え?…部活、終わったんですか?」
「そうだよ。愛ちゃんが来ると思って、とりあえず待ってたんだよ」
な、なんてこった……。

音楽室のドアをガラっと勢いよく開いた私の眼に入ったのは、椅子に座って
静かに本を読んでいた紗耶香先輩ただ1人だった。
表紙にカバーがしてあったから、何の本か解らなかったんだけど、
そういえば昨日の夜にあさ美ちゃんが「ハリーポッター」がなんたらかんたら、と紗耶香先輩と話していたのを
思い出し、きっとその本を読んでいるんだろうと思った。
そして、私を待っていた紗耶香先輩が告げたのは、残酷な(?)事実だった。
時計を見ると、もう5時。
私、ずっと気づかなかったけど、真里先輩を探してる間に部活が終わってしまったらしい…。
「矢口がさ、愛ちゃんが来たら謝っといてって言ってたんだけど」
「え?真里先輩がですか?」
「そ。なんか、矢口は今日用事があるから先に帰るって言ってたのね。
 結局部活にも来なかったし」
「……そ、そうなんですか……」
私はガックリ肩を落とすしかなかった。
明日!明日こそは絶対に案内してもらうんだから〜!!!
248名無しモニ:02/05/18 23:07 ID:EfoUWhyX
愛ちゃんが近いうちに案内してもらえることを祈りつつsage
249ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/05/19 22:50 ID:uzdprJnO
「あ、愛ちゃん…落ち着いて、ねっ!」
「……今日という今日は、入部案内してもらいますからねっ!!」
「わ、わかったわよっ…」

ようやく寮での生活や、学園での生活が慣れてきた頃。
私が真里先輩を追い詰めたのは、真里先輩との最初の約束から1週間が過ぎた頃だった。
なんだかんだ、「用事があるの」とか、「今日は部活はないの」と断れ続けられ
私の我慢も限界に達していた。
こうなったら、何がなんでも案内させてやるんだから。
勝手に行ってしまえば良い話なんだけど、それがなかなかタイミングが上手くいかず。
そうこうやってる間に1週間が過ぎてしまった。
たかが、部活の入部案内くらいで…。
と、いうコトで私は、私より身長の低い真里先輩を壁際に追い詰め見下ろしていた。
「だ、だけどさっ愛ちゃん。お願いがあるの」
「…なんですか?」
「……何があっても、矢口を責めないって約束できる?」
・・・・・・?
何がどうしてかは解らない。…でも、私の中で悪い予感がしたのは確かだ。
そして、その理由が私を合唱部から遠ざけた理由であることも何気に推測できた。
まさか、合唱部にはものすんごいあんな秘密があるとか!
それとも、合唱部にはとんでもないこんな秘密があるとか!
いや、でも気にしないコトにした。だって、こんだけ待ったんだし。
「解りました。約束します」
真里先輩の言葉に頷き、約束した。
でも、何か引っかかるんだよなぁ〜…。
なんでだろう。そういえば、誰もがみんな合唱部のコトについては私の前で話さなかったし。
……って、今考えないって考えたばっかじゃん!!もう、どうにでもなれチクショー!
250名無し読者:02/05/20 15:15 ID:lY3/2LpI
久々にきたら更新されてた
もうすぐ圧縮があるらしいのでageとくでー
251 ◆HOzenvy2 :02/05/21 15:53 ID:JO2hg+RP
 
252 ◆HOzENDAE :02/05/22 12:55 ID:b0y+EqAN
 
253ka:02/05/23 01:40 ID:ecTd9W3e
はじめて読みました。オモロイっす。
254名無し募集中。。。 :02/05/24 19:15 ID:sye4E7uH
255名無し読者:02/05/24 21:11 ID:py0OMFkf
続き早くキボンヌ・・・
256WW:02/05/25 00:46 ID:cuYwByjI
>>255
忙しいらしいからマターリ待ってようゼ。
257名無し:02/05/26 15:40 ID:yuMV8TBt
保全
258名無し:02/05/27 18:22 ID:FWA1O6Nr
保全
259ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/05/28 23:22 ID:UzX5ORBE
どうしてこんなコトになるの〜〜〜?
まあ、予想通りだったわよ。悪い予感も的中したわよ〜!!
なんで、あの「松浦亜弥」が合唱部にいるのよぉ〜!!
…どーりでみんなして、私を合唱部から遠ざけるハズだわ。
あの女ったら、私が入部案内に来たのを見るなり
「プッ、あんたごときが歌えるの?」
ってのっけからケンカを吹っかけてきた。
だから私は、それを聞いた瞬間に腹が立って「う、歌えるわよ!中学の時は部長だったんだから!」と言ってやった。
それを聞いた亜弥は例のごとく「なら、勝負しましょう。これが入部テストよ」と私に挑戦してきた。
誰も何も口出ししなかった。
そして…私には、それなりに自信があった。
亜弥がどれ程歌が上手くたって、鍛えたこの声は絶対に負けるコトがないと思った。
…だから、亜弥の挑戦をこれっぽっちも怖気づくコトなく受けた。
さっきも言ったけれど、自信はあった。
技術的に、精神的に亜弥より上手く歌う自信が。

だけどそれは、あっさりと破られた。
しん、と静まった空気の中で、亜弥はアカペラで歌い始めた。
何の曲かは知らない。だけど、どこかで聴いたことある曲を。
…その声に、はっきり言って寒気がして鳥肌すらたった。
勝負を忘れて、正直に「このコ、上手い…」と感動すらしてしまったのだから…。
透き通る声、場を圧倒させる空気、どこか心地よさを覚えるほど彼女の歌は心に響いた。
260ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/05/28 23:22 ID:UzX5ORBE
…だから、歌わなかった。
歌わなかったんじゃない、歌えなかった。
私は、全身で「負け」を認めてしまったのだから。
…悔しいとは思ったけれど、認めざるを得なかった。
それほど、亜弥の歌には狂いがなく、心に呼びかけてくるものがあった。
「呆れたぁ〜。歌えやしないじゃない。アンタなんか用無しよぉ!帰った帰った!!」
「…解った。ごめんなさい、真里先輩。私、帰ります」
惨めな私がいつまでもこの場にいてはいけない。
…違う、居たくなかった。
走り去ろうとする私の腕を、ガシッと掴んだのは小柄な真里先輩だった。
「逃げんの?愛ちゃん。アンタまだ歌ってないよ」
「……無理です」
「矢口センパァ〜イ。そんな腰抜け、ほっとけばいいんですよぉ」
亜弥が横から口を挟むけど、真里先輩はキッ!と亜弥を睨みつけた後
「愛ちゃんがそのつもりなら、矢口も止めはしないよ。でもさ…勝負を始めから逃げてても仕方ないじゃない?
 矢口だったら、勝負もしないで逃げるのなんか絶対しない」
その目は、マジだった。
10センチも高い私の目を、見上げながら真剣に見つめている。
「ならぁ、もっかいチャンスあげてもいいけどぉ」
沈黙の中、バカっぽい声をあげて亜弥が近づいてくる。
私は瞬間、亜弥から目をそむけてうつむいていた。
「アンタ、ムカつくけどぉ。アタシだって不戦勝とか好きじゃないし。どう?受けて立つ?」
亜弥は意地悪な、見下したような目で私を見ている。
その目が私の闘争心を燃やした。…私って、案外キレやすいみたい。
「やるわ。やってやるわよ。ええ!!」
そう言うや否や、ステージの上に立ちすぅ、と息を思いきり吸った。
261ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/05/28 23:23 ID:UzX5ORBE
私の好きな曲、一番思い出のある曲、いっぱい練習した曲…。
何を歌うか決めていたワケじゃないけれど、自然と頭の中でメロディーが周り、口が開き
私は歌を紡いだ。
歌い終わった時、私はまたもや敗北感を体中で感じた。
…どうしても、亜弥のようには上手く歌えなかった。
才能の差を、ハッキリと全身で感じた…。
「ふぅん。ま、いいんじゃないの」
意外な言葉を放ったのは、外でもない亜弥自身だった。
「もちろん、アタシには適わないけど」
…解ってるからこそ、この言葉に腹が立った。(ぷんぷん)
だけど、それは実際に仕方ないのだから、とりあえず何も反論できずにいた。
「矢口も全然、悪くないと思う」
「私も同感だな」
真里先輩、紗耶香先輩共にそう言ってくれて、私が合唱部に入部することは許された。
だけども、まだまだ私には課題がたくさん残っていることも思い知らされたのであった。
あ〜あ、もうちょっと頑張らないとなぁ〜…。
新しく配られた、今練習中の曲の楽譜を見ながら、私は物思いにふけるしかなかったのであった…。
くっそ〜、負けてられっかぁ〜〜!!!
262ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/05/28 23:24 ID:UzX5ORBE
ぬぅぅ…。忙しくてたまんないッス。
何せ受験生なもので。。。でもまだまだ頑張って書きます〜。
263WW:02/05/28 23:47 ID:wfM/PmAo
受験生!?マヂ無理しなさんな。
264244:02/05/29 00:39 ID:zpvyZvK3
祭で疲れたあとの
ひと時の安らぎ・・・
ごっつぁむさん、忙しい中ごくろーさまです。。。
お帰りをマターリ待ってますよ、
265名無し募集中。。。 :02/05/31 09:20 ID:/hXcH7RI
266名無し読者:02/06/01 03:30 ID:kEFE9VLD
ごっつぁむさん>
忙しい所、恐縮ですががんがって続き書いて下さいネッ。
保全。
267ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/06/02 02:27 ID:ze4JnLOe
☆PEACE4・☆「子供の事情」

「ねえねえ、愛さん。こんな格好どうですか?」
「…い、いいんじゃない…」
最近、あさ美ちゃんは毎晩こんな感じだ。
今日は、魔法使いのような真っ黒なローブと帽子、変な杖みたいのを持って「賢者の石〜」とか言っている。
どうやら、最近あさ美ちゃんのハマってる本の主人公の格好のようだ。
…どうやって用意したのかは謎。

ある時は、オレンジ色の道着を着て髪をツンツンに立てて「オッス、オラ紺野」とか言ってたり。
…どうやって用意したのかは謎。

またある時は、白い水兵さんのようなセーラー服に、黒いマントに「ムンクの叫び」のようなお面を被って
「エ〜ビバディスクリーム!」とかワケのわからない歌を歌っていた。
…どうやって用意したのかは謎。

とにかく、よく考えてみるとあさ美ちゃんは明らかに変人だった。
格闘技が得意だったり、宇宙のパワーが宿ってたり、かと思うと
最初の中間テストで学年1位(まあ、クラスなんだけど)を取ってみたりしていた。
ちなみにその時のテストで、マコちゃんが真ん中より上で、あいぼんが真ん中より下くらいで
ののちゃんがクラス最下位だったらしい。
本人たち曰く、
「ま、頑張ったし」
「うち、別に勉強とかせぇへんからなぁ」
「のの、なんもわからんのれす〜」
だそうだ。おいおい…いくらエスカレーター式でもそれはヤバいだろうって…。
268ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/06/02 02:28 ID:ze4JnLOe
ちなみに私は中間テスト、クラスで8位だった。
あ、更に付け足すと、松浦亜弥は頭悪くって勉強ではあっさり勝てた。
最近では、お互い罵り合い、けなし合いが多いのだがそれももう慣れてきた。

…っと、話がだいぶ脱線したけど。
とにかくあさ美ちゃんはどっか変なコだったのだ。
ここに来て1ヶ月とちょっと。一番最初に仲良くなったのに、実はあさ美ちゃんに関して
知っているコトは極わずかだった。…いや、極わずかというより、知らないことが多すぎた。
…もっと話を広げると…。謎が多すぎだった。
例えば。
私やマコちゃん、みんなで実家の話をした時。
楽しそうに家族の話をする私たちの話を、あさ美ちゃんだけはどこか暗い表情で黙って聞いていた。
私だって、両親を失って家族の話をするのは少し寂しいけれど、あさ美ちゃんはそれとは違った。
家族のコト…というより、北海道にいた頃のコトを思い出したくないみたいだった。
その理由は聞かなかったし、むしろ聞けやしないでいた。
前に、マコちゃんがちょっとそんな話を本人に聞いた時があったけれど、あさ美ちゃんは
暗い表情でうつむいたまま、「まだ、話たくないんです」とだけ言って部屋に戻ってしまったコトがあった。
様は、何か隠したい、忘れたい過去があるってコトなんだけど…。
まあ、そんな感じで誰も気にしないようにしていたワケだ。
先輩たちは、私たちの過去について知りたがっても決して自分から聞いたりはしない。
真希先輩は「別にぃ〜。言いたくないなら言わなきゃいいじゃん?」と言っていたし、
梨華先輩は「私だって色々秘密があるんだもん。キャッ!言っちゃった」とかやっていたし、
リーダーの圭織先輩に至っては「あら、何か聞きたいの?」とお得意の勘違いをかましたほどだ。
だから私も何も聞かなかった。
269ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/06/02 02:29 ID:ze4JnLOe
ちょいと遅めの更新です。
もう眠い…寝ますzzz
270名無しモニ:02/06/02 09:37 ID:OOM+SV2S
お疲れ、たっぷり寝てくださいね
271WW:02/06/03 00:22 ID:xfpjx4ms
乙。これ見るのがモ板に来る理由だったりして。
272264:02/06/05 19:42 ID:HEOUuaN7
保全。。。
273ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/06/05 23:49 ID:PLiQ4qEY
そんなある日のコト。
クラスメイトのミカちゃんとゴミ捨てのためにゴミ捨て場に行った時のことだった。
この学園のゴミ捨て場は全校舎共通になっていて、場所的には商店街の端っこ。
…いや、むしろ学園の端っこというべきかな。
ゴミ捨てに行くのに往復で30分近くかかるのが私たちの不満を増大させた。
「あ〜あ、全く。ゴミ捨て当番だけはやりたくないよねぇ」
「そうネ。ワタシ、ゴミ捨てメンドウだヨ」
ミカちゃんは帰国子女で、顔立ちこそはハーフだけども日本語ペラペラだ。
外人さん独特のイントネーションだったり、たま〜に、ワケのわからない言葉を発したりするけど…。
少しぽっちゃりだけど、顔は美人。性格、激良し。陰でコツコツする頑張りやさん。
あの、松浦亜弥がいなかったら、クラスで一番目立ったハズだ。
それを許さなかった亜弥と同じクラスになったのが、彼女の運の尽きだったろう。
…哀れ。
そんな彼女も、いちいち往復で30分もかかるゴミ捨ては面倒なようで
不満そうな顔でゴミを抱えていた。
ゴミ捨て場は学園の端っこということもあって、人気がない。
その上、その奥にはちょっとした雑木林のように木がボコボコ生えているので薄暗くて気味が悪い。
もう6月になるというのに、夕方にもなるとここは別世界のように暗かった。
というより、昼間でも暗いんだけども。
そんなことがあるから、遠いことも含めてゴミ捨ては面倒だったのだ。
あ〜…腹立つ。
しかも、寮のゴミ捨ての時なんか朝のゴミ捨てに行くのに、いつもより30分も早く起きなきゃならない。
それが1週間続くんだから、たまったもんじゃないんだ。
自転車が寮に1つ常備されてるけど、うちの寮「モーニング荘」の自転車は
真希先輩とひとみ先輩が2人乗りで捕まって、ただ今没収中なのでした…。
274ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/06/05 23:49 ID:PLiQ4qEY
ミカちゃんと他愛のない会話を交わしているうちに、目的のゴミ捨て場にたどり着いた。
相変わらず薄暗くて、気味が悪い。
さっさとゴミを捨てようと、積み上げられたゴミにうちのクラスのゴミをどっこいしょ、と乗せた。
「じゃ、帰ろうか」
ミカちゃんにそう言いかけた瞬間…。
「ふざけんじゃねぇよ!!」
「てめぇ、調子こいてんじゃねーよ!!!」
!!?
奥の薄暗い雑木林の方からでかい声が響いてきた。
「な、何?」
2人で顔を見合わせて、頷きあった後、近くにあった木の後ろから様子をうかがった。
「転校生のくせによ!!」
「うぜーんだよ、お前!!」
声だけは聞こえてくるけれど、姿は見えない。
私とミカちゃんは、恐る恐るそちらの方向へ、ゆっくりゆっくり近づいていった。
ああ〜…怖い。これってやっぱイジメってヤツ?
どうしよう、私たちまでカツアゲとかされたら…。
木に隠れながら進み、8本目の木に隠れてきょろきょろした時。
右前方に、3人の女生徒が見えた。
予測通りというかなんというか…。1人がこちら側を向いていて、もう2人がそれに向き合うようにしていた。
2人の顔は見えなかったけれど、衝撃の事態だった。
例えば、こんな状況。
イジメられているのが自分の知り合いだったなら普通どうするのだろう?
そんな考えが突如、頭の中を巡り巡った。
もし、イジメられている女生徒が見知った顔だったなら。
それも…同じ寮の、同じ部屋で一緒に暮らしている人だったなら。
そう、2人の女生徒に追い詰められうつむいていたのは、紺野あさ美…その人だったから。
ど、どうしてこんな状況に落ちいってんのよ!あさ美ちゃぁ〜〜〜ん!!!
275ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/06/05 23:52 ID:PLiQ4qEY
最近はスレが落ちるの早いですねぇ。
書いてるのは楽しいのにあんまり時間が(泣
276WW:02/06/06 17:13 ID:qgZPn/Ir
ii!
277ウィル:02/06/07 04:08 ID:5wYdFAEf
ほぜむ
278名無し読者:02/06/07 23:34 ID:+sq0BxxO
保全
279名無し:02/06/08 23:28 ID:9KLhlmPT
保全
280名無し:02/06/09 23:24 ID:F/pog/bO
保全
281n:02/06/11 01:27 ID:ZPYehBTn
hozen
282ごっつぁう ◆USDAplHQ :02/06/12 22:38 ID:DLTeIXZA
何が起こってるのか理解できない私は、一応様子を見ることにした。
なんか、タイミングとかあるかも知れないし。
「オ〜、アンタたち!!何してるノ!!!」
うわぁ…ミ、ミカちゃん…。
何もこんな時に飛び出していかなくても…。さすが正義感の強い、ハーフの帰国子女だ。
冷静に対処する、という方法は頭の中に浮かぶはずもないだろう。
…なんか、それだと私が冷たい人みたいだけど。
ミカちゃんが現れたことにより、いじめっこ2人組は
「チッ」とか言いながら私たちの横を通りすぎ逃げて行った。
ミカちゃんは「チョット!アナタたち、待ちなさいヨ!」と追いかけようとしていたけれど、
私はどっちかというと呆然としたまま、あさ美ちゃんの顔を見つめていた。
何も聞けない。何も、語りかけてあげられなかった。
…どうしていいのか解らない、というのが正直な話だ。
「大丈夫?」
ミカちゃんがあさ美ちゃんに近づき、優しく声を掛けているのが目に入った。
「もう大丈夫ヨ」
きっと、ミカちゃんがいなかったら、私はただそこに呆然と立ち尽くしたままだったんだろう。
だから、ミカちゃんには感謝感謝だ。
「大丈夫です。私、慣れてますから…」
あさ美ちゃんは、それだけ言うと、私にも何も言わずに駆け出してしまった。
そのスピードがまた、とんでもなく速かったから、私には追いつくことができなかった。
ただ、「追いかけたい」のと「追いかけちゃいけない」というキモチがあった。
「……」
「オ〜…可哀相。あのコ、愛チャンと同じ寮のコデショ?」
「あ、うん」
「ダイジョブなの?」
「…大丈夫かなぁ…」
私はその時、さっさと追いかければいいのに彼女を追いかけられずにいたのだった…。
283ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/06/12 22:38 ID:DLTeIXZA
「ごはんごは〜ん♪」
「ののはごはんの時間が一番しやわせなのれす」
「こら、のの。しやわせじゃなくて幸せでしょ。言葉使いをちゃんとしなさいって言ったべさ?」
「おこられたのれす…」
平和な夕食の時間。
はっきり言って、この時間とその後のミーディング以外では全員が集まることはほとんどない。
だから、案外貴重なのだ。
今日も、あいぼんとののちゃんがはしゃいでいるところを、なっち先輩があやしていた。
今日の当番は圭織先輩と圭先輩。…はっきり言って凄くそりゃもうとんでもないくらい心配…。
昨日なんか、お刺身のチョコレートかけを食べさせられたし…。うげっ…。
思い出しても気持ち悪くなってきた…。
そのくせ、「まずいよカオリ!!圭ちゃん!!」と真里先輩あたりが怒っても
「あら?そう??今日の占いで刺身とチョコレートがラッキーアイテムだったからちょっとかけてみたの」
「……なんで圭ちゃん、止めなかったの…」
真里先輩がじと目で、一緒の料理当番だった圭先輩を責めたが
「た、たまにはカオリの好きなようにさせてみるのもいいと思ったのよ!」
と、何故か動揺しているようだった。
その様子に、何か気づいた紗耶香先輩が、圭先輩のキツい目を見つめながら言った。
「圭ちゃん…?何を隠しているのか、言って御覧なさい」
「…べ、別に…?」
圭先輩は顔をそらしたが、はっきり言って「隠し事、してます」というのがバレバレだった。
紗耶香先輩はそれでも圭先輩に詰め寄り、
「…へぇ…。でも私知ってるんだぁ…。今日、圭ちゃんとカオリが大量のお酒買ってこそこそ帰ってくるの…」
「ええ〜〜〜〜!!!?」
「何それ〜!許せない!!」
「自分たちだけ〜!!」
その後、2人はみんなに非難されて深夜の秘密の宴会をすることができなかったらしい(笑)
284ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/06/12 22:39 ID:DLTeIXZA
どもっす。
あ〜勉強勉強…。そんでは。
285名無し募集中。。。:02/06/13 21:33 ID:LFmhQGSj
おつかれ〜、勉強がんばって〜、

と言いつつわたしもテスト中。ああやれん。
286ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/06/14 02:10 ID:kVySS14D
どもども。次回更新分をちょろちょろ書きながら
久々に深夜のネットなんぞしてみました。

>>285
おぉ!テスト中ですか〜。
うちはもうテストは終わったけど、もう期末が。。。くそぅ。
287WW:02/06/14 15:22 ID:cCTtNVvw
大変やなぁhozen
288ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/06/14 17:31 ID:kVySS14D
日本勝ちましたね!
サッカーっ子な自分にとっては嬉しい限りです。

今日はサッカーなので更新できません(w
289名無し募集中。。。:02/06/14 21:38 ID:l7snRTA3
日本勝利おめ!
そして小説かなりおもろいです これからも期待してます
これから(0^〜^0)がもっとでてくれるといいが
290ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/06/15 16:28 ID:EO6BfQyt
そうそう、そんなことより。
だいたいいつもは、みんなが集まってから一番最後に席につくのが裕子先生か真希先輩なのだが
今日は何故だか違った。
…あさ美ちゃんがまだ出てきていない。いや、それどころか私より先に帰ったはずなのに
まだ帰って来てもいなかった。
実は私はその理由が解っていたけど、とりあえず「今日、あさ美ちゃんは用事で帰るの遅いらしいです」と
嘘をついた。
それが、さっきあさ美ちゃんを呼びとめることのできなかったことへの、精一杯の報いのつもり…だから。

実はあの後、マコちゃんにこんな話を聞いた。
「ねえ、愛ちゃん。あさ美のコトなんだけど…」
「えっ…」
思わず私はドキッとして、3センチくらい心臓が飛び出しそうだった。
「あのね……あさ美のヤツ、クラスで嫌がらせ受けてるんだよね」
「…ふ、ふ〜ん…」
ええ、知ってるわよ。だって私この目で見たんだもん!!
…なんて言えるはずもなく。私は、とりあえず今日見たことを黙っておいた。
「でもねっ、何か言われるたびにあいぼんやののや私がぶちのめしてるんだけど」
「…あはは…」
なんか、微妙に想像できるとこが怖い…。
「だからね〜…愛ちゃんもさぁ、アイツに何かあったら励ましてやってくれないかなぁ?」
「あ、うん。それは全然平気…」
そこまで言いかけて、私は先ほど、逃げるように去るあさ美ちゃんを呼びとめられずにいたことを
考えてしまっていた。
私、やっぱりあの時追いかけた方が良かったのかな…って。
それからごにょごにょと頭の中で色々考えてしまって、マコちゃんの話もほとんど聞いていなかったのだけれどね。
291ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/06/15 16:29 ID:EO6BfQyt
「ねぇ、あさ美帰って来るの遅いね」
「ね。もうすぐ7時過ぎだよ?用事って言ったってこんな遅くはならないでしょ」
食事が始まってからしばらく経った頃。
先輩たちの何人かがそんな話を始めた。
ちなみに今日のメニューは、軟骨のから揚げがどっさり山盛り…それだけだった。
…早く来週になって欲しいと切実に感じたのは私だけじゃないよ…きっと…。
「ねぇ、愛ちゃん」
あぁ〜…もう、こんなに軟骨ばっかりあったってご飯進まないよぉ…。
「ねぇ、愛ちゃんてば!」
そういえば思い出すなぁ。あの、圭先輩の「なんこつです♥×2」を。
「おい、愛ちゃん!!!」
アレ見てから、しばらく圭先輩の顔、直視できなかったんだよねぇ…。
「聞けやゴルァ!!!!!!!」
「キャッ!!?」
突然、耳元で大きな声がした。
よく見てみると、「なんこつです♥」…あ、じゃなかった。
圭先輩がちょっとプンプンした感じで私を見ていた。
「な、な、なんですか!?」
「さっきから呼んでるのに、ちっとも返事しないで〜!」
ええ〜!?マ、マジっすか?(紗耶香先輩風)
私、また妄想入っちゃってたのかしら…。
「あ、あの。私またトリップしてました?」
「ああ。目が虚ろだったから、しちゃってると思ったけどね」
ああ〜…。またやっちゃったんだ…。
こないだ、圭織先輩に「あら、あなたも交信できるの?なかなかやるじゃない」と言われてから
もう2度とトリップしないように気をつけようとしてたのに〜〜!!!(笑)
思わず圭織先輩に目をやると、「ふふん」という何故か勝ち誇ったような表情で
私を見ていた。…あ〜ん、同類にしないでぇ〜!!!(涙)

「んで。愛ちゃんに聞きたいんだけどぉ」
軟骨のから揚げを、右手に2つつまんで圭先輩が喋り出した。
292ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/06/15 16:32 ID:EO6BfQyt
雨が降ってると遊びにも行けませんね。。。

>>289
もちろん(O^〜^O)もそのうち出てきますよ〜。
ただ、今は話の流れの通り、5期メン(高橋、小川、紺野)中心に
話が進むと思われます。あっ…(ё)…。
そして、作者の推し娘がたくさんでてきてしまうのも了承して頂けると(w
ちなみに1推しはHNの通りでございます。
293ねぇ、名乗って:02/06/17 00:03 ID:0jY9+XPX
>>作者
いつもありがとよ。
楽しませてもらってるぜ。
保全
294名無し募集中。。。:02/06/19 17:08 ID:maGyLgc9
保全ちゃんとしないと落ちちゃうからね〜
ところで、作者ってもしかして新垣嫌い?(w
295ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/06/20 21:02 ID:+n+CGdnW
「あさ美帰って来るの遅いじゃん。愛ちゃん、伝言頼まれたんでしょ」
つまんだ軟骨のから揚げをぽいっと口に放りこみ、圭先輩は私を見た。
私はそれに、ドキッとして「は、はい」とだけ答えた。
「いや、聞きたかったのはそれだけなんだけどね」
圭先輩はそれだけ言うと、軟骨のから揚げによっぽど夢中なのか
かなり速いペースでパクパクとつまみ上げては口に運んでいた。
私は、そんな最中にあいぼんとののちゃんがこっそり部屋を出ていくのを横目で見ていた。
何してるんだろう〜…と思ったら、ドアの隙間から私を手招きしている姿が見えた。
…いや、最初は「私?」と自分を指差し聞いて見たのだが、それに大きく頷いたから
それがわかったんだけれども。
とりあえず私は、ごちそうさまを言うと、自分の食器を片付け彼女たちの元へ向かった。
その時、後ろから「ああ〜!!あいぼんたち、食器片してないよ!!」という
梨華先輩の甲高い声が聞え、それで2人がこそこそしていたコトに気がついたのだった…。

「んで。愛ちゃん。何があったか説明してもらうで」
「なのれす」
「な、何の話よ…」
無論、あさ美ちゃんのことでしょうけど。
解っていながら私はとぼけた。
あいぼんとののちゃんは偉そうに腰に両手を当て、仁王立ちになっているんだけど…。
あんまり迫力がない(笑)
その様は、怖いというか気迫があるとかいうより、ただ可愛いだけだった。
「あさ美のヤツ、まだ帰って来てないなぁ…?」
「いつも帰りは早いのれす」
左からあいぼん、右からののちゃんに挟まれ序々に追い詰められて行く私。
「愛ちゃんは言いました」
「言ったのれす」
「あさ美ちゃんはぁ〜、まだ帰ってこないですぅ」
「こないれすぅ〜」
あいぼんはすぅ…と1度大きな深呼吸をすると(ちなみにののちゃんはその様子をポカーンと見ている)
「愛ちゃん!!!!何かあったねんな!!!!?」
と、こまくのちぎれそうなほど大きな声で私の耳元で叫んだ。
「わぁぁぁぁ〜〜!!!!!」
よく意味が解ってないののちゃんまでその真似をしたので、私の耳は死んだ。
296ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/06/20 21:03 ID:+n+CGdnW
ども。ビミョーな更新ですみません。。。

>>293
ありがとうございます。その言葉が一番の励みになります

>>294
コメントは控えさせていただきます(w
297名無し:02/06/23 15:24 ID:0yQ3+uiN
保全
298ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/06/23 23:22 ID:pUWDGlqx
「あのね…知ってると思うんだけど」
私は恐る恐る口を開いた。
彼女たちは『あのこと』を知っているハズだ。
だったら、話ても別に大きな問題はないと思う。
「あさ美ちゃん、今日…」
そこまで言いかけた時にハッとした。
もしかしたら…私、責められるかな?と。
3秒考えた末、いいや言っちゃえ!と思ったので話を続けた。
「私がね、ゴミ捨てに言った時に…あさ美ちゃん、なんかイジメられてたっていうか…」
「ああ〜…」
「あのふたりなのれす」
「そ、そう…でも、私が声かけようとしても逃げられちゃって…」
「なるほどな。でも、伝言って言うのは?」
あいぼんが眉間にシワを寄せながら聞いた。
「アレは…単なる嘘だよ。だって、あさ美ちゃん帰って来てないのバレたら大変だもの」
「なるほど…」
「……?」
あいぼんは、何度も深く頷いていたがののちゃんはボーッした表情でそれを見つめたまま
そのマネをして何度も頷いていた。
「あのな、愛ちゃんにだけ話すで…ここじゃ場所が悪いから、うちらの部屋に来て」
「なのれす」
「あ、うん…?」
階段をててっ、と上がる2人について、私は彼女たちの部屋に行った。

可愛らしいピンクに染められた女の子らしい部屋。
部屋中にキティちゃんやらマイメロディのぬいぐるみが飾られ、
もうね、キャラクターグッズばっかりが集められたショップのような部屋だった。
「そこ、座ってええで」
あいぼんがピンク色のシーツのひかれたベッドの上に座り、
ののちゃんは『おかしばこ。のののれす!』と書かれた箱からお菓子の袋を取り出していた。
そして、お菓子の袋を開けながら、
「いっこあげるのれす」
と、私とあいぼんに1コずつチョコレートのケーキをくれた。
それを食べながら、話は続いた。
299ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/06/23 23:22 ID:pUWDGlqx
「あさ美ちゃんな〜…イジメられてんねん」
「あ、うん」
チョコレートケーキを一口かじりながら、あいぼんが話を続けた。
「ホラ、アイツって何か…大人しいのに目立つやろ」
「う〜ん…確かにね」
「そや。成績良いし、運動もイケるし〜」
そのあいぼんの言葉を聞いて、お菓子に夢中になっていたののちゃんが口を挟んだ。
「あいぼんはせーせきも良くないし、うんどーもできないのれす」
その言葉を聞いたあいぼんの目がカッ!と見開き、ののちゃんの頭をどついていた。
「お前はアホなんやから、ムズカシイ話に入り込むなっ!」
「いたいのれすぅ〜」
あはは。なんかカワイイなぁ〜。
この状況で思うコトじゃないかも知れないんだけど、この2人って本当に双子ぽい。
顔も似てるし、体型も髪型も似てる。
「愛ちゃん、愛ちゃん。これ見るのれす!」
「あ…?え?」
ぼけーっと2人を見ていた私の、Tシャツの裾をののちゃんがぐいぐい引っ張った。
それに釣られて、体が傾いた。
う…すげぇ力…。
人は見かけに寄らないっていうか…。うん。
「これ!」
ののちゃんから差し出されたのは、厚い赤い色の表紙で綴られたアルバムだった。
「何これ?」
「これ、のののアルバムなのれす!」
「へぇ〜…」
そう言いながら、表紙を開いた。
「キャ〜!!!カワイイっ!!!!!!」
「照れるのれす〜」
もうね。カワイイったらありゃしない。
中1の時からの写真が貼られてるんだけど(それ以前のは実家にあるそうだ)
今はね、ちょっと…その…ぽっちゃりしちゃってるけど、前はもっともっとスタイルよくて
とにかく美少女!!!!っていう感じだった。
……今は、こんなになっちゃってるけどね(笑)
300名無し募集中。。。:02/06/24 05:36 ID:MAZ3tJhy
期待しつつGET300
301ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/06/27 01:54 ID:jthONKEK
そのアルバムは、この寮に来てからのアルバムなので見なれたメンツが写っていることも多い。
何人か知らない先輩たちとも写っていたけど、あいぼんや真里先輩、真希先輩、梨華先輩に
ひとみ先輩…といった面々とよく写っていた。
「のの、あいぼんと梨華ちゃんと、よっすぃーと一緒にここに来たのれす」
余談だけど、ののちゃんとあいぼんはひとみ先輩を“よっすぃー”と呼ぶ。
「吉澤ひとみ」の“よっすぃー”だそうだ。
…じゃなくて。
私はコレを見にここに来たわけじゃないんだってばぁ〜!!
アルバムをぱたん、と閉じようとして顔を上げてみるとあいぼんが恨めしそうな顔でこちらを
見ていた。
そして、ののちゃんの耳を引っ張ると
「お前はッ!!邪魔すんなら、出てけッ!」
と、一喝した。
「いたたた…あいぼん、ごめんなさいれすぅ〜」
「まったく…んで。愛ちゃん」
「んあ、うん」
「あさ美の話な。実は…うちらもなんとかしようと思ってん」
「え?そ、そうなの?」
「そ。それで〜…ちょっと前からな〜…」
あいぼんが、ののちゃんをちらりと見た。
特に意味はなかったようだ。
「あ、うん。それでな。あさ美をイジめようとした奴を、片っ端からののと2人で
 ボコボコにしてたんやけどなぁ〜…」
「!!!」
ちょ、ちょ、ちょっとちょっと!!!
シャレになんないじゃないのよぉ!!!
「あ、あいぼん…。それはちょっと、どーかと思う…」
「う〜ん…。実はな、そのせいで…あさ美が余計いじめられたんじゃないかと思う…」
あいぼんは、どこか寂しげな声で呟いた。
こんなあいぼんは、初めて見る気がした。
「あ、ねぇ…。でもさ、あいぼんのせいなんかじゃないよ。
 悪いのは、そいつらでしょ?あいぼんは、あさ美ちゃんを助けようとしたんじゃない」
私が必死でフォローをいれても、あいぼんはうつむいたままだった。
そして、か細い声で
「……うちのせい、かな……?」
ともう一度呟いた…。
302ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/06/27 01:55 ID:jthONKEK
あ〜!!!
もうっ、私はそーゆうの好かん!!!
イジメとか、リンチとか!!そういうの!!!
ちょっと前に、自分がそういう目にあったのもあるけれど。
どうにか、したいなぁ…。
「ね、ねぇあいぼんってば。あいぼんは悪くないよ、ね?」
「…そうかなぁ〜…。うちってそういえば、案外でしゃばりだしぃ〜…」
うわ。暗ッ。
あいぼんは、背景に火の玉と縦線が見えそうな感じに体育座りして
虚ろな瞳で遠くを見つめていた。
「ハッ!?ののちゃんは…?」
「…そうなのれすぅ〜…。あいぼんってば、あんがいでしゃばりなのれすぅ〜…」
「だぁぁ!!!話がややこしくなるだけだから、マネなんかしないでよっ!」
ののちゃんの肩をポン、と叩くと彼女は立ち上がって
「てへてへ…。のの、おもしろかったれすかぁ?」
と、満面な笑みを浮かべて喜んでいた。
「いいから、ね。お菓子食べてようね、ね?」
「ア〜イ!」
まるで幼稚園児のような中学校3年生、ののちゃんだった。
・・・・・・。
って!!だから、話がややこしくなってるだけじゃないのよぉ!!
さっきから、何か一人で錯乱してるわ私!!
それよりも、あいぼんをどうにかしてあさ美ちゃんのイジメ問題を解決しなきゃならないんだから!
よし、レッツトライ!
「あいぼん、それじゃあさ。私と一緒にあさ美ちゃんのトコへ行ってみよう?」
「……うち、ええわ…。なんか、もう余計なコトしたくあらへんし…」
「そ…」
『そんなコトないよ』
…言いかけようとして、結局言えなかった。
余計なコト…なのかな?
でも、友達を思ってのコトなんだから、やっぱり違うのかな。
なんか、私もよくわかんなくなってきちゃったよ…。
どうすればいいの?あさ美ちゃん…。
303ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/06/27 01:55 ID:jthONKEK
ああ〜…もっと更新したい。。。
話が進まなくて、作者も読者もイライラって感じでしょうかねぇ〜…。
304名無し募集中。。。:02/06/28 07:40 ID:784UZ3Kh
いやいや、落ち着いてやってくらはい。
まってまーす。
305WW:02/06/28 20:28 ID:vXCqNekn
充分。
306名無し:02/06/29 23:51 ID:xFv5PMwO
一応保全
307名無し:02/06/30 23:59 ID:yfQzmw8I
やっぱり保全
308AYAYA:02/07/01 16:21 ID:BkkZvINy
んー
物凄い!
こういう小説を読みたかった…
再来年の正月映画はこれで決まり!(w

309ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/07/01 18:05 ID:yt5gCeoN
更新停滞中。。。
申し訳ないです。

>>304 ありがとうございます!頑張ります。
>>305 できればサクサク話進めたいのですけどね。
>>308 光栄です(w
310名無し:02/07/04 00:01 ID:HZ509gpd
保全しときます
311名無し募集中。。。:02/07/05 23:05 ID:hOylkxwK
hozem
312ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/07/06 03:06 ID:7RTti0Y0
どうもです。
PCが吹っ飛んでまた復旧中。。。鬱…。
っていうか今日誕生日です(w
私事ですみません(w
313名無し募集中。。。:02/07/07 02:03 ID:RbNxsSWX
      ,, -,,     ,, -,,   ,, -,,    ,, -,,   ,, -,,      ,, -,,
      ;;, ,,ミ ノノ从ミ,, ,;;  ミ, ,,;; ノハ@.:;,, ,ミ  ;;, ,,ミ ノノヽヽミ,, ,;;
誕生日オメ━"ヽリ ’ー’リ/━━━"ヽ(‘д‘)ノ"━━━"ヽ∬´▽` ノ)"━!!
         (  '⌒)      (    )         (⌒ヽ )
          | /じ'      ⊂-―-⊃        し'ヽ |
          じ' ll|i         i||l           li|l し'
             ,,- ,,   ,, -,,     ,, -,,   ,,- ,,
        ,ノハヽ ミ,, ,;;  ;;, ,,ミ ノハヽミ,, ,;;  ミ,, ,;§ノノヽ§
誕生日オメ━川o・-・)ノ)━━━"\(´D`)/"━━━(ヽ(・e・ )━━!!
         / ,,- ,|         (   )         |,,- ,,ヽ,
         `ミ   ;;,        | || |         ミ   ;;´
          `''''"        (_∧_)         `''''"
更新楽しみに待ってます。
314WW:02/07/07 23:12 ID:9CIVP9y0
乙&おめ
315名無し:02/07/08 22:21 ID:+up552AH
一日遅れでおめでとう
ってことで保全
316名無し募集中。。。:02/07/08 22:32 ID:daqlojO2
age
317 ◆HOzENDAE :02/07/10 11:14 ID:HVz+R+vT
 
318名無し募集中。。。 :02/07/12 21:37 ID:cGM4Q6Ud
>>作者
PCの調子どう?
ってことで保全
319名無し:02/07/13 12:36 ID:Amhc+yuZ
勉強ガンガッテ
ってことで保全
320半自動保全エージェント ◆HOzENDAE :02/07/15 12:24 ID:ivX6ZGIN
テスト運用中 1026703344
321ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/07/16 16:55 ID:0moMhVHL
やっと書き込めるようになった…。
うち、CATVで串使ってないのに規制に引っかかって1週間書き込みできなかったです。。。

そのうち続きうpします。
322名無し募集中。。。:02/07/17 04:48 ID:TenRsnq7

 
 川o・-・)<私たち、友達ですよね   川’ー’川<うん・・・。

保全sage
323名無し:02/07/18 18:38 ID:ouYglWnj
保全
324_:02/07/19 00:18 ID:XcvLyynK
hozemu
325 :02/07/19 12:05 ID:orLZPnLe
ほぜむ
326名無し募集中。。。:02/07/19 17:01 ID:npekYCFw
ageてまえ
327ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/07/20 05:10 ID:04wAazVX
その日の深夜遅くにあさ美ちゃんは帰ってきた。
先輩たちに怒られていたけど、「図書館で本を読んでいたら寝てしまって…」と言っていた。
なるほど、うまい言い訳だな…とは思ったけど、実際にありそうなので私は何も言わなかった。

ということで、翌日。

「ネェ、愛チャン!!」
同じクラスのハーフ娘、ミカちゃんがテンションも高く話かけてきた。
「ん?どうしたの、ミカちゃん」
「昨日のアノ娘!」
「え?…あ、あさ美ちゃんのコト??」
「イエス!ダイジョブだったノ?」
「あ、うん。へーきへーき」
「そうナノ。なら良かったワ」
いや、別に平気でもないんですけどね〜…。
あれから、今朝も結局話ができなかった。
だって、ね〜…。
それに、あっちからもどこか私を避けてるみたいな感じがしたので
一向に話かけるチャンスなど見つからなかった。
「なんだかなぁ…」
「ン?どうしたノ?」
「あ、いやっ、こっちの話!」
「フ〜ン」
はぁ〜…。何とかならないかなぁ〜…。
「愛ちゃ〜ん」
窓際の席でボケーっと外を眺めていた時、誰かが私を呼んだ。
声のした方向を向いてみると、教室の入り口にクラスメートのコが立っていて
もう一度「愛ちゃ〜ん」と呼んだのが、今度はきちんと耳に入った。
私は、椅子から静かに立ちあがると、「なぁに?」とそちらに近づいた。
「あ、今ね。中等部の辻さんと加護さんが来て、コレ渡してくれって」
「あいぼんとののちゃん??あ、手紙ね。ありがと…」
「うん」
私は、手紙を受け取ると、再び席についた。
328ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/07/20 05:11 ID:04wAazVX
その手紙は、言われた通りあいぼんからだった。
要約すると、『昼休みに中庭で待ってる』とのことだった。
恐らく、あさ美ちゃんのコトだろうなぁ…。
また、何かあったのかも知れない。
ハァ…どうにかなるのかなぁ〜…。

「待ってたでぇ〜!愛ちゃん!!」
「なのれす!」
「遅いよ、愛ちゃん」
「こんにちわ、愛ちゃん」
「んあ。愛ちゃんも来たんだ〜」
「ここで食べるお弁当は格別だもんねぇ〜♪」
「メシ食ったら運動しようぜ!!」
……。
左から、あいぼんにののちゃん、マコちゃんの里沙ちゃん、
向かって右から真希先輩に梨華先輩にひとみ先輩が座っていた。
…シートを敷いてピクニックのように…。
「あいぼん。用って…」
「用?」
「昼休みに中庭で待ってるって…」
「???用???」
「……そういうコトね……」
何のコトはない。
ただ、お弁当を一緒にみんなで食べようというそれだけだった。
あさ美ちゃん絡みでもなんでもないのね…。
「愛ちゃん!!」
梨華先輩が、例のキンキン声で叫んだ。
「え?」
「大事なコトを忘れてるわ!!」
「ホ、ホントだ!!」
「だ、大事なコト!?」
あ、あさ美ちゃんのコトかしら!?っていうか、なんであさ美ちゃんいないの!?
下手したら、梨華先輩たちにもあさ美ちゃんがいじめられてるコトが知れ渡ってる!!?
「い、言うよ…」
「ど、どうぞ…」
「…ホンットにいいの!?」
「ど、どうぞ…」
「愛ちゃんってば!お弁当忘れてるよっ!!」
・・・・・・。
ハァ…。そんなコトだろうと思った。
「もう〜、ランチタイムにお弁当忘れるなんてオバカさん〜」
「アハハハハ…」
…気楽でいいなぁ、この人…。
329ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/07/20 05:12 ID:04wAazVX
久々の更新でっす!!!
お待たせしました!!…え?待ってないって?(w
330ねえ、名乗って :02/07/20 20:32 ID:jcKqMFQP
待ってたよ!!
お帰りなさい!
331WW:02/07/21 00:08 ID:djhQRLHG
お久!w

夏休みはどうするつもり?
332 :02/07/22 13:56 ID:55JG8ijb
保全
333ABC:02/07/22 21:40 ID:vtJrYA92
age保全
3347氏:02/07/22 21:44 ID:fjXdzbdI
おもろいから保全
335ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/07/23 16:09 ID:CvhfpB7U
お弁当を取って中庭に帰る途中、私はとある人とすれ違った。
…他でもない、紺野あさ美。
その人だった。
教室から出て、下への階段を降りて中等部の校舎の渡り廊下を通りかかった時。
ボケーっと窓の外を眺めながら歩いていた私の横を、何かがビュン!と走り抜けた。
肩くらいまでの髪がさらっと私の横を通り抜け…次の瞬間には私は振り返っていた。
いたぁぁぁぁぁ!!!!!
油断してた!
真正面から、私を避けるようにダッシュで逃げた!!
追いかけなきゃ!と振り返って彼女を追いかけようとした時には、もう姿はなかった。
恐らく、曲がり角を曲がったんだろう。
「ちょ、あさ美ちゃん!!」
私もそれに追いつこうと、必死に走ったが曲がった先にも姿はなかった。
…どうしよう、また…追い詰めるようなコトしちゃった…。
…って、落ち込んでる場合じゃないよ!!
と、とにかく追いかけなきゃ!!
長い廊下の先に姿がないということは、階段を上ったとしか考えられない。
私は、何も考えずにその階段を一段抜かしで上がり始めた。
…右手に、ランチマットで包まれたお弁当を握り締めて。

ところが。
「ちょっと」
「ゲッ…」
よりによって、こんな状況の時に「あの」松浦亜弥と出くわしてしまった。
どうやら、中等部の方に用があったのか、今は一人だった。
ああああああ〜…次から次へと〜!!
今は、この女の相手してる暇なんてないわ。
「邪魔よ!どいて!!」
私は、亜弥の体を跳ね除け、階段を一気に上ってしまおうとした。
「邪魔ですって!?」
売り言葉に買い言葉。
亜弥はすぐにも眉間にシワを寄せ、つかつかと私に近寄って来た。
336ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/07/23 16:10 ID:CvhfpB7U
その亜弥は私を見るなり、またケンカ越しに言葉を吐いた。
それもそうだ。私ってば、必死になってダッシュしたせいで額からポタポタ汗まで垂れていた。
「プッ。高校生にもなって、鬼ごっこ?ま〜ったく、だから野蛮なのよねぇ」
「う、うるさいなっ!もう、どいてよっ!!」
「な、何よっ。みっともないから止めなさいって言ってやってるんじゃない!」
「いらないわよ!!そんな忠告ッ!」
「ふんっ。このあややにそんな口聞いて、ただで済むと思ってんの!?」
「も〜〜!!!急いでるのにこのバカッ!サルッ!!」
「サ、サ、サル!!!?キーッ!サルはあんたでしょ!?」
「あ〜!!キーキーうっさいのよ!!このサル!サル!!」
「言ったわね〜!!」
「言ったわよ!」
「何よ?やるの?」
「望むところよ!!」
あぁぁぁ〜!!!こんなコトしてる場合じゃないんだってばぁ〜!!
本当にバカ女なんだから〜〜!!
ところがどっこい、いつの間にか中等部の生徒たちのギャラリーが群がっていた。
終いには、「せんせー。ケンカです」なんて呼びに行ってる人もいた。
ま、まずい!
「松浦ぁ!!ヤバイよぉ!」
「わ、わかってるわよ!!と、とにかく!アタシはあっちに逃げるから
 アンタは屋上の方に逃げてやり過ごすのよ!?わかったわね!!」
「オッケ!!」
・・・・・・。
自分でも思ったけど、あの娘ってば超ワガママでジコチューで短気でバカでサルだけど
こういう時はちょっと、気が合うのよね…。
ちょっと、階段を上り際に亜弥の方をチラッと見た。
すると、目があった瞬間に亜弥は一瞬ニコッと笑った。
「オホホホホ!そっちに行ったら逃げ場はないわよ〜ん。
 じゃ、せいぜい先生に見つからないように気をつけなさいよ〜」
……。
前言撤回!!やっぱり、ヤツは最低女でしたっ!!
337ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/07/23 16:10 ID:CvhfpB7U
そんなコトやってる間に、どうにか私は屋上にたどり着いた。
そこに、追っかけてきた人物がいた。
「あさ美ちゃん」
「いやっ!!こないで下さい…」
屋上の、一番先端部分のフェンスに肘をかけていた彼女は、
私の声に気づくと振り向きもしないまま、ヒステリックに叫んだ。
ま、ま、まさか…自殺!?
「だ、だめよ!!」
「…そんなに、怒ってるんですか…?」
「怒ってなんかない!でも…」
「ごめんなさい!!でも、仕方なかったんです!!」
叫ぶ彼女を見て、私も一歩一歩その足の速度を緩めた。
「ご…ごめん。でも、じ…自殺なんて…」
「え?」
その言葉を聞いて、思わずあさ美ちゃんは振り返った。
その顔が、キョトン…としている。
「えっ、て…?」
私も、ポカンとして、口を開いてたたずんでしまった。
そして、あさ美ちゃんはかすれた声で、
「え?…私が、愛さんのお弁当にからあげを入れ忘れたから怒って追いかけてきたんじゃ…」
と、確かにハッキリとそう言った。
か、からあげ…?
その言葉を聞いて、今初めてお弁当の包みを開けた。
普通のそぼろご飯に、卵焼き、タコさんウインナーとコロッケ。
そういえば、今日のお弁当当番は梨華先輩とあさ美ちゃんだったっけ。
ん…確かに、あと一品分くらい入りそうなスペースはあるけど…。
そ、そんなコト普通気づかないって…。
「あの!ごめんなさい!!
 自分のお弁当食べ終わってから、愛さんのお弁当にからあげ入れ忘れたコト思い出して!
 何とか謝ろうと思ったんですけどっ…!顔見たら言えなくて、つい逃げちゃって…。
 それで、愛さんが追いかけてくるから…つい…」
「はぁぁぁ…」
338ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/07/23 16:10 ID:CvhfpB7U
「あのね、そんなコト別に怒らないよ〜…」
「そ、そうですか…」
「うん」
私はニコッと笑ったけど、すぐに違う目的があったコトを思い出した。
「あ、あさ美ちゃん」
「ハイ?」
どうやら、安心したのか普通にあさ美ちゃんは私に近寄って来た。
もしかして、昨日のコトもたいして気にしてないんじゃないだろうか…。
私は、でも、決心してついに言葉を発した。
「あさ美ちゃん、いじめられてるの?」
「!!」
あさ美ちゃんの顔が、急に翳った。
や、やっぱ聞くのまずかったかなぁ…?
「ご、ごめん。言いたくなかったら、言わなくてもいいよ」
「あ、いえ…そうですね。何からお話しましょうか…」
……。
あさ美ちゃんは、またフェンスに肘をかけた。
そして、頬杖つくとボソボソと喋り始めた。
「実は、私…。因縁つけられてたんです」
「あ、うん。それは…」
昨日見た、とは言わなかったけれど。
「転校してきて、しばらくしてからだったんですけどね。
 私、結構トロいから、それがムカつかれてたみたいで。
 でも昨日、あの後ちゃんと和解したんですよ」
「え?そうなの!?」
「ハイ。…コレで…」
“コレ”の意味がイマイチわからなかったけれど、あさ美ちゃんがすぐに
ジェスチャーでパンチを繰り出しているのを見て、なんか解った気がした。
「じゃ、じゃあ。もう大丈夫なの?」
「ハイ。全然平気です。…というより、だいぶ前から何もされてなかったんですけどね」
「ふ〜ん…あ、でも…」
「ハイ?」
「なんで、昨日の夜はあんなに…」
「そ、それは…」
あさ美ちゃんは、急にまた表情を翳らせた。
「お、驚かないでくださいね…」
339ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/07/23 16:11 ID:CvhfpB7U
とりあえずここまでで。
学校がないのって素晴らしいですね〜。
340ナナシムスメ。:02/07/23 18:45 ID:VpMUExTb
>>339
お疲れさまです。
『コレ』、ちょっと笑いますた(w
お休みに入ったんですか? いいな〜…
341名無し募集中。。。:02/07/24 16:21 ID:w226V+eb
さすがに面白いよ!
あややと愛たんの関係が面白くって好きです
342WW:02/07/25 19:16 ID:k0ypJFvy
今回の新曲でこの話がリアルに見えてきた。
343ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/07/25 23:14 ID:h9LsDhKP
川o・-・)ノ『前回までのあらすじ』
クラスメートにいじめられた紺野あさ美は、得意の『コレ』で逆にやりかえす。
こうして、“無事”和解することとなったのだが、勘違い早口娘・高橋愛は
屋上で外を見つめるあさ美が自殺しようとしていたと勘違いする。
そこで、あさ美の口から語られる事件の真相。
あさ美の深夜帰宅の真相が、今語られる!!!

……。
な、何?この大事な時に、頭の中に不思議なナレーションが響いたわ!!
なんだか、違うノリになっちゃったみたい。
…って、今はそんな場合じゃなくってぇ。
私は、あさ美ちゃんの口から昨晩の出来事を語られるのを待った。
なぜ、彼女はあんなに遅くに帰ってきたのだろう…?
「あの…実はですね…」
「……」
とても言いにくそうな彼女。
まさか、やっぱり何かあったんじゃ…!!
「実は、昨日の夜…。
 図書館で本を読んでいたら閉じ込められちゃって…」
「あ?」
「あの、だから…図書館に閉じ込められちゃって〜…」
「ああ?」
「警備員のオジサンに見つけてもらうまで、外から鍵がかかってたんで出られなかったんです」
「あああああ??」
「…愛さん?」
「……」
「あ、あの…?」
「……」
「……?」
「この、人騒がせがぁぁぁ〜〜〜!!!!!」
「ご、ごめんなさい〜キャァ〜〜」
ちゃんちゃん♪
344ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/07/25 23:15 ID:h9LsDhKP
「も〜、ホントにそんな理由なんでしょうねぇ」
「本当ですよ」
はぁ〜…。心配して損した。
本当に図書館に閉じ込められてただけなんて…ねぇ?
また、いじめっこたちにロッカーにでも閉じ込められてるのかと思った。
「あ、ところで…」
「はい?」
「ホントに大丈夫なの?その後」
「はい。もともと、クラスのボス的な存在の人とその付き人だったんですけど。
 昨日の『コレ』でずいぶん懲りたみたいですよ」
あさ美ちゃんは、もう一度ジェスチャーでパンチの素振りをした。
「そうなんだ…ん?どっかで聞いた話…」
クラスのボスに付き人、ねぇ…。
自然に同じクラスの『あの女』が浮かぶあたり、同じような状況だったんだなぁ。
「ね、あいぼんたちは大丈夫なの?」
「え…。あいぼんはそうでもないですけど、ののちゃんはよく言われてましたね。
 だけど、彼女の場合はそんなに気にしてないみたいでしたけどね」
「ふぅん…」
ののちゃんの場合、気にしてないっていうか…。気づいてないんだろうな。
なんか、教室でそのコたちにバカにされてものほほんと微笑んでる彼女の姿が浮かんだ。
「でも、私の『コレ』でおとなしくなったみたいですけど…」
ふふふ、と怪しげに口元をにやつかせて、彼女は微笑んだ。
「そ…そう…」
「はい」
・・・・・・。
微妙な沈黙が流れた。
345ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/07/25 23:17 ID:h9LsDhKP
どうもです。微妙なトコですが、ちょこちょこ更新するのでお待ちを。

>>340 はい、夏休みです!でも、受験生なのでやることがいっぱいです。
>>341 紺野=空手、ですから。
>>342 実は、この話を書き始めてから紺野が好きになりました。
    新曲、いいですね。
346ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/07/27 10:32 ID:e64PqhkQ
その沈黙をやぶるようにして、あさ美ちゃんがまた口を開いた。
「あのぉ、愛さん」
「何?」
「私、前の学校でもイジめられてたんです」
「え?」
一瞬、あさ美ちゃんの方を向いたときに目が合ったが、すぐになんか目をそらしてしまった。
彼女は遠くを見つめながら、話を続けた。
「前の学校でイジめられてて…。私、何もできなかったんです」
「……」
「それに、両親の仲も悪くって…。私、ズタズタでした。
 学校にも行けなくなって、親は何も聞いてくれないし、本当に独りぼっちでした。
 だから、どこか遠くに行きたくなってしまって…。
 自分でここに転校しようって決めて、ここに来たんです」
「そうなんだ…」
「はい。両親も、別に反対はしなかったし…」
「……」
彼女に対して何も返さず、私は黙っていた。
なんか、それが自然な気がしたから。
そもそも、彼女が複雑な事情を抱えてるコトくらい解っていた。
…だって、なんか裏がありそうだな〜と思ってたんだもん。
だけど…。ここに来てしばらくの頃はまだ、おどおどしてたけど
最近は決してそんなコトはなかった。
イジメられてたとしたって、彼女は明るく振舞っていたじゃない。
「愛さん?」
「え?あ…ごめん、また話聞いてなかった」
「ふふ…」
あさ美ちゃんは、口元に手をやってくすくすと笑った。
347ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/07/27 10:32 ID:e64PqhkQ
「でも、私もう平気です。ここに来て、なんか元気になったっていうか…」
「そうだね」
「だから、私、もう負けないんです。
 そういう風に生きてけば、きっといいことあるって信じてるから…。
 それに…得意の『コレ』もありますし…ネ♪」
あさ美ちゃんは、またもや得意の『コレ』の素振りをした。
「そーいえば、あさ美ちゃん。『コレ』はどこで習ったの?」
「『コレ』ですか?あ、私、空手やってたんです」
「か、空手!?」
ひぇ〜。イメージに全然合わないねぇ。
だけど、なんとなく納得。さぞかし、『コレ』は強いんでしょうねぇ〜…。
「はい。…あっ、愛さん大変!!」
「え?」
「早くしないと、お弁当の時間がなくなっちゃいますよっ!!」
「え?」
言われた通りに、腕時計を見てみると、60分の昼休みはあと10分で終わりそうになっていた。
「た、たいへ〜ん!!」
「あ〜っ!私、教室にお弁当忘れました…」
「早く早く!!さ、あさ美ちゃん!」
「…ハイ!」
私の差し出した手を、あさ美ちゃんが握った。
そして、一瞬目が合ってお互いに微笑み合って一気に出口に向かって駆け出した。
ドタバタと私たちの駆けて行く音が、屋上に響いた。
「愛さん、心配かけてごめんなさい」
「え?何か言った??」
「…ううん、何でもないです!」
まっ、そういうコトにしといてあげるかぁ〜。
…だって、照れくさいじゃん!
「さっ、みんなが待ってるよ!」
「ハイ!」
初夏の午後の陽射しが、つながった手のひらと手のひらを照らしていた。
348ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/07/27 10:32 ID:e64PqhkQ
さて、出かけてきますか。
349名無し募集中。。。:02/07/28 04:47 ID:A4FbDR46
保全
350WW:02/07/30 13:52 ID:Qwn7FA/z
konnomoe~
351 :02/07/31 16:19 ID:7TPG5EX9
保全
352名無し:02/07/31 21:11 ID:lw5RqPfW
大変なことになってしまいましたね…
ショックだとは思いますがこのままこの小説を続けてくださる
ことを願っています。
もちろん最終的な判断は作者様におまかせします。
353ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/08/01 04:04 ID:5BpjF9yv
前々からうわさがあったとはいえ、今はショックがデカイです。
小説は書きます、多分。。。
354352:02/08/01 08:15 ID:sh6txdGb
小説のことは後回しでもいいですから(保全はしときます)
受験勉強がんばってください。
355355:02/08/01 12:26 ID:PZ38e+FY
356ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/08/02 16:02 ID:6ZMzEbbe
ごめんなさい、一時更新を停滞します。
復帰は…未定ですが、突然復帰する予定ですので保全しておいていただけるとありがたいです。
357357:02/08/02 20:15 ID:oW80Bg3G
>>356
了解しました。
358名無し:02/08/03 14:25 ID:7Q8ghfgS
も〜やけくそ気味に保全
359名無し募集中。。。:02/08/04 06:16 ID:gikivo4u
保全
360名無し募集中。。。:02/08/05 09:26 ID:5uq+BDIg
保全A
361ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/08/05 14:17 ID:vqFlMloU

☆PEACE5・☆「初めての夏休み」

「ん〜…毎日暑い…」
「ホントですねぇ〜…。北海道にいた時は、もっと…」
ベッドに寝転がりながら読んでいた雑誌を、パタンと閉じてあさ美ちゃんがこちらを向いた。
暑さのせいか、その顔が青白く見える。
あ〜あ…額には、大粒の汗が浮かんでいる。
「ふぅ〜…こう暑いと、何もする気になんなぁ〜い」
「そうですね…」
全く、この部屋ってば冷房ないんだもの。
それどころか、扇風機もない!
手ぶらでこの寮に来た私とあさ美ちゃんにとって、初めての夏は過酷なものとなった。
リビングのソファに座りながら、冷房を強にしてゴロゴロしてもいいんだけど…。
裕子先生に怒られるし、冷房を使った分だけ設備費を払わなければならないので
やはりこの暑さに耐えるしかなかった。
…まあ、例のおばあさまからの仕送りが一応あるから別に気にするコトないんだけど。
でも、それって結局おばあさまに依存して居きるってことじゃない?
それは、さすがに自分で許せなかった。
…授業料は払ってもらってるけどさ。
あ〜…それにしても暑い!
「ふぅ。もうここに来て4ヶ月かぁ」
「…そうですねぇ…。8月ですからね」
そう。
世間は夏休み真っ只中。
しかも、今は夏休みの真昼間。
セミはミンミン鳴いてるしぃ〜…。
そりゃあ、暑いってもんだわ。
362ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/08/05 14:17 ID:vqFlMloU

しかし、早いよなぁ〜…。もう、ここへ来て4ヶ月だよ、4ヶ月!
そう考えると、もうお父さんとお母さんが死んでから…。
……。
あ〜。やめやめ!!考えるとキリがないから!!
いいんだもん、私の帰る家はここだもの!!
ということで、今は帰省ラッシュ。
今年で卒業する圭先輩は就職活動のために一時期、東京に行っているし。
運動部はもう休みなので、梨華先輩にひとみ先輩、真希先輩、
あいぼんにののちゃん、里沙ちゃんも実家に帰っている。
レポートやら何やらが残っている、なつみ先輩と圭織先輩もお盆には実家に帰るらしいし
合唱部も休みになれば真里先輩と紗耶香先輩も実家に帰るんだろう。
…ということで、お盆の間にこの寮にいるのは、私とあさ美ちゃんとマコちゃんだけになる。
ちなみに、マコちゃんの所属している水泳部は、夏休みの終わりに大会があり
そのために、練習の休みの日がほとんどないので
マコちゃんすでに一回、実家に帰っている。
その時に、親には怒られたらしいけど。
お盆にも帰ってきなさい!…って感じに。
そして、あさ美ちゃんは家庭の事情がアレ、なんで…。とのことだった。
それに私は、帰るところがないのでどこに行くわけでもない。
…おばあさまの家…に帰るコトも考えたけど、やっぱり会いたくない。
なので、このクソ暑い「モーニング荘」で一夏を過ごすってワケ。
「ね〜、あさ美ちゃん〜」
「…はい〜…」
「暑いから、またマコちゃんに頼んでプール入らせてもらおうよ…」
「う〜ん…。もうすぐ、水泳部終わる時間ですね…」
そう。
実は、暑さに耐え切れない私たちは水泳部のマコちゃんに頼んで
何度かプールに入れてもらった。
同じような目的で、水泳部に来てるコも結構いたんだけどね。
あまりやると、先生怒られるのでできないらしいけど。
ふぅ〜…。
363ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/08/05 14:28 ID:vqFlMloU

現在時刻、午後2時。
何も一番暑い時間に、練習を終わらせることもないと思うんだけど…。
それでも、普通の運動部よりは水泳部は楽なんだろうなぁ。
私は、運動あまり得意じゃないから入らなかったけど。
「じゃ、決定」
「ん〜〜〜〜…」
あさ美ちゃんってば、あんまり乗り気じゃないみたい。
きっと、この暑さの中でプールまで歩くのが嫌なんだろう。
「え〜…どうするのよォ」
「でも…暑いし…」
な〜んてやってる間に、ドタバタと階段を駆け上がる音が聞こえて来て、
その数秒後には、パタンとドアが開きマコちゃんが立っていた。
「あ〜〜〜〜!!!!暑い暑い暑い!!!」
部屋に入るなり、マコちゃんはショルダーバッグを乱暴に床に叩きつけ
袖を半分まくった、青いジャージを脱いだ。
「暑いったらありゃしない!」
「麻琴さん、暑苦しいので静かにしてください〜…」
ベッドに横たわり、ぐでっとしたままあさ美ちゃんが言った。
「だって、暑いんだからしょうがないでしょ!!」
「ふぅ…仕方ないですね、リビングに行きましょうか」
「いいわよ。その代わりッ、冷房代は3人でワリカンだかんね!」
「え?ちょ、私まだ何にも言ってな…」
「愛さん、先行ってますからね」
「ちょ…2人とも〜〜!!!」
…ハァ。結局、こういうオチになるのね…。トホホ。
「あっ、そうそう。里沙ちゃんからエアメール来てたよ」
「エアメールぅ?」
「エアメールですか?」
マコちゃんが、懐からさっと封筒を取り出した。
364ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/08/05 14:28 ID:vqFlMloU

そこには、
『拝啓、みなさん。私は今、カナダにいます。
 カナダはすっごく涼しいの。みんなにも、この涼しさを分けてあげたいなぁ。
 あっ、そんなコト無理だよね、うふふ。
 パパが今からアメリカのオーディション番組に連れて行ってくれるの。
 それに、パパが出演させてくれるんだってぇ〜。
 もうね、里沙ってばチョーカワイイから絶対合格じゃないですかぁ。
 だから、ちょっと行ってきて合格してきま〜す。
 お土産待っててね。里沙のブロマイドでいいわよね?
 それじゃ、また9月に会いましょう。ラブラブ!
                   新垣里沙fromカナダ』
・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・。
読み終わった後、3人してしばし無言になった。
私とマコちゃんは明らかに怒りの表情をあらわにし、
あさ美ちゃんは少々困惑の表情を浮かべていた。
その時、あさ美ちゃんの口から信じられない言葉が!!!
「……氏ね」
「えっ!!?あ、あさ美ちゃん!!?」
「あ、え、えっと。なんでもないんです」
ビ、ビックリしたぁ。今、確かに「シネ」って言ったわよね…。
ま、まあ確かに飛行機墜落して死んじゃえ♪くらいには思ったけどさぁ。
「かぁぁ!!!クッソ、マジ調子こきすぎコイツ!!」
と、マコちゃん。
「…お嬢様は、いいですよね。オーディションですって」
と、あさ美ちゃん。
「勘違いしすぎなのよ、子供だからしょうがないじゃない?」
と、私。
そうなんだよなぁ〜。最初はさ、大人しくって礼儀正しいコだと思ったら。
意外としたたかだし、図々しいトコもあったりして。
ちょっと、ねぇ…。というのが里沙ちゃんに対する素直な感想だった。
365ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/08/05 14:32 ID:vqFlMloU

久々の更新です。
もう、ごっちん脱退のショックから立ち直りました♪
ソロになっても、もちろん応援しますよ!!
ただ、モー娘を今後応援するかは分かりません。。。

そして小説ですが、もう少しだらだら書くつもりでしたが
構想より少し短く切り上げることにします。
自分自身、更新の時間があまりないことと、ハッキリ言ってこのまま書くと
終わるのが2年後くらいになっちゃいそうなので(w
あと、1〜2章パーッと夏休み中に書き上げてしまおうと思います。
最後まで、お付き合いくださいませ。

今回、新垣さんの扱いが少しアレですが、ファンの方
この作品はフィクションですのでご了承下さい。。。
366名無し読者:02/08/07 04:42 ID:ZoUzeoLV
復活おめ。
───保全───
367名無し募集中。。。:02/08/07 23:56 ID:ZoUzeoLV
保全ナッ!
368 :02/08/09 00:53 ID:FIQ9jWNF
369:02/08/09 01:14 ID:vfZV/wAl
今の季節は夏!
夏といえば海!
海といえばビキニ!
ビキニといえばポロリ!
そういう路線でたのむっ!
370名無し募集中。。。:02/08/11 10:04 ID:9sp4TLUa
それは違うだろと突っ込み保田
371WW:02/08/11 17:44 ID:8rS+V/rp
うむ。ちがう。
372名無し募集中。。。:02/08/13 08:18 ID:8BCK43tO
373名無し募集中。。。:02/08/13 16:54 ID:hfXnDMKu
保全
374ねえ、名乗って :02/08/15 21:40 ID:LfLkMJtJ
保全
375 :02/08/16 23:34 ID:1u89bcxx
376もう早くイッテヨ〜:02/08/16 23:37 ID:Oiu/qz4G
つんくの「モームス大奥」
エロ小説でしゅ。
377名無し募集中。。。:02/08/18 10:55 ID:e6GGvfX/
ほぜそ
378名無し募集中。。。:02/08/19 13:44 ID:06sTBhil
保全
379ねえ、名乗って :02/08/20 04:04 ID:3iiqYn01
ho
380名無し募集中。。。:02/08/21 12:23 ID:aTdpeoXT
ほぜむ
381名無し募集中。。。:02/08/22 07:37 ID:BRpsAVV2
Ho-then
ほ ぜん
382ねえ、名乗って :02/08/23 22:20 ID:/CBLvLGv
ほうそ
383ねえ、名乗って :02/08/25 02:36 ID:Y45jOjYY
hozen
384名無し募集中。。。:02/08/25 10:48 ID:47SViFKc
作者さんはどこにいった?ほぜむ
385名無し募集中。。。:02/08/25 18:30 ID:f8JmAahj
あげ
386ねえ、名乗って :02/08/26 23:37 ID:mxxM7Qds
hozen
387ねえ、名乗って :02/08/28 03:38 ID:ENtEJ0Ci
ほぜん
388ねえ、名乗って :02/08/29 01:53 ID:Z3E+gC7j
宿題してるのだろうか?保全
389ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/08/29 04:48 ID:4xlq1w/z
どうもです〜。
長いことほったらかしですみませんでした。

課題やってたのと(9月1日までに終わらなさそう・・・)
ウイルスに感染して、うっかり書き溜めた(ほとんど最後まで書きあがってた)のを
親に消されてしまい、泣く泣く書き直してます。。。
ということで、もう少し完結までお付き合いください〜。作者でした。
390ねえ、名乗って :02/08/29 22:54 ID:Z3E+gC7j
作者さんキタ━━(゚∀゚)━━( ゚∀)━━━( ゚)━━( )━━(゚ )━━(∀゚ )━━━(゚∀゚)━━!!!!!
ウイルスのアホ━━(゚∀゚)━━( ゚∀)━━━( ゚)━━( )━━(゚ )━━(∀゚ )━━━(゚∀゚)━━!!!!!
課題もがんかってください。保全
391ねえ、名乗って :02/08/31 01:42 ID:w1qv/D8V
392ねえ、名乗って :02/08/31 21:01 ID:w1qv/D8V
保全
393ねえ、名乗って :02/09/01 21:47 ID:UDVzRf4U
ほいっ
394名無し募集中。。。:02/09/02 09:08 ID:b8dQEJHG
保全!
395名無し募集中。。。:02/09/02 15:48 ID:rZPrVLn7
ごっつあむ氏の処女作読んだけど
そっちもなかなかおもしろいね
もちろんこっちもおもしろいけど
396AYAYA ◆AYAYA/l6 :02/09/02 16:36 ID:ugzAmB4n
保全!!!!!!!!
397ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/09/03 05:36 ID:sZlRyeq+
「あ〜あ、もう夏休みも半分終わっちゃってさぁ」
冷房のガンガン効いたリビングのソファに寝転がり、カレンダーを眺めながらマコちゃんが言った。
「そうですね…麻琴さんは、宿題が全く終わってませんね」
それを横目でチラリと眺め、あさ美ちゃんが言った。
そう言いながらも、注いだばかりのサイダーにストローを突っ込んだり出したりしている。
「アンタだって終わってないでしょうが」
「私は、ギリギリにキッチリ終わらせるんです。…時間は有効に使いましょう」
「だったら、さっさと終わらせて遊びなさいよ」
「…私は、8月31日ギリギリの追い詰められてる感じが好きなんです」
売り言葉に買い言葉。
マコちゃんがあー言えば、あさ美ちゃんがこー言った。
2人って、実はすごい名コンビなのかも知れない。(漫才の。)
ちなみに、私もまだ宿題には一つとして手をつけてないんだけどね…。
2人でキャーキャー言ってるのを見ながら、ぼんやりとしていた。
特に何かを考えているワケでもないけれどね。
「…なーんか、夏休みの思い出欲しいなぁ…」
「それだ!!」
「え!!?」
マコちゃんがポツリ、とつぶやいた言葉に対して、私はつい大声を上げてしまった。
「そうよ〜!せっかくの夏休みなのに。平穏な日々はつまらないじゃない!」
「刺激をお求めですか?」
「まぁね」
「じゃあ、スリリングな日々を送ってみましょうか?」
「え…」
ニヤリ、と妖しい笑いを浮かべたあさ美ちゃんを見て、私はちょっとドキっとした。
398ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/09/03 05:37 ID:sZlRyeq+
「…さすがに…」
「そうですか。残念です」
ざ、残念がってる…。
い、一体何をしようとしたのかしら…。
「じゃあさぁ、こんな話があるの」
マコちゃんが、人差し指を一本立てて物恐ろしげに切り出した。
「呪いの井戸の話!」
「呪いの井戸?」
「…貞○でも出て来るんですか?」
あさ美ちゃんは、マコちゃんの言葉に聞く耳持たないという感じで
ソファの上に無造作に置かれたファッション雑誌を手に取り、パラパラとページをめくりはじめた。
「○子って…。そういうのじゃなくって!!」
「そりゃぁねぇ…。物語の中の幽霊だし」
「まあ、それはともかく。この学園のね、とある場所に井戸があるんだって」
ちらり、とあさ美ちゃんがマコちゃんの方に目を向けた。
一瞬だったが、ハッキリとその視線が動くのが見えた。
「どこにですか?」
「アタシも知らない。でも、その井戸に近づくと、女の子のユーレイが出るんだってぇ!
 キャ〜〜〜!!マジ怖いッ!キャーキャー!!!」
「……ふ、ふぅん……」
「……そうですか。良かったですねぇ。
 あ、愛さん。サイダー注いで下さいな。氷は2つでお願いします」
「あっ!?ちょっと!!信じてないんでしょう!?」
私たちが微妙な反応をすると、マコちゃんがキレた。
…冷房が効いて涼しい部屋と言え、暑苦しさが増す。
もうぅ〜、幽霊なんているワケないんだからさぁ…。
399ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/09/03 05:38 ID:sZlRyeq+

「信じてるワケ、ないでしょうに…」
「麻琴さんって、ロマンティストなんですねぇ」
「……!!!!」
それでもまだ、冷たい反応の私たち2人に、マコちゃんは明らかに不満そうな顔を向けた。
…っていうか、マジギレ寸前っていう顔。
あ〜あ…。マズいコトしちゃった。確かに、思い出は欲しいって言ったけどォ…。
マコちゃんの性格上、きっとムキになって…。先が思いやられるなぁ。
「そんなに言うんだったら、今から確かめに行くよ!!」
案の定、マコちゃんは予想通りの言葉を言ってくれた。
だからって、その言葉に従おうなんて気にはなれないけど…。
「マコちゃん、井戸の場所なんか解らないんでしょう?
 だったら、確かめようがないと思うんだけど…」
「そんな無駄なコトするんなら、宿題やった方が賢明ですよ」
「うるさいうるさい!!!図書館なり、資料室なりに行って調べればいいでしょうが!!」
「ええ〜〜!?めんどくさい〜…」
「なんか言った!?」
「べ、別に…」
一応、断ってみたけれど。
やっぱり思った通りだった。噛みつかれそうなほどの勢いだ。
あ〜あぁぁぁ…。この暑い中、肝試しかぁ…。
もうちょっと、大人数で夜中にやろうよぉ、そういうのは…。
……とは、もちろん言わなかった。
この期に及んで、何を言っても無駄と考えているのか、あさ美ちゃんも無言だった。
「わかった。じゃあ、とりあえず資料室にでも行ってみよう?ね?」
「さっすが愛ちゃん!話がわかるぅ♪…あさ美はどうするのよ?」
「別にいいですよ。どうせ、暇ですし」
空のコップに、3杯目のサイダーを注ぎながら、あさ美ちゃんは答えた。
「じゃあ、出発しんこ〜♪」
「ハイハイ…」
かくして、3人はこのクソ暑い中、資料室へと向かうことになったのでした。
400ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/09/03 05:40 ID:sZlRyeq+
どうもです。おはようございます。
学校始まって、夏休みよりも暇な毎日が戻ってきました(w
小説も、ぼちぼちと書きますので、もう少しお付き合い下さい。

>>390 課題は無事に終わりました。…写しただけですけど〜(w
>>395 ありがとうございます!文章も構想もまだまだですけど、
    これからも頑張ります!
401名無し募集中。。。:02/09/03 06:23 ID:03TpTPsf
402名無し募集中。。。:02/09/03 16:00 ID:XB91St6G
>>400
お久しぶり。
ごっつぁむさん高校生でしたっけ。(だとしたら仲間だ)
403ねえ、名乗って :02/09/04 01:22 ID:7qn8GgIf
>>400
更新キタ━━川o・-・)━━ノリ川o・)━━(川川)━━(・oノ川━━(・∀・o川━━!!
24hテレビ、BSスペなど今年の夏休みは濃かったですね。

課題が終わって何よりです。・・・て、写したんかい!(w
404AYAYA ◆AYAYA/l6 :02/09/04 19:57 ID:DzDRSj0l
帰ってキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
405ねえ、名乗って :02/09/06 00:28 ID:AWZBHOFb
保全
406名無し募集中。。。:02/09/06 05:37 ID:EeqlPYr6
ぜんぜん面白くないけどね
407名無し募集中。。。:02/09/06 06:48 ID:j4Y/xWof
408WW:02/09/07 00:34 ID:DZw3pM4Z
ハゲドゥ

>作者
乙。ガイシュツかも試練が藤本は出ないのか?
409名無し募集中。。。:02/09/07 07:23 ID:VG6imvfy
>>406
じゃあ読むなよ(w
わざわざ保全するなよ(w
410名無し募集中。。。:02/09/09 01:25 ID:ZSGrpKvf
保全
411:02/09/09 17:15 ID:mERlh/kz
412ねえ、名乗って :02/09/10 23:18 ID:ri3/5IJ+
ho
413名無し募集中。。。:02/09/11 05:30 ID:69ef4QAx
"
414名無し募集中。。。:02/09/12 22:23 ID:x6k73ZkL
一気に読み上げました〜〜〜♪
こういった小説もサイコーですね
415名無し募集中。。。 :02/09/12 22:24 ID:x6k73ZkL
416ねえ、名乗って :02/09/13 21:44 ID:WGVIJ7vc
保全
417名無し募集中。。。:02/09/14 23:02 ID:jAyvJ4aB
保全
418名無し募集中。。。:02/09/16 09:47 ID:GsiX4dPt
更新期待保全。
419自動保全エージェント ◆HOzENDAE :02/09/18 00:39 ID:LKSvYeLb
( ^▽^)ホゼ美 1032277109
420ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/09/19 05:31 ID:GFZfPzOv
どうも、作者です。
更新停滞してしまって申し訳ないです。

えーと、なぜかと申しますと、ごっちん卒業にあたって
どうしても書きたい話があるのでそちらを優先的に進めて書いてます。。。
しばらくは「THE☆PEACE」と並行して他のところに書く予定です。
早いところ、両方とも完結させたいと思いますので、これからもお願いします。
421名無し募集中。。。:02/09/20 00:02 ID:mZH+vccJ
>>420
それ読みたいです。
422名無し募集中。。。:02/09/20 00:04 ID:mZH+vccJ
>>420
それ読みたいです。
423名無し募集中。。。:02/09/20 00:08 ID:mZH+vccJ
2重投稿になってしまいました。すみません・・・
424ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/09/20 02:55 ID:rHehdKSq

「結局、井戸の話はデマだったワケね」
「そういうコトね」
「残念です」
資料室から出てきた私たち3人は、ガッカリ顔で来た道を戻った。
資料室で資料を探し、図書館でも探したけれど、手がかりは一つとして
見つからず、なおかつ、用務員さんに「井戸なんてねぇべ」と言われてしまった。
「どうしよっか、これから」
「どうしましょうかね…」
「暑い中、出てきた甲斐がありましたね…」
「……」
あさ美ちゃんの、嫌味たっぷりな一言で、
私とマコちゃんは顔を見合わせるしかなかった。
どうしようもないじゃないの〜。もうっ!

寮に戻って来た私たちは、そのまましばらくだらんとしていた。
夕方になっても、まだ暑い。
「ねぇ、愛ちゃん〜」
「なぁに〜?」
ベッドに寝転がり、私と同じようにだらだらしていたマコちゃんが
急に起きあがって声をかけてきた。
「あのさ〜ね。あの井戸の噂」
「まだ言ってるの?」
私が、暑さのせいで少し苛立って…というか冷たく返すと、
マコちゃんは「もういいや」と言ってタオルケットを被って眠りに入ってしまった。
あ〜…。
夏休みが過ぎて行く実感を感じながら、私もうとうとし始めるのだった…。
425ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/09/20 02:56 ID:rHehdKSq

それから、1週間。
お盆に入り、本格的に帰省ラッシュが訪れた。
この寮に残っているのは、私とあさ美ちゃんとマコちゃんだけ。
部活も何もない、私は毎日部屋でゴロゴロするだけで
暇を持て余してばかりいた。
…さすがに、この炎天下の中、外に出る気にはなれなくって…。
マコちゃんは水泳部の練習が本格的に忙しくって、夕方まで練習。
一方、あさ美ちゃんは、昼間は図書館に行って本を読んでいるという
極めて知的な毎日を過ごしているらしい。
昼間はほとんど2人に会わないから、1人でテレビを見たり、
宿題を進めたり、歌を口ずさんだりしていた。
そんな、8月14日の夕方。
「ただいまー」
「帰りました」
玄関から、2人の声が聞こえる。
私はというと、あんまりにも暇だったので夕食の準備を1人でするために、
キッチンの奥にいる。
426ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/09/20 02:56 ID:rHehdKSq

今日のメニューは、簡単にカレー。
「おっ、夕食の準備バッチリじゃん☆」
「カレーですか。私、激カラでお願いしますね」
「おかえりなさ〜い。2人一緒だったの??」
「ん」
ふと見ると、マコちゃんが付け合わせのサラダに乗っている、プチトマトを口に放りこんでいる。
それを見た私は、「シッシ」と手で追い払うようにしてみせた。
「途中であったんです」
マコちゃんの代わりに、手を洗いながらあさ美ちゃんが答えた。
どうやら、部活帰りに図書館帰りらしい。
「それじゃ、ご飯作るからもう少し待っててね」
「はーい」
「私、激カラでお願いしますね」
「はいはい」
そこには、いつもの夕方の風景があった。
427ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/09/20 03:00 ID:rHehdKSq
どうもです。
毎日ちょびっと更新します。

>>421
えーと、そちらの作品は一応9月23日ぐらいからうpしようかと思ってます。
ここには載せませんので、そちらで紹介したいと思います。
428名無し募集中。。。:02/09/20 03:42 ID:UPBngKhh
>>427
更新お疲れ様です。
これからも頑張って下さい。
429ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/09/21 09:52 ID:eMh07ndY

「今日、暇だったから料理頑張っちゃった」
「おいしぃ。これなら、いつでも嫁にいけるんじゃないの」
「何言ってんの…」
そんな、他愛のない夕食の時間。
いつもは15人で囲っている食卓が、今日はすごく広く見えた。
変なのー。昨日もおとといも、3人だったけど、気にならなかったのに。
「愛さん、麻琴さん」
あさ美ちゃんが、静かに口を開いた。
ふと、皿を覗くと何度もうるさく言っていた激カラカレーがもうない。
「何?」
「どーかした?もしかして、カレー、辛くなかった?」
すると、あさ美ちゃんは顔を横に振った。
「カレーはとてもおいしかったです。
 …じゃなくて、私、発見しちゃったんです」
発見?
発見って、何の発見??
「どうしたの?」
「あ〜〜〜〜〜!!!!!もしかしてっ!!?」
マコちゃんが叫んだ。でも、私にはまだ分からない。
な、何??
「井戸のコトでしょ!?」
「……そうです」
い、い、井戸ォ!?
井戸って、この間言ってた話?
もしかして、あさ美ちゃん…。
「もしかして、あさ美…」
私が、今まさに頭の中で思ったそのままを、マコちゃんが聞いた。
「そうです。ついに見つけました」
不敵な笑いを浮かべ、あさ美ちゃんは懐から本を取り出した。
…どーやって入れてたのかは、謎だけれど。
430ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/09/21 09:52 ID:eMh07ndY

「まさか、それを調べるために図書館に行ってたの?」
ところが、あさ美ちゃんは首を横に振る。
「違いますよ。…偶然です」
本当に偶然かどうかは怪しいけれど、とにかくあさ美ちゃんは何かを見つけたみたいだった。
きっと、本人的にもその気になってたんだろう。
「んで、何を見つけたの?」
「この本、見てください。資料みたいなんですけど…」
あさ美ちゃんが開いた、古臭い茶色く褪せた書物。
「たまたま、図書館の倉庫に入る機会があったので見つけてきたんですけど…」
辞典みたいなもんなのかな?
とにかく、ところどころ破れたりしていて、汚い。
「ここ、見て下さい」
あさ美ちゃんが指差したのは、地図の載っている汚いページ。
かなり茶色くなっていて、見づらい。
「この部分、見て下さい」
ん〜〜〜???
かなり見づらいけど、よく見ると字が書いてある。
「井戸!」
「井戸ね!!」
「そう、井戸です」
そこには、かなり汚くなっているけれど、確かに『井戸』という字が書かれていた。
「つまり、井戸はあったんです」
「なるほどね。…でも、これいつのだろ?」
「50年程前のものらしいですよ」
「ご、50年!!?」
なるほど。
当時あった井戸が、今はまったく無くなってても誰も何も知らないワケだ。
…となると、この学園も50年以上の伝統があるってコトなんだなぁ。
そういえば、うちの『おばあさま』もここの卒業生だっけ…。
431ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/09/21 09:53 ID:eMh07ndY

「井戸があったのはわかったけど、これじゃ、どこだか分からないよねぇ」
「いや、わかりますよ」
「えっ!!?」
「……大変申しにくいんですけど」
あさ美ちゃんは、古びた地図を指でささーっとなぞった。
その度にほこりが舞うので、私は少し、煙たい顔をした。
「井戸があったのは…現在の地図で言うとココです…」
古びた地図の井戸のところに左手の人差し指を置き、
反対に広げた今の地図を、右手の人差し指でささーっとなぞる。
そして止まったのは…。
「もしかして…ここ!!!?」
そう、あさ美ちゃんの指が止まったのは、紛れもなく、この『モーニング荘』の上だった。
「そうです。井戸があったのは、ココです」
ひぇぇぇぇ〜〜〜!!!!!
ん?でも待てよ。
伝説は、井戸に近づくと…って噂だったよね。
だったら、今はもうないんだから別に何もないんじゃぁ…。
「ねぇ、でもさぁ、今はもうないんだよね?この井戸」
「そのようですけどね」
「じゃあ、別に女のコのユーレイなんか出てこないんじゃない?」
「…噂が本当なら、そうなりますね」
「それなら、別に怖くもなんともないねぇ…」
「いや、アタシは怖いけど…」
「まあ、とにかく…」
あさ美ちゃんが、古びた書物をぱたん、と閉じた。
「この話はこれで完結です。麻琴さん、納得しました?」
「あ…うん。まあね。ってか、アタシもさすがに忘れてたし…」
う〜ん。ちょっと会ってみたかったな、ユーレイ。
でも、もう井戸はないんだし、会わないんだったら会わない方がいっか。
おっと、それよりカレーが冷めちゃう!食べなきゃ…。
432ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/09/21 09:54 ID:eMh07ndY
ぼちぼち更新中。
ごっちんの短編はどこに書こうかな。。。
433フジ・サンケイグループ:02/09/21 10:24 ID:tKiG0oOC
おもしろいっす!
短編もやるんすか?期待してます!
434名無し募集中。。。:02/09/21 13:58 ID:QGODmtna
交信おつです。
ゴチーソ短編リンク貼ってちょもらんま。
435道民。:02/09/22 03:16 ID:ZbXePEEH
迷ってるならここにかくよろし
436名無し募集中。。。:02/09/22 05:53 ID:ra5YSnrZ
>>435 がいいこと言うた!
437ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/09/22 06:32 ID:YjSnbAS4
どうもです。今日は更新なしです。
ちなみに、明日は横アリに参加なので更新できませんが、
その代わりコンサレポでも書こうかと思ってます。

>>433 ごっちん卒業記念に、短編?というかあまり長くない感じで書きたいと思います。
>>434 リンクは貼ります。23日0時に貼る予定です。
>>435-436 えっと、ここだとごちゃごちゃになってしまうので…。
      狩か飼育になると思います。
438名無し募集中。。。:02/09/22 20:31 ID:xJI4nHoS
コンサレポと一緒に貼るのかな?
今から0時が楽しみ
439ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/09/23 00:28 ID:XSPkEHK5
どうもです。ごっちん誕生日おめでとうございます。
ということで、短編スタート。

こちらにてかいてます。
http://m-seek.on.arena.ne.jp/cgi-bin/read.cgi/green/1032707925/
440名無し募集中。。。:02/09/23 04:28 ID:Jlp5zxpf
>>439 行った!読んだ!萌えた!
441ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/09/24 02:15 ID:m9ce3nfJ
どうもです。横アリ逝っていました!!
簡単ですが、コンサレポなどを書きます。小説は予告通り今日は(23日は)お休みです。

【モーニング娘。〜LOVE IS ALIVE夏・横浜アリーナ〜】コンサートレポート。

・「DIN」〜「そうだ!〜」
昼公演で、コンサ初参戦の自分にとっては、これが初のナマ娘。(ヲタ歴は長いのに…)
いきなり最初から、鳥肌立ちっぱなし。
夜はフリつきで周りの人と、連れとともに盛り上がる。
ごっちんコールが凄かった。

・MC
観戦飛ばしまくる。
何故か、昼公演はごっちんより矢口コールばかり(w
夜は始終ごっちんコールでした。

・「恋レボ」〜「男友達」
普通に盛り上がる。

・ユニットメドレー
昼はともかく、夜は例の「タンポポ登場時に黄色のサイリュウム」が大成功!
いいらさんの「タンポポがいっぱい…」に感動。
プッチは制服萌え。正直、一番好きな3人組だった…。
お疲れ様。

・「やる気!〜」
ごっちんコールがとにかく凄かった。
「キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!」連発してる人も(w

後編に続く。
442ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/09/24 02:19 ID:m9ce3nfJ
・「ピース」〜「恋ダン」
とにかく盛り上がる。
曲が終わるたびにごっちんコール。(たまにあいぼん、矢口、愛ちゃん、梨華ちゃん…など)
ごっちんが、階段を降りる時に最後まで「ありがとう」と言っていたのが印象的だった。

・MC(アンコール)
1人1人喋り終わるごとに名前叫ぶ。
やはりごっちんコールが凄まじかった。

・「本気〜」〜「でっかい〜」
特に書くことないです;; すごく盛り上がりました。

・「赤い日記帳」
ごっちんコールが響き渡る中、ダブルアンコールで登場。
昼公演ではコメントあり、夜公演はなし。
昼では、「最後に私の大好きな曲」と言っていたと思います。
二年前の頃よりも、格段に歌が上手くなってると思いました。
まさに完璧!!!

最終編に続く…。
443ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/09/24 02:34 ID:m9ce3nfJ
・ラストMC
ごっちんの誕生日報告&卒業報告。
ごっちんコールがここでも凄くて、途中ちょっと涙ぐむ場面も。
「これからソロで頑張ります。モーニング娘。をこれからも愛してください!」
みたいに言った後、ピアノ?かオルゴール調の
「手を握って歩きたい」が流れる。

・「手を握って歩きたい」
最初がピアノ調で、あの場面ではかなりいいカンジでした。
1コーラスの後に、メンバーが全員出てきて、曲をBGMに1人1人お別れの言葉。
5期メンと辻加護は泣いていたと思います。
あいぼんとごっちんのコンビが好きだったので、ここが凄くジーンと来ました。
梨華ちゃん、よっすぃーはあっさりと「また〜しようね!」みたいに明るかったですね。
矢口もごっちんの手を握りながら、「頑張り屋のごっちん」と言っていました。
圭ちゃんは「三年前から言ってた、しゃぶしゃぶ食べに行こうね」と。
意外だったのは、なっちでしたね。
昼公演では、一番あっさりしてるように見えたのですが、
言葉をつまらせて、「お互いの夢に向かって頑張ろうね!」と握手。
最後にかおりんが、涙を見せず明るく締めました。
そして、再び歌。
最後に、1人ステージからごっちんが去り、娘たちも去りました。
公演が終わっても、ごっちんコールが鳴り止まず、凄かったです。

さらっとしか書けませんでしたが、すごく楽しかったです。
そして、感動しました!ごっちん、卒業おめでと〜〜〜!!!!!!
でも、小説は続くので、皆さんこれからもよろしくお願いします。
444名無し募集中。。。:02/09/24 02:56 ID:ZihCgOct
レポート、サンクス!
読んでるだけで涙腺が…。
俺もオサーンになったな。
ゴッチソオタってワケじゃないけど、
これからも応援して行こうと思いますた。

小説待ってるじぇ〜!
445名無し募集中。。。:02/09/24 23:38 ID:22MnsfPC
ばかかおまえら
446外基地:02/09/25 01:02 ID:tXKDGkrg
>>445 おまいがバカだろ?荒らし厳禁だぞ?ちゃんと読め
447名無し募集中。。。:02/09/25 01:18 ID:8o9Zn14L
>>446
>>441-443>>444と来て>>445で落ちじゃねーか
笑うとこだぞ
448名無し募集中。。。:02/09/25 04:55 ID:xZ5cgMq2
>>445-447
おまいら下げてないのはわざとですか?
449名無し募集中。。。 :02/09/25 20:50 ID:OfKW820I
>>445-447
ばかかおまえら
450名無し募集中。。。:02/09/26 17:15 ID:jJh2/Fvg
荒らすな
ごっつぁむさん、続きよろしこ
451名無し募集中。。。:02/09/26 23:53 ID:RhVo7i2u
ユーモアのないヤシらだ
荒らしたつもりなんてないのに
452名無し募集中。。。:02/09/27 00:29 ID:kdqI8HsH
・・・
453ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/09/27 02:41 ID:oWRA0aE9
>>451
あの、荒らしたつもりでなくても結果そうなってしまってるので…。
できればそういう書きこみは遠慮してくださいね♪
作者に「つまんねぇ」とか言うのは別にいいんで。(でも文句ばっかだとさすがに辛い)

ということでちょこっと更新します。
454ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/09/27 02:41 ID:oWRA0aE9

その後、3人でトランプなどをしてそのまま下に布団を引いて寝た。
普段なら、リビングで寝ると怒られるのだけれど…。
今は特別。この広い寮の2階に、3人だけじゃ寂しいからね。
…と、その部屋で私は目を覚ました。
蛍光式の時計が、午前2時を差している。
う、イヤな時間に起きちゃったなぁ…。
とりあえず、トイレ…。
私は、2人を起こさないように起きあがると、暗闇の中を
一歩一歩、ドアに向かって歩き始めた。
暗くって、周りがよく見えない…。
「愛さん」
「ひえ!!?」
「愛さん…みそ汁にマヨネーズは…ムニャ…」
な、なによぉ…。
あさ美ちゃんの、変な寝言だった。
あ〜…ビックリした。
もう一度歩き出し、ドアに手を掛け廊下に出る。
さすがに夜だし、少し肌寒い気がする…。
廊下を抜け、トイレの奥には大学生3人の部屋と、裕子先生の部屋がある。
一つとして灯りがついていないので、夕食の話じゃないけど、
ちょっと怖くなって来た。
…早く、トイレ済まして戻ろう…。




トイレを済まし、ドアを閉めると、奥の部屋から光が漏れている気がした。
455ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/09/27 02:42 ID:oWRA0aE9

消し忘れかな?と思い、近づいてから気づいた。
消し忘れなんかあるわけないじゃない!!!
だけど、すでに光の漏れている圭先輩の部屋のドアを開けてしまった後だった。
そこで、すぐにドアを閉めていれば良かったじゃない。
でも、私は部屋の中に引き込まれるように入ってしまっていた。
わ、私のバカぁ!!!
……。
そこで、私は信じられない光景を目にした。
「な…」
人が、いた。
…人じゃない。
いや、人かな?
錯乱してしまって、少しワケわかんなくなってるけど、とにかく人だった。
……白く、光輝く。
少し小柄で、ぽっちゃりしたショートヘアの女のコ。
だけど、それが例のユーレイであるコトは、すぐに解った。
…足が、ない。
「だれ?」
白い光の女のコに声をかけると、彼女はボケーっとした瞳を浮かべている。
「もしもし?」
「……誰?」
だ、誰って…。あなたこそ、誰なのよ…。
……とは、さすがに聞かなかった。
「あなた、薫じゃない!?」
「え?薫…?ち、違うけれど…」
「薫じゃ、ないの…?」
ユーレイは、私と誰かを勘違いしたみたい。
うぅ、ユーレイと話してるよぉ、私…。
でも、不思議と「怖い」という気持ちはなかった。
456名無し募集中。。。:02/09/27 06:26 ID:rNagji4x
交信 キテタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
457名無し募集中。。。:02/09/29 04:09 ID:w3wjDRHG
やちぐさ?
458 :02/09/30 21:04 ID:9E9uqdBa
hozen
459ごっつぁむ ◆USDAplHQ :02/09/30 22:20 ID:XQC7qTes
今日もお休みです。
「I WISH」の方は更新しました。

こちらでやってます。
http://m-seek.on.arena.ne.jp/cgi-bin/read.cgi/green/1032707925/
460名無し募集中。。。:02/10/01 02:32 ID:pgzLMuGM
>>459
ごまかご(・∀・)イイ!!!
461名無し:02/10/02 12:50 ID:r2Kfj3XO
 
462名無し募集中。。。:02/10/03 01:43 ID:ccX6Cn88
463ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/04 07:41 ID:cFhJ4kyE
おはようございます〜。作者です。
こっちの更新がおろそかになっちゃってますね。。。
「I WISH」の方ばっかり一生懸命書いちゃってます。

今日できれば夜に更新します。
464ねえ、名乗って :02/10/05 02:03 ID:3NaHCoOP
ホゼン
465名無し募集中。。。:02/10/05 05:30 ID:sZTEYTkn
なんで全部書いてから晒さない訳?
ばかじゃねーの
466名無し募集中。。。:02/10/05 06:08 ID:ER1fJ/gy
>>465
ハァ?てめーの都合なんか知るかよ
イヤなら読むんじゃねぇよ

作者さん、アホはほっといて続きよろしく
467名無し募集中。。。:02/10/05 06:09 ID:ER1fJ/gy
ちなみに、過去ログ読めば何で未だに完結してないかもわかるはず
心無い読者は読むべからずだぞ
468名無し募集中。。。:02/10/05 17:06 ID:OoFbW6rc
放置すればいいのに・・・
469外基地:02/10/05 23:50 ID:D4HjNuGU
更新しないんですか?楽しみにしてたのに…
470ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/06 01:11 ID:NS+133AR

ごめんなさい!予定が変わって、出かけてたので更新できませんでした。。。
今からします。
471ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/06 01:12 ID:NS+133AR

「私、福田明日香。あなたは?」
「え?あ、高橋愛…」
「あなた、薫でしょ!?嘘つくの、やめて!」
「ち、違うって…」
ん???待てよ…。
この人、例の井戸があった当時の人だから、生きてたら65歳くらいよね。
だとしたら、私と勘違いしてる“薫”って人は…。
可能性としては、考えられなくもないわ!!
「あの、もしかして、“平家薫”さんの知り合いですか?」
「あなた!薫を知ってるの?」
…やっぱり。
『平家』は、何を隠そう、私の『おばあさま』の旧姓。
『薫』は、そのおばあさまの名前…。
この人は、わたしのおばあさまの友人…?
んで、幽霊??
どういうコト??
「あの、私、愛です。薫さんの孫です」
勇気を振り絞って、彼女に告げた。
信じて貰えるはずなんかないでしょーけど…。
幽霊って、自分が死んだコトに気づかないって言うし…。
472ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/06 01:12 ID:NS+133AR

「孫?」
「そ、そうです」
明日香さんは、怪訝そうな顔で私を見まわした。
そして、曖昧な表情で何度も深く頷いていた。
「確かに、薫に似てるけど、違う」
「あ、はい。私のおばあさんです」
「おばあさん…そう。薫、おばあさんになったの?」
「え、はい…」
明日香さんは、その言葉を聞くと、どこか悲しげな顔で上を向いた。
窓から、月光が差しこんでいる。
なんか、すごく切ない感じ…。
「私、ここで彼女を待ってるの」
「え?」
「薫を待ってる…でも…」
「え?え?」
「薫はもう、おばあさんになって遠くにいるのね」
「あ…えっと…」
「隠さないでいいの、愛さん。
 私、知ってるから。自分が幽霊ってコト」
し、知ってたのかよ!!
473ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/06 01:12 ID:NS+133AR

「でも、ならなんで今もここに?」
私は、虚ろな瞳で空を見つめる彼女に聞いた。
その横顔が、恐ろしく冷たく見える。
彼女は、ちらりとこちらを見ると、すぐに視線を戻してつぶやいた。
「そう、そうね…なんででしょうね…。
 もう、この世に存在する意味なんてないのに…。
 だけど、せめて一言、薫に会って…謝りたい」
「明日香さん…」
この人と、おばあさまに何があったか知らないけれど…。
なんか、すごく切ないよ。
どうして?
「あの、明日香さん。
 どうして、おばあさまに会いに行かないの?」
「…え?」
「そんなにおばあさまに会いたいなら、会いに行かないの?」
「そうね。…でも、ここから動けないわ。私」
「そうなの?」
「ええ」
彼女は、静かにうなづいた。
…寂しそうな顔で。
474ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/06 01:23 ID:NS+133AR

「何年も、ここにいたの?」
「…そうね。気がつくと、いつもここにいるわ。
 何人か、この部屋に住む女のコたちにも会った。
 でも、私を見えたのはあなたが初めて」
私が、初めて…。
それって、やっぱりおばあさまと関係あるのかしら。
「ねえ、明日香さん。
 おばあさまに、何を謝りたいの?」
「え…」
そう聞くと、彼女は少しビックリした顔で私を見つめた。
そして、静かにうなづくと、口を少し開いた。
「…意地悪して、ケンカしたまま…。謝れなかった」
彼女は、そうして虚ろな目で語り始めた。
475ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/06 01:24 ID:NS+133AR

50年前の、思い出を。

「私と薫は、学園内でも一番の親友同士だったわ。
…でも、ある日、激しいケンカになってしまったの。
お互いに、すごく気の強い性格だったから…。
今思えば、あんなコトになるなんて思わなかった。
わかってたら、私の方から謝ってたわ。
だけど、ケンカしたまま、仲直りできないまま1ヶ月過ぎて…。
薫はお母様が急死して、実家に戻るためにこの学園を去ったわ…。
でも、私はとうとう薫にゴメンナサイを言えないままだった。
それだけなら良かったわ。
卒業したら、すぐにでも彼女のところへ行こうと思ってたの。
だけど…。
あの、雨の日…。
私は、あの井戸で…」
それだけ言うと、明日香さんは突然うずくまってしまった。
足のない体で、地面に倒れるようにして。
「大丈夫!?あっ…」
私がその体を抱き起こそうとしても、手が体をつかむことはできなかった。
「…大丈夫、ちょっと、疲れただけ…」
476ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/06 01:24 ID:NS+133AR

「その、井戸であなたは…」
───命を落とした。
でも、そんなコトさすがに口には出せなかった。
「そうね。だから、薫に謝りたかった。
 幽霊になって、ここから動けない今も…」
そうだったんだ…。
なんだか、ちょっと…ううん、だいぶ可哀想。
それが、残留思念になって、ここからずっと動けないでいるんだ…。
「あの、明日香さん」
「…うん?」
どうにかして、おばあさまに会わせてあげたいな…。
でも、どうやって?
おばあさまを今更呼んだって、どうにかなるワケじゃないし。
第一、昔のおばあさまならともかく、今のおばあさまが、
明日香さんの言うコトを信じるかどうかわからない。
ああ、どうしたらいいの!?

477名無し募集中。。。:02/10/06 03:44 ID:mBy0Vugn
どうすんの?
478ねえ、名乗って :02/10/09 01:12 ID:3injn2wP
どうなるの?
479ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/09 02:45 ID:ByKYFX1+

「あの、ちょっと待ってて!!」
「え?」
明日香さんにそう言い残すと、私は素早く部屋を出た。
そして、2階の自分の部屋に入ると、一目散にクローゼットを荒らした。
浴衣…。
どっかに、浴衣なかったかな。
こないだ着たばっかりだから、ないハズないと思うんだけど…。
ん、ない!
どこにしまったっけ…!!?
クローゼットじゃなくて、タンスの中だっけ?
違う!!ここにもない!
ああ〜ん!!どこだよ〜、浴衣ぁ!
イライラしながら、私は、パッと顔を上げた。
何かがチラッと目に入った。…白い生地で、赤い花の模様の…。
あった!!
何やってんの、私!!
目の前にかかってるじゃん!!
ああ〜!私のボケッ!カスッ!
…って、今はそんなコト言ってる場合じゃないわ!
480ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/09 02:46 ID:ByKYFX1+

「あの、どうかな。これ」
明日香さんは、ビックリした表情で私を見ていた。
すごく驚いたみたい。
「薫だわ…」
「そう、私、薫よ」
「凄い。そっくり…」
なんてことはない。
昔風に、着物はないけれど浴衣を着て、
いつもはポニーテールの髪を下ろしただけ。
それでも、彼女は私を『薫』と認識したみたい。
「薫も、いつもそんな風に髪やってた」
「本当?」
「ええ。本当に、あの時の薫といるみたいだわ…」
「そう…」
明日香さんは、すごく懐かしそうな顔で私を見る。
その顔は、嬉しさとせつなさが同居しているかのような顔だった。
481ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/09 02:46 ID:ByKYFX1+

沈黙の中、先に口を開いたのは明日香さんだった。
「あの、愛さん」
「は、はい」
「…薫、今どんなカンジ?」
「え…」
困った。
とっても困ったわ!!
だって、私だってあんまりおばあさまのコト知らないもの。
それに…実は大嫌いだなんて言えないもの。
どうしよう。
何て答えよう…。
「じゃあ、どんな人と結婚したの?」
私が答えられずにあたふたしていたので、彼女は質問を変えてきた。
だけどそれも困る!私、おじいさまのコトもよく知らないの。
あの鬼ババアを嫁に貰うくらいだから、相当な人格者だったんじゃないかしら!?
「えっとぉ…おじいさまのコト、よく知らないんだけど…。
 でも、すっごくお金持ちで、多分すごく良い人だったと思うのね」
「そう…。それなら、良かった」
しばらくの間、私と彼女は、おばあさまについて色々な話をした。
482ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/09 02:49 ID:ByKYFX1+

おばあさまについて、ちょっと見方が変わった部分がある。
それはね。
本当は、優しい人だってコト。
だけど、それを人に見せるのがハズかしいから、わざと厳しくするんだって。
だから、明日香さんが言うには、私をこの学園に入れたのも、
両親がいなくなって寂しい私を、その寂しさから引き離すためかも…って。
そういえば、そんなコト考えたコトもなかった。
考えられやしないじゃない?
いつも見てたのは、きったないシワくちゃな顔で、
魔女みたいに高笑いする、あの『おばあさま』だったんだから。
だから、明日香さんの話を聞いて…ちょっと意外だったかな。

まあ、自分で見たワケじゃないから、にわかには信じられないけれど。
それでも、ここを出る時くらいには…。
…………。
ううん、やめとこ。
こんな風に考えるの、おばあさまに失礼だものね!!
483ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/09 02:50 ID:ByKYFX1+

あ、そうそう。おばあさまの格好して。
それで、どうするかって?
安易な考え方だったけど。
一応、試してみるコトにするわ。
「あのぉ、明日香さん。
 薫さんは、あなたのコト…なんて呼んでたの?」
「え?…明日香、だけど」
突然の質問に、少し困惑した顔を向ける彼女。
「じゃあ、明日香」
「はい?」
「あのー…ね」
私は、深く深くこれでもかってくらいに深呼吸すると、
彼女にこう言った。
「今から、私が薫です!!!!!」
「え?」
「だから、私を薫だと思って!!」
「どうして…」
困り果てた表情の彼女に、私は続けてこう言った。

484ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/09 02:50 ID:ByKYFX1+

「あのね。私、あなたとおばあさまを会わせたいよ。
 でも、でもね!!できないの。
 あなたがここを動けない以上、おばあさまには会わせられない。
 だから、もし、私でいいなら…」
そこまで言った時に、彼女は私の言葉を遮った。
「ゴメンナサイ…。それはできません」
「どうして!?」
彼女の言った一言が信じられず、思わず強く言い返してしまった。
それでも彼女は、困惑した表情で私に向かって言った。

何故かその顔は、笑顔だった。

「…あなたは、薫じゃないから。
 それに…私、もう気づいちゃったもの」
「え?な、何が…」
ヘンなの。
急に頭が重くなってきた…よ…。
なんなの…。
「ごめんなさい、愛さん」
な、なにが…。
開かない口をパクパクさせ、頭の中で一生懸命喋る。
だが、その言葉は届かなかった。
「ありがとう」
な、なんで…。

最後に私が見たのは、白く輝く彼女の姿だった。
485ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/09 02:57 ID:ByKYFX1+

「愛ちゃん!!!愛ちゃん!!!!!!」
「そんなところで寝てると、風邪引きますよー?」
ん…?
「…あれ…明日香さん…?」
寝ぼけまなこで、彼女の名を呼ぶ私を見て、
マコちゃんとあさ美ちゃんの2人して、顔を見合わせていた。
「誰?」
「本当に風邪引いたんじゃ…。バカは風邪引かないっていうのに…」
む。失礼な。
「ほら、早く起きてよ。
 圭センパイ、今日帰って来るんだぞ。
 勝手に入ると、怒られるよ?
 もう〜、浴衣なんか着ちゃってさぁ」
「ん…?もう、朝?」
「何寝ぼけてんのさぁ。もう、昼だよ!!」
え…?
夢、だったの?
でも、私の着てる浴衣…。
何?
何だったの?
486ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/09 02:58 ID:ByKYFX1+

結局のところ、あの夜の出来事がなんだったのかわからない。
真夏の夜の、怪談と言ったところだろうか。
何もかも解らないまま、結局その後に何かを知るコトもできなかった。
明日香さんが何を納得して消えたのかも。
あの、「ありがとう」の意味。
そもそも、ただの夢だったのかも。

だけど、そんなコトはどうでもいいくらいに、大変な事件が私たちを襲うコトになる。
…コトは、まだこの時には知る由もなかった。
487ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/09 02:59 ID:ByKYFX1+
更新しましたー。
さて、次回はようやく最終章!!!
短いようで長かったーーー!!!

本当はもっといっぱい書きたかったんですが(泣

あと遅くても2〜3週間くらいで書き切るつもりなので!!
読者のみなさん、お願いします。
488ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/09 03:47 ID:ByKYFX1+
あ、それから読者のみなさまにお聞きしたいんですが…。
この小説、高橋の視点で話が進んでるわけですが、他の登場人物から見た
短編をいくつか書いてるんですね。
それを、どこでうpするかなんですけど…。

・次の更新から
・話が完結してから

のどっちかで悩んでます。
読者の皆さん、どちらがよろしいですか?
489名無し募集中。。。:02/10/09 13:11 ID:m8qObcnw
先に完結しちまった方が良いです。
490名無し募集中。。。:02/10/09 23:03 ID:PyltP28B
ついに最終章ですかw
先に完結してから短編の方がいいですね
491いつも楽しみにしています!:02/10/09 23:49 ID:I6N+biNh
こんがらかっちゃうので、こっちをまづは完結させてください。

そうすれば、次の作品を見直したり、推敲したり、定期的に更新させることもできるでしょ?
492名無し募集中。。。:02/10/10 00:34 ID:Q2UqIRa9
短編はいくつぐらいあるんですか?
短いものならこのスレで書いてホスィ
493ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/10 01:52 ID:p9lZ9bpP
説明が足らなかったようですね〜(^^;
えっと、短編というのはこの「THE☆PEACE」の番外編って感じのものです。
例えば、紺野が主役の話とか。
マンガとかでよくある感じですね。
それを、話の一部にしちゃうのか、それとも完結してから番外編で載せるか…
悩んでたのですけども。

先に完結させちゃうことにしますね。
言うならば、「本編(高橋愛編)・完」ということですねー。
それでは、期待してお待ち下さいませ。
今日できれば更新します。
494名無し募集中。。。:02/10/10 01:56 ID:QHzGq4e4
う〜ん、完結ですかぁ?
なんか寂しいですぅ。
まだ夏休みなのにぃ。
495ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/10 02:15 ID:p9lZ9bpP
>>494
次の舞台はいきなり冬になっちゃうんですねー…。
その分を補完するために短編を書こうと思ってまして。

誠に私事で申し訳ないんですが、もうすぐ受験が始まって
小説書いてる時間もあまりないんですよー(泣
それまでには何とか完結したいのです。本当にごめんなさいです。。。
496ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/10 02:23 ID:p9lZ9bpP
すいません。本当に優柔不断な作者で申し訳ないのですけど(w

前回更新分と、次回からの更新の最終章の間に挟まるのが
短編なんですね。
その間の時間の経過を、高橋以外の人物の視点で進めていく…って感じなのです。

そっちの方が話的にまとまるかなー…とか再度考えてみたんですが…。

どうでしょう!?
497名無し募集中。。。:02/10/10 14:27 ID:oRQWlnOY
そうしたいんならそうしろや
498名無し募集中。。。:02/10/10 15:51 ID:Q2UqIRa9
作者さんの思うままにどうぞ
499ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/10 17:37 ID:p9lZ9bpP
ごめんなさい、そうします
500名無し募集中。。。:02/10/10 20:02 ID:LPlARSke
ごっつぁむさんは「ごまっとう」どう思います?
501500:02/10/10 20:13 ID:LPlARSke
あ、500ゲトしてた。
502ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/10 20:48 ID:p9lZ9bpP
>>500
最強ではないかと。
「あ〜あ、後藤松浦藤本のユニットだったら最強なのに」と思ってましたが…
本当に実現するとは…。ハロプロ全体の意味が薄れますよね。

でも実は、ごまかごユニットキボンヌだったり(w
503ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/10 21:35 ID:p9lZ9bpP

☆PEACE・6☆〜another side〜
紺野あさ美編「ひとりぼっちのウサギ」

こんにちわ。私、紺野あさ美です。
今年で、中学校3年生になります。
私は今、全寮制の「聖ハロー女学園」に通っています。
みんながいるし、元気にやってます。
そもそも、なんで私がここに来たかって言うと…。
504ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/10 21:35 ID:p9lZ9bpP

私に無関心な遊び人の父と、いつもヒステリックで口うるさい母から産まれました。
私の心の支えになってくれたのは、優しいおじいちゃんだけでした。
産まれた時から、両親のことは大嫌いでした。
遊び人の父は、ぶらぶらして家にいることはあまりなかったし、
母は母で、そんな夫にストレスを溜めていつも鬱状態でした。
まったく正反対の性格の2人が、よく結婚できたものですよね。

そんな父と母が離婚したのは、私が中学校1年生の時。
小学校の頃から絶えずケンカが続いていたので、さっさと離婚して欲しいと思っていました。
ところが、父と母が離婚しても生活は全く変わりませんでしたね。
ああ、ちなみに「紺野」とは母の旧姓です。
父は、遊ぶ金欲しさに母はおろか、私にすら「金貸して」とせびって来ました。
母は、父が尋ねてくるといつも機嫌が悪くなり、ヒステリックになって、
よく私を怒鳴りつけました。
加えて、学校でもいじめられていたので、とても辛かったです。
私ってば、何かいつもボケーっとしてるところがあるみたいで…。
よく、「トロい」とか「うざい」とか言われてましたね。
それについては、あまり語りなくないので…ゴメンなさい。

それにしても、まったく、よくあんな生活で耐えてたものですね、私。

505ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/10 21:36 ID:p9lZ9bpP

中1の冬頃に、ついに私は家出をしました。
と言っても、行くアテもないので、隣町のおじいちゃんのところへでしたが。
小さい頃に何度か行ったきりでしたが、今の私なら1人でも行けるハズです。
全財産と、数日分の着替えを持って、バスに乗って行きました。
おじいちゃんは、父の父で、小さな牧場を経営していました。
おばあちゃんはすでに亡くなっていたのですが、とても優しい人だったことを覚えています。
おじいちゃんは、孫の私の訪問をとても歓喜してくれました。
そして、「いたければ、何日でもいなさい」と優しく微笑んでくれたのです。
その笑顔が、私の心に痛く響いたので、私ったら思わず泣いてしまったんです。
そしたらおじいちゃんは、私の涙をそっとハンカチで拭いてくれました。
「あさ美。辛いなら、無理をする必要はないんだよ」
そう言ってくれたのを、覚えています。

506ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/10 21:36 ID:p9lZ9bpP

夜になって、母が牧場に来ました。
またヒステリックに、「あさ美!!帰るわよ!!」と叫びましたけど、
おじいちゃんの仲介で、話合いの場がもたれました。
最初のうちは、3人で話していたのですが、大人の話になって、
私は部屋を追い出されてしまいました。
時々、あの優しいおじいちゃんの怒鳴り声と、母のすすり泣きが聞こえましたが。

私は、2人の話が長くなることを予感していたので、牧場を見て回ることにしたのです。
夜なので、さすがに家畜を野放しにはしていません。
とりあえず、牛を見ることにしました。…が。
牛舎は、近寄った瞬間にもの凄い匂いがしたので、やめました。
豚舎も、牛舎と変わらないくらいひどい匂いがしたので、これまたやめました。
そこで私は、ウサギ小屋の存在を思い出しました。
亡くなったおばあちゃんが飼ってたうさぎです。
ところが、うさぎ小屋はどこにも見当たりませんでした。

507ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/10 21:36 ID:p9lZ9bpP

(おかしいなぁ…。ウサギ小屋、どこだろう)
何度も何度も、行ったり来たりして探していたのですが、
とうとう見つからないままでした。
そのうち暗くなってしまい、結局ウサギ小屋を見つけられないままでしたが、
母が私を大声で呼ぶ声が聞こえました。
遠くからでもよく聞こえるその声に、少し嫌気がさしたのですが、
ゴネても仕方ないので戻ることにしました。

「それじゃあ、お義父さん。あさ美をお願いします」
「わかっとる。お母さん、あまり無理はなさるなよ」
「ハイ…。それじゃあ、あさ美。おじいちゃんの言う事、ちゃんと聞くのよ」
「は、はい…」
「それじゃあ…」
去り行く母の背中を見て、私は頭の中がパニくってました。
あれれ?なんで私、置いて行かれるの?
何の説明もなしに、どうして?

508ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/10 21:39 ID:p9lZ9bpP


「お母さんな。ちょっと疲れてるんだよ。
 だから、しばらくあさ美をうちで預かる事にしたのさ」
自分でも気付かないくらい、不安な顔をしてたのでしょうか。
おじいちゃんが、私の疑問に気付いてくれました。
「どうして?私、ここに残っていいの?」
「いいんじゃよ」
「本当!?」
「ああ…」
おじいちゃんは、優しい表情で微笑んでいます。
(やった!)
不謹慎とは思ったけれど、これが喜ばずにはいられません!
だって、しばらくの間、あの口うるさい母と一緒にいなくていいんだもの!
これは、思ってもみないラッキー!
父にも母にも会わなくていいし、学校に行く必要もないんです。
私を苦しめる者は、何もないんですから!

おじいちゃんの家での暮らしは、すごく充実していました。
おじいちゃんと一緒に早起きして、牛さんや豚さんの世話をして…。
初めは臭くて近寄れなかった畜舎も、すぐに慣れました。
芝生に寝転がったり、畑仕事をしたり…。
初めて経験した牧場の仕事は、辛かったけど、すごく新鮮でした。
509ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/10 21:39 ID:p9lZ9bpP

ある日、私は、前から気になってたことをおじいちゃんに聞きました。
なんだか、聞いてはいけない気がしていたのですが…。
おじいちゃんは、あっけなくその答えを教えてくれました。
それは、あのウサギ小屋のコト。
おじいちゃんの答えは、「ウサギはもういないんじゃ」とのコトでした。
凄く残念な反面、おじいちゃんが辛そうな顔をしたので何も聞きませんでした。
続けておじいちゃんは、「ウサギはな。1羽では生きることができないんだよ」と教えてくれました。

きっと、おじいちゃんにとってウサギは…おばあちゃんだったんでしょう。
おばあちゃんの飼ってたウサギを大切に育てたけれど、そのウサギもいない。
だけど、おじいちゃんは1人で生きられるから…ウサギじゃないんです。
そして、私もウサギなんです。
だから、1人じゃ生きられないんです。
私を支えてくれるのは、おじいちゃんだけだけど…。
それでも、1人じゃ生きられないんです。
なんとなく、そんな風に思っていました。
そんな私の考えを見ぬいたのか、おじいちゃんが言いました。
「あさ美は、人間だ。ウサギじゃないよ」
私はビックリでした。
510ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/10 21:40 ID:p9lZ9bpP

1ヶ月ほどの滞在。
そろそろ母が迎えに来るという、年末の事でした。

おじいちゃんが、急に畑で倒れました。
私は、必死になって救急車を呼び、病院に運ばれました。
とにかく私はパニックになって、これまでで一番泣いたと思います。
母に怒鳴られた時より、父に殴られた時より、学校で教科書が失くなった時より。

私は知らなかったのですが、おじいちゃんはガン患者でした。
それも、かなり末期の───。
お医者様は、「大丈夫だから」と言っていましたが、
末期ガンの患者の末路が解らないほど、私は子供でもありませんでした。

それからの毎日、ただ泣くばかりでした。
おじいちゃんのいなくなった牧場に、1人で戻って。
家畜の世話を見ながら、ただただ泣くばかりでした。
すごく辛い毎日だったと思います。

母は毎日病院に通い、おじいちゃんの様子を見ていました。
ですが、牧場に私の様子を見に来ることはありませんでした。

牧場での1人の生活は、ほどなくして幕を閉じました。
ひとりぼっちのウサギは、これからどうすればいいのでしょう。
511ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/10 21:40 ID:p9lZ9bpP

年が明けた1月のある日。
悪い予感がして、牛さんたちに朝ご飯をあげてから、すぐに病院に向かいました。
おじいちゃんの病室に飛び込むと───。

「おじいちゃん!!おじいちゃん…」
「…あ…さ…」
「おじいちゃん…!!あさ美だよ!!…おじいちゃん!」
「…あ…さ、み。…ゴメン…なぁ…」
「おじいちゃん…」
「…あ、…さみ…。強、く…、つよ…」
「もういいから!!おじいちゃん…おじいちゃん!!」
「……大地の…、よう、…に…。…つ…よく、……」

おじいちゃんの言葉が聞こえた後、ピー…という、
まるで死神が笑っているかのような音が耳に入ってきました。
ですが、私は何もわからないまま、目を見開いてボケーっと突っ立っていました。
512ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/10 21:41 ID:p9lZ9bpP

その日から、私の生活はまた一転しました。
いえ、元に戻ったとでも言うのでしょうか。
母は、より一層厳しくなり、学校を休むのも許してくれませんでした。
相変わらず学校では、いじめられっ子でした。

だけど、私は負けませんでした。
おじいちゃんの残した言葉。
「大地のように強く」───。
それに、私はウサギではない。
私は、人間だもの。
1人でも、強くならなきゃいけないんだ。
…おじいちゃんが、残してくれた言葉だもの。
そう思って生きる他に、私には何もありませんでした。
513ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/10 21:42 ID:p9lZ9bpP

母と再び暮らすようになって、私は自分を変えました。
普通なら、グレてヤンキーになるところでしょうね。
でも、私のような気弱な女が、ヤンキーになれるはずもなく…。
それでも強くなろうと思って、空手を始めました。
師範には、「筋がいい」とよく褒められたっけ。

勉強もよくしました。
もともと成績は良い方だったけど、学年で1位を取れるくらいに。
運動神経も、意外と悪くないみたいで、
校内マラソン大会では見事1位を取りました。

それでも、友達ができた訳でも…。
母が私を愛してくれる訳でもありませんでしたが。

空手を習い始めてから、私に暴力を振るおうとする人はいなくなりました。
陰口はあったかも知れないけれど、教科書がなくなったり…というのもなくなりました。
けれど、結局、私を認めてくれる人はおらず、孤独なまま。
だけど、私はそれをものともせず、自分を磨くしかなかったんです。

私は、ウサギじゃないから───
1人でも、生きていける───

そう思って、生きて行くしかなかったんです。
514ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/10 21:43 ID:p9lZ9bpP

月日が経ち、おじいちゃんが亡くなってから1年が経ちました。
この1年の中に、楽しい思い出があったかどうか…。
それすら、解らないような1年を過ごしていました。

ある日、私は進路指導の先生に呼び出されました。
もうすぐ中3なので、進路指導は当然の事と思いましたが、
それにしても、私1人だけ呼ばれたのには何か意味があるのでしょうか?

「失礼します」
「ああ、来たか」
「お話って…」
「ああ、これなんだけど」
先生は、私がイスに座るなり、1枚の紙を取りだしました。
「これは?」
「全寮制の学校のパンフレットなんだ」
「……」
515ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/10 21:44 ID:p9lZ9bpP
『私立・聖ハロー女学園高等部』


「これ?」
「あ、ああ。この学園な。全寮制なんだけど…。
 うちの学校の卒業生からも行ったヤツがいてな。
 あ、藤本っていうんだけど。
 そいつから、この間手紙が来ててな。
 すごくいい学校だから、後輩たちにも是非!って言われてなぁ…」
「それで、私が適格だと?」
「あ、いや…その…」
「私の家情が複雑で、それでいて友達がいないからですか?」
「あ、そうは言ってないが…。
 こういう進学先も、ありだな、とな?」
「…そうですか。ありがとうございます。
 でも、まだ進学については決めてませんので。
 …一応、お預かりします」
「あ、ああ…」
「失礼します」
「…あ、ああ…」

全寮制の女子高…か。
まだ、私には関係ないかな。
そう思い、いただいたパンフレットをカバンにしまいました。

516ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/10 21:44 ID:p9lZ9bpP

3月上旬。

「ただいま」
誰もいない空間に向かって、私は言葉を吐きました。
返事などない、誰もいないマンションの一室。
母はまだ、帰って来ていないのでしょう。
靴を脱いで、自分の部屋に入ろうとしました。
…が、いつもと違うことがありました。
誰もいないはずの奥の部屋から、「おかえり」という声が聞こえたのです。
ビックリして、慌てて奥の部屋に駆け込みました。
そこには───。
「よぅ、あさ美ィ。元気かぁ」
見たくもない、汚い顔。
聞きたくもない、汚い声。
最低最悪な男───。私の、実の父───。
「なんでここにいるんですか」
「え〜?別にいいじゃん」
「…よくないです。出ていかないと、警察呼びますよ」
「あさ美ちゃぁん。パパ悲し…」
「出てけよ!!アンタなんか、父親じゃない!!」
「あぁ?父親に向かって、その口の聞き方はなんだ?」
「早く出てって…。…下さい」
517ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/10 21:45 ID:p9lZ9bpP

ところが、最悪の事態はそれだけでは済みませんでした。
「誰かいるの?あさ美。帰ってるの!?」
玄関の方から、母の声が───。

・・・・・・。
おじいちゃん、やっぱり私はウサギだよ。
だって、1人じゃ、生きていけないんだもの…。
強くなろうとしたって、無理だったよ…。
ゴメンナサイ、おじいちゃん。
私も、後を追ってもいいですか?

・・・。
・・・・・・。
・・・・・・・・・。
518ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/10 21:46 ID:p9lZ9bpP

部屋に戻った私は、突発的に、護身用のカッターナイフを探しました。
この時、すでに冷静な判断などなかったと思います。
カッターナイフは、いつもカバンの中にしまってありました。
カバンを開き、奥の方からカッターナイフを取り出そうとしました。
…その時、一枚の擦り切れた紙を発見しました。

『私立・聖ハロー女学園』

「……こんなの……」
その紙を破り捨てようとした時。

『中等部、転入・編入生徒、随時募集中』

正直な話、直感的に感じましたね。
次の瞬間には、その紙を持って電話の前に立ってましたから。
519ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/10 21:46 ID:p9lZ9bpP

さらに一週間後。
周囲の反対を押し切って、私は入学手続きを終えました。
両親共に反対しませんでした。
父は、「勝手にすればー」と言ってましたし、
母も、「勝手になさい」と言っていました。
こういう時だけ、意見が合うんですね。この2人。
え?お金ですか。
お金は…心痛かったのですが、おじいちゃんの牧場を売りました。
ついでに、おじいちゃんの遺産が私に入ったコトもあります。
…政経の勉強を余りしていないので、詳しい事はわかりませんが。
まあ、とにかくそのお金で、なんとか入学金と授業料を払う事ができました。

この場所で私が変えられないなら、違うところでやるしかないのです。
私はウサギだから、1人ぼっちじゃ生きられないんです。

これからは───。
これからは───。
520ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/10 21:46 ID:p9lZ9bpP

長い長い冬が過ぎたみたい。
季節のせいじゃなくて…。
私の道は、これから始まる。
もう、誰にも邪魔はさせません。
見ていて下さい、おじいちゃん。
私、強くなります。
ウサギから、人間になれるように───。

・・・。
・・・・・・。
・・・・・・・・・。
521ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/10 21:47 ID:p9lZ9bpP

あさ美ぃぃ!お願いッ、宿題見せてッ」
「ちょ…それは、まだ終わってないんですっ!!持ってかないで下さいッ!」
「あんた、夏休みギリギリにキチンと終わらせるって言ったじゃんよ!?」
「暑さでダラダラしてしまったせいでできなかったんですッ!」
「あーあ。2人とも、ちゃんとやらなかった罰だねー♪」
「ほらっ、愛ちゃんも手伝って!!」
「麻琴さん、ズルいですよ!?」
「えー?私、自分の宿題終わったのにぃ〜…」
「あぁぁぁん!!あさ美ちゃん、宿題見せてーなぁ」
「あさ美ちゃん〜、のの宿題終わってないれす〜」
「あなたたちも!?私だって、まだ終わってないんですってばぁ!!」
「もー!!あんたたち、うるさぁぁい!!!」
522ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/10 21:47 ID:p9lZ9bpP

・・・。
・・・・・・。
・・・・・・・・・。

おじいちゃん。
あさ美は、元気にやってます。
友達も、たくさんできました。
だから、心配しないで下さい。

・・・。
・・・・・・。
・・・・・・・・・。

ウサギさん、バイバイ…。
523ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/10 21:49 ID:p9lZ9bpP

紺野編でした。しばらくはこういう感じに話が進みます。
最後の方を見てもらえばわかると思いますが、時間の経過はちゃんとしてます。
あと、>>521ですが最初の文の“「”が抜けてますね。。。
すみません。
524名無し募集中。。。:02/10/11 01:39 ID:PMAj62dI
あさ美、良かったね、あさ美(涙
525ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/11 22:59 ID:axLkrZiN

風邪引いたんで今日は更新なしにします。。。
明日更新できたら頑張ります。
526名無し募集中。。。:02/10/11 23:36 ID:M8WZpcOT
風邪引いたぐらいでオナニー休んだ事は一日もないがな俺は
俺はやる男だよそういう男だよ?
527ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/12 18:08 ID:t6xByfuK

☆PEACE・7☆〜another side〜

吉澤ひとみ編「赤いハチマキ」

吉澤ひとみは、張切っていた。
何故なら、あと1週間ほどで秋季大運動会が行われるからだ。
バレー部のエースで、運動神経抜群の彼女にしてみれば、
当然とも言えるだろう。
528ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/12 18:08 ID:t6xByfuK

誰よりも熱くなりやすく、一方でどこかクールさを保っている性格。
極めて男性的で、それでいて、天才的な可愛らしさを持つ。
多彩な顔を持つ女───。
他の人の目に映るひとみは、そんな印象が強い。
超美麗な彼女のファンも学園内に多く存在するほどだ。
だが、本人にしてみれば、そんな事はどうでも良かった。
本人曰く、「アタシは別にやりたいコトやるだけだね」との事。
その渋さが、また女子ファンを増やしてる事も本人は知らない。

彼女には、運動会に対して熱い思い入れがあった。
親友の後藤真希は、「めんどくさい」と言ってサボるつもりらしいが。
ひとみにとっては、大変重大なイベントだったのだ。
529名無し募集中。。。:02/10/12 18:09 ID:t6xByfuK

ひとみの部屋は3人部屋だ。
同じ学年の有名トリオ───石川梨華に、後藤真希、そして吉澤ひとみ。
3人はとても仲が良い事で、学園内でも有名だ。
そして、それぞれ、「石川派」「後藤派」「吉澤派」との派閥を持つ。
これは本人の意志とは全く異なる事ではあるが。
その3人部屋の一角、ひとみの空間がある。
中学の頃から、この寮に住んでいるひとみ。
特に何かを飾ったりするのを嫌う彼女の、シンプルで静かな空間。
まあ、そのすぐ横にはピンクの「梨華空間」が広がっているワケだが…。
それはともかく。
その中でも、特に小さな空間。
バレーでのチーム優勝のトロフィーなどが飾られているサイドテーブル。
その小さなサイドテーブルの上に、赤いハチマキが畳まれて置かれていた。
少し色あせた、赤いハチマキ。

いつも、この時期になると思い出す───。

「絢香先輩…」
530ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/12 18:09 ID:t6xByfuK

木村絢香は、バレー部のキャプテンだった。
美人で、秀才で、全日本のプロバレーボールチームから、
誘いがかかっているほどの凄腕の選手だったのだ。
ついでに、性格もとても良かった。
今でこそ、吉澤派や石川派という派閥ができているが、
当時は誰もが絢香を崇拝していたほどだ。
ひとみも、そんな絢香に憧れる内の1人だった。

小学校から始めたバレー。
元々、運動神経は抜群だったし、何より身長が高かった。
中等部2年で転校して来てからも、レギュラーの座を獲得するのは容易かった。
そして出会ったのが、高等部3年の木村絢香だった。

通常、中等部と高等部の練習は、別々に行われている。
中等部がグラウンドで、高等部が専用の体育館だった。
時々、高等部の練習がない時だけ、中等部が体育館を使用するのを許された。
だから、同じバレー部でも、ひとみは絢香の存在など知る由もなかったのだ。
もともと、他人にあまり興味のないひとみの事だ。
本人を見ずして、友人から絢香の話をされても、特に何も感じなかっただろう。
531ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/12 18:12 ID:t6xByfuK

だが、あの日。
高等部の練習見学で、ひとみは衝撃を覚えた。
チームプレイのバレーボールを、1人でプレイしているような存在感。
ひとみには、もはや絢香以外の人間など見えていなかった。
(カッケー!!なんであんな上手いプレイできんだろ!?)
(あの人、なんて言うのかな!?)
(すっげー。アタシもあんな風になってみてぇ〜!!)

見学終了直後、ひとみはすぐ様、同じチームメイトたちに問いただした。
「ねえ!!あのすっげーカッコいい人、誰!?」
ひとみの興奮気味の様子に、同じチームの少女たちは呆れ顔を返した。
「ひとみ、知らないのォ!?木村先輩だよ!!」
「木村先輩?知らねー。アタシ、先輩とか興味ないから」
ひとみのその一言で、少女たちは火を吹いたように騒ぎ始めた。
「木村先輩ねぇ、プロのチームから誘いがかかってるんだってぇ!」
「しかも、超優秀!成績はいつもクラストップでぇ〜」
「その上、マジ性格いいんだってばぁ〜」
「顔も綺麗だしぃ」
「もう、欠点とかないってカンジじゃん!?」
「へぇ…そんなにすげーんだ…」
「凄いとか、そんなんじゃないよねー!?」
「ね!!ね!!」
キャーキャーと騒ぐ少女たちを完全に無視して、ひとみは拳を握り締めていた。

「目指すは、絢香先輩ッッッ!!!」
532ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/12 18:13 ID:t6xByfuK

ひとみは、絢香を目標にし始めてから、今までの倍以上の上達を見せた。
元々、余りヤル気のなかったひとみだったが、練習後も自主トレをするなど、
相当過酷な練習を重ね続けた結果だ。
2年の夏の大会では、3年生に混じって1人だけ2年で出場した。
その大会で、チームとしてはイマイチだったが、
彼女の動きは目覚ましく、大会のMVPにまで抜擢されたほどだった。
だが、彼女の目標がそれで達成されたワケでもなく、
その後も「目指すは絢香先輩」をモットーに、練習を続けた。

そんなひとみだったが、今まで一度も絢香と話した事はなかった。
そもそも、中等部の生徒と、高等部の生徒が話す事はあまりない。
絢香自身も、ひとみの存在を知ってはいたが、話しかけるまでは至らなかったのだ。
533ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/12 18:13 ID:t6xByfuK

ところが、運命の日はやって来た。
「いってぇ…」
ひとみの額から、汗が滴り落ちる。
校舎の壁に手を付き、立ち上がれないまま、うずくまってしまった。
その足には、擦り傷だろうか。
派手に転んだ後のようなその擦り傷からは、赤い血がドクドクと流れ出していた。

ひとみは、運動会のクラスリレーの選手だった。
それも、アンカーだ。
ひとみの直前まで、クラスはトップで独走し続けた。
ひとみにバトンを渡す後藤真希が、トップで走ってきて…。
バトンを受け取ってすぐに猛ダッシュをかけた。
アンカーの走る距離は、今までの走者と違って200m。
スピードと共に、スタミナも要求される。
だが、ひとみにとっては何も問題なかった。
(これで、イケるッ!!)
ところが───。
「ああっぁっと!!首位を走る、吉澤選手が転倒したぁぁ!!」
(いってぇ…)
ひとみは、一瞬自分の身に何が起きたのか解らず、
すぐに立ちあがる事ができなかった。
足の擦り傷も、随分派手に転んでしまったので、すぐに血が流れ出してきた。
それでも、ひとみは諦める事はできない。
それが、リレーという事を知っていた。
534ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/12 18:14 ID:t6xByfuK

転んでしまった間に、何人かに抜かれている。
(まだ抜かせない距離じゃない!!)
(あと、100m!!!)
立ち上がったひとみは、恐ろしいスピードで走り出した。
まさに、風。
風のようなスピードだった。
抜かされた1人を、2人を次々に追い抜いた。
歓声が湧き上がり、もう何が何だか解らないような状況。
ゴール前5mで、ついにひとみは首位に巻き返し───
「ゴォォォォォル!!!!!!」
「……っしゃぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」
湧き上がる歓声と共に、クラスメートたちがひとみを取り囲んだ。
もう、あれやこれやでもみくちゃにされて、何が何だか解らない。
けれど、ひとみは雄たけびを上げ続けていた。
535ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/12 18:16 ID:t6xByfuK

ところが、カッコつけたのもつかの間。
その無理のしすぎで、足が限界に達していた。
プログラムはもう、あと少しでおしまいだし、もう自分の出番はない。
とりあえず、みんなにバレないように(カッコ悪いので)保健室に向かおうとしたが…。
結局、足が動かなくなってしまったのだ。
人気のない、校舎の裏で、壁に背を向けて座りこんだ。
(いててて…。あー、こんなトコ見られたら、カッコ悪いよなぁ)
血まみれになった自分の足を見て、ひとみは苦笑した。
(クッソー。梨華みたいに、ハンカチ持ち歩いてれば良かった)
ふと、額に手をやると、ハチマキをしている自分に気付いた。
(あー…このハチマキが、白じゃなくて赤だったらなぁ。
 血が滲んでも大丈夫なのになー…くそぉー…)
別にもう運動会は終わるのだから、気にする必要はないのだが…。
それすらもひとみはカッコ悪い気がした。
ふぅ〜…と長い息を吐いて、ひとみは瞳を閉じた。
536ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/12 18:19 ID:t6xByfuK

そのひとみの傍で、人の気配がした。
「大丈夫?」
どうせ、梨華か真希だろうと、目を閉じたままでいたが、
話かけられた声が違ったので、ひとみはビックリして目を開けた。
(聞いた事ない声だ…)
目を開くと───。
そこには信じられない人物が立っていた。
「き、木村…先輩!?」
「あれ、覚えててくれてるんだ?吉澤さんだよね」
「え、あ、あ、ハイ!!」
(うっわー…絢香先輩に話かけられちゃったよ!!?)
(すっげーじゃん、アタシ!!)
「リレー凄かったね。さすが、バレー部のエースだけあるわ」
「あ、ありがとうございます!!」
憧れの先輩に、話かけられたり、褒められたりして、
ひとみは我を忘れてただボケーっとしていた。
自分でもおかしいと思ったほどだ。
537ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/12 18:19 ID:t6xByfuK

「あっ、ここケガしてる!!凄い血じゃない!!」
「え?」
「ちょっと待ってて」
「あ、いいッスよ。汚く…」
「ハイ、これでいいわ」
絢香は、自分の赤いハチマキを額から外すと、
ひとみのケガの部分に巻きつけた。
「私の汗が滲んでるから、汚いかも知れないけど…。
 赤いハチマキだから、血が滲んでも大丈夫だから」
「え!?いいんスよ、こんなの!!全然大丈夫ですから!!!」
「いいの。私がしたくてしたんだから。
 あ、それじゃあ、私…高等部のリレーだから、もう行くね。
 今度はゆっくり話しましょうね!!」
「あ……」
背を向けて走り去る絢香に向かって、ひとみは何も言えないでいた。
そして、完全に絢香が去った後に、「くっそぉぉぉ!!」と叫んでいたのだった。
その胸の中には、後悔とか多分そんな感じのものがあったんじゃないかと思う。
538ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/12 18:21 ID:t6xByfuK

それから、2人の仲は急激的に近づいていった。
…と言っても、別に妖しい関係になったワケではないが。
どちらともなく、相手の姿を見つけると、近寄って積極的に話すようになった。
バレーの話、普段の生活など。
その人柄に、ひとみはとても惹かれていた。
ヘンな意味ではなく、人間的にすごく尊敬できる人だった。
ひとみは、実は寮の先輩の誰かよりも、この尊敬できる先輩が好きだった。
時には、彼女に憧れる女性徒たちに妬まれたりしたが、
特に気にするコトなく、ひとみはひとみで絢香との人間関係を楽しんでいた。

539ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/12 18:22 ID:t6xByfuK

「ひとみちゃん」
昼休みの中庭。
もうすぐ本格的な冬になるが、午後の日差しはまだ暖かい。
そこで、真希と一緒に昼食をとっている時の事だ。
ベンチに座って、2人でボケーっとしていたら、突然声をかけられた。
「あ。絢香先輩ッ」
声の方を向いたひとみは、すぐ様その先輩の姿を見つけて走り寄った。
長い髪、丹精な顔立ち、ひとみより少し背の低い───。
一緒にいた真希は、どーでもよさそうにまだボケーっとしていたが。
「先輩、珍しいッスね」
「そう?さっき、クラスのコに聞いたら、ココにいるって言われたから」
「え?なんか用事ですか?」
「ええ。実は私、高等部卒業後に、プロのチームに入るのが決まったの」
「えええええ!!!!!???マ、マ、マジッスか!?」
「ええ。マジよ」
「うわぁ…すっげー…かっけー…」
540ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/12 18:23 ID:t6xByfuK

自分の事ではないのに、まるで自分の事のように嬉しく感じた。
それも、憧れの絢香の事だ。
これが、喜ばれずにはいられなかった。
「今日、正式にお話してね。お願いしますって事になったのよ」
「うわぁ…あ、おめでとうございます!」
「ありがとう」
ひとみはビビった。
何にビビったかというと、絢香の存在自体に。
ひとみに礼を言った絢香の、完璧までの笑顔。
まるで、弱点のない人───。
何度も見なれた先輩だったのに、今日初めて見るような気分になった。
(この人なら、きっとプロでも成功する)
「あの、先輩!!頑張って下さい」
「ええ。頑張るわ。ま、まだあと少しはこの学園にいるしね」
「ハイ!それまで、お願いします!!」

(すっげーよ…マジかっけー…)
去る絢香の背中を見つめて、ひとみは呆然としていた。
目指すべきその存在は、ひとみが猛スピードで近づいても届かない。
それが、天性の才能───。
(凡人と、天才の差ってヤツだね)
ひとみ自身のそれも、凡人にはほど遠かったが、絢香のそれはケタ違いという事だ。

541ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/12 18:23 ID:t6xByfuK

「何…デレデレしてんの」
「は!?」
振り向くと、さっきまでは1人しかベンチに1人追加されていた。
「梨華…」
「何よ。ひとみちゃんったら、絢香先輩にばっかり…」
少々、他の人が聞いたら誤解されるような内容なのだが…。
絢香にばかり注がれる羨望の眼差しが、梨華には面白くなかったのだ。
…梨華にその気があるとかないとかはともかく…。
初冬の日差しは、彼女たちを優しく包んでいた。
542ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/12 18:24 ID:t6xByfuK

それから3月になり、絢香は卒業した。
高等部を卒業した者のほとんどが、外部の大学等に進学する。
そんな中で、絢香は早々とプロへの道を決めたのだ。
本来なら、卒業してもしばらくは寮の引越しなどをするのだが、
絢香の場合は少し事情が違った。
他の卒業生と違い、卒業式の翌日にはここを去らなければならなかったのだ。

絢香が学園を去る日のこと。
ひとみは練習をサボって、絢香の見送りに行くつもりだった。
何故なら、どうしても返さなければならない物がある。
───赤い、ハチマキだ。
彼女から借りた大切なハチマキだったが、絢香が学園を去る以上は
自分が持っていてはいけない気がした。
(こんなことなら、さっさと返してれば良かった)
ひとみは、いざとなって自分の判断力のなさを痛感した。
ハチマキを持っている事が、自分と絢香を繋ぎ止めている気がして。
それを返すのも辛かったが、返さないワケにもいかないと思っていた。

543ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/12 18:24 ID:t6xByfuK

木村絢香が学園を去る事実は、学園内にかなりのショックを与えた。
ファンの少女たちは泣き出し、絢香についていくと言い出す者もいた程だ。
ひとみは、そんな彼女たちを横目で見て、
(ついてけるもんならついてけよ)…と心の中で悪態をついていたのだが。

すでに、人だかりに囲まれた絢香に近づくのは至難の技だった。
人だかりの中に、同じ中等部バレー部の者たちがいる。
(なんだよ。みんなサボりか。ま、アタシもだけど)
(あーあ…。絢香先輩、あんなに遠いよ…ったく)
「ハイ、ちょっとゴメン」
少女たちの間を強引にすり抜け、ひとみはなんとかして絢香に近づこうとした。
まだ遠い。
花束をたくさん抱えて、微笑んでいる彼女には。

544ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/12 18:27 ID:t6xByfuK

(邪魔だよ、ったく!!)
世界の人口が3分の1になればいい、と本気で考えたのは初めてかもしれない。
それくらい、今の自分にとってこの少女たちの群れが邪魔だった。
ある意味、障害とも言えようか。
足を踏まれ、肩はぶつかり合い、手に握ったハチマキが揺れる。
(あと、少し…)
だが、ひとみが、最前列に出ようとした瞬間に、絢香が踵を返した。
そのまま、振り返る事なく歩んで行ってしまおうとする。
(こ、ここまで来たのに…)
(ちくしょう…)
(一言だけ、一言だけ…)
その瞬間、ひとみは叫んでいた。
「絢香先輩ッッッ!!!!!!」

───静寂。
声を枯らして叫んだ自分。
そして、振り返った憧れの少女。
周りの少女たちの声援が、キャーキャーうるさいハズなのに。
ひとみと絢香しか存在しない空間のように感じられた。
545ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/12 18:28 ID:t6xByfuK

「ひとみ…ちゃん?」
「あはは…やっと、気付いてもらえた…」
「来てくれたんだ…。ゴメンね、気付かなくて」
「あ、はい」
(かぁ!!何やってんだよ、アタシ!!)
(渡すんだろ!?ハチマキ!!)
本当は、言いたいことがたくさんあるのに。
伝えたい言葉がたくさんあるのに。
どうしても、その言葉を紡ぐことができなかった。
「…?どうしたの、ひとみちゃん」
「あ、その…」
(早く!!ハチマキ…!!!)
「あの、実は…」
「ふふ、変なの。それじゃあ、私…」
ハチマキを握るその手が、強まった。
ひとみは、ついに決心を意して叫んだ。
「絢香先輩、コレッ!!」
546ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/12 18:29 ID:t6xByfuK

差し出された、赤いハチマキ。
自分と、彼女の思い出の。
少なくとも、アタシにとって。
「あっ!それ、ハチマキ!」
「先輩に、借りた…」
「うんうん、覚えてるぅ!」
「返さないと…」
必死になって言葉を噤むが、口がカラカラになって、
ノドはガラガラになって、上手く喋れなかった。
それでも絢香は、そのハチマキを受け取って優しく微笑んだ。
「ありがとう」
「…いえ。あの、卒業おめでとうございます。
 さようなら…」
そのまま、踵を返して走り去ろうとしたひとみを、絢香の手が止めた。
ひとみの腕に、細い指が絡む。
「待って」
「え?」
547ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/12 18:29 ID:t6xByfuK

何が起きたか知らなかったが、気付いたら絢香の顔が目の前にあった。
そして、自分の額に赤いハチマキが巻かれていた。
「コレはー…あげるッ♪」
「ハ?」
「コレ、ひとみちゃんと私の思い出だから」
「え??」
「来年の運動会は、コレつけて出場してね」
「あ?」
「それじゃあ、また会いましょう。じゃあね」
「え、あ、あの…」
「see you again!」
「あ、ハイ。しーゆーあげいん」
(何がしーゆーあげいんだよ)と、冷静に突っ込む自分がいたが、
絢香が去ってからも何が起きたか解らずにいた。
残ったのは、ひとみの額に巻かれた赤いハチマキだけだった…。
548ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/12 18:31 ID:t6xByfuK

その赤いハチマキを、『今の』ひとみが握り締めている。
絢香の活躍は、瞬く間に世界に広まった。
あの人は今も、世界のどこかでプレイしているのだろうか。
全く連絡は取っていないが、それでもまた会える気がある。
この、ハチマキがある限り───。

「あ、今年もそのハチマキつけるんだ。赤組だもんね、今年」
「まあね」
「え?そのハチマキ、何か意味あるんですか??」
「ひとみちゃんの憧れの先輩のハチマキなんだよ、愛ちゃん」
「へぇ〜…ひとみ先輩が憧れる程の人かぁ」
「…ひとみちゃんの初恋の人の人だもんねー…」
「ハァ?まだ言ってんの?お前。うぜー」
「だって…」
「アハハ。梨華の初恋はひとみだもんね」
「ま、真希ちゃん!!変のコト言わないでよっ!!」
「はいはい…」
「そーいえば、愛ちゃん白組だねー」
「そーなんですよぉ。みんな赤でつまらないー…」
「ま、アタシがいる限り白の優勝はないけど」
「何ですかそれー!」
549ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/12 18:32 ID:t6xByfuK

絢香先輩、元気ッスか。
アタシは今年も大暴れしますよ。
だって、先輩のハチマキがあるからね。
あ、アタシもプロから誘いが来るようになったみたいだし。
そろそろ追い抜いてやるんだから、待ってろよ!
アハハハハ…。

───吉澤ひとみ、いきます!!
550ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/12 18:33 ID:t6xByfuK

あーやべー頭いてー…。
吉澤編でした。
次回更新は月曜くらいで。
551名無し募集中。。。:02/10/13 03:21 ID:0ph+gwmF
交信乙彼ですた。
やっと季節が現実に追いつきましたね。
このくらい登場人物を掘り下げるとイイ!ですな。
552ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/13 05:09 ID:c8Zxj+ub

ヘンな時間に目が覚めちゃいました。

>>551 
(´D`)ノ<さくしゃのあほがぼけなのれ、こーしんがおくれてしまってるんれす。

( ´ Д `)<…ほんとはもっと短い話だったのに、色々書きたくなっちゃったらしい…zzz

(〜^◇^)<でも文章構成力がないから書いてること意味不明なんだよね、キャハハ!

(●´ー`●)<なっちの出番まだー?プンプン

(O^〜^O)<やっと登場かYO!

年長組放置キタ━━━━川 ゚〜 ゚)||ヽ^∀^ノ从#~∀~#从ノ━━━━!!!!!

( `.∀´)<次の話は、アタシを主役になさい!アタシの短編を書きなさい!

@ノハ@
(‘д‘)<……。(うちはあっちで目立ってるからいいや)

(ё)v-~~~<5期メン中心なのに、私が目立ってないのはなんでよ?え?

( ^▽^)<それでは続きをお楽しみ下さい♪チャオ!

∬´▽`)<……。(目立ってるって言っても、結局、愛紺か…)

川о・-・)ノ<さぁ、影の薄い主人公やいかに!!
       果たして作者は、満足のいく作品を書くことができるのか!?

川'ー';川<私が主人公やよー。
553ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/13 05:12 ID:c8Zxj+ub

…アホなことやってないで、ボチボチ書いたら
再び寝ます。風邪はしっかり治します〜。

次のお話は、あの二人ですー。
これだけでわかったら凄い。
554ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/13 05:27 ID:c8Zxj+ub

川о・-・)<これみよがしに、宣伝などしてみます。
     恥ずかしさ満載の「I WISH」も更新されてます。

(●´ー`●)<なっちの作品解説もあるべさ。↓で読めるべさ。
http://m-seek.on.arena.ne.jp/cgi-bin/read.cgi/green/1032707925/

@ノハ@
(#‘д‘)人(´ Д `#)エヘヘ…。


( `.∀´)v-~~~<…結局、作者の好みでしかないわけね。チッ。
555名無し募集中。。。:02/10/13 12:58 ID:8TcyekZD
どっちも見てるよ

作者さんのペースでがんばってくれい
556名無し募集中。。。:02/10/14 04:52 ID:IOd4b+q3
ちょっと細かいことですいません。
政経を習うのは高校で、中学で習うのは公民だと思います。
俺、だいぶオサーンだから、今は違うかもしれませんが。
557ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/14 07:27 ID:LjQsjqsI
おはよーございまするー。

>>555
( ´ Д `)<どうもありがとー。

( ^▽^)<最近は、作者もやる気!イッツイージー!!♪大丈夫、きっと…

( ´ Д `)<…その声で歌うな。

( T▽T)<…ゼンブゴッチンシダイ…。

>>556

川о・-・)ノ<作者の無知が仇になりましたね。
      悪いのは作者です。ちなみに、作者は公民と政経どっちにするか悩んだらしいですよ。

( `.∀´)v-~~~<要はイイワケって事ね。


…ということですいませんでした〜〜〜。
本当は訂正しなければいけない個所が他にもいっぱいあるんですが。。。
追々、明かします(w

更新は今日の夕方か夜くらいで。
558ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/14 20:12 ID:LjQsjqsI

まずは訂正をば…。
次の話を書くにあたって、序盤を読み返してたんですが。。。
ごっつぁんのセリフで、
>>198に、「13歳!?」
>>199に、「中3の時にひとみや〜」とありますが…。
えっと、PEACE7を読んでいただければわかると思いますが…。
すっかり忘れてました(爆
ごっつぁんが来たのは中2、よっすぃーたちが来たのは中2。
どっちやねん(w
ということで訂正です。

ごっつぁんが来たのは中1の夏で、「今、13歳」ではなく「今年で13歳」の意。
よっすぃーが来たのは中2です。

ごめんなさい。
吉澤と絢香の設定、間違えて設定してしまいました。。。

そのうちどこかにまとめると思うんですが、そん時には直します。
本当にごめんさい。。。
まだ間違ってる部分がたくさんあるかも知れないです。
559ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/14 20:12 ID:LjQsjqsI

☆PEACE・8☆〜another side〜☆
辻希美&加護亜依編「きっずうぉーず」


【あいぼんの場合・1】

うちかて、そんないつもいつも他人を思ってるワケじゃあらへん。
それがいくらののだって同じや。
なんや、アイツ!
なんでもかんでも悪いのはうちのせいか。
あーあー。わかりましたわかりました。
そんなに言うなら、うちがワルモンになったる。
お前はビービー泣いて、みんなに可愛がってもらったらええねん。
ケッ、アホが。

【ののちゃんの場合・1】

ののだって、自分がわるぃコトくらいわかるのれす。
ののは、あいぼんが怒ったから泣いたんれす。
わるぃと思ったのは、ののれすよ?
ののが泣くと、あいぼんは怒るんれす。
だから、ののわるくないんれす。
だって、のの謝ってるんれすから。
悪いのは、あいぼんなんれす。
560ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/14 20:12 ID:LjQsjqsI

【目撃者の場合】

ええ、ハッキリこの目でみました。
私も、最初は信じられなかったんですよ〜。
だって、あの二人がケンカしてるんですよ!?
ホント、何かの間違いか、それでなければ演技かと思いました。
いつも一緒にいるし、ケンカなんか今までなかったんじゃないですかねぇ?
あ、私がここに来てからの話ですけど…。
いっつもイタズラに巻き込まれてますからね、私も(笑)
思わず、「どーしたの!?」って聞きそうになっちゃいましたねー。
ケンカの原因ですか?
さぁ…。そこまでは、ちょっとわかんないですねー。
本人に聞いてみるのが、一番早いんじゃないですか?

                ───目撃者、A.Tさん
561ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/14 20:13 ID:LjQsjqsI

【あいぼんの場合・2】

あー。めっちゃ腹立つわ。
なんやねん。
ちょっとした冗談やっちゅーねん。
何をあんなにピーピー泣くかわからへん。
クソのの。死んでまえ!!

【ののちゃんの場合・2】

あいぼんはバカなのれす。
ののもバカだけど、あいぼんはもっとバカなんれす。
あいぼんは、ののが傷つくのがわかんねーんれす。
だから、あんなに悪魔みたいになれるんれすよ。
クソあいぼんなんか、死んじまうんれす!!

562ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/14 20:15 ID:LjQsjqsI

【二人を良く知る知人の場合】

キャハハ。なになに?答えたら、何かくれんの?
ちょっと(ピ──)、あからさまにそんなこと言ったら失礼だって。
キャハハハ。だって、ねぇ?
まあ、それは置いといて。後で、何か…もちろんあるんだよね?
キャハハハハハ、(ピ───)だって結局期待してんじゃん?
う、うるさいよ…(ピ───)。
で、用件って何?キャハハ!
え?ののとあいぼん?ん〜…ケンカとか今までないよね?
ん〜〜〜。(ピ───)が知る限りだとないかもネェ?
私が知る限りでもないかなぁ。
あ、あったじゃん!!アレだ!!「サンタ事件」だ!!キャハハハハ!!
ん?私、それ知らないけど。
キャハハ。なんかねー、ののが「サンタいる」って言ってさぁ。
あいぼんが「おらへんおらへん」言ってんの(笑)キャハハハ(笑)
ありゃーちょっとウケたねぇ(笑)キャハハ!!
そんな事、あったんだ(笑)

        ───二人を良く知る、M.YさんとS.Iさん
563ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/14 20:16 ID:LjQsjqsI

【あいぼんの場合・3】

原因?知るかボケッ。
ちょっと、ののをからかってやっただけや。
それをな。あのアホ。
本気になって、体当たりしてくるから…。
半ギレになって、ボッコボコにしてやっただけや。
ふん。うちはぜーったい悪くあらへん。

【ののちゃんの場合・3】

原因れすか?
あいぼんが、ののの大事なプリン食べちゃったんれす。
食後のプリンれすよ?
ひとときのしやわせはあいぼんに奪われたんれす。
だから、頭にきて、タックルしてやったんれすよ。
あいぼん、吹っ飛んでましたねぇ。くすくす。
でも、その後で、ボッコボコにされちゃいました。
ここ、見てくらさい。傷ができてるんれす。
ののは悪くないんれすよ。
564ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/14 20:16 ID:LjQsjqsI

【事情通さんの場合】

あー。アレはお昼の時かなー。
アタシが、あさ…あ、いえ、友達とお昼ご飯食べてる時。
同じクラスだから、一緒になっていつもご飯食べるんスよォー。
4人で机くっつけて食べてたんですけどォ。
あいぼんが、ののの持ってきたプリンを食っちゃったんですよォ。
あいぼんは冗談っぽかったんスけどォ、ののがマジキレしてぇ。
そん時に、殴り合いのケンカしてましたねー。
マジ恐かったッスよ(笑)
いつも仲良いだけに。
アタシたちも止めるのに必死でぇ。
あさ…っと、じゃなくってアタシの友達が空手やってたんでぇ。
それで二人に手刀食らわせて気絶させたんスよ(笑)
何より、それが恐かった(笑)

              ───二人のクラスメート、M.Oさん
565ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/14 20:17 ID:LjQsjqsI

【あいぼんの場合・4】

っつーかな。前から気に食わなかったんやで。ホンマは。
なんでもかんでも一緒にされて。
うちやって、普通の女の子やっちゅーねん。
確かに…ののとおるのは楽しいケド…。
だから、なんやっちゅーねん!!

【ののちゃんの場合・4】

あいぼんは、意地汚いのれす。
ののを陥れるためなら、なんでもするんれすよ。
イタズラだって、全部あいぼんのアイディアなんれす。
あいぼんは、頭がいいんれすね。
そんなあいぼんと一緒にいるのが、ののは楽しいれす。
あれれ??

566ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/14 20:18 ID:LjQsjqsI

【匿名希望さんの場合】

ケンカなんて勝手にしてろっつーの。
二人とも、ガキじゃあるまいし。
いっつもいっつもつるんじゃってさぁ。
バッカみたい。
これからは、クールな路線が人気の秘訣でしょ?そうでしょ?
あ、別に私何も知らないから。
取材なら、他の用件で来てくれる?
特別インタビューとか。
は?予定はない?
私を誰だと思ってるの?
アメリカのオーディション番組にも出たのよ?
あ、ちょっと待ちなさいよ。
おい、こら…ちょ…。

         ───二人の後輩、R.Sさん

567ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/14 20:19 ID:LjQsjqsI

【あいぼんの場合・5】

ハァ。なんか、何もかもめんどくなってもーた。
なんかこう、心にポッカリ穴があいたっちゅーか。
…寂しい、かな。
ハァ。なんかもう、調子狂うわ。
あかんあかん。アイツのコトなんか、知らん知らん。
…相談しよかな。

【ののちゃんの場合・5】

はぁ…。のの、バカだから悩むのはめんどうれす。
心に大きな穴ぼこが開いちゃったみたいな気分れすよ…。
…さびしい、れす。
はぁ…。あいぼんがいないと、元気がでないれす。
どうしたらいいんれしょう?誰か、教えてくらさい。
…そうだ!相談するのれす!
568ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/14 20:19 ID:LjQsjqsI

【加護さんに親しい先輩の場合】

んあ…。
あいぼん、ののとケンカしたんだってねー。
とりあえず、頭ピシって叩いてやった。
だって、眠かったし。
自分の事は自分で考えろって、これあたしの意見。
「自分のしたいようにするべき」って言ってやったよ。
あいぼんにはいつもそう言ってるから。
え?厳しい?
…んあ。
いいの、それで。
んあ〜…。
もう眠いから、いい?終わりで。

        ───加護さんから相談を受けた、M.Gさん
569ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/14 20:20 ID:LjQsjqsI


【辻さんに親しい先輩の場合】

ハッピィ〜♪
あ、ゴメンナサァイ♪
ちょっと今、練習中で…。
え?ののちゃんですか?
ハイ、相談受けました。
えっとぉ、とりあえず私は…。
「ポジティブポジティブ♪」って教えてあげました!
これが私の、元気出す秘策なんです〜キャハッ。

ちょっと、(ピ───)一人で喋ってるなよ。
あーあー?映ってる?映ってる?
ん、んん。カワイイ子猫ちゃんたち。
僕のところへ、おいでベイベー。

ちょっと!!(ピ───)ちゃん!!
そんなコト、関係ないでしょ!?

     ───辻さんから相談を受けた、R.IさんとH.Yさん
570ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/14 20:20 ID:LjQsjqsI

【あいぼんの場合・6】

「自分のしたいようにすべき」───か。
うち、どうしたいんやろ?
結局、寂しいってコトは仲直りしたいんかな?
そうなんかな?
ちょっと、なんか自分が悪い気がしてきたわ。
ののに会いたいねん。
のの!!!

【ののちゃんの場合・6】
「ぽじてぃぶ」っていうのは、「前向き」ってことなんれす。
……???
前向いて、どーするんれすかね?
前を向いたら、何かいいことがあるんれすかね??
ん〜???
571ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/14 20:22 ID:LjQsjqsI

【通行人Aさんの場合】

ちょっと、どういうことだべ?
(ピ───)の扱いが、通行人って…。
え?後で金一封が出る?
・・・・・・。
……えっと、何が知りたいべさ♪
(ピ───)の知ってるコトなら、何でも話すべさ!
あいぼんとのの?
そういえばさっき、あいぼんから「のの知らへん?」って聞かれたべ。
なんか知らないけどー、深刻そうな顔してたべさー、アレ。

       ───通行人、N.Aさん

【通行人Bさんの場合】

ポジティブの説明の前に、大事な事があります。
宇宙の神秘とは、果てしなく長く不可解なものです。
人間には、宇宙から授かった偉大なるパワーが秘められていて───。
(以下取材続行不可能)

       ───通行人、K.Iさん

【通行人Cさんの場合】

ちょ、ちょっと!!!
あたしだけ無視していかないでよっ!!!
ねぇーーーーーーッ!!!

       ───通行人、K.Yさん
572ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/14 20:23 ID:LjQsjqsI

【あいぼんの場合・7】

のの、のの…。
どこや、どこにいるんやのの…。
会いたい、会いたいよ・・・。
うちが悪かった!!
だからのの、早くうちの前に姿見せてや。
のの!!

【ののちゃんの場合・7】

うちゅーのしんぴにふれると、ぜつだいなちからがもうけられ…。
ぽじてぃぶとは、うちゅーからさずかるぜつだいなパワーを…。
ぶつぶつ…。

573ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/14 20:23 ID:LjQsjqsI

【二人の担任の場合】

キャァ〜♪取材?取材?
何やぁ、来るんなら、ちゃんと前もって言ってやぁ。
ゴホン!
私が、中等部3年A組の担任の(ピ───)ですぅ。
背は、まあ、低い方やけどぉ…優しい人?
って、自分で言うなっちゅーねんなぁ、キャハ(笑)
なんちゃってなんちゃってぇ〜〜〜。
は?何?
私の取材とちゃうの?
……何や、早ぅ言えや。そういう事は。
んで?何?
辻と加護のケンカ?
知らん知らん。私はなーんにも知りません。
ったく、ミス教師の取材とかとちゃうんかい。
なんや?まだおったの?何なら、私の取材でもしとく?
あ、コラ逃げるなぁ!!!

          ───二人の担任、Y.Nさん
574ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/14 20:24 ID:LjQsjqsI

【二人の場合】

「のの!!」
「うちゅーのしんぴは、はてしないんれす…ぶつぶつ」
「のの!!」
「ぽじてぃぶとは、うちゅーからさずかったぜつだいな…」
「の・の!!!!!!!!目ェ覚まさんかい、アホ!!」
ガツン!!
「い、痛いれす…」
「なーにが宇宙のパワーやアホ。カオリンに影響されすぎや」
「いいらせんぱいは、ののにうちゅーのしんぴを教えてくれたんれすよ」
「アホか…」

「どーしたんれすか?あいぼん」
「どーしたって…さっきのコトやけど」
「……さっき……???」
「……まさか……」
「さっき、何かあった?」
「…こ、この…」
「???」
「ドアホーーーーーー!!!!!!!」

575ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/14 20:25 ID:LjQsjqsI


【あいぼんの場合・8】

ったく、笑わせるで。
人がせーっかく心配してやってんのに。
のののヤツ、「宇宙の神秘」で全部忘れてるんやもん。
何か、拍子抜けして笑ってもーたわ。
ホンマ、よくわからんやっちゃなー、と思うねん。
でもま、ええやん。
解決したやん。あんまり思い出すとハズいから…。
ののがあんなんで、正直良かったと思ってんねん。
のの、これからもよろしくな!

【ののちゃんの場合・8】

はて?
あいぼん、何か言いたそうだったれすね。
何のコトだか、さっぱりわからねーれす。
でも、何かちょっとうれしーのれす。
あいぼん、これからもよろしくなのれす!
576ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/14 20:26 ID:LjQsjqsI

【傍観者の場合】

まあ、そういうワケで仲直りしたみたいですね。
仲直りの仕方も、独特というかなんというか…。
以前にも増して、お二人のパワーはハチャメチャになってますから。
私も、頑張って取材した甲斐がありました。
え?何の役にも立ってない?
……。
えー、以上で取材終わります。
ありがとうございました。

             ───傍観者、A.S

「ちょっとぉ!!!あたしにも喋らせなさいよ!!コラッ、あさ美!!!」

あー!もう、圭先輩!やめてください!!
せっかくのシメなんですから!!

「いいじゃないのよぉ。あたしにも何かインタビューしなさいよ。ね?
だいたいアンタ、インタビューしたコトと書いてるコトが違うじゃないのよ!
あ、ちょっとあさ美さぁん。待ってよォ。
あんたが修正してくんないと、名前のとこが(ピ───)にならないじゃないのよォ。
こんこぉん〜。」
577ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/14 20:27 ID:LjQsjqsI

【あいぼんの場合・さいご】

のの、ダイスキやで〜。

【ののちゃんの場合・さいご】

あいぼん、ダイスキなのれす〜。

          
578ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/14 20:29 ID:LjQsjqsI

( ´ Д `)<更新〜。

(〜^◇^)<キャハハ!作者、ノリノリで書いてたらしいよ!!

(O^〜^O)<次の話もよろしくぅ!
579名無し募集中。。。:02/10/15 01:53 ID:7CRzWSjv
あの〜・・・
N垣R沙がいないよ〜な。。。

ともあれ、更新乙です
いつもと違った形式におなかイパーイです
580ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/15 01:59 ID:J7l8Mt6O
んあ、しまった…。
R.Nを間違ってR.Sとうってしまっていました。
すみません〜〜〜
581名無し募集中。。。:02/10/15 05:57 ID:eJ/MheYB
ミステリーは面白かったけど今回は糞だね
やめてミステリーにして
582ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/15 16:28 ID:J7l8Mt6O
>>581
ごめんなさい。。。
583ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/15 17:03 ID:J7l8Mt6O

( ^▽^)<今日明日は更新お休みでーす♪

川о・-・)ノ<テストらしいですよ、作者。
       一応受験生なので大目に見てやって下さいね。
584名無し募集中。。。:02/10/15 21:56 ID:N1CSwgEt
どっちも面白いと思うよ。煽りは気にすんな。
自分には書けないから僻んでるだけのアホだよ。
585名無し募集中。。。:02/10/15 23:18 ID:OPYwUOue
>>584
同意
ごっつぁむさんの書くマターリ小説好きだよ
テスト勉強がんがれ
586名無し募集中。。。:02/10/15 23:22 ID:g4i8W2qb
別に煽ってねーし
俺の意見だから
587名無し募集中。。。:02/10/16 02:20 ID:28hvlu/A
そういう書き方は作者さんに失礼では?
つまらないなら読まなければ良い話
588名無し募集中。。。:02/10/16 02:53 ID:hxJyWDB/
うるせーよむかつくな
正直に感想言っちゃわりーのか
あぁあvjさf;ヴぁzHKfgでも読み返したらあれは失礼だな
ごめんなさい
589名無し募集中。。。:02/10/16 18:33 ID:YKdqIks/
話の繋ぎの小ネタとしては上出来じゃと思ふ。
590名無し募集中。。。:02/10/17 00:02 ID:Yqr+MWd5
まあ、何にしろ荒れるような発言はやめようや。
591名無し募集中。。。:02/10/17 05:34 ID:K69Xblvs
592名無し:02/10/19 20:16 ID:UI0NidzX
保全
593名無し読者:02/10/20 22:20 ID:VCUpj+P9
まだテスト中かな?
更新期待してますよ
594ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/21 21:26 ID:3p/gujc5
今日でテスト終わりました。
次回から再び本編に戻ります〜。
お待たせしてすみませんでした。

( `.∀´)v-~~~<…結局、アタシの話はないワケね。

(●´ー`●)<…なっちも脇扱いだべさ。
595ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/22 23:18 ID:BHboH7mV

ここからまた本編最終話になります。
少し長いですが、最後までお付き合いください。

( `.∀´)v-~~~<アタシも大活躍よ。
596ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/22 23:19 ID:BHboH7mV

☆PEACE・9☆「THE PEACE!・1〜変わらない日々の中で〜」

時は流れて、冬。
随分と、平和なまま月日は流れて…。
もう、クリスマスが目前まで迫ってきています。
早いもので、もうすぐここに来て1年。
あの、うなるような暑さの夏も、
比較的に涼しい、初めての秋も…。
瞬く間に過ぎ去ってしまった。
時間の過ぎるのって、本当に早いコトだ。

そうしたいつもの生活の中。
ただ、なんでもない日常の中。
私の、一番好きな毎日…。
どうか、ずっとこのままで…。
…なーんてね。

597ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/22 23:20 ID:BHboH7mV

各寮には、巨大なクリスマスツリーが立っていて、
赤や黄色や緑などの色とりどりの装飾が施されている。
どこを歩いていても、鮮やかなツリーを見かけるコトができて、
「みんなハリきってるなぁ」という気分になってくる。
私たちも、当然、頑張って飾り付けをした。

「カオリ、ツリーの設計してみたの」
食卓にみんなが集まるなり、圭織先輩は小さなメモを広げた。
「どれどれ?」
テーブルの上に広げられた紙を、ひょいっとひとみ先輩が取り上げる。
そして、しばらく「ふむふむ」と言った後、微妙な表情で肩をすくめてみせた。
「いいんじゃない?」
「そうでしょォ〜♪さすが、ひとみちゃんってばわかってるぅ〜」
圭織先輩が素で喜んで見せると、私の右隣であいぼんが呟いた。
「…お世辞やっちゅーねん…」
その言葉が聞こえたのか、ののちゃんが今度は大きい声で叫んだ。
「お世辞れすよ!!!」
「のの!?お世辞なんて言ったのは!?」
その言葉にキレた圭織先輩、イスから立ち上がった。
大きな瞳がさらに大きく開かれ、怒気を孕んでいた。
ついでに、立った時の勢いで、イスがバタンと倒れた。
ひぇぇ…恐いッ!
ガンつけられた、ののちゃんは、「ひぃっ」と小さく怯えると、
左隣の席のあいぼんにしがみついていた。
598ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/22 23:20 ID:BHboH7mV

「ののじゃ、ないれすよ…あいぼんが…」
「んなっ!?ウチのせい!?」
あいぼんがイスから立ちあがり、ののちゃんの腕を振り払った。
立ちあがった時に、彼女のイスもパタンと倒れた。
「のの、あいぼんのマネしたんれすよ!」
「コラ、のの!余計なコト…」
ののちゃんの口を、あいぼんが必死になって塞ぎこもうとする。
けれど、その両手を上から掴まれてしまった。
あいぼんから見れば、巨人のように見えるのだろう。
…その視点の先にいたのは…圭織先輩だった。
鬼ババのように殺気立った顔で、あいぼんの両手を掴んでいる。
そして時々、「カオリ、オコル、カオリ、オコル」と繰り返していた。
「ちょ…ちょっと!!早ぅ、誰か止めて!」
命の危険すら感じたのでしょうか。
あいぼんは、マジで泣きそうな顔で喚いた。
「アハハハハ…」
モーニング荘は、今日も笑いの渦に巻き込まれていたのでした。
599ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/22 23:22 ID:BHboH7mV

从#~∀~#从<これから毎日、少しずつ更新するでぇ〜。

川 ゚〜 ゚)||<カオリ、随分久しぶりに出た気がするんだけど。

从#~∀~#从<ワガママ言うなぁ〜。裕ちゃんなんか、まだ出てないぞォ。

600ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/22 23:23 ID:BHboH7mV

从‘ 。‘从<ageちゃうわよォ。
       っていうか、あややの出番まだですかぁ?
601ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/24 21:38 ID:4bhcwkN4

「はぁ…寒い」
ベッドに寝転んだあさ美ちゃんが、小さくため息をついた。
「どーしたの?」
「んっと…。こう寒いと、北海道を思い出します」
「ああ…そっかぁ。北海道だったら、毎日雪だもんね」
「はい…」
こっちでは、まだ雪は降っていない。
私の地元でも、きっとまだ雪は降ってないんだろうな。
「ハァ…」
あらら…?珍しく、沈んでる…。
もしかして、北海道が恋しくなったのかな?
それとも、いつだか話してたけど、悲しいコトでも思い出したのかな…。
しばらくそっとするために、私は静かに部屋を出た。
あさ美ちゃんは、それにも気付かないように窓に手をあててボーっとしていた。
602ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/24 21:38 ID:4bhcwkN4

廊下に出ると、隣の部屋から、騒がしい声が聞こえる。
まあ、それはいつものコトだけど…。
今日はより一層、騒がしかった。
少しだけ開いてるドアから、覗きこんでみた。
メチャメチャに部屋を散らかした、あいぼんとののちゃんがいた。
「ののォ。ちゃんと厚着持ってかないとあかんで」
「わかってるれす。あいぼんの実家に行くのはひさしぶりれす」
「えーから、手を止めんでシタクせんかい!」
どうやら、帰郷の準備を進めてるみたい。
クリスマスが終わったら、ののちゃんはあいぼんの実家に行くって言ってたもんね。
そこでお正月を過ごしたら、今度はあいぼんがののちゃんの実家に行くって。
ホントに2人は、仲が良いなぁ…。
私は、微笑みながら静かにドアから離れた。
603ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/24 21:39 ID:4bhcwkN4

下に降りると、梨華先輩とひとみ先輩と真希先輩が揃っていた。
さすがに3人揃うと、華が勢ぞろいっていうカンジ…。
はぁ〜〜〜。これ見れるだけで、すっごい幸せ〜…。
珍しく3人して、何やら討論をしているみたい。
話に加わるのは…。やめとこう…。
そのまま、回れ右して後ろを振り返り、再び階段を上った。

12段目くらいまで上がった時に、奥の方から声が聞こえてきた。
「あ、……うん……」
あ、マコちゃんの声だ。
何だろ…。
階段の途中から、壁に隠れるようにしてその様子を眺めた。
電話中…かな?
ケータイを右手に持って、嬉しそうな顔で話してる。
「うん。じゃあ、年末には帰るね。うん…じゃあ」
あ…。お母さんと電話してたのか。
…お母さん、かぁ…。

私は、そのままマコちゃんと顔も合わさずに部屋に戻った。
604ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/24 21:40 ID:4bhcwkN4

(〜^◇^)<センタメンタル矢口向き!

ヽ^∀^;ノ<なんだそれ。
605名無し募集中。。。:02/10/25 00:16 ID:z1BEiEOJ
どっちも交信乙彼です。
606名無し募集中。。。 :02/10/25 14:04 ID:KnrHlDDA
ごっつぁむは男だったのか。ずっと女子高s(ry
607名無し募集中。。。:02/10/25 23:06 ID:Z6RMkhMH
>>606
確かにそれっぽいが(w
ごっつむさんに失礼やろ(w
608名無し募集中。。。:02/10/25 23:37 ID:NZJB9onY
前作時に男と言ってなかったっけ?
609名無し募集中。。。:02/10/27 22:39 ID:j/fgPy8l
はひふへほぜん
610名無し募集中。。。:02/10/28 23:04 ID:sNWuvpIa
ほじぇん
611ちゃん:02/10/29 02:09 ID:QhQq9ecM
楽しく読ましてもらいました☆ののこん目立っていて うれしいです♪でもなっちをもっと活躍さしてください♪
612ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/29 02:49 ID:TIi2Q+fH

もうすぐ冬休みか…。
また、夏休みみたく寂しい冬休みを送るのかな。
みんな、実家に戻っちゃうんだろうなぁ。
あさ美ちゃんと二人かな、きっと。

…みんな、羨ましいなぁ…。

ベッドの中、毛布にくるまってそんなコトを考えた。
私、何かちょっとブルー入ってるかも。
楽しそうに、帰宅の準備を進める人たち。
それに、お母さんと電話してる人…。

いいなぁ、羨ましいなぁ…。
帰るべき所があるのって…。

うとうとしながら、私はそんなコトを思っていました。
613ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/29 02:50 ID:TIi2Q+fH

翌日、休み時間。
机に突っ伏して、ボケーっとしてるとミカちゃんが話しかけてきた。
「愛チャン!」
「ミカちゃん?どしたの?」
「ワタシネ、この冬休みに、ヒサシブリにハワイ帰るのヨ!」
あ、そっか。
ミカちゃんって、ハワイに住んでたんだもんね。
いいなあ、ハワイに留学なんて。
「オミヤゲ、何がイイ?」
「お土産?…う〜ん。何でもいいよ」
「OK!じゃあ、ミカのセンスで決めるネ」
「うん」
「じゃ、ワタシ、他のトコにも行かなキャ」
「わかった、また後でね」
ミカちゃんが去った後で、またもや私はブルー入っていた。
…いいなぁ。
614ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/29 02:53 ID:TIi2Q+fH

「オホホホホッ。高橋さぁん」
あぁ〜…うっさいのが来た。
耳元で、でかい声出さないでよ、ホント。
「冬休みの予定とかぁ、もしかしてないんじゃないのォ!?」
「いやだ、亜弥さんってばぁ。いくら高橋さんだからって」
「ねぇ〜!?」
「ねぇ!!」
クソうっさい。
バカ亜弥と取り巻きたちは、私の席の後ろでゴチャゴチャ言っていた。
でも、別に気にしないもん。
「私ィ、今年の冬はグァムで過ごそうかしらねー」
「亜弥さん、素敵ですぅ」
亜弥がいちいち喋るたびに、取り巻き三人が褒めるからうるささは勢いを増している。
ホント、いちいちそんなコト言いに来なくたって、いいじゃんよ。
…ハァ〜。

その日からしばらくは、ブルーなままで何日か過ごしてしまった。
615ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/29 03:23 ID:TIi2Q+fH

何故か書き込めなかった…。
えーっと、更新遅れて申し訳ないです〜。
今週中には終わる予定です。
616ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/29 03:29 ID:TIi2Q+fH

>>605
どうもです。えーっと、これみよがしに宣伝をば…(w

(●´ー`●)<なちこんの作品解説もあるべさ。↓で読めるべさ。
http://m-seek.on.arena.ne.jp/cgi-bin/read.cgi/green/1032707925/

>>606
男です(w
女子高生!?どこからそんな噂が(爆
でも、女子高生だったら多分ギャル。

>>607
複雑です。。。

>>608
言ったような言ってないような…。とりあえず、男子です。

>>609 >>610
もしよろしかったら、感想もお待ちしてますよ〜

>>611
ありがとうございます。
えーっと、なっちはですねぇ…。あんまり登場してませんね(泣
つーか、キャラの書き分けが(ry

次回更新をお楽しみに。
617名無し募集中。。。:02/10/29 05:24 ID:sHMNbUI8
糞意味ねえ話
618ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/29 10:16 ID:TIi2Q+fH

どーも、作者です。
>>617さん。
えーっと…。その辺は作者が一番わかってますので。。。
でも、ちゃんと完結させたいので。
荒れるような発言は控えて下さいね♪
つまらなければ、放置でお願いします。
619ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/29 21:36 ID:TIi2Q+fH

今回の更新でラストです。
620ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/29 21:37 ID:TIi2Q+fH

「2〜クリスマス会の後で〜」

そうこうしてるうちに、テストが終わって冬休みが来てしまった。
とうとう、明日はクリスマスイブ。
この、学園内全体のクリスマスムードも真っ盛りになってきた。
あちこちから、クリスマスの歌が聞こえてきたりもする。

私たち、合唱部もだ。
明日の全校クリスマス会では、「ジングルベル」のアカペラに兆戦する。
すでに部長交代を終えて、今は二年の藤本さんが部長なんだけど。
三年で前部長の真里先輩と、前副部長の紗耶香先輩も、
合唱部での最後の舞台として、頑張って練習していた。
…当然、あのバカ亜弥も。
だけどねー…。
よく考えたら、合唱部での思い出ってあんまりないんだよなぁ。
そんなに練習自体、運動部と違って毎日じゃないし。
大会とか、そういうのもないし。
文化祭もこの学園はないから、このクリスマス会くらいでしか活躍がないの。
…だからこそ、気合入れて、みんな頑張ってるんだけどね。
バカ亜弥はウザイけど。
621ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/29 21:38 ID:TIi2Q+fH

寮に戻ると、あっちこちで明日の準備が始まっていた。
中等部組は飾りつけ担当、
真希先輩とひとみ先輩、梨華先輩は料理担当。
他の先輩はまだ帰ってなかったけど。

「愛ちゃ〜ん、ボンド持ってきてちょ」
「はいはい」
声のした方に、とてとてと向かう。

「んあ〜…。愛ちゃ〜ん、ちゃっとお鍋見てて〜」
「はいは〜い」

「愛さん、ちょっと手が離せないんで、コレ片付けてもらっていいですか?」
「はいはい」

「愛ちゃん、しんちょー届かないからこれつけてほしいれす」
「はいはい」

もう、上へ下への大騒ぎ。
あっちへ行ったりこっちへ行ったり…。

だから、準備が終わった時はちょっと感動した。
622ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/29 21:39 ID:TIi2Q+fH

いつもは外に飾りつけてある、『モーニング荘』の看板。
あちこちに折り紙で作った輪っかが飾られて、
赤や緑のライトがたくさん点けられた。
ケーキや明日のための料理もすでに仕込み中。
後は、明日を待つばかりだ。

「愛ちゃん、明日は楽しもうね」
「愛さん、明日は楽しみましょうね」
寝る直前に、あさ美ちゃんとマコちゃんの二人に同じコトを言われて、
そのまま眠りに就いた。
明日は、クリスマスイブ。
楽しみだなぁ〜。

クリスマス会は、予想外の大騒ぎだった。
なんと、今年は広場を使っての大ガーデンパーティー。
すっごいったらありゃしない!
あっちこちに幾多ものテーブルが用意されて、
シャンパンやらケーキやらローストチキンやらが山盛りになっていた。
そこで、生徒会長の梨華先輩が最初の挨拶をしていた。
「あッ…アッ。あの…メ、メリークリスマス!」
623ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/29 21:39 ID:TIi2Q+fH

テーブルの席順はクラスごとだったので、
私は、合唱部の発表までみんなのところに回るコトにした。
ミカちゃんが「一緒に行こうカ?」と聞いてくれたけど、
ミカちゃんも都合があるだろうので丁重にお断りした。

まずは、大学生組から。
いるかな〜…と思ったら、すぐに見つけた。
すでに宴会場と化している、大学生ゾーン。
ほろ酔い気分の先輩たちに囲まれて大変だったけど、
目的の三人は一緒にいてくれた。

「ほれ、イッキイッキイッキ!!!」
「オラアァァ〜〜!!!」
圭織先輩の掛け声で、シャンパンをラッパ飲みでイッキする圭先輩…。
なんか、絵になりすぎてて恐い。
「アハハ。圭ちゃんは面白いべさ」
ほんのり赤くなった顔で、なつみ先輩も始終ニコニコしていた。
「せんぱ〜い」
「アハハ、愛ちゃんだべ」
「愛ちゃぁ〜ん。どーしたのさぁ?」
「あ、いえ。先輩たちに会いに…」
「えっ!?カオリに会いに!?」
そ、そんなコト言ってないッ…。
「ほらほらぁ、飲んだ飲んだぁ♪」
「オラァァァァ〜〜!!!!!」
・・・・・・。
とりあえず、暴走している先輩たちを置いて、私はダッシュで逃げましたとさ。
624ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/29 21:40 ID:TIi2Q+fH

次は、華の二年生トリオ。
多分、人だかりができてて会うの困難だろうなぁ。
…案の定、三人とも見つからなかった。
残念。

「あ〜。愛ちゃんや」
「愛ちゃんれす」
「やっほ〜」
あいぼんとののちゃん。
今日も仲良し。
ケーキを目の前にして、二人で大食い選手権をしていた。
ののちゃんが、少し優勢か。
あいぼんは、私の方に顔を向けたのに、
ののちゃんはまだケーキに夢中のままだった。
アハハ…。顔中、クリームだらけだ。
「本当に二人は仲が良いねぇ♪」
「当ったり前やで〜。なあ、のの」
「がってんれす!あいぼん」
うんうん、仲良きことは美しき。
これからも、仲良くしたまえ。
「じゃあ、私次のとこに行くね」
「じゃ、またあとでな〜」
「れす〜」
625ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/29 21:41 ID:TIi2Q+fH

マコちゃんとあさ美ちゃんは見つからなかったけれど、
ポツン、と一人寂しそうにしている里沙ちゃんを見つけた。
「里沙ちゃん」
「ワッ!?な、なんだ、愛ちゃん…」
「どーしたの?一人で…」
私は、今自分で言ったコトを少し後悔した。
里沙ちゃんが、うつむいて神妙な顔つきになってしまったからだ。
プライドの高い里沙ちゃんだもの、きっと傷ついたよね?
「あ、えっと…」
「別に、何でもないよ。ただ、ケーキが不味くて具合悪くなっただけだもん」
「…ハ、ハァ…」
「だいたいね、こんな甘ったるいケーキ食べれないのよね。
 味も貧相だしさぁ。もっと上品で高級なケーキが…(略)」
あーーーーー。
心配して、損した。
次行こ、次。
626ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/29 21:42 ID:TIi2Q+fH

「あ、いたいた」
今度は、逆に話しかけられた。
真里先輩だ。
「アレッ?もしかして、もうそんな時間ですか?」
「そーだよ。あと愛ちゃんだけだよ!早く準備して!」
しまったぁ…。
もう、合唱部の歌の時間かぁ。
あっちこっち回るのに夢中で、気付かなかったよ…。
見ると、真里先輩は額に汗までかいている。
「ゴ、ゴメンなさい!行きましょう!!」
「へいへい」
私は、合唱部の控え室へと向かった。
627ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/29 21:42 ID:TIi2Q+fH

ジングルベル、ジングルベル
鈴が鳴る〜♪

「今日の愛さん、張切ってますねぇ」
「一生懸命、練習してたみたいだしね」
「ふん。ぜんっぜん上手くなんかないもん」

「ほら見て、なっち。矢口と紗耶香も頑張ってるよ」
「ほんとだべさ。愛ちゃんも、一生懸命歌ってるべさ」
「宇宙の心みたいだね」

「ほら、のの。食べてばっかいないで、歌聴け」
「歌??」

「んあ…。何か、歌…聞こえない?」
「歌ってるよ〜。合唱部」
「真希ィ、お前今までどこにいたのさ」
628ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/29 21:43 ID:TIi2Q+fH

今日は楽しいクリスマス♪

「なんかこう〜暖かくなりますね」
「ホント。なかなかやるね、愛ちゃん」
「ぜんっぜん上手くないけどね」

ジングルベル、ジングルベル♪

「圭ちゃんも、合唱部で歌ったよね。昔」
「そうだねー。懐かしいねぇ…」
「宇宙の神秘みたいよね」

ジングルベル、ジングルベル♪

「のの、ほら。見てみィ。みんなええ顔しとるで」
「ケーキがあれば、ののだっていい顔れすよ」

ジングルベル、ジングルベル♪

「眠くなる…」
「おい、真希。こんなトコで寝るな。アホ」
「ひ、ひとみちゃん…真希ちゃん、怒ってるよ…」

今日は楽しいク・リ・ス・マ・ス〜〜〜〜♪

629ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/29 21:44 ID:TIi2Q+fH

・・・・・・。
精一杯歌った!
頑張った!
歌い終わった後、合唱部みんなしてボロボロ泣いちゃったんだから。
それこそ、あの亜弥すらも。
とにかく、大成功!
いいクリスマスがきっと来ると思うな。
うん、絶対そう!!
メリークリスマス!!!!

「お疲れ〜!」
「みんな、よくやったじゃん!!」
「ホントですぅ。誰かさんも、足引っ張らなかったしィ」
ブリブリな口調で、亜弥が先輩たちに媚びた。
それを制しようと、私は身を乗り出して反論する。
「ちょっと亜弥!?あんただけには言われたく…」
ちょうど、その時。

『あー。クリスマス会の途中で失礼やけど。
 高等部1年、高橋愛。至急、学園長室まで来なさい』

えええええ〜〜〜〜!!!?
「な、な、何!?何でぇぇ!?」
騒然としている周りと、嘲笑う亜弥を後に、私は学園長室までダッシュした。
な、何でなの〜!?
私、何かしたっけ〜〜〜!!!!?
630ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/29 21:44 ID:TIi2Q+fH

「3〜突然〜」

学園長室の前で、私と寺田学園長が向き合っていた。
私の丁度真後ろに、裕子先生もいる。
何?何なの、この緊迫したムード…。
「早速やけどな。高橋」
「は、はい」
「今すぐ帰宅の準備してくれ」
「え!?」
私は、普段「ビックリ顔」とか言われるけど、
それを更にヒドクしたようなビックリ顔で驚いてしまった。
帰宅?
どこに?
「実はな。お前のおばあさまが、病気で倒れたらしいんや」
学園長はさらりと言ったけれど…、私は一瞬頭が真っ白になった。
おばあさまが…倒れた?嘘…?
あの、強情でワガママで、趣味が悪くて、性格も悪いおばあさまが?
殺しても死なないようなおばあさまが?
マジデ、デジマ、マジデジマ???
631ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/29 21:45 ID:TIi2Q+fH

「高橋ィ、高橋…」
「はっ…!?」
あまりに突然だったから、ビックリして脳みそ吹っ飛んじゃってたみたい。
でも、でも…。
おばあさまが倒れたって、ありえない。
「とにかく、すぐに準備してきなさい」
「私が、麓の駅まで送るから」
学園長先生と、裕子先生に押し出されるように学園長室を出た。
ワケもわからないまま。
ど、どうなってるの!??

数十分後、とりあえず一日分の着替えを持った私は、
裕子先生の青いスポーツカーの隣に座っていた。
どうなってるの?
おばあさまが、倒れたなんて…。

632ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/29 21:46 ID:TIi2Q+fH

翌日の昼。
私は、おばあさまの病室に居た。
約半年振りくらいに見るおばあさまは、ひどくやせ細っていて、
今は衰弱して眠りについていた。

おばあさまの病名。
それくらい、私でも知ってた。
───ガン───。
しかも、末期の。
発病してから、発見されるまでがかなり遅かったから、
いつ死んでもおかしくない容態らしかった。

……。
何よ。
悲しくなんて、ないよ。
大嫌いだもん、こんなババアなんか。
私に関係ないじゃん…。
……。
だってさ、だってさぁ。
この人、私のコト、いつもバカにしてたじゃん。
「小娘が、小娘が…」って。
それに、小さい時の記憶だと…。
お母さんのコト、「庶民風情のくせに」ってぶってたじゃん。
そうだよ、大ッ嫌いだよ。
こんな人。
人間の、クズとすら思ってたもん。

633ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/29 21:46 ID:TIi2Q+fH

それなのに、なんで?

悲しくなんかないのに、なんで?
なんで、どーして涙なんか出るんだろ。
大っ嫌いだったじゃない。
憎んでたじゃない。
なのに、どーして?
全然、わかんないよ…。

こうして病院で、一人で泣くのはこれが初めてじゃない。
…お父さんと、お母さんが死んだ時に似てる。
突然死んだ、両親。
私から、今までの毎日を奪ったおばあさま。
でも、その代わりに、とても大好きな毎日をくれた。

いつぞや、幽霊の人に出会った時に言ってたっけ。
本当は、優しい人だって。
……。
そんなの、わかんないよ…。
全然、わかんないよッ!!!

私は一人、おばあさまの疲れ果てた寝顔を見て、
自問自答を繰り返すばっかりだった…。
634ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/29 21:47 ID:TIi2Q+fH

意識を取り戻したおばあさまだったけど、
咳込んだりすると、すぐに呼吸困難になったりする。
本当に、一緒に見てて危なっかしかった。
一日中付き添ってないと、いつ逝ってしまうか解らないくらいに
ひどい容態になっているそうだった。
なんだか、特別な病室に入れられて、
私も手術だかなんだかで使うような、シーツみたいな服を着せられた。


「…愛…?」
「はい。ここにいます、おばあさま」
しわくちゃな、小さな手。
変なの。おばあさまの手って、こんなに小さかったんだ。
もっと、魔女みたいに大きくて、ゴツゴツした手だと思ってたよ。
その手で、私の手を握り締めた。
極々、小さな、小さな力で…。

635ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/29 21:48 ID:TIi2Q+fH

「愛…ごめんなさい…ね」
「何が、ですか?」
弱々しいおばあさまの言葉。
初めて、あのおばあさまが謝った。
「あなたの…事…どうしていいか、わからなかった…」
「……」
「だから…。遠ざけて、しまった」
「……いいんです。わかってます」
「そう…。あなたは、良い子だわ…」
おばあさまは、それだけ言うと、また深く目を閉じた。
握り締めた手は、いつまでも離そうとしないまま。
636ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/29 21:49 ID:TIi2Q+fH

私は、自然と悟っていた。
ああ、人間が死ぬ時って、こういう感じなんだなって。

だから、別にね。
悲しかったけど、驚きはしなかった。

その夜遅く。
おばあさまは、亡くなった───。
637ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/29 21:49 ID:TIi2Q+fH

「4〜サヨナラの予感〜」

おばあさまが亡くなって、二週間程。
ちょうどお正月真っ只中だったので、親戚一同は、
新年の挨拶ではなく、お葬式のために集まった。
見たこともないような親戚の人がたくさんいたり、
おばあさまと同世代のような人もたくさんいた。
そういえば、政治家の人も来てたみたいだった。
私は特に何もすることはなく、ただボーっとしていた。

いきなり、死ななくたっていいじゃない…。

本音を出すと、きっと誰かに怒られたでしょうね。
けど、これが正直な気持ちだった。

別に、おばあさまを好きになったワケじゃない。
だけど、たった一人の肉親だもの。
もう少し、生きて欲しかったよ。
それが例え、大ッ嫌いだったおばあさまでも。

もう大変過ぎて、私が学園に戻った頃には、
三学期がすでに始まっていた。

638ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/29 21:50 ID:TIi2Q+fH

「愛ちゃん…」
「愛さん…」
みんなが、私を励ました。
だけど、ちょっとそれは痛かった。

ここに来る前日に、言われた。
親戚の、おばあさまに一番親しかったおじさんかな?
「君が望めば、元にいた場所に戻る事もできる」
ってね。
元にいた場所…。
本当は行きたかった高校とか…。
ずーっと一緒にいた友達とか…。

悩んだ。
すっごく。
そりゃあね、戻れるならすぐに戻りたいって。
だけど…。
今は、この生活があるから…。
639ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/29 21:51 ID:TIi2Q+fH

「あの〜…愛さん」
はぁ…。
「愛さん」
はぁ〜〜…。
「愛さんってば!!」
「え?」
「またボーっとして…。体に良くないですよ」
「あ、うん…」
あんまりにもボーっとしてたから、呼ばれてるの、わからなかった…。

「ねえ愛さん」
「ん?」
「…もしかして、実家に帰る…んですか?」
「へ!?」
私は、驚いてあさ美ちゃんの顔を見つめた。
な、何でわかるんだろ!?
「ど、どうしてそう思うの?」
「…なんとなく」
ポツリ、とつぶやいたあさ美ちゃんは遠い目をしていた。
だけど、こっちに向き直ると、まっすぐに私を見た。
「愛さん。責めたりなんかしませんよ」
「え?」
それだけ言うと、あさ美ちゃんは部屋から出て行ってしまった。
ちょっと〜。あさ美ちゃぁ〜〜〜ん…。
640ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/29 21:52 ID:TIi2Q+fH

あさ美ちゃんが出て行ってすぐに、マコちゃんが入ってきた。
血相抱えて、目が血走っている。
「愛ちゃんッッッ」
「な、何?どしたの…」
その言葉が、終わるか終わらないかのうちに、
マコちゃんに問い詰められた。
「出てくの!?」
「え!?」
「出てくって、ホント!?」
「え…あ…」
「嘘でしょ!?」
「……ん……。まだ、悩んでる」
嘘ついても無駄だと悟った私は、正直にそう伝えた。
その言葉を聞くと、マコちゃんは今度は肩を落とした。
「…そっかぁ。ううん。愛ちゃんが決めるコトだよね。
 私は、寂しいけど、愛ちゃんのしたいようにしたらいいと思うよ」
マコちゃんはそう言うと、あさ美ちゃんと同じように
何も聞かずに去ってしまった。
641ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/29 21:53 ID:TIi2Q+fH

「愛ちゃん」
「里沙ちゃん」
珍しい…と思ったけれど、里沙ちゃんも話を聞いたのかな?
「里沙ね、別に愛ちゃんがいなくなっても寂しくともなんともないけど。
 やりたいようにやればいいと思うもん。じゃね」
相変わらず、ワケのわかんないコだな。
けなしてるのか、慰めてるのか〜…。
でも、ありがたかった。

他のみんなも、続々と話しを聞きつけて私のところへやってきた。

「愛ちゃん、チャンスを逃したらあかんでぇ!」
うん、わかったよ。あいぼん。

「ののは、食べたい物を食べるのれす」
うん、そうだね。したいようにしろってことだね。ののちゃん。

「いつだって、ポジティブポジティブ!!」
梨華先輩は、いつもそればっかりだなぁ〜。

「別に、今生の別れじゃないだろ?
 また来たくなったら、来ればいい話じゃんなぁ」
アハハ。ひとみ先輩、相変わらずサッパリしてますね。
642ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/29 21:55 ID:TIi2Q+fH

「さびしいけど〜…ごーまいうぇいだよ」
真希先輩、またまたそれはアバウトですね〜。

「キャハハ!!だいじょぶだいじょぶ!」
真里先輩、何が大丈夫なんスかぁ〜…?

「うん。月並みな言葉だけど。
 愛ちゃんのやりたいようにすればいいと思うよ」
いつも冷静ですね、紗耶香先輩は。

「なっちももうすぐ、卒業だべさぁ〜。
 みんな、仲間だべさ」
なつみ先輩…。ありがとうございます。

「出会いとは、宇宙の───」
カオリサマハ、エライエライエライ…。

「あ〜〜!!そう言えば、アタシももう卒業じゃないの!!
 すっかり忘れてた!!」
圭先輩…。飲んでばっかりいるからですよ。

「寂しくなるなぁ。でも、高橋のしたいようにすればええで」
裕子先生。もう出ていくの決定したみたいに言わないでくださ〜い。

「寂しくなるヨー。ワタシたち、友達だヨ?」
ミカちゃん。友達だよね。

「ふん。あんたなんかいなくても、寂しくともなんともないもの」
強がるなってば。ホントは寂しいくせに。
あんたとは、いつか決着つけるよ。亜弥。
643ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/29 21:55 ID:TIi2Q+fH

その日、私は退学を申し出た。

それからしばらく、またごたごたが続いた。
編入試験を受けに行ったり、
久しぶりの我が家の引越しの準備をしたり。
気がついたら、明日は退寮の日だった。

ここに来てから、約一年。
短い間だったけど、色々あった。
…色々…。
忘れないよ。
忘れない。
いつまでも、いつまでも…。

「バイバイ」
644ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/29 21:56 ID:TIi2Q+fH

「LAST PEACE」

元気ですか、愛さん。
こっちはみんな元気にやってます。
こないだ、圭先輩の卒業式でした。
なんでも、音楽スクールの講師になるらしいですよ。
圭先輩ったら、ボロボロ泣きまくっちゃって凄かったんです。
その後で、大宴会になって…(笑)
ののちゃんとあいぼんが、間違ってお酒飲んでしまって。
みんな大暴れでした。

愛さんは、どうですか?
一人暮らしは慣れましたか?

いつだって、遊びに来てくださいね。

あ、そうそう。
松浦先輩が、愛さんのコトでいつもグチグチ言って来ます。
だからこないだ、「愛さんが忘れられないんですね」って言いました。
顔真っ赤にしてましたけど(笑)

あ、そうだ。
春休み、麻琴さんと一緒に愛さんの家に遊びにいこうって
言ってたんです。
そしたら、みんなが便乗しちゃって…。
結局、みんなで行くことになりそうです(笑)

それでは、また手紙書きますね。
                      あさ美ヨリ。
645ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/29 21:56 ID:TIi2Q+fH




・・・・・・。
忘れないよ、いつまでも。
「THE☆PEACE!!」
                ───おしまい。───



646ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/29 21:58 ID:TIi2Q+fH
( ´D`)ノ<無事に終わったれす。
( ´ Д `)<しかし、なんとも言えない作品だよ。こりゃ。
(〜^◇^)<それは言わない約束だよぉ、キャハハハハ。
(●´ー`●)<なっちの出番、ほとんどなかったべさ。
(O^〜^O)<オイラのキャラも中途ハンパだったなぁ。
川 ゜〜 ゜)||<カオリなんか、最初と最後しか出てないんだけど。
ヽ^∀^ノ<私なんか、意味あるの?
从#~∀~#从<担任役ってなんやねん!!
( `.∀´)<年長組って、実はいらなかったんじゃ…。
@ノハ@
(‘д‘)<……。(うちは案外目立ったからいいや)
(ё)v-~~~<ニィニィのあのキャラは何?
( ^▽^)<私も、序盤しか出てない気が…。
∬´▽`)<可もなく、不可もなくかな。
      スタッフロールとかで流れる主要度だと、三番目くらいね。
川о・-・)ノ<この作品、私が主人公だったんですよ。
        愛ちゃん視点なだけで。

川’ー’川<主人公だけど、陰薄かったやよ〜。まあ、とにかく…。
        終わったぁぁぁ〜〜!!!!!

647ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/29 22:01 ID:TIi2Q+fH

◎作者あとがき〜戯言〜◎

無事に完結できて、何よりでした。
正直、自分なりにあまり納得できない作品になってしまいましたね。。。
山も谷もない、平坦な話になってしまい残念です。

元々、前作が処女作でミステリーというとんでもない事をしてしまったので、
「今度はほのぼの系だぁ!!」と、勢いで始めてしまったのが元です。

学園ものというのは、やっぱり難しかったです。
自分の筆力のなさを実感しました。
中途半端な扱いのキャラが多いし、何一つテーマがないんです(汗
でも、ラストは絶対これで終わらせようと決めていました。
何度か、「面白くない」「意味がない」という意見をいただきましたが、
まさにその通りです。
作者自身、一番わかっておりました。
何度も何度も、この作品を諦めようとしました。
反省…。
いつか、リベンジしたいと思います。
完全盤ってとこですか(w

しばらくは「I WISH」を更新しつつ、
受験が終わったらまた小説は書き続けたいと思います。

こんな拙い作品でも、応援して下さった皆様。
本当にありがとうございました。
きちんと「終わり」にする事ができて、本当に良かったです。
どうも、ありがとうございました。
648ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/29 22:02 ID:TIi2Q+fH
今日の更新は>>620からです。
649蠍座の作家より。:02/10/30 00:17 ID:1w7ga9AQ
ごっつぁむさん、お疲れさまでした!
実は初レスなのですが、始まった当初からいつも楽しみにしていました。
前作とはまた違った作風で、それがまたなんともいえずほのぼの系で・・・。
受験が終わったら、また違った作品を読ませてくださいね。
このまま小説を書き続ければ、それなりにいい作家になれると思いますよ。
個人的には今作の後日談(紺野メイン)が読みたいですね。

高橋主人公の小説はめったにないので、愛ヲタとしてはいつも更新が心待ちでした。
これからまた改めて最初から読むつもりです。いつ消えるかわからないから、印刷しちゃおうかな。

お疲れさまでした!
そして、受験頑張って!
650名無し募集中。。。:02/10/30 00:25 ID:yvdg64ml
感想2番目ゲトー
前作から読んでます
ご脱稿、おめでとうございます、お疲れサマでした

マターリ系の話は大好きなのでこの作品が好きでしたよ
不充分、まだまだ・・という部分はあると思いますが、
それはこれからだと思います。まだ若いですしね(w
自分は個人的には、あいぼんとののの回が好きでしたね
おっ・・と思わせる演出でした

「I WISH」の更新、それから新作期待しています!
後日談も是非読みたいです!

とにかく、オツーでした
651名無し募集中。。。:02/10/30 03:02 ID:EVFfxQNK
3番(?)ゲトー
長い間、お疲れさまでした。

フツーの学園モノの場合、実際の季節に合わせたネタを
その都度こまめに出して行ければ良いのでしょうが、
まぁ、人それぞれ事情があるでしょうから難しいっすね。

それから、これだけ多くの人物を登場させるからには
それぞれを掘り下げた大作にならざるを得ないかな、と。
その点では I wish くらいの絞り方が書きやすいんでしょうね。

I wish もそうですけど、ごっつぁむさんの書かれる
サスペンスやSF、エロ抜きのマターリあまあま系、漏れは好きっす。
今後も読み続けて逝きますんで、ガンガレ!
652名無し募集中。。。:02/10/30 12:37 ID:bv/tUDnV
脱稿お疲れさまでした。

「山も谷もない」それこそがマターリじゃないですか。
マターリ昼ドラのような小波乱の連続が好きな人いっぱいいますよ。

受験がんがってくらさい。来春を楽しみにしてます。
はよ、帰ってきてよ。
653AYAYA ◆xoAYAYA/l6 :02/10/30 16:23 ID:YFuJdm0G
ほんまにおつかれっす
654ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/10/31 00:55 ID:eHRIiB4s

どもー。感想ありがとうございます。
後日談ですか・・・。
最初は考えてたんですけどねぇ。
時間の許せる限りで、書くかも知れないです(汗

小説は書き続けますので、これからもよろしくです。
655名無し募集中。。。:02/11/02 23:14 ID:uTYo3gR1
うん。マターリしたよ
乙彼様でした

次回作も期待してます
656名無し募集中。。。:02/11/04 00:00 ID:H85AESGi
マターリな作品をありがとう。
せめて、あいこんだけでももっと深く書いてもらえると良かったかな。
次回作に期待ッス。
657ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/11/05 00:48 ID:I/izmw//

どもども。久々のごっつぁむです。
ということで、次回作情報。
今書いてる「I WISH」(緑板にて連載中!)が終了してから書きます。
ジャンルは〜〜〜。
サスペンス、学園モノ、ほのぼの…と来たので
ちょっと重めのファンタジーなんかを…。書いてみたいなぁ、などと。

と、その前に、短編も書く予定。
頑張って全部書きますー。
小説書いてる時間が本当に楽しいです。
658名無し募集中。。。:02/11/05 22:02 ID:zmpKt7+P
ところで、新作は何処で発表されるんですか?
短編ならこのスレで書いて(゜д゜)ホスィ
659名無し募集中。。。:02/11/06 00:45 ID:2XohveL8
>>657
次どこで書くかは、I wish 終わるまでにおせーてちょ(はぁと
660ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/11/06 02:18 ID:nyO0nBlq
短編はここで書こうかなーと思ってます。
短い話なんで。

新作はどこにしますかねー…。
ひ辻が好きなんで、新スレ立てて書くかもしれないです。
もしくはこのスレ使いきるか。
661名無し募集中。。。:02/11/06 23:59 ID:xM7YVotl
おもしろいやつ頼む
662名無し募集中。。。:02/11/07 05:54 ID:aQiJSdkb
たんぺんきたいぽ
663名無し募集中。。。:02/11/07 08:40 ID:vKQyxMx3
短編ってやっぱり、「I WISH」で放置されて暴れてる人が主演?
664名無し募集中。。。:02/11/07 23:20 ID:81hPAayD
>>663
そんな言い方はヒドイべさ!
665ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/11/08 00:45 ID:Q2OYybG9
ちょこっとレス。

>>661 できるだけがんばります。
>>662 もーすぐ書きます。
>>663 秘密です(w でも、残念ながらその人では…(ry
>>664 (●´ー`●)…。
666名無し募集中。。。:02/11/08 03:08 ID:ikM94+Hg
あ、ごっつぁむハケーン!
またしてもなっちはほーちですか?
まぁ、向こうのレスコーナーでの活躍に期待。
667名無し募集中。。。 :02/11/08 09:24 ID:POYteCBw
おもしろかたよ
え、これでおわり?と思ったけど
668名無し募集中。。。:02/11/10 06:47 ID:pwCKfdSA
ほぜーん
669名無し募集中。。。:02/11/10 06:48 ID:pwCKfdSA
うああああああ〜〜〜
ageちゃった・・・ごめんなさい
670名無し募集中。。。:02/11/10 07:07 ID:A+XXFcmr
>>669
おかげでこのスレハケーン(・∀・)イイ!
671名無し募集中。。。:02/11/12 00:52 ID:s5RfBmIy
とりあえず保全しとくか
672名無し募集中。。。:02/11/12 17:32 ID:s5RfBmIy
ごっつぁむごまかごスレで見たよごっつぁむ
673名無し募集中。。。:02/11/14 22:28 ID:QQs8AyCK
まだ保全
674名無し募集厨:02/11/15 23:42 ID:KlvYkjEe
ごっつぁむのファンになったので保田
675名無し募集中。。。:02/11/16 04:57 ID:5Df3knF6
保全を他人任せの糞野郎
何様だか
676名無し募集中。。。:02/11/16 09:12 ID:g4FJUUVc
ごっつぁむタンをバカにするなボケカス
やたらうざいのが一匹いるぞ
677名無し:02/11/17 15:46 ID:mAKW6cPl
黒いの書こうかと思ふ。
誰をイジメられ役にすればいい?
678名無し募集中。。。:02/11/17 20:15 ID:Cc1seFDK
>>677
書いてもいいが、ここで書くなよ。
679名無し募集中。。。:02/11/20 20:17 ID:w1sfOsIs
まだまだ保全しる!
680名無し募集中。。。:02/11/22 11:02 ID:r4gqtA+p
ごっつぁむさんがいない罠
681名無し募集中。。。:02/11/23 05:26 ID:AQQZXAcj
それでも保全ナッ
682名無し募集中。。。 :02/11/23 06:11 ID:vnFLBZ7x
もうやることないスレなんだったら素直にdat落ちさせて
HTML化を待った方がいいと思うが。

その方が一つのスレッドとして綺麗な終わり方だと思うよ
683名無し募集中。。。:02/11/26 10:24 ID:oIdoZ3sx
>>682
しかし、ごっつぁむさんはここで短編載せると言ってたぞ?
他で掲載するんなら、それでもいいけど。。。
684ごっつぁむ ◆ddUSDAplHQ :02/11/27 17:19 ID:MdbK9JNE
短編ここに載せるつもりだったんですが…。
「I WISH」の方がもうちょっと時間かかりそうなんで、
そっちが終わってから決めます〜。

このスレは終わらせてしまって構わないです。。。
保全していただいた方、ありがとうございました。
685名無し募集中。。。:02/12/03 02:39 ID:Y0W0nu0j
hozen
686ごっつぁむいじり
ごっつぁむ早く書けごっつぁむ